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それって異世界転生とちゃうちゃう!  作者: kou2199
外伝
80/179

ウラアールの一日

外伝その2です

私はウラアール第二王女として生まれながらもなんとも言えない

波瀾万丈な運命を背負って生きてきました。


アスタージナス様の御慈悲により大罪人の咎を許され

大アスタージナス王の右腕として忙しい毎日を送っています

ゲルマニアとの大戦もようやく終わり今は統一された国をなんとか

一まとめにすべく働いています。


とにかく旧ゲルマニア帝国において1億人もの民が現在も行方不明

旧アスタージナス連合国の民6千万で倍以上に広がってしまった広大な

領土を収めていますが、なにをするにも人が足りません。


無いものをねだっても仕方がありません。足りない物は頭でカバーです

とにかく復興に際し大優先は人材の確保と流通の簡素化です。

今までの国境門を全て廃し街道と空港、港の整備を行いました

なんにしても莫大な費用がかかるインフラ事業。無駄を一切省かなければ

なにも出来ません、官僚達の汚職や腐敗などはもってのほか

出来ない人間にはどんどん去ってもらってます。


さすが大王は先を見ていました。王立魔法院は人材の宝庫、国家に忠誠を誓う

有能な人材が適材適所で各所に派遣されていき国家運営の礎となっています。


なにを思ったのか財政ひっ迫だというに大王は前王スタージナス様の

放浪の旅を許可されてしまいました。


私的には「お金がないのになんと無駄な」と内心では反対でしたが

大王の行う事に今まで一度たりとも間違いなどありません。

きっと思惑があっての事なのでしょうと、無いお金のやりくりを行い

快く父上を送り出したのです。


すると父上は各所で八面六臂の大活躍。外交、貿易、軍事

あらゆる場面で国に莫大な利益をもたらしてくれています。

国家財政は劇的に好転しお陰で需要が供給においつかない好景気

忙しすぎて各所から悲鳴が上がっています。

さすが大王の先見の明、恐るべしです。


そんな私のごく普通の一日を紹介しましょう。


朝5時起床


隣に寝る大王を起こさない様にそっと起床します。

着替えをサッと済ませ今日のスケジュールの確認を行います

大体の予定は一月前から組まれていてほとんどは予定通りの行動です


「ふむふむ」私は予定表を頭に叩き込む


6時大王起床、

6時半朝食、幹部会議

8時王立魔法院研究室視察


ふむふむ、今日の報告は新兵器の開発報告とその他の発表


先日実戦投入した「キングドラゴン」の戦果報告か・・

新たに開発中の「携帯電話の通信網」についても発表があるらしい


12時まで会議を行いそのまま昼食

13時からはフランク州視察、イングリント州知事との会議

16時からはドコドイ州の軍需工場視察

18時ドコドイ知事との夕食会

21時王宮に戻り打ち合わせ会議

23時就寝か


今日も大変な一日だ


おっともう6時です。大王に起きてもらわねば


「アスタージナス様朝です起きて下さい」

「うーん、もう朝ですか」ちょっと寝起きが悪いアスタージナス

「ささ、着替えて下さい」抱き上げるウラアール


なにからなにまでウラアールが世話をする

自分で服を脱ぐことも出来ないアスタージナスまるで着せ替え人形。

普通その役目はメイドとか側近なのだがウラアールはそれを許さない


「大王は我の物」


誰にもアスタージナスを触らせない


「さ、まいりましょう」と手をつないで執務室に向かう

大王が開発指導した「和食」なる朝食を済ませる


納豆に卵焼き、あじのひらきに豆腐のお味噌汁、たくあん


ほとんど材料入手が困難な食材ばかり。一食で金貨数枚が飛ぶ

「なんたる大贅沢」ウラアールは内心で財布の中身を心配する

「このような贅沢はお控え下さい」と懇願するが

「せめて朝ご飯位は贅沢させて下さい」アスタージナスは一歩も引かない


「それに今日のおかずは全て戦略商品になり得る食材の試食を

兼ねています。ただ贅沢をしている訳ではないのです」


「それはそうでしょうけど気が気ではないのです」

「ウラアールは心配性ですね」


「さて、報告をお願いします」幹部に問うアスタージナス


「は、わが船団はみごとマラッコ海峡にて大勝利を得ました」

「それは当然でしょう、我々は勝てない勝負はしません」アスタージナス


いえいえ実際はイーシャの機転のお陰の薄氷を踏む戦いだったのですけど・・

ウラアールは思ったが黙ってる。


「後ほど王立魔法院にて詳しい戦果の発表を行います」

「問題点は無かったのですか?」アスタージナス


「ついに我が軍以外でも結界魔法を破る手段が開発されました」ウラアール

「聞きました、結界魔法はすでに無力に近いと判断せざるを得ませんね」


「はは、」


「あと、ダクーミ式魔物生産プラントは全世界に拡散した模様です」

「これは由々しき大問題。民の命がますますないがしろにされてしまう」

アスタージナスは嘆く


とにかくこの異世界、前世と比べ著しく人口が少ない、いや少なすぎる

なにか意図的な神の意志なのか?未開地が多い上に魔物の存在が

人類への大脅威となっている。その上支配者階級のエゴによる魔物生産

食料は人間なのだ・・・由々しき事態に拍車が掛かってしまってる。


「我が国の特産品である聖水と魔石の輸出について制限を掛けなければ

全世界が滅びてしまうかも知れません」ウラアールが危惧する

「たぶん我が国以外でも聖水と魔石が生産されてるのでしょうけど」ウラアール

人類に富をもたらす両輪が人類に仇をなす最大の要因となってる

なんたる皮肉。


「時間が来ました、王立魔法院に移動しましょう」


分刻みのスケジュール、会議は結論を得ずに終了した。


王室専用のサロンバスに幹部全員が乗り込み出発

「昔はセバスと2人きりでのんびり馬車に揺られて練習場に行きました

遠い昔の思い出です。」アスタージナスが遠い目で懐かしがる


ものの10分で到着


研究室では所長のダニア、部長のヘホコが出迎えてくれた

「時間がありませんので早速議題に入ります」


我が国では無駄な時間を要する挨拶などは一切廃している


「先日行われましたマラッコ海峡での戦果報告はレポートをお読み下さい

今日はキングドラゴンの報告をします」


「対通常ドラゴン戦はどうでしたか?」ウラアール


「は、キングドラゴン2匹合計6首による集中ブレス攻撃は

実に有効的でした」ヘホコ


「しかし、今後は1匹のキングドラゴンで通常ドラゴンを撃退

できるように改良してください。」アスタージナス


「は、現在研究中の魔砂高濃縮化が更に進めば超キングドラゴンが

作れるかも知れません」


「情報流出によりすでに全世界でドラゴンの生産が可能となりました

我が国はそれ以上がないと国が脅かされてしまいます。とにかく

緊急課題として魔砂の濃縮化を推し進めて下さい」アスタージナス


「で、予算についてですが・・・」実務担当のウラアール

「しかし、その額ではとても足りません・・・」ダニア


「すでに研究に掛かる比率は国家予算の3割を超えてますこれ以上の増額は・・」

とウラアールが増額を渋る


「本当にウラアールにはお世話になります・・・」アスタージナス


嗚呼、それは「なんとかせい」との命令なのだ・・・


「なんとか検討します」ウラアール

ウラアールがそういえば「確定」事項となる


「なんとかお願いします」ダニア、もう勝ち取ったも同然の笑顔


とにかくキングドラゴン1匹で下手な国の国家予算並みの費用が掛かる

スタージナスが見本市でお客様をいくら開拓しても稼ぐそばから

ザルのように使うのだ・・・「胃が痛いです」ウラアール


「我が研究所で開発された数々は我が国に計り知れない益を

もたらしています。研究を止めるのは国を滅ぼすも同然です」

アスタージナスは熱く語る


「はい、それは理解してます」ウラアール


アイデアを出すのはアスタージナスだがお金の工面は全てウラアール

両輪が回らなければこの国は立ちゆかない。


「話を戻します」


「海面を埋め尽くした敵小型船による特攻攻撃にもキングドラゴンは

とても有効でした」


「三つ首からの各個ブレス攻撃は広範囲攻撃に実に効果的でした」


「スタージナス様からのオモカッタ市の惨状報告が役に立ちました」

「通常ドラゴンのブレス攻撃のすさまじさを知れたのは有効でした」


「しかし、尊い命の代償で得た情報ですから」アスタージナス


「もう一つの新兵器クラスター爆弾についての報告を」アスタージナス


「は、ジャングルなどに隠れてる敵を殲滅する目的として絶大な

効果を得たようです」


「今回はしかたありませんがあまりにも非人道的、使用はくれぐれも

計画的に願います」


「は、キングドラゴン同様抑止力として限定使用とします。」


「ミサイル弾頭として対空防御にも使える目処が立ちました」

「敵戦力の密集度により効果が変わりそうですね」アスタージナス

「は、個別撃破か広範囲撃破かは臨機応変の対応が必要でしょう」ヘホコ

「相手は自爆攻撃が主な攻撃手段、躊躇してはこちらがやられてしまいます」

「非人道的とばかりも言ってられません」ウラアール


狂信者と召喚人間の自爆攻撃が横行するこの世界、容赦は出来ないのだ


「頭上から爆弾にて聖水をまき狂信者の洗脳を解く方法はありませんか?」

アスタージナスが質問する。


「は、それは研究に価する課題ですね、早速」研究所課長ロムロが興味を示す

「例え半数でも命が救えれば大成功ですから」アスタージナス

「今後は遠距離聖水ミサイルで敵勢力をなるべく削ぎそれでも突っ込んで来る場合

非人道的攻撃を与える二段階攻撃を研究して下さい」アスタージナス

「は、余裕が有る場合は検討しましょう」軍幹部


「さて、次ですが携帯電話なるものが実用化出来るとか?」アスタージナス

「は、今まではスマホを使い近距離での通話がすでに可能でしたが

この度基地局を大増設し国内のほとんどをカバーできました」

「それは素晴らしいです、国内での通信網確保は国防上大切なこと」

「しかし、同盟国や僻地、傘下の国には及んでいません。大王アイデアの

光通信ケーブルの開発を急いでますが・・・なにぶん予算が」ヘホコ


「全く、貴方達はすぐにお金お金・・タダで開発は出来ないのですか」ウラアール

「いや、それは無理でしょう。そもそもが無理難題ばかり要求してるのですから」

アスタージナスは研究員を庇う


「しかし、お金は沸いてくるわけでは無く国民の働きによるものです」

「先行投資すればいずれ国民に還元されるのです」アスタージナス


「わかりました、なんとかしましょう」うなだれるウラアール


口ではやかましく言うウラアールだが全て想定内のこと

一月前から予定が組まれていく段階でアスタージナスの要求などは

全て把握してるのだ、ダダをこねるのは対外的な面目に過ぎない。

アスタージナスも全て承知の上での茶番劇つまり、「イチャイチャ」

「阿吽」の呼吸の更にその上対応にアスタージナスは快感すら覚えてる


ウラアールも自分の手のひらの上で遊んでくれるアスタージナスを

心から敬服している。


さて、時間になりました昼食の時間です今日はなんでしょう?


「本日は天ざる定食です」


「これまた超贅沢な・・・・」ウラアールは嘆く

「せめてお昼ぐらい豪華に行きましょう」アスタージナス


「というか大王朝も同じ事を・・・」

「これもすべてお国の為試食が大事なのです」


「大王の試食会は毎日出席したいですな」幹部は大喜び


「しかし、この「そば」の原価一体どのくらいなのかご存じなのですか?」


「まあ、硬いことを言わないで」朝と全く受け答えのアスタージナス

「全てはあ父上が新しい貿易相手を探して頂けた恩恵です」ウラアール


「しかし、この天ぷらとやらは絶品ですな」ふだん粗末な食事のヘホコ大感激

「修行を積まないと出来ない職人芸なのです」自信満々アスタージナス

「この炊き込みご飯なるものも絶品につき」ほっぺたを落とすダニア


「全くお金が心配で味わうどころではありませんわ」

といいつつ舌鼓をうつウラアール。実は天ざる大好物


「こっ・・この喉越しが・・」思わず褒めそうになり口を押さえるウラアール

「素直になりなさい」アスタージナスは全てお見通し。


「さ、食事が終わったら移動です」ウラアールは急かす


王立魔法院内の飛行場から最新鋭ジェット機に乗り込みフランク州に向かう

40分のフライト


「お昼は機内でとれば時間の節約ですが?」とウラアールは言うが

「やはり飛行機の中では落ち着いて食べれませんもの」アスタージナス


飛行中はつかのまのお昼寝の時間なのだ。2人は専用室に入り

2人きりで仮眠をとる。


「無理難題すいません、でもウラアールだけが頼りなのです」

「いえ、全ては想定内。ウラアール承知しています」

「ごめんなさい、あの場では難色をわざと示させて悪役にしていまいました」

「とんでもないこと、私は大王の引き立て役になれば満足なのです」


2人は目は閉じているが思念通信を常に行っている。仮眠なんだかなんだか


空港に着くとイングリント知事が待ち構えていた。さっと敬礼だけして

すぐに移動用のサロンバスに乗り込む


20分の移動中に視察内容の報告を受ける


「本日はイングリント州統括フランク領の現状について視察です

元王都リパに到着・・・


「なんですか?この廃墟感」アスタージナスが驚く

「現状イングリントからの移住民のほとんどは農業就業者ばかり

都市に移り住む民がほとんどいません。派遣された数十人で管理してるのが

現状です。


「まさかこれほど酷いとは・・・」ウラアール


城門に配備された魔物兵が治安を維持してるので略奪などはないが

ほとんどの住居は空き部屋、商店街はすべて閉じられ商品もない

草木は伸び放題。荒涼たる風が吹くだけのゴーストタウン。


「このまま民が戻ることが無いのならいっそのこと更地にして

軍基地などとして再利用した方がいいかもしれません」イングリント


「民はいまだに見つかる見込みは無いのですか?」ウラアール

「はい、全て抹殺されてしまったか、どこか遠方に送られたのかもしれません」

イングリントは答える


今度は農村を視察する

王立魔法院研究所から無償援助された農作機器のお陰で

大規模農園が機能しはじめてるがやはり人員不足は深刻

依然として全盛時の3割位しか生産量が戻っていない


「もともと3千万人いた民が現在は移住民3万で支えてるわけで

人不足はどうにもなりません。せめてあと100万位の民がいれば」


このままでは大アスタージナス国の食料はいずれ不足するだろう

今はシグナス州が支えてくれてるのでなんとか国民が飢えることはない

しかし、これだけ豊かな大穀倉地を放置するのは国益を著しく損ねる


「なんとかイングリントからの移民を集えませんか?」

「いまが精一杯です」イングリントは語る


「現在農作業が可能な魔物生産を研究中です」

「それは妙案、急いで下さい」


「新都市エラールで実際に起きている事なんですが」イングリント

「魔物が自我を持ち2世3世になると市民化することですね」アスタージナス

「は、果たしてそれでいいのかどうか」

「魔物とて我が国の為になるのでしたら立派な国民です。今後優秀な魔物には

市民権を与え正当な報酬を支払うべきでしょう」


「は、大王にその意思があるのでしたら魔物農民政策推し進めて行きます」

「是非おねがいします。」アスタージナス

「魔物農民生産といってもそうそう増産は出来ません時間が必要です」

「大アスタージナス国全域で作業用魔物の需要は高まるばかり

プラントがフル稼働で生産していますが月産1000体程度がやっと

フランクに回せるのは2~300が限度です。」


「その数ではどうにもなりませんね」アスタージナスは嘆く

「これが現場というものです」イングリントはため息をもらす


「さ、時間になりました移動します」ウラアール

再びジェット機に乗り込み20分のフライト

こんどはドコドイ州の軍事工場地帯、ドッセンバルクに到着する


「今日は軍事工場、最新鋭戦闘機の試作機を視察頂きます」

「F-2に比べ今度のF-3は何が違うのですか?」


「はい、大きな違いは完全ステルス化が可能になりました」イングリント

「レーダーに写らないだけでなく完全透明化したと言うことですね」ウラアール


「は、大王のステルス魔法を研究し実用化にこぎつけました」

「しかし、この技術だけは絶対に漏洩させてはなりません」アスタージナス

「は、今回は研究段階でセクションを分け他部署がなにをしてるのか

わからなくしています。組み立てからでないと透明化は作動しません。」


「しかも敵にしか透明化が分からない仕組みになっています」

「基地を飛び立つときは普通の戦闘機にしか見えません」


「ステルス魔石が配合された塗料は該当する機種にしか反応しません」

「予め塗布されてる下地がないとステルス塗料が反応しない仕組みです」

「塗布されたステルス塗料はある一定の魔力負荷を掛かけて作動させます」

「つまり訓練されたS級パイロットがいないと作動しないのです」

「最終的に専用ゲートをくぐらないと発動しない仕組みにしてあります」


「それでも心配ですね」アスタージナス


「情報漏洩対策は今後も研究課題です」イングリント

「頼みます」アスタージナス


「F-3が実用化された後は全ての航空戦力、地上戦力に応用します」


「あと、魔石による超伝導カタパルトも実用化出来ました」

「従来のスキージャンプ方式の滑走距離短縮になりますね」アスタージナス

原子力を認めないアスタージナスの方針で我が軍の空母は

蒸気カタパルトが未装備、スキージャンプ台方式が採用されている


カタパルトが無いので甲板上に待機できる機数が制限されていた

大型空母クラスでも40機が艦載上限だったが魔石超伝導カタパルトが

実用化されれば艦載機が劇的に増える


「固有機種限定ですが全体縮小化が可能になり専用縮小解除場所にて

フィルム化された戦闘機が組み立ての必要なく展開出来る様になりました」


「それは画期的ですね」


「は、これにより空母に搭載出来る戦闘機数は「無限大」10万機位は

余裕で艦載可能です。」


「しかし、国中探してもパイロットは100人もいないはず」

とアスタージナスは嘆く


旅客機や輸送機のパイロットは順調に増えてるが戦闘任務に堪える

優秀なS級パイロットは現在100人を下回っている

スタージナスの空母には40人しか回せない、それが限界

どんなに優秀な戦闘機を開発してもこれでは絵に描いた餅


「はい、これは難問題。人材だけは量産出来ません」

「2回の戦闘で多くの優秀なパイロットを失ったのが痛すぎです」


「戦闘の度にパイロットを失う事をなんとか防げませんか?」

「はい、魔物とか召喚人間で代用できないか研究してますが

こればっかりはS級パイロットにしか出来ないのです。」


「地上での遠隔操縦も研究してますが戦闘行為は不可能です」

「せめて哨戒や索敵、陽動任務には遠隔操縦技術を使って下さい」

「は、研究いたします」イングリント


「現在緊急脱出転送魔石を開発中です」

「パイロットの命が危ないと判断されたら即転送するシステムです」

「それは最優先で研究してください」


「はっ」


「そろそろ夕食の時間です」ウラアール


「さて、今日の料理はなにかしら」アスタージナル


「は、きょうは大王おすすめの「すきやき」です」ドコトイが説明

「おおっそれは最高」アスタージナル


「いえ、甘醤油ダレだけは高価ですがその他の食材は比較的

手に入れやすく材料費は抑えめとなっています」ドコトイ


「今回も和牛は手にはいらずですか・・・」


「大王、和牛なる品種はジパンにしか存在せず輸入となれば

途方も無い金額となります、とてつもなく入手困難です

普通の牛肉でなにが不足なのでしょう」ウラアール


「全然、根本から違うのです・・・とほほ」

文句いいながらペロっと完食するアスタージナス


「大王は言ってる事と行動が違い過ぎます」これは思念通信


「あら、ウラアールだって同じですよ」思念通信で返すアスタージナス

「どこがでしょう?」

「ウラアールが怒るときは必ず喜んでるサインですから」アスタージナス


「ば、ばかな・・・・・あのその、その通りかもしれません」ウラアール


「あのーお二人様また固まって見つめ合わないで頂けますか?」

ドコトイ知事が耳まで真っ赤にして自分の事の様に恥ずかしがる


「これは失礼」二人はとりつくろう


「今日はすべて和食づくしだったのです満足していただけましたか?」


実はアスタージナス「和食好き」のウラアールに配慮し気を遣ったのだ


「はい、お昼ご飯の時に気がつきました。本当にありがとうございます」

「二人とも休みがとれないのですからせめて美味しい食事とりましょうよ」


「はいはい、見つめ合わない」ドコトイ知事が2人をしかる

「本当は私だって仲間に入りたいのに・・・」

ドコトイ州知事、先日父親から継承したばかりの17歳の乙女


ドコトイにとって2人は憧れの存在、イチャイチャされるのは我慢ならない

3人でイチャイチャしたい!


「さて、食事も終わりましたそろそろ引き上げます」

さっと2人は帰り支度を済ませ帰りの王室専用機に乗り込む


なんと王室洗浄機はシャワー付き。実際はゆっくり風呂に入る

暇も無い移動中しか入浴できない


それでは2人で流しッコ・・と言う訳にはいかない、狭すぎる


21時ジャスト王宮空港に降り立つとそのまま王宮の間に直行

待ち構える幹部達と今日の出来事を会議する・・・


今日は別段取り急ぎの懸案事項は無く円滑に会議が終わり

23時、就寝時間


「ふぁああ、今日も忙しかったですね」アスタージナス

「お先に寝て下さい明日も早いです」

「それではおやすみなさい」


私は書類の整理をしてすぐに寝ますのでお心配なく」

甘えるアスタージナスをそっとなでて寝かしつける


24時、何時もの様に就寝の時間

おやすみなさい


「ウラアール、それで今日のおさらいですが・・・」

「は、なんなりと」


夢の中でアスタージナスをだっこしながら2人の

もっとも濃密な時間がながれる・・・・

夢の中でウラアールはお姉さん、なにもかも許し許される。


ごく普通のわたしの一日



ウラアールは寝てても仕事してます。

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