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それって異世界転生とちゃうちゃう!  作者: kou2199
新章 王様のお仕事
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2人の密談

ひそひそひそ

私とウラアールは何時もの様に密談を行った


「いまの同盟軍の全兵力はどのくらいかしら」

「は、密偵の調査によりますとゲルマニアとの戦力差は

1/5以下でしょう」


「そんなに戦力差がありますか・・・」

「はっ、魔物兵の差がありすぎます」


「勝算はあるのかしら?」


「は、私の試算では皆無かと・・」

「それではなぜ敵は攻めてこないのかしら」

「は、多分ですが王様の大魔法を警戒してるかと」


「やはりそうですか」


「多分敵はなんとかして隙を見て王様に即死魔法をと

策略を巡らせてると思います」


多分アスタージナスさえ始末すれば後はどうにでもなると

思ってるのだろう。それだけ脅威と感じてる証明なのだが


「今後は迂闊に外にでてはなりません」

「周囲とも顔を合わせないようにして下さい」

「王様の命は全国民全同盟国の命となりました」


昨日まで信じていた者が突然刃を向けるかもしれない・・・


「敵が動き出さない今、こちらは次の一手を実践するのみです

今できることを今やります」とウラアール


「貴方はどんなときでも前向きなのですね」とアスタージナス

「いえ、私は王様の鏡、王様の意思を民に伝えるだけの

しもべでございます」


2人の信頼関係は国の宝

友情だとか愛だとか年齢とか性別とか全てを超越した関係

神の化身と言うべきか・・


「こんな状況ですが経済は止まってくれません」と国状について

ウラアールは報告する。


「まず、コロッモ国からの魔石供給が飛躍的に

増えたお陰で新しい技術の開発が可能になりました」


魔石の輸入が去年比5倍の量となった


アスタージナス研究所からの現地視察調査を行った所

魔石生産プラントの効率化と増築が可能となり

アスタージナス国との同盟の友好の証として

無償援助、今で言うODAと言うべきか技術供与が行われ

更に魔石生産量が飛躍的に伸びていく。


コロッモ国の広大な砂漠地帯の魔砂埋蔵量は莫大で

建国から300年たった今でも国土の2%位しか採取していない


まさに無尽蔵。


前世近代化で悩まされた環境破壊がないクリーン世界構築への

最大の柱が魔石エネルギー。全世界の期待が寄せられてる。


アスタージナス研究所がなぜコロッモ砂漠にだけ魔砂が含有

してるのか研究を行った

どうやらコロッモ砂漠の地下になにやら魔砂を

生み出す供給源があるみたいなのだ


とすると魔砂は今でも沸いてる状態、地下からの供給が尽きない限り

本当に無尽蔵なのかもしれない。


遙か太古の昔コロッモ地帯は険しい山岳地帯だった

火口湖には雪解け聖水が溢れドラゴン達が生息していた

現在のイスイと同じ環境。


ドラゴンの寿命は一説には数千年と言われるがいつかは寿命を迎える

静かに最後を迎えたドラゴンは聖水湖に身を沈め

沈殿したドラゴンの亡骸は何時しか化石化していく


数億年を掛けた地殻変動により山々は沈みやがて砂漠となった

地中深く眠るドラゴン数千匹の化石が圧縮され濃縮され

一つの塊となり永遠ともいえる魔素を放射状に発する


コロッモ砂漠の砂粒が魔素に反応し魔砂に変化する

どんなに砂から魔砂を採取しても一定時間が経過すると

魔砂は再発生する。数億年は魔素供給が尽きない


前世でいうところの石油、石炭の生成過程と

濃縮ウランが放射能を放ってる感覚だろうか

材料がドラゴンだっただけ。


いまのこの世界ではそんな事実は誰も知るよしが無い。


話を戻す


「今後開発が見込まれる新技術ですが」


「続けて下さい」

「は、王様提案のジョウヨウシャが生産可能になりました」


「ですが・・その前に」とアスタージナス


「は、その為には公道の整備が大前提かと」

「そちらの開発はどうなりますか?」

「は、そちらはコルト国から大量に輸入されだした石油を精製し

アスファルトなるものの開発に成功してます」

「石畳よりも遙かに低コストで路面状態もよくなり物流に

革命をおこしつつあります」


「すべてウラアールのお陰ですね」


「とんでもございません全ては王様の慧眼、神の意志にございます」


「それで・・100P魔石はまだ供給量が足りてません。

ジョウヨウシャはまだまだ市民に供給出来ませんので当面公用車のみ

繋ぎという意味で大量にある10P魔石でバイク・スクータなる物を

1P魔石でデンドウアシストジテンシャなる物も開発供給していきます。

こちらは1か⒉人しか移動出来ませんが・・」


「モータリゼーションの夜明けですね・・」


「はっ?なんでしょうそのモー・・モータリ?」

「いずれ分かります」とアスタージナス


「あと王様ご提案の1000P魔石を4つ使った

ユソウキ、リョカクキなる物は少し開発が遅れていますが

0式なる物のセントウキは試作が完了してます

今大戦においてギリギリ投入が間に合うかも知れません。」


「頼もしく感じてます、どうかよろしくお願いします」


「兵器、武器関連ですが・・」


「マシンガンの開発は順調です安価で大量供給できる1P魔石弾は

人間相手なら強力な武器ですが魔物相手にはあまり効果有りません」


「1000P魔石が大量に必要なセンシャの試作機は出来てますが

高価すぎて50両生産出来るかどうかです。」


「下級魔物に有効な10P弾使用の野戦砲は100両程度生産出来ました」

100P弾や1000P弾を使えば中級魔物に対抗出来ます」


「いずれにしてもゴーレムには布団魔法以外対抗手段がありません

布団魔法を使えるS級兵士の育成が急務と思われます」


「我が軍の弱点ですね・・」とアスタージナス


今のアスタージナスにはS級騎士、兵士は100人もいない


「海上防衛の護衛艦ですが・・」

「なんとか3隻目が就航出来ましたが国家財政は限界を迎え

当分増産はゾウさんでも不可能です」


ぷっ・・さりげなくウラアールもオヤジギャグ入れてるし・・


「コホン・・」恥ずかしげに軽く咳払いをしたウラアールが続ける


「王都をはじめエラール城郭都市などにデンキを普及させてます」

「魔石発電所を開発中でいずれ可能となりましょうが当面のところ

王様発案の火力発電所からのデンリョク供給とします」


「コロッモ国が大魔石を開発してくれたら発電所も可能でしょうね」


「はっ、大魔石開発は我が王立魔法院付属研究所でも研究を行ってます」

「現状技術では100年に1個しか出来ませんので開発は至難の業でしょう」


「次におかねの話ですが」

「王様もご存じの通り国家間の取引では実際の金貨のやり取りはしません

信用取引で額面の移動だけです」相殺と小切手ね


「いちいち大量の金貨を動かすのは大変ですからね」


「当然信用取引なので支払いが滞れば国の信用問題になります」

「当然でしょう」

「で、我が国も同じですが最低限の金貨(現金)は保有しなければなりません」

「各国での維持、保存はコストも掛かり非効率的です」

「そこで王様ご提案の永世中立国のイスイにギンコウなる物を作ってもらい

加盟国が金貨を預けて運用してもらう方式に切り替えます。」

集まった金を基に金利をとりユウシなる新事業も行います


「支店を各国に設立し現金が必要なときは特殊な移動の間を使い安全に

引き出せる様にしました」


つまり世界銀行とネットワーク化ね。こちらの世界では金融とか先物取引とかの

概念は存在してなかったみたい。株式投資とかはまだ早いかな・・


ふと「きん」はどこが生産してるのかな??紙幣の概念がまだないこの世界

金貨本位流通システムはいずれ破綻しないのだろうか?


ぐっよく考えると紙幣どころか印刷の概念、つか本の概念もないな・・

マ○ン教えて・・・


あわてて私は紙→印刷→紙幣への概念をウラアールに伝えた

目を丸くして驚くウラアール

「これが実現したら世界が変わりますね・・・」ごめんウラアール黙ってて


一日でこれだけの密談をして疲れてしまった。


「さあ、今日はこれまでにしてご飯にしましょう」


「はーい、」急に無邪気なウラアールに戻った


今日は王立魔法院の学生、教師、研究員全員が集まり

週に一度の「金曜カレー」の日なのだ・・・


初めて一蓮托生軍で食べたカレーライス

それは伝説、伝統となり今やアスタージナス国の特産品

残念ながらお米は輸入に頼ってるのが現状だが

アスタージナス風カレーは加盟全国を席巻しつつある


「これこれ、やっぱりこれじゃないと・・」

とかぶりつくウラアール


研究員達も「異論無し」と負けずにかぶりつく


「おれ、これ食べたくて王立魔法院に入学したんだよ」

「アスタージナス全土でカレー食えるけどここのは別格なんだよなぁ」


それもそのはずアスタージナスが長年の研究の末作り出した

偉大なる調味料「醤油」入りのカレーなのだ「秘伝」なのだよ。

ほくそえむアスタージナス。鼻高々オホホホホホ


「醤油」はあまりにも高価すぎてまだ王立魔法院内でしか使えてない

いずれは大量生産したいところだが・・

とにかく大豆が手に入らない。アスタージナス周辺国は大豆栽培に

適していない。大豆が極端に取れないないわけではないのだが・・

多分聖水と大豆は相性が悪いのだろう


ゲルマニアの穀倉地帯では大量に取れるとか

ぐっ敵地じゃないかぁぁ・・・・・

奪い取ってくれようか・・これは大豆戦争だよ!

大豆がほしい

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