大戦(4)
決着です
密偵から得た情報を元にゲルマニア国中の魔物生産工場を
しらみつぶしに破壊していたアスタージナスに吉報が届いた
「アスタージナス大王、ついに聖水供給拠点を全て破壊しました」
ウラアールからの緊急テレパシー報告が来た キタ―――(゜∀゜)―――― !!
「ご苦労様でした詳細は後で詳しく教えてください。」
「はっ、引き続きイグジナスの調査を行います」とウラアール
ついにゲルマニアの魔物供給が止まったのだ
「解せぬ・・」
ステルス・ワイバーンにて
ここまで4カ所ほど敵魔物生産プラントを破壊してきたが
ほとんど抵抗らしい抵抗がない・・
まるで放棄してしまったかのごとく
それよりも驚いたのがアスタージナス同盟国の3倍近い
国土なのに人民の姿がない・・・
どこの城郭都市を上空から見ても人っ子ひとりいない
不気味なゴーストタウン・・
「まさか・・・」ウラアールから報告は受けていたが
「魔物達の食料」
いや、いくらなんでもゲルマニア皇国支配の総人口は億以上のはず
それだけの人間が全て食料になるはずがない・・
荒涼たる風が吹くだけの大ゲルマニア皇国支配地、一体民はどこに?
魔物生産プラント破壊と聖水供給停止の報を受け
同盟国連合全軍がシグナス国国境門から進軍を開始した
ゴーレム部隊150を先頭に次々と集落、城郭都市を占領していく
散発的に召喚人間の自爆攻撃はあったがほぼ無抵抗状態
占領した集落、都市には魔法無効化結界と召喚人間消滅
装置を城門に設置し内から外から敵召喚人間が出入りできない
措置をとっていった。
全軍はゲルマニア王都にせまる・・
熾烈な自爆攻撃で被害が出たが体勢に影響はない。
王宮陥落も目前となった
王立魔法院研究所で開発した召喚人間探知レーダーによると
王宮内に残る召喚人間はすでに100を切っている
魔物と召喚人間に頼り切ったゲルマニアの戦略、戦術は
ここに全て破綻したのだ。
王宮周辺をすべて封鎖し「降伏勧告」を行う
多分無駄だろう。
すでに王宮には魔法詠唱不可能の結界を敷いたので
移動魔法も即死魔法も使えない。
全てを諦めた者達が次々と自爆で最後を迎えた
残る召喚人間は10未満
王宮内部に突入開始
全てを覚悟したのか全員が王の間に揃っていた
シルベツッツァが王座に着座している
「使者に申す、余は無条件降伏いたす。国際法に則り
正式な対応を求める。」
完全武装解除をした後、私はシルベツッツァに対峙した
「シルベツッツァ皇帝、全ては終わりました。潔く
己の罪を認めご自身で身の振り方をお決め下さい」
「余が助かる道はあるのかな?」
「残念ながら・・・」
「氷結、縮小魔法を掛けた全ての民の命と引き替えではどうか?」
「恐れながら・・・」
「そうであるか・・・是非もない」
目にも止まらぬ速さで袖に隠していた必殺の魔剣を
アスタージナスに向ける・・
刹那
目にも止まらぬ速さの更に3倍の速さでヨハンが反応していた
「バシュ・・・」シルベツッツァのそっ首が跳ねられた
残りの側近9人がその場で土下座する
「どうか命だけは」
「ヴァイス、もう止めましょう、其方達は全員ヴァイスですね」
1人が不敵に笑い出した
「ふふふふふ。全てお見通しというわけか・・」
瞬間に全員が布団蒸しにされた
「ギュウウウウ」これで自爆しても無駄死だ
「全てを白状しなさい」
全てを観念したのか次第に重い口を開き始める
「我らはダクーミ様が産んだ悪魔の使者13人である」
「悪魔に魂を売った我が主は悪魔から我ら13人を賜ったのだ」
「数人はすでに失ったが生き残った我らが協力して魔物生産を行ったのだ」
魔物をアスタージナス王の5倍生産出来たのは複数人で生産したから
つまり魔力量自体はアスタージナスの半分しかもっていない
「召喚人間と魔物で全ての支配地を抑する予定だった」
召喚人間を召喚出来る上限は魔力量に比例する。一人当たり1000人程度
つまり一万しか作れない。それが先の召喚人間消滅装置で各地に潜入していた
召喚人間を5千ほど失ってしまい政策が根底から揺らいでしまったそうだ
国作りとしてあまりにもあさはか、無策、無能の極み
「我は人間が憎かった・・」
「征服が目的ではなく人類抹殺が目的だったのだ」
「シグナス国とにらみ合ってる時間をつかい征服した民を
魔物のえさとし残りは某所に氷結・縮小化したのだ」
憎悪から生まれたあわれな召喚人間ヴァイス・・全ては人間を
抹殺するためだけに生きていたのだ。
「どうやって国境門の結界を破ったの?」
「其方達が北の館と南の館で使った小範囲結界解除魔石を
利用した」
「そこを通れば魔物が敵結界内でも活動できる」
「ひとたび交戦すれば大義名分がたち坑道を掘り奇襲攻撃が可能となった」
「正面攻撃を繰り返したのは時間稼ぎだった」
なるほど・・・
「さて、全ては終わった・・
だが最後にお前だけは道連れにさせてもらう」
「まさか?魔法結界があるのですいかなる魔法も通用しませんが?」
「我の究極の即死魔法は目が合うだけで発動するのだ、詠唱はいらない」
「ふはははは・・・我を処刑すればお前も道連れだ!」
「あら、そうでしたか・・でも残念ですわ」
「わたしはウラアール。其方達に騙され一度はクリスティーナ様に
刃を向けた反逆者ですの」
「なっなに!」
「直前に大王と入れ替わりましたのでしてよ」
「その節は大変おせわになりました。」
「そのお礼はさせていただきますわね」
ウラアールは胸のペンダントに触れる
ペンダントに閉じ込められていた即死魔法が詠唱者に反射する
「ぎゃあああ」
顔がドロドロ・・・いや全身がドロドロ・・消滅してしまった・・
「このペンダントは即死魔法を吸収し反撃する魔法具です
刃向かうものは容赦しません」
残り8人のヴァイスは全てを諦め爆死していった
もちろん布団蒸しなので被害は起きない。
「これで全て解決ですね」
後ろにいたアスタージナス大王はウラアールを労う
「はっ大王様、残された仕事は氷結された民の解放です」
「イグジナス王も助命を条件に解凍を申し出てきましたが
わたしはそれを許さずイグジナスの処刑を決定しました」
「それは大王として賢明の措置です正しい選択でしょう」
とウラアール
「大丈夫です我ら王立魔法院付属研究所の総力をあげれば
何時の日か民たちを解放出来ます。」
「たのみました」とアスタージナス大王
ここに全ての争いは終結し大アスタージナス連合王国樹立となった
ヴァイスって有能なのか無能なのか




