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それって異世界転生とちゃうちゃう!  作者: kou2199
新章 スタージナス旅日記
72/179

インデアにて

楽観気分が・・・

結局テイロン島には3ヶ月ほどの長期滞在となってしまった

島内に造船所を作ったので「巡洋船」と「輸送船」の大改造を

行ったからだ


まず巡洋船は後部の商業区を廃し全てを客室化した

完全武装豪華客船と改造された。

今の所豪華客船としの運用は考えてないのでとりあえず

社員寮として使う予定


輸送船の方は内部を全てくりぬき大スペースとし「展示船」とした

移動見本市船となった。目的地に接岸するだけで見本市会場となる

甲板上は半円ドームの色つき結界を張り、大型機械やモデルハウス、

バス、トラックの展示。船内一階は家庭電化製品や工業製品

二階はフードコートとレストラン街


巨大な動く見本市の完成だ


補給船が2隻さらに縮小化が進んだ物資を満載出来る


そして、そして。大アスタージナス国の最終兵器

「空母」が就航し同行することとなった


新開発の戦闘機、哨戒機、小型輸送機、ヘリコプターが

満載されてる。恐るべき軍事力


組み立ては必要となるが縮小化ができるので艦載機は5倍増し

例えば戦闘機は運用40機200機以上の部品在庫となった

また空母での運用は出来ないが部品を現地で組み立てれば

新開発の大型戦略爆撃機の展開も可能になった

その意図はなくてもこれは脅迫見本市だよなぁ


勿論同行する以上展示品は基本販売予定とは言っても「見本市」

試作品段階の商品もかなりある。


もはや我は連合艦隊の司令長官だ・・ほんと迷惑

さすがに空母は軍隊なので我は「司令長官」に襲名してしまった

いままでの「シャッチョさん」から「シレイチョカンさん」だ


遅れに遅れたインデア国オモカッタで見本市が開催された

いまかいまかと待ちくたびれたオモカッタ国王が到着し

昼食パーティが行われた


「お待ちしていました。」

「こちらの事情でご迷惑おかけしました」とスタージナス

「して、会場なるはどちらかな?」

「は、船内すべてが会場になってます」

「な、なんと・・・」

「今王がいる場所は普段はレストラんとして使います」

「ふむ、レストランと・・・」


「今回はフランク州料理をお試しいただきます」

「おおっそれは楽しみ」

フランク料理のフルコースでもてなす


「となりはフードコートといいまして庶民が気軽に食事をとれます」

「ふむ、余もそちらがよかった・・」庶民派の王様なのだ


「で不躾ですか隣国との関係はどうなんでしょう」

「うむ、多分そちらで調査済とは思うが・・・」

隣国「パコスタン」との国境線を巡る争いが絶えないのが現状だ。


国境で揉めるのは「カシモール」地方で獲れる最高級羊毛カシモール

の利権をめぐる争いが延々と続いている。


「すでに我が国は大アスタージナスの傘下、是非他国の脅威を

取り払って頂きたく」


「だが、我が国の調査によると国境線はどちらの言い分もあり

外国が関与するとかえって深い遺恨を残すと思う」


「ですが、この問題を解決しないと民の安全は訪れません」

「誠に言いづらいがインデアもパコスタンに軍事侵略を繰り返してる

決してパコスタンだけの責任とも思えないが?」

「しかしパコスタンが攻めてくれば反撃は仕方なく・・・」

「平和解決は無理かな?」

「努力はしてます」インデア王


「しかし、今回の見本市での大アスタージナスの軍力をみれば

軍事バランスは崩れるでしょう」とインデア王


「逆に焦って無謀自暴自棄な攻撃もあるやもしれんな・・・」

やはりどこの国どこの地域でも争いは絶えない。人類の業か


というか我々は見本市が目的なのか世直しご隠居なのか

訳がわからくなってきてるな・・

さすがに長年の紛争を1週間の期間で解決は不可能だろうな

しかし、方向性ぐらいは示せるかもしれん。


「とにかく期間中は十分お気をつけ下さい、我が軍も

全力でお守りします」とインデア王


これだけ広大な領土を有する国なので兵士数は半端無い

10万、20万の大軍隊を展開するなんて訳ないそうだ。


さすがに今回は邪教信者による地上戦は考えられない

あるとすれば空か海だろう・・


いくらパコスタンでもワイバーンやクラーケン攻撃は無理だと情報は

得てるはず。召喚人間や魔物攻撃も効かないと理解してるはずだ


昼食会を終了し会場を視察する国王

「うーん、これは、おおお」目をグルグルさせるのは恒例

やはり注目したのは軍事全般、防衛目的を確約したうえで

戦車や野戦砲、迫撃砲、軽機関銃などを販売契約した

全て魔石弾なので侵略目的では発砲出来ない説明をし了解を得た


魔石弾は我が国の独占販売なので不正使用時にはいつても

供給を止められる


例に漏れず資金不足とのことで我が国が地質調査を行い

鉱物資源の有無、埋蔵量を調べそれに相応した金額をはじき

相殺契約とした。つまり後払い。


心配されたテロ攻撃もなく国王は帰っていった


翌日、ゲート橋が降ろされると一般入場者が殺到した

もちろん対テロ防止ゲートで不審者は自動的に排除される

今回は召喚人間消滅以外は一旦取調室に転送するようになってる

護身用の武器を持つのはこの時代世界では常識だからだ

一応入場前に貴重品預かり所を設置し武器は預けるように指示

したがうっかり?忍ばせる者が後を絶たない。


午前中に150人、午後240人程が武器所有で取り調べを

受けたが特に背後関係も無く「うっかり」と言うことで無罪放免

召喚人間はひとりも引っかからなかった。


どうやら敵は襲撃を諦めたか?


翌日は船外会場を特設し旅客機、大、中型輸送機、戦略爆撃機の

はりぼて展示も行った。乗っ取られても動かない

あまりにもの大きさ先進性に軍事関係者がどよめいた

この日は中型輸送機2機お買い上げ、ちゃり~ん

上空を見上げれば戦闘機、哨戒機、ヘリコプターがデモ飛行中

圧倒的な軍事力を誇示して敵、味方国は震え上がる

「抜かない刀」は最大の抑止力になりえる。


今回はじめての試みで女性社員がコンパニオンとして働いた

賛否両論あるだろうがやはり「華」は必要だろう


我が美人?4秘書も今回「ジョウヨウシャ」展示で

手伝ってもらった。さすがに水着はこの時代では刺激的すぎるので

スーツ姿でお願いした。


この4人に仕事させると後で「ほめて~」となるので面倒なのだが

結構よろこんで務めてくれた。

なんといっても会場を沸かせたのは「総合案内」を務めた

和服姿のエミコとドレス姿のハンナだった


周囲10Mほどがオーラで眩しい。マジで発光してないか?

「うわあああ」周囲の一般客はあまりにもの神々しさに近寄れない

「総合案内」なのでそれは困るのだが・・・


これは我が「ほめて」あげたい。


「なんだあいつらは」と我を護衛するヤコブとヘッテがいぶしがる

「護衛兵が目立ってはいかん」とヘッテ

「まあ、今回は大目にみてやれ」とスタージナス

今回をもってヤコブとヘッテは護衛の任を解き情報室移動が決定してる

情報収集が一番重要、当然の移動だろう。


さすがに見本市も2回目なのでノウハウの蓄積が大きい

船内で全てセットできたので準備も万全警備も万全

入場整理も万全だった。ほぼ不満点はなし


しかしフードコートでの売り上げは前回とは微妙に違っていた

物珍しさからかハンバーガーとフライドポテトが爆発的に売れた

逆にカレーライスは全く売れなかった。やはりインデアは

カリー文化。複雑な味わいでは一日の長があるし市民の舌も肥えてる


ラーメンの反応は前回と同じだった「ジワジワ」タイプかもしれない

新開発のアイスクリーム、ソフトクリームは爆発的に売れた

戦略商品になるかもしれない。


新しく設置したレストラン、少し上品すぎたか予想の7割程度の売り上げ

今回は一般市民が対象だったせいだろう。

客層を絞れば将来有望かもしれないと営業部は判断した


などと夕食会議で報告され今後の対策を練った


「ふう、やはり初日は疲れる・・・」スタージナスはへとへとだ

社長室にもどると4人に急襲される

「ギューってして」ダーリャがねだる


「すまん我は疲れてる・・」

でもしょうがない軽ギューをしてやった

「もっとお」

「1人したら全員しなくてはならんのじゃ・・やれやれ」


とかなんとか言いつつ実はスタージナス大いに癒やされてる

この4人に接するとホッとするのだ

「かわいい我が娘たちよ」

「ん?なんか言った?」

「いや、なんでもない」


「それにしても今日のエミコ姉とハンナ姉にはビックリした」と

スアードがうっとり語る

「あれは衣装の威力だわ、ルール違反すぎてよ」とダーリャ悔しがる

「あのオーラみた?」とウルード

「受付なのにだれも近寄れなかったね」アズハール


「うむ、我も見てて驚いた。本当に発光しておったな」

「でしょ。あれは絶対にインチキよ」ダーリャ


「なにがインチキですって?」と

いつの間にか戻ってきてるエミコとハンナが問う


「いえ、なんでも、ごにょごにょ」とダーリャ口ごもる


「久々に着物を着ましたがおかしくなかったですか?」とエミコ


「いやあ驚いた、あのような服があるのだな」とスタージナス

「はい、実家が届けてくれました」実家の支援は続いてるらしい

「あれはジパンの正装なのだな?」

「はい、もう1着婚礼用の着物も送られてきました」


「ほう、相手が見つかったのか?」


「はい、私はスタージナス様に嫁ぐ決心をしました」

「こらこらこら、それは駄目じゃ、いかん。」

「いえ、これは私の決心ですから誰にも邪魔させません」


「決心は結構だが我はまだ決めてない」


「はい、いつまでもお待ちしてますので」

廻りの5人の怒りには一切目をくれないエミコ

こいつの強引さもタダモノではないな・・・


「だって実家に恥はかかせられません駄目となれば・・」

また、自決うんぬんで我を脅す気なんだろうな・・困った物よ


「ふふふ、宣戦布告ですわね」と不敵に笑うダーリャ


勝ち目はないと目を伏せるアズハールとウルードとスアート

その意地らしさ・・・


「何度も言うが我は今は誰も娶ることはない。心せよ」


「今は、ですね」と6人

「今は、だ」とスタージナス

「この航海が終わるまでは誰も娶らん。その後は知らん」


わーっと全員が抱きつく、これ護衛兵は仕事せい!

でも、うれしい


やばい今日一日でエミコの和服に高得点を付けてしまった

アズハールが先頭を走ってると我の脳内レースだったのだが

エミコが先頭になってしまった・・最下位はぶっちぎりダーリャな

皆がんばれ!


見本市の日程は順調に消化していた

我々もだいぶ慣れてきたので全てがスムーズな流れ

今回一番大人気だったのはエミコとハンナ


まるでアイドル扱い「おたく」みたいな連中が親衛隊まで作って

⒉人に誰も近寄らせない。こらこら

しかし一部コアな層からジョウヨウシャ4人組も人気が出た

悪いが見本市の本質から逸脱しすぎ・・・

しかし、これで来場客が増えれば営業的には成功だろう


定時連絡で大王にエミコとハンナの人気を報告した


「やはり一般人はカワイイに飢えてるのです。提供するのも

今後の課題かもしれません。」とアスタージナスは分析する


「それはちょっと不謹慎ではないのか?」


「ちがいます、人間は本質的にアイドルが好きなんです」


「なんだその「アイドル」って???」


「父上には多分理解出来ないでしょうが女性だって

カッコ良い殿方が本質的に好きなんです」

「イケメンっていいます」


「我もイケメンか?」

「いえ、父上は「ちょい悪オヤジ」でしょうね」

「なんだそれは?褒められてるのか馬鹿にされてるのか?」

「もて条件なんですよ」とアスタージナス


「まあ、それはどうでもいいが・・」と切り替える


「今の所パコスタンの動きが全く無い。

このまま無事見本市が終了してくれればいいのだが」


「狙うとすればやはり最終日でしょうね」

「うむ、イラブの時と同じで同時多発テロかもしれんな」


「しかし今回は内部に不穏な動きもないし国は一枚岩に感じます」

とアスタージナスは分析する


「どうも我のカンが何かを見落とししていると訴えてるのだが」

「杞憂だといいのですけどね」

「一応こちらでも準備はしておきます」

「うむ、其方の事だから秘策があるのだな?」


「敵がどの様に動くのか分からないのに秘策は無理ですわ」

「其方とウラアールの超能力ならすでに解決方法見つけてるのだろ?」


「いくら何でも自分の娘を超人扱いは酷いですわ」


大盛況の内に見本市は最終日を迎えた

入場者目標50万人を大幅に上回る73万人を計上した

イラブよりも人口が多いせいだろう今回は一般バイヤーからの

契約がイラブより上回った。


フードコート、レストランの売り上げも上々だった

ただしカレーライスの売り上げだけは目標を大きく下回ってしまった

今後は地域性を考慮する必要がある。

やはりラーメンは今回も「じわ人気」尻上がりに売れ行きが伸びた

次の見本市で登場予定の餃子、チャーハンも期待大だろう。


とても残念ながらアイドル部門は商品開発されてなく

大人気だったのに売り上げはゼロ、当たり前の結果になった

今後研究開発の余地が大いにある集客の目玉になる爆発力を秘めてる


インデア王とオモカッタ市長が到着し「閉会の挨拶」を行う


その時!


護衛空母の早期警戒システムの警報がなった

「警戒、警戒、敵性飛行物体急接近自動迎撃システム発動!」


「何事?」とインデア王が尋ねる


「敵襲のようですが我が軍の防空システムは完璧ですご安心ください」


巡洋船の煙突ミサイルが4発発射される


「プシャアアアア」


「多分これで終了でしょう」とスタージナスは楽観する


「迎撃失敗、次弾発射」


「な、なに?」


追加でシースパローが発射されるが「失敗、失敗」と警報


更に強力な「ハープーン」10発が発射される

普通の船舶なら一発で木っ端微塵のミサイルだ・・・


「迎撃失敗、敵急接近中あと30Km」

まだ視界に捉えられない距離


「トマホーク発射」これは2発しか搭載していない超貴重品

「迎撃機発艦!」

最新鋭F-2、20機がスクランブル発進

「全機撃墜されました」


「これはいくら何でもただ事ではない。我が軍が壊滅?」


「敵目視可能距離!」


な、なんだあれは!


「うあああ」人々が我もがと逃げ出すパニック状態


「ま、まさか」


「あれはドラゴンです!」


「そんな馬鹿な!」

「余程のことがないとドラゴンは人を襲わないはず」


「あれは召喚ドラゴンでしょう」とインデア王

「ま、まさか!召喚ドラゴンは侵略目的には使えない筈」

「い、今はそれを考えてる場合ではありません」とインデア王


「これはいかん!ドラゴンは世界最強の魔物どんな兵器も通じません」

バサバサと飛んできたドラゴンが辺り構わずブレスを吐き散らす

あっというまに周辺は火の海、阿鼻叫喚の世界

逃げまどう民達、なすすべもない

我が地上部隊のS級兵士達が必死の魔法攻撃で応戦するも

次から次へとブレス攻撃を受け蒸発していく・・


幸い我が艦隊は結界魔法が効いてるのでとりあえず攻撃を防御してる

しかし、オモカッタ市街地は壊滅的被害・・・

どれほどの民が犠牲になってるか


スタージナスはアスタージナス王に緊急発信

「大王、今我らは敵ドラゴンの急襲を受けて壊滅的被害を受けてる」


「父上は大丈夫なのですか」


「今の所結界が効いているがオモカッタ市街は壊滅状態だ」

「これは緊急を要しますね・・・」

「今すぐそちらに向かいます」


「しかし移動魔法はつかえまい」


「移動魔法とは別の法則の物を使います」


「たのむ、其方以外にドラゴンを倒せる者はいない」

「武器の使用は無駄ですので控えてください」

「すまん、ミサイルは全弾使い果たした、戦闘機も壊滅的被害だ」


「これ以上の兵器は使わないで下さい」


通信が途絶えた


「しかし、どう急ぐと言うのだ・・・」


「いかん、ドラゴンがブレス攻撃を集中し始めた」


結界魔法が突破されつつある


ついに補給船の一隻が突破される

「ドガーーン」乗組員ごとあっという間に補給船は

ブレスの炎の中、蒸発してしまった。


次にドラゴンはわが巡洋船を狙う。避難したいが外に出た瞬間に

ブレスの熱で蒸発してしまうだろう


「いよいよ我らも最後じゃ皆いままでありがとう」

秘書4人と護衛2人は我に抱きついたまま

「スタージナス様と一緒なら嬉しゅうございます」

「我らは幸せでした・・・」

涙一杯に別れをつげる


「我は其方達が大好きで一番大切であった。あの世でもよろしくな」

7人は最後の時を抱き合って迎える覚悟をした。

いくらアスタージナスでも今回は間に合うまい・・・

ああ、人生とはかくもはかないものよ・・


と、その時


「そらから大王がふってきた」ノストラ○ムスか!


本当にアスタージナス大王が空から舞い降りてきたのだ


地に降り立った瞬間

全ての怒りを込めた超魔法を展開する


両手を前方に合わせ手のひらを開き「詠唱」開始


魔方陣が通常の3倍の3倍の3倍の3倍で回り出す

つか高速回転過ぎて赤い輪っかにしかみえない


「シャアアアアアア」


手のひらから直径10Mの火の玉がドラゴンめがけて突き進む

怒りの超魔法は魔法を受け付けないはずのドラゴンの

横っ腹に突き刺さりやや内側に捻るように渦巻き状に回転し始め

ドラゴンはそのまま天高く放物線を描き遙か彼方に消え去った

視界から消えたドラゴンがどこかで爆発する音が聞こえた。


全てを見届けた大アスタージナス王はその場に崩れ墜ちた

全魔力を放出したのだろう。


からくも我らは救われたのだ。しかし喜んではいられない

数万数十万の民が犠牲になってしまった。

我が国の被害も甚大だ。もう見本市どころではない


被害報告


地上部隊 S級兵士143人戦死

補給船 1隻撃沈 乗務員100人全員戦死

ミサイル 全弾消費 

戦闘機 20機撃墜 S級パイロット全員戦死

早期警戒機 2機撃墜 乗務員12人全員戦死

魔物警備兵 壊滅、あまりにも多く損失実数計上不可能


大アスタージナス国建国以来初めて、未曾有の損害だ

何よりもS級パイロット20人の犠牲が痛い

養成と訓練にどれほどの費用と時間を要したことか・・


更に深刻なのはオモカッタ市

一般住民の被害、死者行方不明47万

負傷者130万

建物損壊、焼失100万棟以上

市の面積の1/3、人口1/4が被害を受けた


たった一匹のドラゴンのせいで・・


ついにインデアとパコスタンは全面戦争へと進んでしまった

大アスタージナスもインデアに加担せざるを得ない


ハリボテではない本物の戦略爆撃機10機を組み立て

パコスタンの主要軍事設備を空襲する

新開発の部分結界解除魔石が仕込まれてる100P爆弾は

結界を通り抜ける。あっという間に軍需関係施設は灰燼と化した

市民を巻き込まないピンポイント爆撃を心がけたが

敵の被害は甚大なものとなった。結界が破られるとは

想定もしてなかったからだ。


続いてヒトマル戦車150を先頭に地上部隊が展開する

今回はインデア軍の指揮権のもと我が軍軍事顧問と連携し

無駄なく効果的に敵の地上施設を占領していく。

近代化武装したインデア軍にとってパコスタンの旧式武器などは

物の数ではない。国境を突破してわずか3日で王都を包囲する


敵兵捕虜30万


小競り合いを長年繰り返してきたのがうその様な電撃作戦

一番厄介なのが召喚人間の自爆攻撃だが今回は皆無。

さすがにダクーミとヴァイスの影響力は届いてなかった

⒉国の争いは遙か昔からの遺恨の証


城郭の外から「降伏勧告」を行った後

戦略爆撃機で空爆を行う・・・王都は壊滅する

包囲わずか一日で「無条件降伏」戦争は短期で終わった

兵数差よりも兵器の近代化の差。


大王はドラゴンを倒して4日後に目覚めた


「その後はどうしましたか?」目覚めた大王が尋ねる

「は、スタージナス様が王の代理となり指揮をとりました」

「それは賢明でした」

「パコスタンとの戦争はほんの数時間前に終了しました」

「そうですか・・やはり全面戦争になりましたか・・」


「は、あまりにも我が軍とインデアに被害が出すぎました

これを容認は出来ません」


「敵とは言え民百姓には罪はありませんどうか慈悲を」

「はっ不幸にして王都は壊滅せざるを得ませんでしたが

他の都市のほとんどが降伏勧告に従ってくれました」


「民を救う出来る限りの手立てはとったのですね」

「はっ」

「大義でありました」

「ははっ」と参謀全員が平伏す


「パコスタン王は只今尋問中です」

「わたしが参りましょう、けじめは付けないと」

「しかし、暗殺剣や即死魔法の危険があります」

「大丈夫です優秀な護衛兵を従えますので」

「エミコ、ハンナ今回限りお願いします」

「は、王命とあらば」


安全の為ステルスワイバーンでパコスタン王宮に入るアスタージナス


王の間にすでにスタージナスとタラン、護衛のヤコブとヘッテがいた

「我が大王直々のお出ましである、全てを白状せよ」

「ふん」とふんぞり返る布団蒸しパコスタン王


「ドラゴンはどうやって敵国攻撃に使えたのだ?」タランが尋問する

「ふん、知れた事よ。カシモール地方は国境線が行ったり来たり

確定してなかったのを利用したのよ」


「わざとインデアに占領させた時に超魔石を地下に埋めて置いた」

「その時、密偵に密かにインデア奥地に運ばせて展開させた。

遠距離から攻撃したのは、お前らのミサイルを消費させる狙いだったのだ」


「策にはまってしまったのか・・・」


「ふふふふお前らの無駄攻撃がたのしかったのう」

「戦闘機とやらも次々無駄死にしおってゾクゾクしたわい」

「見ていたのだな」

「いや、密偵からの報告じゃ」

「バシン」我慢の限界を超えたタランがパコスタン王を拳で殴る

血しぶきを上げながらパコスタンは吠える

「ひひひひ、無様に逃げ惑う民どもたちの愉快なことよ」

「まるで人がありの様に・・」

ビシバシ・・・


「ドラゴンを召喚出来る超魔石はどうやって手に入れた?」

「我がパコスタン砂漠でも魔砂が微量とれるのだ」


しまった、油断した!なにか抜けてると感じたのはこれだった

スタージナスは合点が行ったのだ・・


「採算を度外視すれば我が国でも魔砂はとれる、そう100年掛でな」

「しかし、精錬は困難なはず」

「コロッモにスパイを送り込み技術を盗んだのだ」

「我が国1000年の恨みを晴らすときが来たのだ・・」


「迂闊だった、タランの調査でテイロンの砂浜でも微量の魔砂が

とれると報告を受けていたのに・・・」スタージナスは悔しがる


「そのままドラゴンでインデアを壊滅してくれる予定だったのだが」

「なぜじゃ?倒れないはずのドラゴンが・・・」

「悪は栄えません」とアスタージナスが初めて語る

「おまえか!おまえ1人で・・・」


「無礼者」とタランが蹴りを入れる

ゴロゴロ転がるパコスタン


「さあ、殺せ!わが首とってみろ」

「いわれなくても・・・」とタランが剣を抜く


「待ちなさい!」とアスタージナス

「これはなにかの罠でしょう?」

「ちっ」


「貴方はパコスタンではありませんね」

「ふん」

「でも召喚人間でもありませんね」

「それがどうした」


その時


後方で捕縛されていた正室と思われる女が

「パラっ」とにわかに縄をほどきアスタージナスに突進する


すると


「閃光一閃」


「シュルン」エミコの刀が居合い抜かれる

「チン」と鞘に収まる音だけは聞こえたが剣は全く見えなかった

その者の首と胴体は離れかつらも吹っ飛ぶ


「女装して誤魔化す、ありすぎる手ですわ」とアスタージナス

「あ、あにじゃ・・・」替え玉のニバルが叫ぶ


「もはやこれまでお前を道連れに爆死じゃ」

「あー即死魔法は効きませんのであしからず」

「なっなに~」

アスタージナスが胸の魔石に触れる


「ドロドロドロ」ニバルは溶けて消えた・・

「これで首謀者2人の処刑は終わりました

これ以上の殺生を禁じます」


王命によりその他の首謀者は全員投獄された。


戦後処理


スタージナスの落胆は激しかった

「犠牲者のS級兵士は皆若く親も兄妹もいた。どう報告すべきか」

「みな覚悟の上です。戦争に犠牲は付き物、将たる司令が兵の

犠牲を嘆いていては戦が出来ません」とタランが慰める


「馬鹿者!我は戦争など望んでないわ!」

「しかし我が軍が戦わなければもっと多くの民が犠牲になってました」

「それは理屈じゃ!」

「は、我には何を言っても構いませぬが大王には・・」

「分かっておる!何よりも誰よりも心を痛めたのは大王じゃ!」


「犠牲になった兵には我が旅に出た当初から気心知れた者もいた」

「しかし、失った命は戻っては来ません」

「わかっておる」

「残された者が使命をまっとうするのが死者への弔いです」

「わかっておる」


放心状態で社長室に戻るスタージナス

中で秘書達4人がガタガタ震えていた

あれほど陽気で快活で無邪気だったダーリャがガタガタ震えていた

目の前に迫った「死」の現実をかいまみた恐怖に指先まで痺れてる

普段から覚悟してるはずなのに全然覚悟してなかったようだ

まあ、少女にそれは酷すぎるだろう


「我なんかよりこの子達の方が遙かに心を痛めてしまってる・・」


「スタージナス様抱きしめて・・」

「うむ」

4人を強く抱きしめるスタージナス


4人からは涙があふれ出てる・・・恐怖から抜け出せないのだろう


その点エミコとハンナは鍛え方が違うようだ

「其方達は大丈夫なのか?」

「我々は兵士です日頃から訓練されてます」

「その時の覚悟は常にしてます。相手の首を取る度に

つぎはこちらの番かも知れないと覚悟してます」


「その歳で大した物よ」


「この手を見てください」とエミコはそっと手の平を見せる

汗びっしょりだった


「私はまだまだ未熟者です。覚悟はしてますがあの時

国の両親と兄者の顔が浮かび、ああこれが走馬燈かと思いました」


「本当はこわかったんです!」大声で叫ぶエミコ

「エミコ、私も貴方と全く同じでした」とハンナ


なんのことはない⒉人も任務を忘れ我に抱きついてきた

「其方は敵の首をはねるときは眉一つ動かさないのに

こんな時は少女なんじゃな」


「いじわる言わないでください。任務は任務、それ以外は少女です」

抱きつくどころか顔を埋め出す

「あっ、どさくさに紛れてっ」とダーリャも慌てて顔を埋め出す


皆の顔がいくらかほどけた。


「この子達の為にも我は強くなくては・・」と

スタージナスは決心した。


翌朝、まだ体調が回復せず病室で寝てるアスタージナスを

我ら7人で見舞った。


「あらみんなおそろいで・・」ニコッと笑うアスタージナス

「大王様体調いかがですか?」とダーリャ


「うん、先生の話だとあと三日は安静にだって」

「其方は忙しすぎるいい休養と思えばいい」

「はい、父上そうします」


「それでじゃな、今日でオモカッタを離れ一旦テイロンに戻る」

「あそこなら修理が出来ますからね」とアスタージナス


「それもあるが皆の休養も兼ねてじゃ」


「あそこはすでにリゾート地として繁栄しはじめてる」

「それは楽しみですわ」


「皆で砂浜で遊びましょう」とアズハールが奨める


「今回ばかりは皆に従います」

「一月ほどは船の修理に時間がかかる、其方もどうじゃ?」

「はい、って言いたい所ですが本国でウラアールが待ってます」


「1週間ぐらいはごまかせばよい」とスタージナス


「わかりました」

「わーーっ」とはしゃぐ6人

「これこれ、ここは病室じゃ騒ぐでない」

「はーい」


「ところで大王」


「なんでしょう父上」

「あの時我はもう諦めていた、まさか其方が間に合うとは思えなくて」

「はい、危機一髪でしたね」

「なんの術を使ったのじゃ?、国家秘密だろうがここだけの

内緒で教えよ」


「はい、実はあのときはあまりにも急だったので非常手段を使いました」

「ほう、非常手段とな?」


「はい、新しく開発したミサイルの王様ICBMなる物を使いました」


「はあ?ICBM???」

「はい、地球の裏側まで到達できるミサイルです」


「そんな恐ろしいものがあったのか・・」


「はい、試作でしたけどね」

「しかし猛烈な速度に人間は耐えられるのか?」

「はい、S級兵士に頼み時限氷結・縮小魔法を掛けてもらい

ミサイルの弾頭に入りました。」


「なんと無茶な・・・」


「我が空母上空にミサイルの誘導をセットし遙か上空にて弾頭を

パラシュートで減速させた上で弾頭を左右に開き、時間通りに解凍

された私は素早くステルスワイバーンに乗り地面に舞い降りました。」


「勿論弾頭の中身はカラで開いた弾頭は海面に安全に落下してます」


「氷結解除の時間あわせが難しかったのですが今回は上手く行きました」


「正に其方も命がけだったのだな」


「皆様の窮地に際し是非もありませんでした」


「到着してみると今正に父上の船が爆破される寸前」

「怒りが1000倍増しでしたわ」皆がくっと笑う

「あのときはここにいる全員がもう駄目だと覚悟していたのだ」


「怖かったでしょうね」


思い出したのかまた皆が泣き出す・・・


今回ばかりは多大な犠牲をだしてしまったが

なにはともあれ一件落着


旅日記の7ページ目が悲しみと共に埋まった

大激戦でした

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