一筋の光明
俺詰んでる?
「大丈夫ですお姫様昨日より遙かに光がさしてます。頑張りましょう」
セバスチャンちゃんてば超楽観主義者?お先真っ暗なのに光明がどこに挿した?
「あのセバスチャン?どんなことでもいいからヒントありません?」
「そーですね、ヒントと言われましても・・・実は執事となって初めて
王族仕えとなったので、あの、その・・・」え?なにそれ、未経験かよ!
ぐっ、今ウラアールのドヤ顔が理解出来た!!!
例え目覚めても魔法習得は一朝一夕では不可能だったのだ・・・
なにが「かかってきなさい」だ!恥ずかしい、穴があったら入りたい
アナキンはルークのおとうさん・・ってこの期に及んでギャグってる場合か!
その時ピクって体の奥が秩父の手前した気がした
なんだ?今のは?わけわからない・・
2時間ぐらい唸って見たが結局なにも成果なしとほほだよ
「お姫様お疲れでしょう、今日は引き上げましょう」成果ゼロ
とぼとぼと引き上げる・・・どん底だよ
お城に戻るも気分は最悪、「お帰りなさいませお姫様」
妖怪人間・・・もとい美少女メイドに囲まれて自室にもどる
何でも今日は中広場での夕食だそうだ、受験を控えて
贔屓がないように王様に会うことも今後ないそうだ。
あれ、ウラアールもいない
そっかウラアールは情報をひとつも漏らさない作戦だろうな
昨日のドヤ顔はここまでの情報全てを把握してると言う事だろう
ウラアールはやっぱり「裏が有る」奴だった・・
負けたくない、負けたくないが一歩も先が見えない絶望的だ
今日も別の意味で全く味が分からなかった夕食を終えて
自室にもどる、昨日よりも遙かに早く戻ってきたので
セバスチャンは「どうぞこの時間を利用してお勉強下さい」
つーん!悪いが俺は魔法以外は全て合格点もらってるんだよ
「存じてるとは思いますが午後の事は口外無用です練習も出来ません」
そんな事は百も承知だよ。
翌日
なんの進展もないまま午後の練習場にやってきた
「ねえ、セバスチャン、ここ以外で練習出来ないって事は
習得した魔法はどうなるの?」
「はっそのための練習場ですこの場で得られた魔法は全て
王立院に自動的登録されます。登録された魔法は場外に持ち出せますが
人民を害する様な悪意に満ちた魔法は王家に無用ですから使えません
つまり登録されて初めて王家で使える魔法になるわけです」
納豆食った
「逆にどんどんこちらで練習習得された魔法は生涯ご自身だけの
魔法として使用可能です、子供院入学前に最低一つは必須ですが
王立院をご卒業されるまでには最低20は覚える必要があります
国家の為に施政されるのでしたらいくつあっても足りません」
更に続けるセバスチャン。
「魔法と一口に言っても大規模な物、攻撃系、防御系、生産系
様々御座います。実は魔法毎にポイントがあり大規模魔法は
高得点が与えられて小規模ほど低得点となります
平均20位覚えれば最低ラインをクリア出来るだろうという意味です
つまり国家に大利益をもたらすような大魔法を得られれば
20覚える必要は御座いません、ハードルは非情に高いですが」
「とはいえ未曾有な規模の大魔法はそれだけ警戒されます
過去にお隠れになった君は他国にとって軋轢となったのでしょう」
納豆食った、お隠れ食うのはご免です。
「もうひとつ聞いてもいいかしら?」
「はっなんなりと」
「当然とは思いますが大魔法ほど魔力を消耗するんですよね?」
「いえ、そのような話は存じません」
おっ、てことは大規模バンバン使えばよくね?
「ですが・・・」やっぱウラアールってことね
「残念ながら大魔法、具体的にいうとポイントの大きさで
詠唱時間の間隔が必要となります。大詠唱となれば君一人当たり
一回とかの場合も御座います。当然ですが練習場での習得は
その回数に含まれません。こちらの練習場には周囲に結界が敷かれてて
外部に魔法の影響は絶対に及びませんのでどうかご安心下さい」
「魔法習得時にポイントと詠唱間隔が知らされます」
5のつく日にポイント2倍とかサービスポイントとかないのかな?
ないだろうな・・・
「ということは大詠唱を習得してポイント稼げたら
他の魔法の詠唱時間短縮のためにそのポイント割り振るとかは
出来るのかしら?」
「はい、それは可能です獲得ポイント消費ポイント復活ポイント全て
自動的に脳内提示されるので他人に知られることはありません」
小魔法ならポイント消費はあるが立て続けに使える訳だ
なんかRPGゲームとかに良くある手法ポイな・・・
手持ちポイントが少ないと連続使用出来ないって事だね
「な訳ですからお姫様どしどし覚えましょう」って最初の一つが出来ない
今の俺にはいくらシステムを理解できても「絵に描いた餅」だよ
ルーク4す・・ああ、もう焦れば焦るほどネガティブ感しか沸かない
「稚内に輪っか無い?」こんな時でも思い浮かぶのはオヤジギャグ
「ピーーーィン」何かがこぼれ落ちたがすぐ消えた
なっなななんだ???いまの?
なにかが発動しかけた?
「どうなされましたお姫様?」
「今なんか起きた様な」沖田総司・・・
「ピュイーン」今度はさっきよりも遙かに小さい感覚
「え?」俺
「え?」セバス
「お姫様今チラッとオーラみたいなのがこぼれましたが?」
もしかしてオヤジギャグに反応してるのか?
「セバスチャン、申し訳無いけど今から言うこと笑わないでね」
「は、お姫様なにか掴みましたか?」
「判りませんがとにかく練習してみます」
「稚内に輪っか無い?」と両手を前に手のひらを開き詠唱してみる
「ポポポポッ」と全身から発するオーラが点滅したような
が、そこまでだった、これでは発動したとは言えない
それでも半歩前進したのかな?しないのかな?
うーん、と又考えて見る・・・
具現化できない物は実体化出来ないのかな?
じゃ形の有る物でギャグってみるかな・・・
でも、そんなこと言われてもどうすれば実体化出来る
オヤジギャグ出来るのか・・・
はっそうだ、発想だよなにごとも・・・
「ピピピピピ・・・」と小オーラ沸くも発動無し
「どうだ鉄だ」っと詠唱してみる
おおっ手のひらが光った!!!
「ドヒューン」と魔方陣が出てきてクルクルきっと来る~回り出した
おおおっこれはもしかしたら発動なのか?
「シュイーン」と高速回転、おおお
バーンと煙みたいのが発生しマジで銅と鉄が出てきたぁ
ってもパチンコ玉位の大きさだが・・・だが俺の脳内が叫んだ
「いっけ~」手のひらから沸いた銅と鉄のパチンコ玉が
勢いよく前方にはじけた、まるで散弾銃のように
一見してこれはものすごい威力かも・・・
「お姫様~、や、やりましたついに完成ですね」
「コウゲキマホウ、コウゲキマホウ、10点10点・・」どこからか聞こえた
おおっコマネ・・・
つまり俺は攻撃魔法とやらを獲得し10点を得たわけだ自動登録も完了だ
「どうですかセバスチャン。これで課題クリアですか?」
「はい、お姫様合格ですおめでとうございます」
「ねえセバス、今獲得した攻撃魔法はどうやって使うの?」
「はっお姫様、攻撃魔法は自分に敵対する輩とか魔獣とかに
使用出来ますが王家領主貴族には使えません」
「ですが相手が先制攻撃してきた場合には無条件で反撃発動可能です」
「ですから迂闊に相手の挑発に動じてはなりません」
「えっ相手もこちらが王族なら発動出来ないわけですよね?」
「ですからそれを逆手にとって例えば小武器で物理攻撃を仕掛け
それに応じて魔法を発動すれば大義名分が成立しより大きな
攻撃魔法を相手から発動される口実になりうるわけです」
なるほどトリプルクロスか・・・
「10ポイントの魔法ってどのくらいの威力なのかしら?」
「はっ10ポイント消費ならば平民なら10人消滅程度
下位魔獣なら5匹、中位魔獣なら1匹程度の効果でしょう
ちなみに上位魔獣やボス魔獣には効き目なしです」
「詠唱間隔は?」
「は、もう一度練習されれば判明します」やってみよう
つまり1ポイントって平民一人分の命って事なんだ
万が一大ポイントを保持してる王様とかが大義名分をえて
大規模魔法を仕掛けたとしたら国家消滅クラスもあり得るわけだ
まるで核攻撃並やね・・・なるほどこれは立派に抑止力か。
ご利用は計画的に・・・
千里の道も一歩から
練習練習
「どうだ鉄だ!」
どうやらキチンと体制をとりハッキリと発声しないと
発動しないらしい。何度か練習の末ようやく発動出来た!
「ドッカーン」飛び散る鉄砲玉
「ポイントショウヒゴテン、ジカンイップン」
つまり一度発動すると5点消費して1分の時間間隔が必要らしい
つまり30秒間隔で使えるという訳だ。
素早く詠唱する為には練習あるのみだねここではいくら使っても
ポイント消費しない
1ポイントおひとりさま~怖っ