陰謀
防具をてにいれて生産系魔法もボチボチ
「じつにいまいましい・・・」
ダクーミ:ダクーミ領領主はつぶやく
「せっかくあと一息でしたのに・・」
執事のツワルトが頷く
どうやら悪巧みの算段中らしい
「なぜあと少しの段階で突然クリスティーナが目覚めたのか・・・」
「は、あの魔法は門外不出、絶対に露見しない筈でした」とツワルト
「ちがう、私の魔法の上に誰かが上書きしたのだ」
ダクーミは続ける
「このまま廃嫡となれば第一王子だけが直系となるのを誰かが阻止したのに
違いない、実にいまいましい。だがなぜ直前に上書き出来たのかなぜその時期
だったのかが判らない」
「さらに忌々しいのは再び二度と発動出来ない詠唱間隔なのだ・・・
この手は二度と使えぬ」ダクーミはつづける
「とにかく判った事は誰かが裏でクリスティーナを擁護する勢力があるという
事実だ」
「左様でございます」とツワルト
どうやらダクーミの一世一代の魔法を行使してクリスティーナ王女を
陥れる企てを立てたが直前に妨害されたみたいだ
「王女が3歳のおり我にわざとおもちゃのナイフを向かわせ大義名分を得て
陰謀魔法を仕掛けなのだ」多分誰の目にも発覚しない様鍛錬に鍛錬を積んだ
必殺魔法だったのだろう、魔方陣も見えない様にステルス属性も重ねたに
違いない・・・詳細は不明
「3歳から絶対に成長出来ない魔法だったのだ」
「ですが我々の関与が発覚した訳ではございません、まだ手は有る筈です」
「うむ、こうなったら別の手段をたてねばならないだろう」
「しかもこんな直前でお目覚めでは魔法取得も出来ない可能性が大きい
ほっておいても自動廃嫡かもしれん」
「御意、これ以上危険な策は無用と存じます」
「だが、先の布石は打っておかなければならないだろう先に第一王子を
お隠れめされる方が先かもしれん・・・」
「ですが敵も現段階では警戒してると存じます」とツワルトが語る
「うむ、」
どうやら王位継承に関し現状を快く思ってない勢力のようだ
「ジルベッタ様はすでに成人されておる近々大規模な魔獣討伐を任命されるに
違い無い、つけいる隙はありそうだ」ダクーミはつぶやく
「我が一族に魔獣を強大、凶暴化できる者がいる、直接魔法ではないので
反撃も受けぬであろう、その手を使うか」
「御意、それは妙案でございます」
王族でなければ魔法を使えないが継承から外れた一族はほとんどが
領主に嫁いだり婿入りする。貴重な魔法を行使出来るのでどこの領でも
引っ張りだこなのだ。つまり誰も王家と繋がりを持ちたいのである
だが継承争いに敗れた勢力には次期王位継承を狙うものが後を絶たない
側室を送り込むことができれば大チャンスとなるのである。
陰謀うずまく継承問題・・・なにもしらないクリスティーナ第三王女
☆☆☆☆☆
「それにしても・・・・」
商人のグフタスがつぶやく
「あの防具は王家秘蔵の最高級防具、とても金貨60枚で売れるものではない」
「文句をいうなグフタス、其方は言われた通りにすればいいのだ」
王宮デパートの控え室で商人二人が談笑中のようだ
「しかしタランお偉い様の無茶は俺には理解出来ねぇよ、ばか姫の誉れ高い
クリスティーナ様にあんな防具あたえても猫に小判だ」
「おかみにはおかみの考えがあるのだろう、あまり深入りするとヤバいぞ」
「確かにな、とにかく俺は頼まれた通りにしただけだ。渡された防具を
右から左に動かしただけで大枚60枚だ、当然口止料込みだろうし
これ以上探ったらそれなりの事があるに違いない、もう忘れるよ」
「で、ここだけの話あの防具はどれぐらいの性能だったんだ?」タランが問う
「お前の手口には乗らないよ、ヤバイと今言ったばかりだろ」
タランは安心した・・・実はタランは王族付きの諜報員
ここでグフタスが余計な事をしゃべればその先になにが起きたか・・
それを確かめに来たのであった
「首尾は上々だ」タランは無言で今後を思った
渦巻いてきました




