城郭都市
いよいよ謎昼行動です
お昼ご飯が終わり
「ささお姫様お出かけの時間です」セバス
「どこに行くのですか?」
「門外不出です」って門外に出るじゃん・・・
「とにかく出発しましょう」
馬車に揺られてカッポカッポ・・・
車窓から城下町が広がるぼんやりながめると
秋の日差しは色濃く遠くに鱗雲が見える収穫の秋だ
あ、昨日目覚めた地点を通過した・・
成る程あれだね異世界転生物アニメでおなじみの中央広場
みたいな十文字で交差しつつ真ん中に噴水がある所付近で俺は
目覚めた訳だ。
「お姫様、北端がお城で御座います。」
なるほど、城から出て馬車で10分位が真ん中、体感的に馬車速は10㎞/h位
だろうから・・・半径は1.6Km、円形都市だそうなので
1.6掛ける1.6掛ける円周率3.14・・・大まかに8平方㎞位か
暗算だと大変だよ、ここは暗算祈願必要かもしれん電卓かスマホ欲しい~
対して大きい都市ではないなぁ人口は数万から数十万程度かな?
見たところ平屋はほとんどなくて密集した中層住宅(5~7階)がほとんど
江戸時代の江戸城で考えるとお城の中に上級武家屋敷がある
こっちもきっとお城の敷地内に領主や上流貴族の館があるはずだ
参勤交代みたいな制度があるのかないのかはまだわからん
みたいなことをセバスに質問してみる
「はい、仰る通りお城敷地内に領主と上級貴族の館が有ります
館には主が常駐してるわけではなく季節の変わり目毎(3ヶ月に一回)
もしくは緊急時に召喚する仕組みです」
つまり首都が王城都市、県とか州に当たるのが領地、市町村にあたるのが
貴族領、上級貴族が市を収め中級貴族が町、下級貴族が村を収める
王が収める直轄地も存在するみたいだ。23区みたいな感じか
ふむ、ほとんど日本の制度と同じ感じやね。呼び名は知らんが
自動翻訳機能がある俺には○○県と思えば相手に意味は伝わる。
領地の大小はあるが30有るらしい、市町村数は覚える必要はなさそうだ
おいおい理解していけば済みそうだ
昨日の夕食を思い出せば長テーブルは左右に100席位あった
季節毎の定例会では30の領主が集まり150位の市長が列席する?
感覚で間違いなさそうだ。
議事進行大変だろうな・・たぶん領主以外の発言権は少なそう
市長クラスは連絡事項をメモして中央の意思を確認する役目だろう
そっか10月は領主や貴族が集まり子供院、王立院の入学式等
行事を済ませつつ定例会も行うわけだ、更に言えば
年貢や徴税も一緒に奉納するのだろう、10月は繁忙期に違いない。
まてよ・・・つまりその時点で落第者は王命で罪を咎められる
みせしめもあるのだろうが悲喜こもごもの修羅場かもしれん
そりゃ王族でも例外ないわけだ、示しがつかんからね。
どのくらいの量刑が下るのかはケースバイケースだろうが
最悪処刑や流刑もあるらしい、うーんファンタジーの世界でも
ひじょーにキビシー。バカ殿が施政するのは国家の損失だもんね
「お姫様、入学式だけが厳しい訳ではありません。各学年事に
進級の是非が問われ卒業時もしかりです。油断は出来ません」
なるほど施政者にはそれなりの資格が問われるわけだ・・
王立院のシステムについては後で詳しく聞いておこう。
馬車は進むよカッポカッポ
「開門~」・・あれ城郭都市の外に出るんだ
南門を出たらしい、そこには美しい田園風景が広がっていた
石畳は続いてるが左右にはぽつぽつとある集落に農民階級が住んでるようだ
カクっと枝道に入るとその先は丘陵が見える石畳の終点に門があり
開門して進むと馬車一台ギリギリのトンネルが見えた。
暗闇の中をカッポカッポ、勿論馬車に備え付けの行灯が前方を照らすが
10M先は漆黒の闇だ。カッポカッポ・・先に明かりが見えてきた!
トンネルを抜けるとそこは雪国・・・なわけなく東京ドームのグランド程度の
荒れ地が広がっていた周囲は盆地状、まるで自然の円形闘技場?
「お姫様、こちらは王家代々に伝わる秘伝の練習場でございます
こちらで行う事は全て門外不出、例え王族であっても秘密漏洩の際には
大罪に問われる旨ご覚悟下さい。」なるほどだからどこに行くのか
教えてくれなかった訳だ納豆食った
「で、なに練習するのでしょう?」
「はい、ここでお姫様だけが使える魔法の勉強と練習を行って頂きます」
「王家全員個々に練習場がありますのでお姫様専用の場所です」
例え王族でも本人と執事以外がどのような魔法を発するのか秘密らしい
だから執事には責任と重い咎が存在するのだろう一蓮托生。
「それでは早速、と行きたい所ですが昨日までお目覚めされなかった
お姫様には何を練習するのかも存じない事でしょう」
うんうんそりゃそうだ、確かに前世の記憶で今までしのいできたが
魔法なんていきなり使える訳がない。
なんかちんぷんかんぷんの呪文を長々と詠唱したりすると手の平の先に
魔方陣が光ってくるくる回り「エイ」とか「とりゃ」とか言えば
ドカーンとかビューとか相手めがけて攻撃が当たる?
それとも天高く光の渦とか禍々しい暗雲がぐぐぐっと収束して合図と共に
ズッドーーンって周囲が爆発したりする?
想像しただけでドキドキワクワクやね。うんうん
それとも身体強化されてウルト○マンの変身然と「ジュワ」って感じで
巨大化して怪獣退治するとか?
それともそれとも、ビカビカって雷光ときめく杖とか出てきて無双するとか
5M位の聖剣を軽々と振り魔物達をねこそぎ一刀両断するとか・・・
こりゃ妄想天国やね。考えただけでファンタジー!!!
「お姫様?どうなされました?」
「早く早く魔法しましょう」テクマクマヤコンもしくはエロエムエッサイム?
「は?」・・・は、ってなんだよ早く教えてよ!
「お姫様なにか勘違いされてませんか?」え?なに?なんか違う?
「魔法といっても千差万別なのです、これは王族のみに与えられた天からの
賜物ではございますが修練次第で効果も威力も大きく違うのです」
うん、講釈は判ったからはよ教えろっての
「では、具体的になにすればよろしいのでしょう?」
「はっ、まずは適正を探る事からです」適正?なんじゃそりゃ
「魔法とは脳内にひらめいたイメージを増大して体外に押し出す行為です
つまりなによりも個性差が大きいとともに想像力が大切です」
なるほど・・・じゃ具現化するために何かイメージしてみるか
って???なんか強烈にイメージ出来る事って俺にあるのか?
うーーーん、「唸る患者は助からない」ヤバイどうしてもオヤジギャグ化
でしか想像できん・・・
「お姫様、最初から上手く行くわけが有りません少しずついきましょう」
とセバスは言うが状況的に考えても子供院入学式はあと10日もない
いくら国語と算数とかが出来ても王族の秘伝というくらいだから魔法も
必修科目なんだろう。魔法のひとつも出来ない場合・・・処刑、ぐはあ
のんびりなんてしてられないだろうが!
「セバスチャン、念のために尋ねますが万一魔法を習得してなかった場合
どうなるのでしょう?」
「はっ古からの前例ですとお姫様がお隠れになったりする事は
なかったと存じます」お隠れってなんだよ、それなに?処刑じゃないのか?
「具体的におしえてください」
「は、子供院入学の合格条件は国語、算術、作法において赤点を取らない事
あと魔法を最低一つ発動出来る事です」
「全科目落第時にはお隠れ、国語、算術、作法の2つ以上落第の場合は
お暇です」だからなんだよお隠れとかお暇って・・・
「ただし魔法については王族必須ですのですので遙か天井にお暇を頂く事に
なると思います。安心下さいその際は私もご一緒ですから」
ふう、それって流刑どころか幽閉って事なんだよね・・全然大丈夫じゃねーよ
そらそうだ王族秘伝の魔法に接する訳だから口止め確実だよ・・
全然大丈夫じゃない現状だけは把握したよ
どんなに頑張っても魔法出来なきゃ幽閉確実って訳だ
つまりいくら大量点獲得しても最後の問題出来ないと「ブー」って訳だ
とは言っても雲をつかむような話だ一体どうしたらいいのか想像もできない
想像できなければイメージも沸かないわかったのは奈落の底だけ
もしかしてすでに詰んでる?おれはすでに死んでいる?
全然駄目じゃん・・・