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それって異世界転生とちゃうちゃう!  作者: kou2199
外伝
44/179

セバスの視点

物語は一応終了ですが

外伝を数話

私の名はセバスチャン。最近クリスティーナ様からはセバスと呼ばれてます

アスタージナス王の命によりお姫様の教育係を仰せつかりました

私は、魔法により作られた人間。そう召喚人間です

主の命令をただただ忠実に守るだけです

王からの契約期間は「お姫様が王家を継承するまで」

誰が聞いてもありえない話でしょうお姫様は第三王女なのですから


ところが王様はお姫様がまだ赤ん坊の段階で何かを見ていた様です

「天賦の才を感じる」とのこと。


私がお姫様付き執事となったのはお姫様が生まれた直後

「天下人の才脳」を守る為との理由です。


ところがお姫様は3歳から全く成長が止まってしまったのです

王様に相談したところ「どうやら成長妨害の魔法が掛けられた」

らしいとのこと。


すぐに解除魔法をと私は王様にお願いしましたが

「敵の出方がわからない、多分8歳での子供院試験での廃嫡を狙ってる

に違いない」と王様は考えギリギリまで様子を見ることにしました

成長妨害魔法が掛かってる時のお姫様・・・正に「飛び跳ねて」ました

本当に部屋の中を飛んで回ってたのです。これは人間業とは思えません

知能と体の成長は止まったままでしたが体内にある「潜在魔力」が

体中から漏れ出てそのオーラが離れ業の原因だとか。


なにもしらないメイド達は右往左往ただただお姫様だけに振り回される

毎日だったのです。


「このお姫様では廃嫡間違いなしだわ・・・私達どうなってしまうの」

子供院入学試験が近づきメイド達の焦りと諦め・・お姫様が廃嫡となれば

それ相応の罰を受けるからです。


それでも私は「その日」が来ることを信じ下準備だけは欠かしませんでした

7歳から許される王族専用練習場に毎日お姫様を連れて行き自由に遊ばせてました

広い練習場をビュンビュン飛び回るお姫様に私も「只ならぬ才脳」を見てました


その日が来るのは子供院入学試験7日前の予定でした。


成長妨害魔法を解除と共に子供院入学への最低条件である魔法取得を

これは違反なのですが王様が与える予定だったのです。どんな魔法でも魔法は魔法です

そして私とロッテンマイヤーの力で学力を入試合格ラインまで引き上げること

事細かく準備していたのです・・・・


ところが全く想定外の事態が発生しました。

いつもの様にお姫様を連れて練習場からの帰り道、わたしの隙をみて

突然馬車から飛び降りて脱兎のごとく走り出したのです。あっという間の出来事

とはいっても活発なお姫様、それほど珍しい事ではありません・・ですが

なんと言うことか50M位走ったところで操り人形の糸が切れたように

突然「バタ」と崩れるように倒れてしまったのです。


これはもしかして敵の即死魔法が発動してしまったのか・・・

その時ほど慌てたことはありません・・・

突然倒れられたお姫様に通行人が好奇の目で群がり出します

どこに暗殺者がいるかわかりません。私は全力で追いかけお姫様の元に行き

即座にお姫様を抱え上げからくも馬車まで無事に戻ってこれたのです


私にはお姫様の「お目覚め」をこの手に抱えた時に察しました・・なんたる天佑

過去に「お目覚め」になった王家の君の活躍は多くの伝説となってます

王国に大いなる貢献を約束されてる天から、神からの送りものなのです

お姫様は自力でお目覚めしたのです。これはセバスも歓喜しました・・


それからのご成長は正に乾いた砂が水を吸い込むように・・

ロッテンマイヤーの話では「すでに王立院卒業レベル」とのこと。

もうわたしはうれしくてうれしくて毎日嬉々として王様に報告したものです

そんな私に王様は「油断は禁物決して外部に漏らさぬように」との命で

毎日の夕食にまでお姫様をあえて避ける事にしたのです。


まさか子供院入学試験であのような大魔法を披露されるとは・・・・

わたしも王様もまったく想定外でした

王様は秘匿しましたがその大魔法ですでに「国家レベル」といいますか

結界を破れる魔法などは前代未聞、今まで存在しなかったのです。

間違えば国が世界が変わってしまうのです。


これはもしかして王位継承もすぐではないのかと私は予見しました

お姫様は普通の王家一族などでは計れない理解不能の想定外なのです

しかし、それが敵勢力に警戒されてしまったのでしょう

「見学」とのお題目で西地区の魔物討伐に参加することになってしまいました

うすうすダクーミ様が敵対勢力だとは感じていた王様ですが実弟であり

聡明にして努力家、国家に欠かせない人材です。王様はダクーミ様を信頼してたのです


「万一の退却ペンダントを渡す。セバスの判断で躊躇無く退却せよ」と王命も受けました

ほぼ討伐も完了と思われたときに事件は起こったのです

突然常識外のおばけゴーレム出現により隊は統率を失い四方を囲まれ全滅の危機

それを見て私達は嫌がるお姫様をお諫めし半ば強引に退却を実行したのです。


まさかそれすらも罠と知らずに・・一生の不覚

地下牢に幽閉されてしまった私達ですが希望を捨てずにチャンスが来るのをひたすら

待つ毎日でした。いつお姫様が処刑されてしまうのか絶体絶命のピンチの毎日・・が

なぜ敵がお姫様のお命を狙わないのか私は冷静に考えました・・・


「王族への反逆は即刑務所送り」を恐れ敵は大義名分を探していたのでしょう

ある日こともあろうか同い年のウラアール様がお見えになったのですしかも槍を抱えて

「敵は大義名分を得たのだろうか?」私はせまる危機に頭をフル回転させましたが

第一王子から聞いた報告ではお姫様が大魔法を発したときウラアール様は隣にいて

尻餅をついただけとのこと。これでは大義名分などありえません

敵はとこかで勘違いしたのかもしれない。と考えに到ったところで

問答無用でウラアール様はお姫様に突進していきました


しまった・・・間に合わない・・でももしかしたら反逆反応が発動してくれるかも

わたしは藁をも掴む思いで一縷の望みに掛けたのです


果たして刃がお姫様に通る直前ウラアール様は消滅してしまいました。

私の願いが叶ったのでしょう。


その瞬間「チャンス」と判断したわたしは無意識で体が反応しました

千載一遇のチャンス!これを逃したらお姫様を二度とお救い出来ない

火事場のなんとかと申しましょうか自分でも考えられない力がでて

なんとかお姫様を救うことができたのです


それからのお姫様八面六臂の大活躍

お目覚めの時には私しかいなかったのに気がついたら大勢の家臣をしたがえ

ダクーミの野望を次々と暴いて・・・


ついにその日が来ました。まことにおめでたい事です。


こんなに早くお姫様・・いえ新王様とのお別れが来るとはさすがの私も

想像だにしなかったことでしたが。


でも、新王様はもう私がいなくても大丈夫です。こころから安心しています

花嫁衣装を見ることができなかったのが心残りですがセバスは幸せでした。

召喚人間がそのような感情をもつなんてありえないと王様は仰いますが・・

沸き上がる感情を抑えることが出来ません。両目から溢れるものはなんなのでしょう?


出来る事ならば人間として生まれたかった・・・


召喚人間がそんな事を思うのはおかしい事なんでしょうか?

消えゆくわたしを新王は確かな目で今後を約束していただきました。


クリスティーナにとってセバスチャンの存在が

どれほど大きい事だったのか・・

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