陽キャラ?登場
なにやら
そんな相談をしていたらジパン国から援助物資が到着した
「こっこれはどういう事でしょう」
「同盟国が民達の探査を行うと言うのに我々が何のしないわけには行きません」
「ジパン国には超能力者か預言者でもいるのでしょうか?」スタージナス
「いえいえ、まさか」親善大使
「ではなぜこれほど今我々が欲する物ばかり届けてくれたのでしょう?」
「本当にUSA国は遠慮深いですな。物資を送れと一言言ってくれれば
我々は諸手をあげて持参するのに・・・水くさいですぞ」
「答えになっていない気がするが・・・」
「野暮はやめましょう、我々は忍者の国・・・それだけで十分でしょう」大使
「それに今回はシン国、オストラリア国、等主要同盟国、傘下国全てが
全面協力すると約束を取り付けて参りましたので」大使
「恐ろしいほどの手回しの良さ・・・うーん」スタージナス
「なんでしょうその「うーん」って」大使ニコニコ笑ってる
「いや、これだけの物資見返りも無く只でくれるとは思えなくてな」
「いや、さすが元国王、外交のなんたるかを熟知してますな」大使
「元王というよりも見本市で経験した「あきんど」の血なんだが」スタージナス
「じれったいので本音を言ってくれ」スタージナス
「は、単刀直入でお願いがありここまで来た次第」大使
「はよ、申せ」
「実は我が情報網によるとUSAではなにやら海底ケーブルなるものの
開発に成功し実際この南極大陸で実用化を果たしたとのこと、今日は視察もかねて
手土産を持参したというわけです」大使
「恐ろしい事だな、わざわざこんな辺境の地にまで来るとは」
「国益の為なら綺麗事なんて言ってられませんから」大使
「うむ、その心意気は気に入ったが、我には裁量権などはない」
「ですから大王に取り次いで頂きたいと言う訳で」大使
「言っておくが技術部分は国家機密なのは了解じゃな?」
「当然でございます、我らはUSAから適切なビジネスをしたいだけです」
「まさかつい最近完成した技術が売り物になるとは夢にも思わなんだ」
「USAは物の価値について知らなすぎです。もっと世界に商売してください」
「む、世界を富ますのは我と大王の意思なのだが・・・まだ勉強不足か・・」
「ハッキリ言って需要に供給が追いついていない技術がUSAには山ほどあります
教えて欲しいとはいいません、売ってください」大使
「わかった、それでは今すぐ大王に打診してみるから一緒にやろう」
会議室のメインモニターのスイッチを入れると大画面からアスタージナスが
応答してくる。
「こんな時間に何用ですか?」アスタージナス
「突然で済まない実はかくかくしかじかでな」スタージナス
「なるほど、まさか同盟国がそこまで情報を掴んでいたとは思いませんでした
しかし、確かに大使の言うとおり全世界が富むのであれば許可するしかありませんね
詳細を詰める必要がありますがそれはウラアールに相談してください」
「まさか南極大陸で商談とは思ってもなかったわい」スタージナス
「残念だが大使、君は冬があけるまで帰国は出来ないぞ」スタージナス
「え、意味が分かりませんが」大使
「もうこの地は完全に冬入りしたから一歩も外に出れないという意味だ」
「しかし、城内はいたって快適ですが?」
「それも我が国の技術、結界から外に一歩でもでたら即死だ」
「ひえぇぇ」
「まあ、ここでノンビリしていくがいい、ここは寒い以外は何でも揃ってる
売り物になりそうな物を物色するのも任務だろうて」
「た、確かに」大使
「しかし、其方が持参してくれた聖水は大いに助かるよ。命の恩人だ」
「また、大げさな・・」
「いや、事実だ、実際聖水不足は深刻だった本当に助かったよ」
「話は違いますがこの居住モジュールは災害が多い我が国では必需品です」大使
「うむ、これもつい最近開発した物だが応用性は確かに高い」
「友好の印に居住モジュールのサンプルを無償提供しよう」スター^ジナス
「ま、まさか・・・」唖然とする大使
「いやなに、貴国産のお米に我が国は大喜びしてる、これ位のお礼では足りない
位だよ」スタージナス
「しかし米の件は我々も適正価格で販売してるわけでコチラの益にもなってます」
「いや、あの米の美味しさは全く適正価格とは言えない。安すぎる」
「とは申されても国内販売価格の3倍の値段設定なのですが・・・」大使
「其方は正直ものよな、普通値段など他国に言っては駄目だ」スタージナス
「いえいえ、嘘偽りは必ず露見します、正直こそがあきないの基本なのです」
「おお、其方とは気が合いそうだな、もう今日は会議は終わりじゃ飲もう」
「しかし、スタージナス様我はそんじょそこらの男とは違いますぞ。酒と聞いたら
誰にも負けません」大使
「スマン、我は大酒は飲めない。其方に任せる」パンパンと手を叩くスタージナス
「はいはい、ただいま」
「はあ?其方なぜここにいる?」
「なぜと申されても私もここに居残ると申したはずです」イーシャ
「あれ、そうだったかな?」
「とにかく今はメイドですので何なりとご用件承ります」イーシャ
「な、なんとこんな綺麗な女子は見た事がない、我の妻になってくれ」大使
「御免なさい私はすでにスタージナス様の側室ですので」謝るイーシャ
「ぬ、それは仕方が無い、では隣にいるメイド、名は名はなんともうす」大使
「はい、ネハと申しますが私もスタージナス様の側室です」
「で、ではこの美しい少女もスタージナス様の側室なのか?」
「いえ、私は大王の養子、スタージナス様の孫でございます」ゴブータ
「そ、そうだ居残って良いと許可したのはゴブータだけだったはず」スタージナス
「今更帰国なんて不可能ですから」イーシャ達
「それではゴブータ様を我が妻に頂きたく・・・」大使
「すまんな、ゴブータはUSAの次期大統領、絶対に手放せない」
「それにしてもスタージナス様は幸せ者ですな、これほどの美貌の側室が
4人もいるとは、正室のダーリャ様も負けず劣らずの美貌。いやはや恐れいりました」
「すまんのう、まだ紹介してない側室が本国に5人いるのだ」スタージナス
「げげげげげ・・・」大使の目が化け物を見る目に変わった
その日は、スタージナスの旅日記で大いに盛り上がった
確かにこの大使の酒豪ぶりは無双だった。つかスタージナス初めから
参戦してない。
「こんな感じで世界中を飛び回ってるお陰で未だに嫁もいません」
いつのまにか泣き上戸な大使
「一つ情報をくれよう、シン国に仕える4人の大臣の美貌ぶりもすさまじいぞ」
「う、ううううううう」大泣きしはじめる大使
「残念ながら玉砕でした~」大使
「実は其方節操がないのか?」呆れるスタージナス
「本音を言いますとレンガポール国で行われた見本市に私も視察したのですが
その時からイーシャ様達の美貌ぶりに身震いしてました。そしてシン国での
大臣達も完全に一目惚れでした・・・」
「まあ、何と申すか、人間それだけが全てではないからな、気を落とすな」
「成功者のスタージナス様に言われると屈辱以外なんでもありませ~ん」大使
「やれやれ、我に絡んでも嫁は来てくれないぞ」スタージナス
実際は酒がとても美味しいスタージナス。色恋話なんて滅多にしないし腹を
割っての本音トークなんでまずありえないから。
「と言う事で私もしばらくこの地に留まり縮小体探索隊に加わります」
「なにが「と言う事で」じゃ?脈絡が全然ないぞ」スタージナス
「いえ、今日この場でスタージナス様とお話ししてそのカリスマに引き寄せられ
ました。」
「いや、其方は今泥酔してる。明日シラフになってからもう一度出直すように」
「確かに酒の場では不謹慎すぎますね。分かりました明日改めて」
「む、この男以外と使える男かもしれん。」スタージナスは値踏みする
「ま、まてよ。迂闊に信じては駄目だ、自分でも申してたようにこやつは忍者」
「タランと同じで人垂らしも術のウチ、やばいやばい・・・」
「イーシャとエミコにもなんども忍術食らったからな・・・」
「なにをブツブツ独り言言ってるのですか?」大使
「いや、何でも無い、それよりも其方の名前をまだ聞いてない」
「は、我が名は「ジパン」と申します」
周囲が固まる。
「つまり其方は、ジパン王の王子なんだな?」スタージナス
「は、我が国は王になる前に世界中を旅し、大使となり、交渉術を磨くのが
王子としての仕事にて」ジパン
「どおりで落ち着いてるし品が漂ってるはずだ・・・」スタージナス
「滅相もございません、未だに嫁もとれない未熟者・・」
「よく見ると若く見えるが歳は?」
「は、今年で16でございます」
「つまり今年成人になったと・・・」
「しかし王子ならいくらでも嫁は来てくれよう?」
「我が妻は我が決めると決心してますから見合いは一切拒否してます」
「親が決めた嫁など絶対に嫌なのです」ジパン
「ほう、其方意外と気骨があるようだな」
「そう思うのでしたらイーシャ様くだざい」
「馬鹿者!イーシャ達は国の宝、無理矢理奪うのなら同盟国解消じゃ!」
「へへっーーどうかそれだけはご容赦ください」ジバン
「ま、それは大げさだが絶対にイーシャ達とゴブータはやらんからな」
「は、今の所は引き下がりましょう、ですが必ず御父様のお気に入りになって
見せます」ジパン
「馬鹿者、だれが御父様じゃ、イーシャ達は側室、ゴブータは孫。
御父様要素などなにひとつないわ!」
「スタージナス様は本当になにも分かってませんね」ジパン
「な、何が言いたい?」
「スタージナス様が御父様なのはウラアール様だけ」ジパン
「大馬鹿者!ウラアールは26じゃ歳が離れすぎてるわ!」
「歳の差など関係ありません。スタージナス様とダーリャ様はおいくつ差ですか?」
「本当に其方は節操がないな!イーシャとゴブータが駄目ならウラアールか?」
「私は忍者、いろいろ振ったのも全てはウラアール様の話にもって行く為」
「絶対に嘘だ」その場にいる全員が確信するが全然めげないジパン
「私は必ずウラアール様を籠絡して見せます」ジパン
「とっても残念な話を申すがウラアールを物にするにはとてつもない
努力が必要と思うぞ、誰を好きになるのかは自由だが忠告しておく」
優しいスタージナス、絶対不可能だとはあえて言わない。
「は、御父様のお許しを得たのでこれからはアタックのみですね」
「ば、馬鹿者!誰も許しなどしていない。しかしやれるもんならやってみよ」
「その為の第一歩、やはり捜索隊に私は絶対に参加しなくてはなりません」ジパン
「やれやれ、とんだ馬鹿息子を相手にするハメになりそうじゃわい」
新たなる展開に驚きつつも内心ではこの若者に魅力を感じたスタージナス
「商談は電話会議でいくらでも進めることが出来るが捜索任務は
冬が開けるまで不可能だからな」
「はい、今いろいろお聞きして理解しました。どっちにしても越冬中は
身動き出来ませんね」ジパン
「其方ジパンの王子ならこれは得意なのだろう?」
スタージナスが将棋盤をもってくる
「おお、まさか南極で将棋を指せるとは思ってもませんでした
しかし、我は将棋も一流ですが、大丈夫ですか?」
「む、我の将棋の腕前は大王やその護衛兵にも全く叶わないレベル
お手柔らかに頼む」
「ま、誰でも最初は初心者です、大丈夫私が教えます」
「以上91手にてスタージナス様の勝ち」イーシャが告げる
「む、今のは少し油断してました。もう一局!」
連戦連敗のジパン
「こ、こんな馬鹿なジパンのお家芸が他国の棋士に負けるなんて許されない
これは腹を切って王にお詫びしなければ・・・」ジパン
「これこれ、たかが将棋で大げさを言うでない。というか其方・・弱いな」
「でへへ、バレましたか実は私将棋かからきし駄目で・・・」
「悪びれないのは長所だが己の実力を偽るのは将として問題有る
馬鹿殿のお陰で兵隊は皆死んでしまうのだ」厳しく言い放つスタージナス
「ぐ、確かに一国の主としては迂闊でした」ジパン
「よい、謙虚は罪だが虚勢は罰である事を忘れるでない」スタージナス
普段優柔不断の側面をもつスタージナスだが人材育成能力は突出してる
誰の意見でも聞くが虚勢は許さない。凜とした一本筋が通っている。
数日寝食をともにしたジパンはすっかりスタージナス信者になってしまった
「スタージナス様を私の第二の父として慕ってもよろしいですか?」ジパン
「若気の至りなのだろうが其方はいかにも「軽い」もっと経験を積まないとな」
「考えてみれば実の息子ジルベッタとこれほど本音で語った事があったろうか
我もまだまだ未熟、人様にどうの言えるほど達観してはいない」
心のなかで我が息子ジルベッタに陳謝するスタージナス。
「この捜索が終わったらジルベッタの顔でも見に行くか・・・」
今はEUの王として八面六臂の活躍をしてるジルベッタに思いを寄せる。
南極編続きます




