はじめてのお買い物
収入を得たが出費も多い
なんとか電卓みたいのてにはいらないかな・・・
今日は朝から予定もなくヒマなのだ
「ねーえ、セバス」
「はっお姫様なんでしょう」
「予定が無いときはどうすればいいの?」
「は、先日までのお姫様は毎日お部屋の中で飛び回ってました」
ばか姫め・・・なんの参考にもならん
「ですが・・・」なにかあるのかな?
「王族のみに許された魔法ですので活用される君もいるようですな」
ほー・・・
「近隣の森には邪悪な魔物が生息して農民や通商人を襲います
魔物討伐に出かけるという手段もございますな」
おおっファンタジーぽい展開になってきたね
「ですがまだ子供院にも在籍されてないお姫様には従者も限られて
あまり強い魔物退治は許されておりません」確かに・・
「ですが農村と森の中間の人里程度でしたら凶悪な魔物は少のうございます」
なるほど林みたいなところで練習って訳ね
「ねーえセバス?」
「はっなんでしょうお姫様」
「その魔物とか魔獣倒すとなにかいいことあるのかしら?」
「は、もちろんでございます」おっなんかいいことありそう
「倒した魔物の強さに応じたポイントを得られます」むふふやっぱり
「ごく希にですが貴重なアイテムとか採取できます」
やっぱりRPGだよ・・・
「ですが・・・」ん、なんか懸念事項あるんかな?
「やはり魔法と魔獣にも相性がございます高ポイント魔法使っても
効かない魔物もいれば効率よく効く魔物もいます」つまり?
「お姫様のように手持ち魔法が少ない場合はとても危険でしょう」わかる・・・
先に魔法数を増やすほうが先だね・・
「では早速ですが練習場に参りましょう」
「お待ち下さいお姫様」ん、なんか問題?
「魔物狩りが目的でしたら準備が必要です、まずは装備を整えましょう」
納豆食った
「でセバス、どこで揃えるの?」
「はっ城内用達のキオスクがございます」アンテナショップね
でも、それはいいかも。きっと商人目線だと良いカモなんだろうけど。
「では、そちらに参りましょう」
「はは、早速」
部屋を出るといつも通る廊下とは反対側を案内された。突き当たりを左に曲がると
比較的大きめの広場があった。ちょっとしたデパート売り場の感じだ
なんでも揃ってる感じだが閑散として人の気配はない
ここに立ち入れるのは王族、領主、貴族とそれぞれの召使いのみ
10月の収穫を控え買い物する客は少ないのだとか。ま、そうだろうね
うきうきうっきーと散策・・・
なるほど城内御用達、品の良い装飾品や調度品、家具に絨毯、カーテン
上流階級に必要なアイテムがずらーっとある、とりあえず今日はいらない
「まずは防具そろえましょう」とセバス
装備品一式が揃ってる店舗の前にきた・・・どれどれ
そこには中世騎士が装備するようなフルプレートとかがざっと並んでる
でも幼女の俺にはどれも装着できそうもないなぁ・・
「そこの商人!お姫様が使う狩り用具を用意しなさい」セバスが命令する
「へへへっ、ただいま」手をモミモミしていた店員が傅く
いったん奥に引っ込んだかと思うとすぐに戻ってきた
「こちらなどいかがでしょう秋の新作です」うわー金銀財宝が眩しー
高貴な子供用の防具一式を奨められた、ってこれ高杉新作じゃね?
「おいくらかしら」
「はっ金貨45枚です」目玉が飛び出る~、が、お姫様は動揺してはならない
「とても結構ですこと、とはいえ私には重すぎませんか?」
「左様でございますか、それではこちらなどいかがでしょう?」
今度は高貴ながらも実用性重視ぽい装備を奨められた・・・
「こちらはおいくらかしら?」「ははっ金貨60枚でございます」
ってますます高いじゃん(;´д`)これはいきなり破産かぁ?
セバスが耳打ちする
「お姫様、王族は高貴に振る舞わらなくてはなりませんがこれ以上高価なのは
逆に顰蹙を買います」セバスぅ、視点ちがうよ・・・金欠なんだよ俺
とはいってもお姫様が値切るなんて出来そうもない
「ではこちらを頂こうかしら」「ははっーー」しょぼーん
「はは、こちらはとてもレア物の防具でございます」
なんでも主の体格にそって伸び縮みする優れもの
さらに多少の損傷を受けても自己修復するらしいし思った以上に軽量
「その他にも多様なギミックがございますが実践にてご確認ください」
おおっさすが城内御用達、高価だがそれ相当の物みたいだ
「こちらの防具はお召し物の上に装着しても着ぶくれしません」
ささっとその場で試着してくれた。
おおおっ確かにピタッと違和感ない、良いわ~感なのである
でも支払いはどうすれば?
セバスがなにやらカードを取り出して「これで支払いを」と商人に渡す
あ、テーブルの上に端末機?見たいな木箱がありそこにカードを置くと
「はい、確かに頂きました」おおっこの世界にもクレカあるのか?
「こちらはお嬢様専用の決済カードです私がお預かりしてました」
ばか姫ではなにしでかすか判らないので取り上げていた模様だ。
試着がおわつて精算も済んだ、で防具はずそうとしたがどうやるの?
「は、お姫様こちらの部分にお触れください」
胸の中心になにやら黒い石がはめ込まれてる、飾りなのかと思ったが
これさわると脱げるみたいだ。そっと触れてみる・・・
「バヒューン」カプセルになってしまった
「お姫様こちらの箱に保存下さい」携帯灰皿みたいな小さくて
スライドで収納可能な箱を渡された。
「使うときはどうするのかしら」
「はっ箱から取り出しそのカプセルを前方に落とせば自動装着されます」
ドラ○ンボー・・・・か!
「お姫様以外は脱着出来ません」なるほど盗んでも売れないのね
「その収納箱は紛失しない仕組みとなってますので今後お買い物した際に
必ずカプセル化してそちらに収納して下さい最高5つまで収まります」
よく見るとカプセルに日本語で「防具」と書かれてる、勿論俺にしか
見えないのだろう
残念だがこれ以上の買い物は出来そうも無い今日はこれで引き上げよう
「丁度お昼でございます今日はお部屋で頂きましょう」
午後になりやっとに練習場に行けた
早速防具の効果も確認してみたい
「セバス、今日は標的も反撃出来るようにしてください」「ははっ」
今日は標的は3体、ユラユラと左右に動きながら反撃してくる
反撃指数は3Pクラスにセットしてみた、いきなり強力反撃はヤバイ
「ぴゅんぴゅん」と小さい火の玉が10秒間隔で発射される程度
これでも普通の人間が喰らえば一発で3人消し飛ぶそうだ、物騒だね
今日は別の魔法も試してみたいんだよね
「では参ります」セバスが号令すると標的がゆらゆら動き出す
初めは10Mの距離があるのうえ命中精度は大したことない
「ピューン」と火の玉が飛んで来るが簡単にかわせる
とはいえ3体同時攻撃だ油断禁物、素早くかわしつつも詠唱準備だ
まずは「どうだ鉄だ!」練習の成果があり素早く詠唱出来た
「ビュビュビュ」あっさりと一体が倒れた、うん使える使える
それでは新魔法!
「笹が刺さった」!!!「ボッ」と開いた手から笹の葉みたいな葉っぱが
標的の一体に鋭く突き刺さった!発動成功!
「シンマホウ、シンマホウ、20点20点」おお20P獲得だ
「消費10P間隔30秒」まあそんなもんだろうねやはり雑魚魔法だ
だが小物魔物には十分効き目有るだろう、それでいいのだ。
これで総魔力量は120、いま立て続けに30使ったからあと30秒は
残量90だ。
うーんこの程度の魔力量では狩りなんてとても無理だろうな・・
なんかこう1000単位の残量ないと安心して使えん
ここは練習場だから0になってもすぐに120チャージされるが・・
試しに防具に一発わざと受けてみたが傷一つ付かなかった
耐防御ポイントどれくらいなんだろう・・100位は問題なさそうだ
「うでにある魔石に触れると反撃魔法をチャージすることが出来ます
予めチャージしておけばその場での魔量ロスは起きません」
おっ早速両腕を確認すると左右に3つづつ石が装飾されていた
普段は黒いがチャージすると赤く光るが属性で色が変化するそうだ
黄色に光ると防御系魔法がチャージされて青色だと生産系がチャージ
されるそうだ。おおっ便利便利
だがいまの俺には防御系と生産系魔法はまだない。うーんマン○ム
「お暇様ご装着されてる防具は属性ごとに染色すれば特化できるそうです」
ふーん、それは便利だね・・・でもどうやるのか?
小一時間位練習を終えて小休止、休憩小屋で一服だ
体によさそうなハーブティーでホッとしつつ考える・・・
どうもオヤジギャグは攻撃系魔法しか発動できないポイ
じゃ防御系生産系はどうやって発動すればいいのか・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
ゴルゴか!と脳内
「プ」とほんの少し青いオーラを感じた・・
「え」なに?
もしかして・・・
俺はとっさにおもいついた
「たけやぶやけた」
「シュシュシュシュ」パルス状のオーラは出たが発動しなかった
ん、これは経験あるぞ!
そう具現化できないのは具体化しないのだ!
つまり「回文」が別系統の魔法を生み出すオリジンなのだろう
「しんぶんし」
「ヒュルヒュルヒュル」と青色の魔方陣が出てきて目の前に
新聞紙が1枚でてきてフワーつとテーブルに落ちた
「シンマホウ、シンマホウ、100点100点」
おおっやったね新魔法開発した、しかも生産系だし高得点!
新聞紙というからには記事もあるのだろう・・・
はっ?もしかして恐怖○聞か、100日寿命縮まるのは困る
発刊されてしまったのはしょうが無いおそるおそる見てみる
「クリスティーナ第三王女新魔法続々と開発する」
「お姫様新防具入手で金欠発生・・・か?」
「ついに回文で生産系魔法取得」
とかの今日一日の出来事が大見出し更に詳細が書き込まれてたが
たわいもない三流ゴシップ記事然としてて記事内容に得るものはない
別段命の危険はなさそうだ(^^)詠唱間隔は24時間、正に新聞紙だね
裏面を見てみると白紙だった・・おっこれってメモ用紙に使える!
「お姫様これは大変貴重な紙ではございませんか、素晴らしいです」
一日1枚じゃとても売り物に出来そうもないけどね。
とにかく当面の金欠は解消できたかもしれないがまだ狩りには心許ない。
それにこれからの学校生活で絶対必要なのは計算機だ・・・
なんとか回文で生産できないものだろうか
けいさんき→きんさいけ、駄目だ
でんたく→くたんで、もっと駄目だ
「わたしまけましたわ」・・・オーラはでたが発動しない
回文はオヤジギャグよりもさらにハードルが高い
生産できそうな回文はもっと難しそうだ。
休憩を終えて再び訓練訓練・・・
バザールでごザー○帰城してまた買い物でもと思ったが
デパートは午前中しか営業してないらしい。さすが殿様商売
生産系は回文の様だがハードルたかそうだ
よのなか甘くない。




