人質救出作戦
ゴブータ、シン国に潜入
ここは交易都市のカマオ、シン国との戦争に勝利し租借権を得た
フランク領となっている。隣接するホコンも同様にイングリント領
どちらも現在は自動的に大アスタージナス国が支配してる。
しかし遠方とのこともあり大アスタージナスの法律は及んでいない
自治権がとても強い地域。ほとんど独立国同然。
香辛料や綿、ゴムなどの素材や高級物資の取引はホコンが主に行う
カマオはギャンブルや麻薬、犯罪などがはびこる裏の都市
人身売買、奴隷取引が盛んに行われていて世界各国から裏バイヤーが集まる
上玉取引で名をはせる「ヤバイヨ商会」には普段から大勢の商人が出入りし
その筋では信頼も厚く王族御用達の数少ない商店として有名なのだ。
「オヤジいるかい?」ギーと扉を開けて胡散臭い男が店主ヤバイヨに問いかける
「うん、お前は見かけぬ顔だがウチは一見さんお断りだよ」
「お宅との取引相手の紹介状をもってきた」胡散臭い男がボロボロの手紙を渡す
「ふん、この男は取引相手ではあるが何時もだましだまされの関係信用などしていない」
「しかし、あの男は我に利益ももたらしてくれてる。まあよい、なんだ用件は?」
「今日は良い話を持ってきた」
「ふん、皆同じことしか言わんな」
「いや、今回は本当だ、世界中探しても滅多にいない上玉を仕入れてきたのだ
とにかく見てから判断してくれ、交渉はそれからだ」
「ふん、もっともらしい事を言っても我は百戦錬磨、口車には乗らん、どれどれ」
荷馬車に奴隷服を着てる3人の娘をヤバイヨはいやらしい目で吟味する
「ぬ、・・・・・・・・」言葉がでてこない
「店主、いくらだす?」
「今回は大サービスで金貨100枚出そうこれが限度じゃ」
※金貨1枚は日本円で100万円相当、金貨100枚は一億円相当
「そっか、折角紹介状まで得たのにそんな端金では話にならん他所を当たる」
「ま、まてまて、我とてこの界隈では名をとどろかす者、ええい、200枚じゃ」
「一人200枚なら応じよう」
「ぎえっ、ばかなそんなには払えない」
「邪魔したな」荷馬車に乗り込む男
「まてまて、しょうがない600枚で手をうつ」
「ふふん、それでも店主は大儲けだろう」
「とんでもない、回収はまず不可能だ」ヤバイヨ。多分本音だろう
というか売れなくても自分の奴隷としても良いと思ったからだ。
「では、オヤジ我がサービスでいい買い手を紹介しよう」
「なにかつてでもあるのか?」
「実はさる大国がこの手の奴隷を欲しがってると聞いた。なんなら
我が交渉して話をまとめてきてやろう」
「ならばこんな所にこなくて直接交渉すればよかろう?」
「いや、我は奴隷商の許可を得ていないオヤジの力が必要なのだ」
「それでお前はこの奴隷はいくらふんだくれると思っている?」
「最低でも金1000枚は保証する」
「俺は名前を貸すだけで400枚の手数料か、悪く無いな」ニヤリ
「その前にまず奴隷達の味見をしたいのだが」いやらしいく笑うヤバイヨ
「この奴隷は全て生娘だ商品価値を落とすきか?」
「しかたがない諦めよう」しょんぼりヤバイヨ
「それではまず600枚を支払おう」
「いや、1000枚を得てからで良い、もし1000枚以上で売れれば
さらに上積みさせてもらう」
「よし、商談成立だ契約書にサインしてくれ」
奴隷売買も立派なビジネス契約書を交わすのは常識
2日ほど滞在するとどこからか話を聞いた使者がやってきた
「我はシン国の奴隷担当員、なにやら売りたい奴隷がいると聞いて参った
嘘偽りがあったらタダではおかん」ヤバイヨを脅かす
「これは、これは使者様、嘘偽りなどはありませんどうかお確かめを」
「うむ、」
三人をみた使者が内面の驚きを隠せない・・・
「こっこれは、本当の事なのか?信じられない・・これほどの上玉は初めて」
「して、いかほどの値をつけますか?」
「うむ、今日は金1000枚しか持参してこなかった2~3日まて
あと2000枚すぐに持ってくる。しかしその間売られては困るから
この1000枚は手付けじゃ。約束まもれよいいな!」
使者は持参金を置いて慌てて帰っていった
「お前の見積もり以上のようだな」ほくそえむヤバイヨ
「俺は1000枚貰えればそれでいい、後はおぬしの手数料じゃ」
「な、なんと!それでいいのか?本当か?」
「ああ、それで構わないしかし条件がある」
「なんなりと申して見よ」
「我はこの地ではよそ者ゆえこの店をしばらく仲間との連絡場所にしたい」
「お安いごようです。何でも協力しますよ」口ぶりまで変わってきた。
「あと、この店の奴隷を数人購入したいのだが?」
「ああ、何人でもタダであげるから好きにしてくれ全員でもいいぞ」
「よし、オヤジ気にいったおぬしとは気が合いそうだ」
人を見る目があるタランにはこの店主も奴隷達も高価値に感じてる
「さすが上玉専門店逸材ぞろい、我が国で言えばS級に相当する者ばかり」
内心金貨1000枚要求されても払うつもりだったのだ。
人質救出作戦の足場が出来た。
翌日、使者と従者が店に訪れる「店主約束通り金貨5000枚持ってきた」
あれ?昨日は合計で3000枚だったはずだが?
「確かに金6000枚承りました、して奴隷達をどのように運びますか?」
「うむ、これだけの大金が掛かった上玉無事にシン国に届けたいものじゃ」
「しからば我を用心棒としてお供させて下さい」タラン
「この者は信用出来る、並ぶ者なき剛剣使いです」ヤバイヨがフォローする
実際タランは大アスタージナス国でも指折りの剣士。
「うむ、それでは其方を臨時雇いとするシン国まで無事に奴隷を運んで
くれたら金貨100枚だそう。その後の仕官も斡旋しよう」
「はは、ありがたき幸せ我はダランと申します」
「道中頼んだぞ」使者のソソウが語る
「カマオを出ればすぐにシン国だが陸路でキペンまでは遠すぎる
3日ほど船で移動する。」ソソウ
御用船に機材、物資、奴隷達を積み込み船は出発するがその前夜
「すまぬおぬしに恨みはないがこれもすべて我が国の為許してくれ」
びびびび・・・ソソウ達船員の全ては縮小化魔法で1/500のフィルムに
されてしまった。
代わりに先日購入した奴隷が船に乗り込みソソウの替え玉の
召喚人間がなりすます
「其方達はたった今から大アスタージナス国の配下とする。奴隷ではない
働いた者には正当な報酬も与える、しかし裏切った場合は死んでもらう
秘密を知った以上今後はわれの配下で一生奉公するのだ。分かったか?」
「はは、お命を救っていただいた恩は忘れません」
「済まぬ、おぬし達は皆女子だが船内では男として働いてもらう」
すぐさまタランの連絡員⒉人が乗船し情報を伝える
「ふむ、王宮の地下牢にほとんどの人質が幽閉されてるのだな?」
「3人程はタクトウ王の側に慰め者として囲われてるようです」
「うむ、分かった。引き続き情報収集を頼む」
奴隷として積まれたゴブータとネハ、マヤはそのまま檻の中
奴隷服を着せられて手かせ足かせをされてる。ほかの奴隷達と同じ扱い
しかし3人は思念通信で会話を欠かさない
「ここまでは順調です、しかしこれからが肝心油断召されるな」
しかしネハとマヤは全く違和感がない、元奴隷と売られた身だけはある
ゴブータも平民あがり奴隷服に違和感がない。
「なんか懐かしくて・・うれしいような」ネハは懐かしがる
「それにしても・・・」ゴブータは関心する
「さすが王族か買い取る奴隷達、奴隷では勿体ない逸材ばかりに見える」
「これほどの人材を奴隷などとして売りさばくとは許せない」
ゴブータは非人道的な奴隷制度を心から憎悪した。
すでに船内は味方ばかり多少話しても文句はない
「貴女はどうして奴隷になったのでしょう」ネハが優しく尋ねる
「しっ、奴隷が会話するなど御法度です」
「多少は大丈夫なはずです」
「私は、元々高貴な身分でしたが政変に敗れ奴隷になりました」
「私は、はるか東方から流れ流れてここまで売られて来ました
すでに心身ともに汚れきっています」
「そんな事はありません、身が汚れようが気高い心を失わなければ
人間なのです」
ネハはその子を抱きかかえ涙ながらに慰める
「私は砂糖代金の代わりに奴隷になりました」
みな、それぞれに悲しい物語があった
王族御用達ゆえ皆うら若き少女ばかりそれでも奴隷としては恵まれてるのだろう
「今は多くを語れませんが必ず神からのご加護があることでしょう」
皆の手を握りしめゴブータは強く約束したのだ。
食事の時間になった
「あれ、おかしいですね。」奴隷のひとりが疑問をいだく
「昨日までの食事とあきらかに違う、こんな食事は初めてですわ」
船員全員が入れ替わってるのだ誤魔化す必要はないが一応奴隷には
事情を話していない。しかし食事の待遇改善位は分からないだろうとの判断
奴隷とはいえ王族の献上品、交代で水浴びは日課となってる。
「貴女はゴブリンですね、それにしても見たことが無い美貌・・」
奴隷の1人がうっとりゴブータの背中を流す。まさか次期王とは知るよしもない
3日後船は港に着く
荷が降ろされ最後に奴隷達が運ばれて行く格子付きの専用荷馬車で
用心棒タランと使者ソソウも同行する
12人の奴隷はそのまま王の間に通されタクトウ王が現れる
「ほほほう、今回はいつもよりも更に上玉ぞろいこれは楽しみじゃ」
「王様これらの奴隷達はつぶよりゆえ多額の費用がかかっております
なにとぞお手加減賜りたく・・・」
「痴れ者!いくら掛かろうが奴隷は奴隷じゃ、生かそうが殺そうが我の自由
お前も奴隷になるか?」独裁者のタクトウは他人の忠告を聞かない
これ以上言えばその側近の首は胴からはなれる
「滅相もございません。お許しを・・・」
「うむ、今日は上玉をみて機嫌がよい、今回だけは許してつかわす」
「く、この異常者め、いままで奴隷を使い捨てて来たに違いないゆるさん」
ゴブータは心からタクトウを憎悪する・・・
するとタクトウが原因不明の鼻血を吹き上げる
「ぐわあああ、何事」吹き出る血を抑え転げ回るタクトウ
醜く太った腹はまるで「トド」汚らしい腹を出しもがく。
「まずい、殺すのは簡単だが今は人質救出が先」ゴブータは怨念を緩めた
「お前が余を怒らせたからだ。もうゆるさん首をはねよ」
先ほど一旦許された側近はその場で首と胴が離れてしまった
「さて、如何にしてこの短気で異常者の嫌忌を買いつつ処刑されずに地下牢に
連行されるか・・・加減が難しいところだ」
「今日の相手はお前とお前とお前だ夜になったら寝所に来い」
鼻血を抑えつつ退出するタクトウ。その目はいやらしく汚らしい
当然のごとくというか魔力を掛けてるのだからゴブータは選ばれた
逆にネハとマヤは選ばないように魔力を込めたのだ。大分ゴブータは
自身の魔力をコントロール出来る様になっている。
その夜ゴブータを含めた3人の奴隷が寝所に入る
7歳のゴブータを選ぶ時点でタクトウの異常さがわかる
3人は手かせ足かせをされたままベットに入る
「ささ、ちこうよれ。なにも食ってしまう訳ではない心がけ次第では
明日の日を見ることも可能じゃ、生きていたければ奉公せい。」
ひとりは流れ流され売られて来た娘こびへつらうことにためらいはない
だが1人は高貴の生まれ・・近づくタクトウを毛嫌いしてしまった
「このたわけ、生きていたければ余に尽くせ」
涙ながらに従う彼女この世の地獄・・
「もうよい、余はそのような者はいらない即刻首をはねよ」
しかし彼女にしてみれば命を無くしてもすけべおやじに従うことは
出来ないのだろう。側近が髪を掴み引きずり出す・・・「いやあああ」
「さて、其方はどうする?」とゴブータに選択を迫る
「勿論わたしは奴隷ですから」とタクトウに迫る
「うひひひ、こりゃたまらん、こんな美貌の幼女が・・」すけべ全開のタクトウ
しかし、タクトウがどんなに頑張ってもゴブータに触れない
無理に触ろうとして鼻血が「ドバ」と吹き出す
「ひ、ひえ~」タクトウはまたまた悶絶する
「どうなされましたか?」しらじらしく心配するゴブータ
「ち、近寄るな~」タクトウ
「しかし王様が心配です」にじりよるゴブータ
「余の命令が聞けぬとあらば覚悟せい」
「しかし王様この者はなにもしていません」側近がいぶしがる
「うぬ、確かに・・・しかし、これでは余の気が収まらない
地下牢に幽閉せよ」
「ふふ、私が王の心を操りそう言わせてるのだ」ニヤリ、ゴブータ
「先ほどの無礼者も同じ地下牢に閉じ込めよ!」
「えっ、処刑ではないのですか?」驚く側近
「余の申すことに刃向かうか?、死にたいのか?」
「はは、仰せの通りに」
「ついでにこの娘も同じ牢に入れよ」
「へへ、こいつは私の言いなりだね」ゴブータは悪のりする
「今日はもう寝る」ゴブータがタクトウに言わせてる
「ははっそれではお休みなさい」
3人は地下牢に連れて行かれた・・
「ネハ、マヤ聞こえますか」
「はい、聞こえてますどうやら地下牢には結界魔法は無い様ですね」
「はい、思念通信が出来ないかと危惧しましたが大丈夫で安心しました」
「タランの工作は順調ですか?」
「は、王宮内での避難経路確保と逃走経路確保は順調です」
「我は無事地下牢に入りましたがまだ人質の所在が判明しません
今少し時間を下さい」
「はいこちらも奴隷全員が逃走する為の準備に少し時間が掛かります」
「決行は明日の夜にしましょう」
「了解しました、タランにも伝えておきます」
「さてっと」
「あの、スイマセン」
ゴブータが看守を呼ぶ
「何事じゃ今は夜遅いさっさと寝なさい」
次の瞬間看守はゴブータの精神魔法で乗っ取られた
牢内を夢遊病者の様に徘徊する看守・・・
「人質の牢に行きなさい」
つつつつと看守は歩き人質の入る牢屋に到着する5人一部屋で4部屋20人
「ご苦労様又明日働いてもらいますからね」ゴブータは看守を解放する
「ん、あれ」きょろきょろする看守、何をされたかすでに忘れている
朝になり奴隷達は起こされる。しかし地下牢送りとなったゴブータと他の2人には
罰として食事は抜きの模様だ手かせ足かせをされて壁に貼り付けられてる
「ううううう」絶望の⒉人は泣きじゃくる・・・
「泣いては駄目です、きっと助かります前を向いて」
「しかし、この状況はいつ処刑されてもおかしくないです」2人はすでに諦めてる
「大丈夫、神様がかならず助けてくれます。頑張りましょう」
看守のひとりが見張りに来た・・・いやらしい目でこちらに視線を送る
「お前達、助けてやらんこともないぞ」
「げへへへ、俺の言いなりになれば助命を願い出てやろう」
ありえない、あの独裁者にもの申せる筈がない。いたぶるだけいたぶって
結局処刑する腹だろう。今すぐこの下郎を消滅させてやりたいがまだ早い
軽く洗脳魔法でこちらの思い通りに動いてもらうことにする。
「近寄らないで~」叫ぶ2人
「でへへへ、大人しくしろ」近づく看守
「ん?あれ?俺は何をしてるんだ?」キョトンとする看守、すでに我が乗っ取った
「其方達お腹が空いたろういま食事持ってきてあげるな」
壁からの鎖を解いて看守はいきなり優しくなる
すぐに暖かい食事を持ってきた「さ、手かせも外してあげよう」手かせを外す
「さ、冷めないうちに食べなさい」看守はどこかに去って行く
「これには毒はもってありません。食べましょう体力をつけないと」
「しかし、なぜ突然看守が?」
「神様の慈悲です。きっとあの看守も目が覚めたのでしょう」
それから2時間おきに様子を見に来る看守達を次々と洗脳し準備を進めていく
午後7時ネハからの思念通信が来た!「時間です」
「ごめんなさい、貴女達は今から縮小させていただきます」
「えっ」あっという間に2人はフィルムにされてしまった
逃走は最小限の人間でないと動きがとれない。
サッとポケットにフィルムをしまって行動開始だ
予め洗脳しておいた看守の1人が時間通りに牢の扉を開ける
「ご苦労様です」とゴブータはその看守もフィルムにする
迷い無く人質の収監されてる牢へと進み待ち構えている看守に鍵を開けさす
「ご苦労様です」フィルムになる看守
中にいた人質全員をそのままフィルムになってもらう
多分この中には「スパイ」もいるだろうとりあえず運んでから後で調べよう
サクっと20人をフィルムにしてポケットにしまい込むゴブータ
「そちらはどうですか」とネハに通信
「は、こちらの奴隷控え室の人たちも全員フィルム化完了してます」
「マヤはタクトウに予定通り呼ばれてますか」
「は、マヤは今他の人質3人と寝所にいるはずです」
どこからか現れたタランとその部下⒉人が合流する
王の間までの敵護衛兵は全てタランがフィルム化している
王の間には側近、護衛兵、メイドなどタクトウと奴隷4人以外に10人位がいた
ゴブータがその10人をピンポイントで眠らせた
異変になにも気がつかないタクトウは「ぐへへへへ」と4人に襲いかかる寸前
醜く太った脂性の「トド」は人間の体をしていない化け物じみてる
すっと扉を開けて中に入った我らを確認しマヤがささやく
「王様、これからタップリ楽しんで下さいね」
「おお、そなたそんな幼い顔して積極的よのう」
汚らしい手でマヤの髪の毛に触ろうとした刹那
「うぎゃあああ」ゴブータの精神攻撃でタクトウは血しぶきをあげて悶絶する
「おっお前は!」タクトウ驚く「出会え出会え」誰も出会わない
「残念ながらみなさんお休みしてますよ」にっこり笑うゴブータ
「おのれ、余に手を出して生きて帰れると思うなよ」
「では先にあの世とやらで待っていてくださいね」ニコッ
「シュン」タランの剣がタクトウの首をはねる
大悪党タクトウの哀れな末路・・・
「さ、時間ありません逃げましょう」ゴブータ
人質の3人にはフィルムになってもらい私、ネハ、マヤ、タラン部下⒉人で逃走開始
「さ、こちらでございます」タランが誘導する
地下下水道に通じるマンホールを開け下水路から逃げる。全て手はず通り
しかし、予想よりも早く警報が鳴り出した「ウーーウーー」
「む、まずいまだ城壁を越えていない・・下水道の柵が降りてしまうかも」
「急ぎましょう・・」下水路に用意してあった小舟に6人が乗り込み急ぐ
「ズズズズズ」各所ごとに鉄の柵が降りだした
「早く早く・・」「あそこを抜けられれば外です」
「ズーン」間に合わなかった
「完全に閉じ込められてしまいました」部下が叫ぶ
「このままでは5分と立たずにここにも追っ手が掛かるでしょう」
絶体絶命の6人
「タラン」言うとゴブータはタランをフィルムにする
柵の向こうに流し縮小を解く
「おおっなるほど」タランが今度は残りの5人を縮小化して柵をくぐらせて
魔法を解いた。
城壁の外にでると逃走用の船があり中には着替えも用意されてる
恥ずかしいなんて言っていられない「タラン、見たら承知しません」
「はっ、」さささと私とネハとマヤは着替えを完了する。平民服だ
「我らは別行動で陽動作戦を行います。待ち合わせの場所に集合しましょう」
「タランどうかご無事で」「ゴブータ様もなにとぞご無事で」
二手に分かれて集合場所へ急ぐ時間は夜の9時、この世界では真夜中だ
「ネハ頼みます」
「は、」
ネハは一度通った道は絶対に迷わない。奴隷見習い時代に一度教わったことは
二度と教えて貰えないキツイ掟が身に染みついてる、何時しかネハの特殊能力へと
昇華していった。
ネハは奴隷専用荷車で運ばれるときに市内の道はすべて暗記してる。
灯火管制で外灯が一切消灯されて真っ暗闇であっても迷わず港に進む
「とまって」マヤが皆を止める
「その先を曲がった所に衛兵が⒉人います」ネハはサーチ能力がある
人質救出作戦に2人の特殊能力が必ず役に立つと当初からゴブータの目論み通り
プロの仕事はまず逃走経路の確保からはじまる。
「私の出番ですね」ゴブータがすすすと前に進み気がつかれないうちに
洗脳魔法で衛兵⒉人を眠らせる
なるべく人目に着かない様に路地をクネクネと進み港に急ぐ
市内は警報が響き兵隊が大動員されつつある。王様が殺害されたのだ当然だろう
後数分で船にたどり着けなければ逃走は失敗してしまうかもしれない
港が見えた!しかしすでに兵隊が港を封鎖しつつあるその数50人
「これはまずい」ネハとマヤが焦る
「任せてください」ゴブータ
この間のテストでは100人位は失神させられたのだなんとかなるはず
「んんんんん」念じるゴブータ
バタバタと兵士達は崩れ落ちる・・
「さ、今しかありません、急ぎましょう」
その時1人の暴漢がゴブータに襲いかかる
「ぐへへへ嬢ちゃん~」これは単なる酔っ払いの変態オヤジ
サーチ能力に長けてるマヤでもオヤジの酔狂は検知不能だった
「シュン」マヤの仕込み杖が唸る(武器は魔法で自由自在に出せる)
暴漢は首と胴体が別になってしまった
マヤの剣技も凄いのだ
油断して押し倒されてしまったゴブータ、石畳に頭をぶつけて血が出てる
「お手当を」ネハが言うが「今は逃走が先です」気丈なゴブータ
間一髪船に乗り込んだゴブータは船員に船を出させるタラン達はいない
積み込んでいた大アスタージナズ産ポーションを飲みその場をとりつくろう
とりあえず出血は止まったみたいだ。
「もう、私は大丈夫です」
「しかし、タラン様がまだ戻ってきてません」マヤが心配する
「大丈夫です待ち合わせの場所はこの先の岬です」
岬につくとタラン達はそこに居た!岬からザブーンと飛び込み船に乗り込んできた
「ご無事でなによりです」ネハが労う
「まだ油断できません追っ手がかかっています。船足の遅いこの船では
すぐ追いつかれてしまいます」タラン
「大丈夫です」沿岸にでたところで船が停止する
「え、なぜ?」タラン
「ザザザザ」目の前に巨大な潜水艦が現れた!イーシャが手を振っている
「さ、すぐにあれに乗り込むのです」小舟で潜水艦に乗り込む
「急速潜行!」あっというまに海中深く潜行し夜に紛れてどこかに消えていく
安心したゴブータはその場で卒倒した・・・やはり傷は深かったのだ
「いかん内出血が多すぎる・・」潜水艦内の緊急医療室で応急処置を
施したがゴブリン用の輸血のストックなどない。
「一刻を争います至急輸血しなければ命が危険です」
「やむを得ない」タランはゴブータに縮小魔法を掛ける
「とりあえず現状を維持させたがちゃんとした医療設備で治療しなくては
命が危ないだろう」
夢の中を彷徨うゴブータ「ここはどこ?誰もいないの?イーシャ様どこですか」
しかし、いつも暖かく迎えてくれるイーシャ達が来てくれない
「私は、天に召されてしまったのでしょうか?」
「ゴブータよ、聞こえるか?」
「その声はどなたですか?」
「余は神じゃ、其方は今生死の境を彷徨っているのじゃ」
「私は助からないのですか。まだやり残した事がたくさんあります」
「うむ、本来なら其方の運命はここまでの筋書きだったのだが・・・」
「こちらの都合でそうも行かなくなってしまった」
「神様の都合ですか?」
「うむ、まさか其方が・・・いかんうっかり言ってしまうところだった」
「とにかく其方がこちらに来るのは早いとの結論じゃ」
はっと目が覚めるゴブータ
「ここはどこですか?」
「おおっ意識が戻ったか、よかったよかった」両親が手を握ってくれていた
「三日間も寝ていたのですよ」アスタージナスも付き添っていた
「他の皆様はご無事ですか?」
「ええ、貴女のお陰で人質は全員救助されて各国から感謝されています」
「それはよかった・・・」
「それで、ここは?」
「王立魔法院付属病院です、大アスタージナスに戻ってきたのですよ」両親
「私はまだ任務の途中です今すぐスタージナス様の元に戻らなければ」
「もう貴女にその心配は不要です・・・」涙を流し説得するアスタージナス
「しかし、この程度の怪我なんでもありません」
「国の為に尽くしてくれて本当に感謝しています」
アスタージナスがそっと手を握る
「わたしはまだやり残した事が一杯あるのです。どうか戻してください」
「貴女はもう動けないのです」泣きながら両親が語る
「そ、そんな」起き上がろうとするゴブータだが体が鉛の様に重たい
「出血があまりにも多くて体の機能の大半が失われてしまったのです」
「お人払いをお願いします」ゴブータが懇願する
「分かりました。おとうさんおかあさん席を外して頂けますか?」
「は、」退室する両親
「なにか言いたいことが有るのですね」アスタージナス
「はい、私は寝ている間神からの啓示を受けました」
「な、なんと」
「本来ならば天寿を全うしていたはずだがなにかの都合があり私は現世に
戻されたのです」
「そうでししたか・・しかし今の貴女の体ではどうにもなりません」
「しかし、神は私にまだ仕事があると言ってます。
これしき必ず乗り越えて見せます」
「今は体をゆっくりと休ませてください。そのあと考えましょう」
「いえ、働けない私など単なる足手まとい。養子の資格などありません
今すぐ廃嫡願います。今の状態では私には重荷過ぎます」
「何を馬鹿な!貴女は一生私の娘です。例え王位継承が出来なかったとしても
我が娘になんら変わり有りません。神の啓示を受けたのなら貴女自身で
この困難を打ち破ってください。時間はいくらでもあります」
「残念ながら私はアスタージナス様側の人間では無くなっています。
思念通信がもはや出来なくなってる様です」
「何度呼びかけても応じてくれなくなりましたね」アスタージナスが頷く
「私はすでに普通のゴブリンです。それでも構いませんか?」
「とにかく今は休養ですその後のことはまた考えましょう」アスタージナス
「わかりました、今まで本当にありがとうございました」
私はそうして両親の元に返されたのだ
「ゴブータ、ゴブータ」両親は変わり果てた私を抱きしめ号泣しています
しかし私は感傷に浸る時間はありません。
「早く体をもどさなければ」
まだ、シン国との決着はついていない。私の回復が遅れればそれだけ
両国の血が流れてしまう。罪無き民を救えるのは私だけなのだ・・
神の意志が乗り移ったかの様な不思議な責任感を帯びたゴブータ
すでに自分の体であって自分の体ではない。
次の日から常道を逸した過酷なリハビリを自ら課すゴブータ
「あまりにも無茶すぎます」周囲が驚く無茶リハビリ
「私には神の加護があります、これしきは神が与えた試練に過ぎません」
全身をいじめぬくゴブータ・・・
奇跡的というか2日後には手足に力が戻ってきたのだ
「あ、ありえない」担当医が驚愕する
専門医が舌を巻く効率的すぎるリハビリプログラムなのだ
「いかにしてこのような方法を得たのでしょう」担当医
「同じ事を何度も言わせないでください。全ては神の啓示なのです」
「はあ」
な、なんとそれから2日後の夜
「ゴブータ、ゴブータ聞こえますか?」
イーシャの声が聞こえてきた!
「イーシャ様聞こえます・・・」涙があふれる2人
「本当によかった貴女はまた我々の元に戻ってきたのですね」イーシャ
「しかし、なぜなのでしょう」ゴブータ
「多分ですが大量に失った血液は貴女の両親からの輸血のお陰で助かったのですが
魔力のない血液が全身を巡ったので一時的に能力が落ちただけなのでしょう」
「私は大王から見捨てられないのでしょうか?」
「例え貴女がこちら側に戻ってこなくても絶対に大王や私達は貴女を
見捨てたりはしません。以後その話は禁句とします。いいですね?」
「だれが流した噂なのか大王が見限るとのデマが流れたのですがその途端
貴女が救った人質や奴隷たち全員が貴女の面倒を見ると申し込んできたのです」
「そんな、ことが・・・」涙があふれるゴブータ
「大王に恥をかかせてはなりません。大王は慈悲深さでも頂点なのです」
「ははっ」安堵するゴブータ
「大勢の人が貴女を心配し感謝してることを忘れないでくださいね」
「一生忘れません」
「それで、とても不躾なお願いなのですが・・・」ゴブータ
「はい、奴隷達の身の振り方ですね」さすがはイーシャ
「貴女の言うとおりあまりにも優秀過ぎる逸材ばかりで驚いています
秘密も知ってしまった以上全員「総合企画室」社員とする予定です」
「ありがとうございます。それだけが気がかりでした」
「カマオの奴隷商ヤバイヨも我が国専属の奴隷商人として契約しました」
「それもお願いしたかった件です」
「彼の所には金目当てで実に優秀な奴隷が持ち込まれてきます
人材の宝庫を我が国がみすみすやり過ごす訳には行きません」
「勿論奴隷として買ってきますがこちらに来たら優秀な社員として
存分に働いてもらいます。」
「はい、無能なシン国では奴隷の価値を全く理解していませんでした」ゴブータ
「あのトド王は奴隷を使い捨てていました。本当に許せない大罪人」イーシャ
「しかし、たぶんですが私が処刑したタクトウは影武者でしょう」
「やはり、そうでしたか・・」イーシャ
「超大国を収める王としては余りにも無能すぎたので」ゴブータ
「タランの情報では本当の支配者はタクトウではないらしいです」
「む、王を操る影がいるのですね」
「タランはそのままシン国に留まって情報収集を行っていますが
なかなか尻尾をつかめません。相手は狡猾のようです」
「もう、こんな所で私いられません明日にもスタージナス様の元に
戻してください」
「しかし、貴女は満足に動けぬ身・・」
「イーシャ様!それは何時の情報ですか?私はもう動けます」
脳内に入っているイーシャをそのままにスクっと立ち上がるゴブータ
ベットの上で後ろにゴロゴロ前にゴロゴロ
「ゴブータさまご乱心」周囲の護衛兵が驚く中ケロっと
「大丈夫です、乱心などではありません」ゴブータが答える
「わかりました!止めて下さい~」イーシャ
イーシャ自身の脳内も共振して体がゴロゴロ動くので「船酔い状態」
総合企画室の寝所でも「イーシャ様ご乱心」とネハ達が驚いている
「思念通信中に体を動かすのは御法度ですこちらの身が持ちません」イーシャ
「大変失礼しました。しかしお判り頂けたでしょうか?」ゴブータ
常人なら半年以上掛けても機能回復など不可能な体を4日で日常生活に
支障がないまでに回復させたのだ。正に執念、怨念と言うべきか。
驚くべきことに見本市開催期間中にゴブータは職場復帰を果たした。奇跡
「ご心配をおかけしました。もう大丈夫です」空母に降り立ったゴブータは
出迎えのマヤに挨拶する。
「馬鹿な!足はついておるか?」スタージナスが驚愕する
「信じられないです」ダーリャ達も驚いている
「新入社員に合わせてください」ゴブータ
地下牢以来の再会に元奴隷達が号泣してゴブータに抱きつく
「まさかゴブータ様が神様だったとは」
「ゴブータ様は私達の聖女です一生従います」
「今度は我が命を捧げる番でございます」
「この者達は今から其方付きの側近とするがよいな」スタージナス
「しかし、我はイーシャ様の部下ですのでそのような訳には・・・」
「馬鹿者、其方は王族、王族が側近を持たずになんどする。これは王命である」
「もし邪魔と申されるのなら我らは生きていられません」元奴隷達
「わかりました。それでは王命に従います。しかし私も生活スタイルは
変えません」ゴブータ
次の朝王の娘が誰よりも早く起きイーシャの身支度を世話しメイド服に着替え
厨房に立ちスタージナス達の朝食を準備する
うっかりお寝坊さんしてしまった元奴隷達が赤面して恥じる
「どうか無能の私達を処分してください」
「なにを馬鹿な!だれでも初めはそうでした。二度目がなければいいのです」
「ははっ」
しかし元奴隷の新入社員は18人もいるのだ、いくら広めの厨房と言っても
そんな大勢が押しかける訳にはいかない。役割分担して厨房の手伝いは
5人とし残りは総合企画室の掃除やゴブータ、イーシャ達の世話となった
ゴブータは4時に起きイーシャは4時半に起きて5時に厨房に行く
新入社員達は3時半に起きなくてはならない。
「無理をしたら体を壊します貴女達は5時まで寝ていて下さい」ゴブータ
「あるじが4時起きなのに我らがそれ以上寝ることなどは出来ませぬ」
「分かりましたそれでは明日から私達は4時半まで一緒に寝ましょう
それから全員で身支度しましょう」
「ははっ」
「しかし、我らは幸せ者です奴隷時代では考えられない天国な生活」
「私も奴隷上がりなんですよ」ネハがニコリと笑う
「私も親に売られてどこかに飛ばされる運命だったのです」マヤも言う
「これは口外禁止ですが其方達には莫大な費用が掛かっています
今後は国の為ゴブータ様の為イーシャ様のため働く様に」
「は、ネハ様とマヤ様にも尽くします」
明るい笑い声が総合企画室に響く。一瞬にして皆が仲間になった
朝食に集まるスタージナスご一行
「む、なにやら人が増えたのう」
壁に沿って社員達がずらっと並ぶそこそこの広さの社長室だが
100人近くがいるとさすがに手狭に感じてしまう。
「前から計画中だったのだがこの船は豪華客船として営業を開始する
この部屋も社長室としてではなくスイートルームとして営業を始める
我らは改装中の輸送船に引越じゃ」
実は見本市開催中に輸送船の改築が行われていた。
輸送船と言うよりも「社員寮船」としてだが
新しく就航した10万トン級の輸送船というか社員寮船なので
見た目は豪華客船風、二隻目の豪華客船といって差し支えない
しかし中身は大きく異なる、地上部分は全てくり抜き巨大なスペースとなった
一階部分は100M×30Mの空間全てが社長室300人程度のパーティにも
耐える構造。壁を隔てて50M×30Mの寝所
2階部分は全く同じ作りで大広間は総合企画室、社員用のディスクが
ずらっと並ぶ。ついたてを使えばすぐに会議室を作れる構造
同じ様に壁を隔ててイーシャ達専用の寝所、50人位は余裕で寝られる
スタージナスは毎日交代で一階と二階て寝る事になった
その他の部分のほとんどが個室の社員寮となった。
厨房や社員食堂も備えてあり理髪店、美容室やコンビニもある
勿論防御態勢も万全だが全て国家機密
てんやわんやで引越を終えてやっと落ち着くスタージナス
「余りにも広すぎて落ち着かん」
「これだけ社員が立ち入る場所ですからこれ位で丁度です」ダーリャ
「しかし護衛兵が4人では心元ないな」スタージナス
「ご安心下さい、今回護衛兵が10人増員となりました」
「すべてヨハン様とエメル様配下扱いとなります」
「ふふ、2人ともイチャイチャしてる余裕は無くなったな」にやり、スタージナス
「しかし、あのお二方はそんなの全然関係無いみたいですが・・」ダーリャ
確かに・・訓示を飛ばすヨハンとエメルだがピタッと密着してる
「恥ずかしくてこっちが見てられん」スタージナス
薫陶を受ける護衛兵もみな赤面してモジモジ
「まあ、それでも超一流の剣士じゃて大目に見るとする」優しいスタージナス
本来一ヶ月の契約だった見本市開催期間だがレンガポール王の直訴により期間が
もう2月延長することになった。
実はこちらもそれはありがたい申し出だったのだ。その間に各国との
ロビー活動が出来るし情報収集も出来、さらに船団の大改修が出来る
オストラリアやニジランドからも使者が頻繁に来れる
東南ジアジ諸国との結び付きが一層強固になりマラッコ海峡の治安維持にも
船団の護衛船が派遣されて大いに役立った。周辺の海賊達はほとんど駆逐され
天然のクラーケンもほぼ壊滅。貿易量が飛躍的に増大したのだ
スタージナスとイーシャ達、そしてゴブータはその期間に
オストラリアを訪問することになった。資源開発部の社員も派遣されて
我が国の誇るC-2輸送機(王族専用機)で向かう。
約4時間ほどのフライト。C-2を10機ほどフィルム化して献上する予定
F-2も中古とはいえ50機ほど献上する。その他に野戦砲や戦車各種
すべて事前に調定、通達していたので問題無い。
出来たばかりの国際空港に降り立つとオストラリア王が出迎えてくれた
「遠路はるばるようこそおいで下さいました」
「いえいえ、この輸送機のお陰で4時間でこれました」
「な、なんと!船旅なら3日は要するはずなのに・・・驚きですな」
「お約束通りこの機を10機進呈しますのでご活用ください。」
「は、ありがたきこと。この日の為に整備工場を建設してお待ちしてました」
数度の交渉を経て全て準備は整っている。
「早速ですが宴を」
すぐに宴会会場に案内され大接待がはじまる
「しかし我が国の様になにも無い国にこのような支援いただき感謝です」
「勿論我が国も利益を上げるつもりですから心配ご無用です」スタージナス
「わかりませぬ、どのような魔法を使うのでしょう?」
「明日から我が調査部隊が各地を廻り資源調査をいたします。ご安心ください
予め候補地は分かっています」
「面妖な・・・我が国に初めて来たのに場所が分かるのですか?」
「これは軍事秘密ですが、ある方法で貴国の地形は把握しています」
「こ、これは恐ろしい事・・・どうか民の命だけは」平伏するオストラリア王
「侵略目的ならこんな回りくどいことはしません。どうか安心下さい
我が国はあくまで貴国との平等、公平な取引をしたいだけですので」
「しかし、我が国ばかりに利がある様ですが?」オストラリア王がいぶしがる
「はは、他の国でも皆同じ事を言ってきますが安心ください嘘偽りのない
交易は両国に莫大な富をもたらす事を証明いたしますので」
すでに傘下国友好国などで取り交わしてる「国際相場価格表」を
オストラリア王に手渡して今後の取引について説明するスタージナス
「ば、ばかな・・・砂鉄の価格がこんなに高いわけがありませぬ」
「いえ、これが公平な国際取引相場なのです」スタージナス
「しかし、砂鉄は我が国で大量に採取されてる唯一の輸出品ですが
こんなに儲けて良いはずが・・」
「どんどん儲けましょう。貴国の砂鉄は世界で戦える貴重な資源なんです
いま鉄の需要はうなぎ登り今後も相場は上がり続けます。国を富ますべきです」
「あと、これは軍事機密に属しますがもう一つ世界的戦略物資が絶対に
あるはずです」
「な、なんとそれは?」
「砂鉄の中に魔砂が含まれているはずです」
「ですが、聖水がない我が国では無用の産物、不純物として捨てました」
「なんと勿体ない、全て我が国が適正価格で買い取ります」
「しかし、ゴミに値段が付くのですか?」
「価格表をご確認ください」
「ぎゃあああ、なんだこの値段!砂鉄の値段以上ではないか!」
「これが国際相場です」スタージナス
「しかし、スタージナス様の話だと我が国は魔砂も無尽蔵でずぞ」
「そのために我らはやってきたのです。どうか魔砂をお売り頂きたく」
「その他にも貴国ではレアメタルや貴重鉱石が豊富です。」
ブルブル震え出すオストラリア王
「どうかお命だけは・・・」
これほどの富を大アスタージナスが放っておくはずがない
結局資源開発だけさせられて侵略されるとふんだのだ
「ですから侵略目的ならこのような情報など知らせません」
「確かにそうじゃな・・・」
「とにかく今はオストラリアが富を得て民が増えてくれるのが
わが大アスタージナスの願いなのです。貴国には人が少なすぎます」
その夜・・「やはり来たか」スタージナス
8人で眠る寝所になにやらゴソゴソと音がする
パッと電気をつけるエミコ
「これは暗殺計画ですか?容赦しませんよ」エミコ
なんと素っ裸の娘達が30人程スタージナスめがけて突進してくる
しかしその場にへたり込んでしまう・・・
ゴブータの精神魔法で突進を妨げたのだ
「我らはスタージナス様のお情けを頂けなければ処刑さるのです。」
「まったく何時も困った物じゃのう、我にはなんの権限もないのに」
「我らはスタージナス様について行くしか道がありません」
いくらオストラリア王に言っても無駄だろう、王も命がけなのだ
「わかったその気持ちは受け取ったからとにかく服を着てくれ」
「服はすててきました。今日から我らは一生裸です」
「馬鹿を申すなそれだけは駄目だ、イーシャ、この者達の服を」
「はっ」衣装ケースからフィルム化していた服を展開する
「ばかな、皆の分の服がなぜあるのですか?」
「スタージナス様はすべてお見通しです。このような事態も想定してます」
イーシャが自分の手柄のように自慢する
「其方達覚悟はしてきたのだな?」
「は、死ねと言われれば今すぐにでも」
「全くイーシャ達と同じ事をいいおるわい」
真っ赤になるイーシャ「私達はこれほど無謀では無かったです」
「同じ様なものだ」スタージナス
「国家に尽くすとはこの様な覚悟が必要なのですね」ゴブータは感銘
「多分半分ぐらいは盛ってますけどね」エミコは身に覚えがあるのだろう
「今日はもう遅いとにかく寝るぞ」
なるほど8人が寝るにはいくらなんでもデカすぎる寝所だと思った
30人追加で寝ても全然狭くない広さなのだ
「しかし想定はしていたが30人とは多すぎる」スタージナス
翌朝目が覚めると案の定イーシャ達はとっくに起床して朝食の準備を
してるのに30人はグウグウ寝てる・・・いやはやなんとんも
そっと起きたスタージナスは30人を寝かせたまま退出した
「スイマセン、スタージナス様、実は私が彼女達を精神魔法で寝かせてます」
ゴブータ
「やはり、そうか・・しかしこのまま放置したら彼女達は自決してしまうな」
「どうされますか?」
「オストラリアとは今後も仲良くしたいのだ、引き取る事にする」
「しかし今日の所はそのまま縮小化魔法で持ち帰る」
「そうですね大人数過ぎると動きがとれませんね」
「うむ、オストラリア王にはちゃんと報告しておく」
「オストラリア王も律儀な事よ。一方的な利益は望まぬか・・」
これでスタージナスを取り囲む娘はゴブータを含め61人
「まるで雪だるまのごとくじゃな」人ごとみたいに関心するスタージナス
「寝所を広くして正解だった」イーシャが語る
総合企画室は社員100を誇る一大部署となり社長室も60人が働くオフィス
総合企画室付き研究所も立ち上げ王立魔法院研究室をもしのぐ人員と質で
あらゆる分野での研究開発を行う事になった。極秘作戦立案も・・
二階建てだった社員寮船を更に建て増しして地上部分は3階建てにした
三階部分は全て研究開発の為の実験室。
ゴブータ、やはり人を洗脳するよりも研究開発の才の方が優れている
正に水を得た魚。しかもほとんど女性ばかりなので変な色恋沙汰も起きない。
本当は女性社員全員、すでにゴブータに吸引されてしまってるのだが
一方シン国
「それにしてもトド・タクトウの無様な事よ・・」オンライは嘆く
「申すな、それも敵を欺く手段じゃて」タクトウ?が語る
「果たして敵は油断したかな?」オンライ
「いや、多分影武者とバレているだろうな」タクトウ
「あまりにも無様で汚らしすぎたから処分出来てよかったかもな」
タクトウは語る
「好き放題させたのはタクトウ様の方針だったでしょうに」オンライ
「うむ、必ず人質救出作戦が実行されると踏んだからな」
「狙い通りスパイを送り込めましたな」オンライ
「今回のスパイは召喚人間ではない普通の人間を使ったのでバレないだろう」
「敵は召喚人間を判別出来る様ですから」オンライ
「前回のマラッコ海峡作戦で多くの傘下国に見限られてほどんど味方国は
無くなってしまった。今は孤立無援状態、我が国は重大な局面を迎えてる」
「とは言っても国としての人口で比べればまだ我が国の方が多いです」オンライ
「うむ、大アスタージナスは属国全てを含めても人口は7~8千万
我が国は2億いるからな、全面戦争になれば負けることはなかろう」
この2人は全国民を動員してでも戦争をするつもりなのだ・・・
「都合の良いことに敵はどうやらレンガポールにあと二ヶ月は滞在する様だ
この機会に我が国も迎撃態勢を整える」タクトウ
「スパイの情報が最重要ですね」オンライ
「うむ。」
両国の緊張が高まっていく




