予習とお金
ついに魔法発動です
「ねえ、セバス闇雲にただ打ち込むだけでは射程距離も命中精度も
上がらないんですけど・・・」
「はっ、お待ち下さい只今標的を準備いたします」
っと踵を返すセバスチャントンネルの付近には馬車の待機場と
物置みたいな小屋がいくつかある。どうやら休憩所と用具室の様だ
ゴソゴソと人型で急所に丸がいくつか重なってる的を運んできた
あ、これ射撃場とか演習場とかで使う奴にそっくりかも。
「お姫様最初はこの距離でお試し下さい」
約10M位の距離に的をセットした。
「どうた鉄だ!」叫ぶと「ババババっと勢いよく銅と鉄の鉄砲玉が
弾けるが標的には当たらなかった
「お姫様、もっと的に集中して下さい、意識を流し込む感覚です」
「ババババーン」はあビバノンノン・・・ちやう
おっ今度は数発命中・・・でも威力がない感じ・・・うーん
これは日光の手前ま、一応合格したのだから
実用性は低くてもいんじゃね?平民には効くみたいだし
「駄目ですお姫様、どんなに強力な魔法でも当たらなければ意味ありません
「お姫様は王位継承権2位の御身をお忘れ無く、どこでどんな攻撃を
受けるのか用心に越したことはありません」
「この標的は中魔獣一匹に相当する防御力です、確実に10ポイント分
の効果を発揮できなければ意味がありません」
そんなもんかね?ま練習は必要だしね
「ババババーン」だいぶ命中精度が上がってきた命中精度半分ぐらいか
「小ポイントの魔法で練習しないと大魔法時に外れたら命取りとなります」
なるほど一理あるいちりあめ・・・
よーし全力集中!!!
「ドバババン~」ついに全弾命中!
すると標的がカラーンって後ろに倒れた、やったね
でもなんとなくものたりない感じもする10p魔法ってこの程度なの?
「ねーえセバスチャン、一つ聞きたいのですけど」
「はっなんなりと」
「例えば魔法を重ねたりとかは出来ないのかしら?」
「は、それは可能ですが魔法にも相性がありますので練習してみないと
なんとも言えません。個人保有魔法なので例はありませんから」
ま、当然だよね。オヤジギャグでも発動するのは希だもん。
一々思いついたオヤジギャグで全部発動してたのでは収拾つかない。
ちょっと思いついたので試してみる
「どうだ鉄だ!」間を置かず
「時短で地団駄!」と重ねてみる
おおおっナンタルチア!手のひらの先にある魔方陣がまるで赤い彗星然と
3倍の速さで「グルグル」と高速回転しはじめた!発射合図はこれしかない!
「シャアァァ」
「ドゴーン」おおまるでスポ根漫画の背景みたいな効果音だ
銅と鉄のパチンコ玉が炎を上げて標的めがけて発射された
「バーン」・・・さっきは倒れただけの標的が四方八方に砕け散った
「マホウカサネセイコウ、マホウカサネセイコウ、100p」
なんと水鳥拳!3倍増どころか10倍増だったのだ!
消費pは25pだったが間隔は2分、対威力比は高いコスパが向上したのだった
重ね効果で省エネ獲得、やったね
でも、威力強すぎるのも場合によっては困るね?
「大丈夫ですお姫様、先ほどの逆で流し込む量を調整する練習をすれば」
なるほど、自分の意識で威力を調整出来る訳だし普段は重ねなければOKだ
うん、練習場さまさまだよ。便利すぎるもん
「でも、さっきの標的吹き飛んでしまったけど?」
「大丈夫ですお姫様、標的にも魔術が掛かってますのですぐ復活します」
振り返ったら確かに元の場所に吹き飛んだ標的が何事も無かった然に立ってる
「ですが今度は上位魔獣様の法的に交換しましょう」
うわっ今度の標的は左右に動き回ってる、当てるの大変だよ。
「更に上達すると複数標的や集団攻撃、包囲攻撃、反撃なども設定出来ます」
まさに練習場だね。
「ねーセバスチャン?これって子供院で実習する範囲なの?」
「いえ、お姫様、ここまで行けば王立院入学相当です100p得ましたから」
「まさか重ね魔法にこれほどの効果があるとは存じませんでしたから」
こっちだって存じてないよ
「残念ですが今日はここまでです帰城の時間が来ました」
「はーい」真っ暗だった昨日とは全然違う。晴れ渡る気分でお家に帰ろっと
爽快爽快あーそうかい・・・
気分爽快でお城に帰る「お姫様お帰りなさい!」
「こちらにどうぞ」自室に戻る前に別の部屋に案内される
あ、最初の日に大広間に案内されるときに通った廊下だ
左右に無数の部屋がある・・・あれ?随分先に表札が光ってる部屋発見
「お姫様、あちらが魔法登録の間でございます、専用の個室です」
中に入ってみると椅子が一つ置いてあるだけ「ささお座り下さい」
座るとどこからか声が・・・
「本日の魔法登録2件、獲得100p、残金金貨73枚・・・」
えっ?お金もらえるんだ!うれぴー
「はい、お姫様獲得P事に収入を得られるシステムです
使用はご自由ですが今後は執事とメイドの給金もお願いします」
どうやらこの世界は魔法獲得が収入源の一つらしい
ちなみにこれはよくある異世界転生物アニメとほぼ同じ貨幣価値の様で
小銅貨:10円
中銅貨:100円
大銅貨:1000円
銀貨:10000円
大銀貨:100000円
金貨:1000000円
大金貨:10000000円
相当みたいだよ総統殿!
給料については年俸制のようだ
執事には年俸金貨1枚
正規メイドは年俸大銀貨5枚
見習いメイドは年大銀貨1枚位が相場だそうだ
もちろん働きに応じて左右できる。命がけにしてはちょっと安くね?
と思ったら別途王宮から手当が支給されるそうだが勿論査定有り
多分いままでの成績では無給状態だろうとは想像つく。
とはいえお城内に部屋付きの三食付き、意外と悪く無いかも
魔法練習場の維持費も引かれた・・・金貨1枚/年、高っ
どこかのトレーニングジムより高いなぁ
家庭教師の費用もこちらもちだ大銀貨5枚/年、掛け持ちだろうから
これは結構良い商売かもしれない。
全ての費用は10月に自動引き落としだそうだ
お小遣いについてはこの部屋に来て申告すれば出してくれる
ATMやね
衣食住に関しては王様負担だが成人後はそれ相当負担させられる
子供院、王立院の費用は全額王宮負担
にしても平民の命は金貨1枚か・・・なんだかなぁ
そりゃ無収入で魔法つかえなくバカ姫では廃嫡やむなしだよね。
ちなみに全ての領主、市町村長にも専用の個室があり
そちらで年貢や徴税額に応じた比率で精算をしてるらしい
というわけで第三王女の俺にも10月にそれに応じた収入あるそうだ
ばか姫時代はなんの成績も無いので当然査定0だったのだろう
つか残金73枚だったから王宮が立て替えてた借金分精算されたにちがいない
バカ姫ふざけんな!つかどこに行った?
収入を得た瞬間に精算とは凄惨すぎね?シビア(;´д`)
全てが終わり自室にもどる・・・
心なしかメイドも執事もゴキゲンみたいだ
ま、天井に昇るお暇防いで給金も確定したし王様の覚えも少しUP
したろうからウキウキなのは理解出来る。
「ところでセバスチャン?」
「はっ」
「目標も達成したし毎日出かけないと駄目なの?」
「はっ後はお姫様の自由でございますが午前中のお勉強は
週⒉回(水、金)らしい)ですが、お手習いもう少し増やすのも
将来の為になります」む、確かに
「王立院になると音楽も必修科目になるそうですね」
「はい、お姫様子供院入学前ですが予習は必要でしょう」
うーん高貴な楽器というとバイオリンとかピアノかぁ
苦手なんだよなぁでも今から習うのも悪く無いかも。
「判りました空いている曜日に入れて下さい」
「はっ、それでは月曜日に予定を組みましょう」
よきにはからえ・・・ってまた散財かぁ
金曜日になった
今日の午前中はロッテンマイヤー先生のお時間
前回で子供院入学までのカリキュラムは終えたので今回は
王立院入学以降の予習だ。
さすがに内容は小学生レベルを越えてえ来てる
算術については暗算では応じ切れないだろう
でも思った通り西洋そろばんなんだよね・・・
横使いの日本式そろばんと違って縦式でコマは10個
慣れてないのでとてもつかいずらい・・駄目だよこんな計算機
筆紙式計算が良いのだがこの時代メモ用紙の概念はない
どこかのアニメで見たとおり羊皮紙は高価なのだ
魔法とかでなんとかならないかなぁ・・・
確か魔法には攻撃系、防御系、生産系があるらしい
生産系で計算機とか作れないかな?
今度練習場で試してみよう、今日は保留だ
国語については読み書きから更に高度な解釈とか
古典とかが入って来たコテン・・・まあ中一レベルではある
うん、なんとかついて行ける王立院3年生分位は合格レベルに達した
まあその先もなんとかなる感じ
行儀作法については覚えるしかないが現代作法に通じてて
比較的簡単に身について行きそうだ、難しくない
ということで算術以外はあと二日もあれば全学年クリア
だろう。
だいぶ世界観と世知辛さが判ってきました