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それって異世界転生とちゃうちゃう!  作者: kou2199
新章 王様のお仕事
61/179

大戦(3)

イグジナスの謎


おかしい


実におかしい


ウラアールはずっと疑問に思っていた

なぜゲルマニア皇帝の魔力量が

アスタージナス大王の5倍もあるのか・・


それよりもなぜそれほどの魔物を生産出来るのか

たしか数年前まではゲルマニアは「武」を誇る国だったはず

なぜ武を捨て魔物に走ったのか


そもそもゲルマニアには聖水は存在しない

それゆえに「武」だったはずだ・・・

シルベツッツァは確かに残酷で冷徹な皇帝と聞いたが

それでも根本は「武」だったはずだ・・

いつから方向転換したのだろう?


そもそも魔物生産技術はダクーミしか知らなかったはず

なぜ突然にゲルマニアなのか・・・


一方で


イグジナスの裏切りはある程度予想出来た

ダクーミが領主だった時代イグジナス国とは蜜月の

関係だったからだ。


禁忌の魔物取引を裏で行っていた事実は判明してる

多分それ以外にも裏取引、密貿易を行っていたに違いない

なぜあれほどまでに聖水輸出を欲しがっていたのか

イグジナス国内でも魔物生産をしていたのではないだろうか


不思議なのはアタリアとコルトが挙兵したときに

ほぼイグジナス国内に抵抗する兵がいなかったこと・・・

我が国の2倍の国土のはずなのに驚くほど

人口が少なかったこと


イグジナス国王は召喚人間ではなかったこと・・

勝つ見込みがない捨て身の「囮」だったのか?


徹底的にイグジナスを調べる必要があるだろう。


手始めにウラアール調査隊は

イグジナス国の王宮を調べた

押収した出納帳のあらいだしお金の流れを徹底的に調査した

帳面上は不合理な点などないかに見えたが

普段から国家予算に通じてるウラアール。すぐに特殊な符号に気がつく


「Dへ、送金・・Dから入金・・DからS」

「DM1ユニット、DM2ピーシーズ」

こーちゃん・・・・


不思議な符号・・・いやいや


「ダクーミへ送金、入金 ダクーミから魔物入荷・・・」

こんな符号簡単に判読出来ちゃうし・・・


これだけ証拠があればイグジナスを引っ捕らえて悪事を白日の元に

って、もう引っ捕らえていたし。ウラアールは苦笑い


魔物取引の実体と取引量はほぼ把握したがまだ何かが足りない


我がアスタージナスが生産する魔物達は品種改良により

食料は人間ではない。通常の食料で満足するように改良されてる

しかし品種改良をもし知らなかったら・・・


あれだけの魔物達の食料をどうしていたのか・・・

ウラアールは自分の推測に「ぞーっと」冷汗をかいた

イグジナスの国民がこれほど少ない、いや減少した理由・・・


「イグジナスは悪魔に魂を売った・・・」


ふと、あのダクーミも同じ事を自ら言っていた事を思い出した

「もしかして・・・」

シルベツッツァも魂を悪魔に売った?


間違いなくイグジナスとゲルマニアは繋がっている

他方イグジナスはダクーミとつながっていた・・・


と言う事は?ダクーミとゲルマニアが繋がっていてもおかしくない


いや、ちがうヴァイスだ!ヴァイスが生き残っているに違いない

確か私が騙されてクリスティーナ様に刃を向けたと

同時にヴァイスはセバスに倒されたはず


なのにそのあと何事もないようにダクーミの側近を

その後も続けていた。ダクーミが罠に掛かり爆死寸前の時も

ヴァイスはダクーミの隣にいた・・・


北の館に幽閉されていスフィルニア様と

南の館に幽閉されていたフィフリンテーノ様の話を聞くと

頻繁にヴァイスは様子を伺いに来ていたと聞いた・・

北と南はかなりの距離だ。頻繁に行き来できるものなのか?


「もしかして・・・いえ、間違いない」


それはそうと生前のダクーミとゲルマニアが繋がっているとしたら

ゲルマニアは旧ダクーミ領の聖水は垂涎の的だったはず

ダクーミは優秀な坑道掘削技術を持っていた・・・


糸が繋がってきた・・・


「人工湖のどこかに聖水くみ出し用のポンプがあり

それは今でも地下坑道でつながりゲルマニアに供給してる

魔物生産は聖水がないと不可能・・・


聖水供給を止められればゲルマニアの魔物生産はストップする


即座にウラアールは部下10人を引き連れて

ワイバーンで人工湖に急行した


湖底を調べるもポンプは自国の魔物生産用に稼働してる

一つしかみつからない・・・


東の砦へと繋がる坑道を調べる


砦へと繋がる一本道しか見当たらない・・

なにかからくりはないのか・・・焦るウラアール

何かパイプに異変はないか坑道の壁とかに異常はないか


しらみつぶしに調べたがなんら発見はなかった・・


東の砦に行きプラントの稼働状況を調べてみる


「ん、おかしい」


ほんの少しの違いにウラアールのカンが走る


「人工湖ポンプの動力用魔石の交換状況表を見せてください」

「はっ」と部下が交換月報をウラアールに見せる


「動力用魔石の消費量が通常の倍だ」なぜ?


「即刻ポンプを引き上げなさい」


「はっ」


メンテナンス用小屋にあった手動ウィンチを使いポンプを引き上げる


「ザザザザ」


ポンプが引き上げられると待ち望んでいた事実がついに判明した


そこには2重構造のポンプがあり上下に2本のホースが繋がっていた

見た目は一つのポンプだが巧みに二重構造の下のポンプが湖底に

埋められていた。ホースも土に隠れていた

見た目ではまず気がつかない。


ホースの一本は東の砦に・・・もう一本は?


ホースをたどっていくと行く先には巧みにカムフラージュ

された東砦とは別方向の坑道が見つかった・・・・


「ついに見つけた」


即座にウラアールは動力魔石を抜き取りポンプの稼働を止めた

いや、これだけでは無いはず。まだ隠しポンプがあるに違いない


どこ?


ウラアールは即座にピンと来た


なぜ北の館は南の館より警備が厚かったのか・・・

南の館の倍以上の兵力で警護していた・・・

スフィルニアに価値があったからか?


いや、違う、守るべき物が他にあったからに違いない

北は上質の聖水が豊富にわき出す希少な地。

なぜ北にダクーミの館があったのか・・・

イグジナスのあさはかみつけ

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