一件落着
ついに最終回です
王の間で眠るアスタージナスにふいに「移動の間」から人の気配を感じた
「やはり来たか・・・」クリスティーナから奪った転送ペンダントを使ったのだ
扉がガチャと開く・・・半分顔が崩れてるダクーミが現れた
爆発の時転送を試みたがあちこちに傷をうけてしまったのだ
「待たせたなアスタージナス」
「待っていたぞダクーミ」
「誰にも邪魔されないように王の間には何人も入れないよう結界を張った
心置きなく決着を付けよう」
「お前の呼ぶ声がしたのだ・・・お前との決着をつけなければ死んでもしにきれん」
「余も其方と決着を付けるまでは誰にも王を譲れないと思っていたのだ」
魔法が一切効かない王の間で2人は全く同条件の剣を手にした
一対一の果たし合い
先にダクーミが「フン」と剣を振る
間一髪で交わすアスタージナス
「残念だがお前には一度も剣で負けたことはない」とダクーミ
「それは過去のことだろう」と剣を返すアスタージナス
その鋭い剣先はダクーミの頬を薄く切った。ダラっと流れる鮮血を抑えながら
「腕をあげたな、だがまだまだだ」と剣を下から振り返す
「シュ」と脇の間に剣がはいる。脇の下は急所で動脈を切ればそれで決着だ
危うい所で致命傷を避けたアスタージナス
両者はにらみ合う・・・次の一撃で決着がつくことを覚悟したのだ
「なぜフロレッツェアを奪った?」とアスタージナス
「それはこっちのセリフだ」とダクーミ
「おれはあの日からお前との復讐をちかったのだ」とダクーミが続く
「お前は俺から全てを奪った」
「それは違うぞダクーミ!」
「うるさい、全てはおわりだ。俺もお前も・・」
捨て身のダクーミが全力を込めて突進する
「ドシーン」
ニヤリとダクーミは笑うそして崩れ落ちる
「其方・・・」
「お兄様・・全てはおわりました」と倒れこんだダクーミがささやく
「私は悪魔に魂を売り全知全能を手に入れたのです」
「なにも申すな・・・ダクーミ」
「わたくしは母上に疎まれてました・・愛がほしかったのです」
「愛を愛を求めて・・」
「わかっておる・・お前が母上にどんな仕打ちを受けたかも全てしっておる」
「あ、兄上」
「不憫なお前になんとか力になろうと思っていたのだ」
「王になってからもお前にねだって頼って有能なお前を見るのが兄の
唯一の楽しみだったのだ」
「だから俺は全てのお前の罪を許す!」
ダクーミの口から血がドバっとでてくる
「ダクーミ、死ぬな。余を1人にするな」
「兄上・・・私は最後の最後に愛をしれて本当に幸せでした」
「ダクーミ」
手がだらんとなり静かにダクーミは息を引き取った・・・
最後の最後に人間の顔になって
次の日突然にアスタージナス王はクリスティーナの下に現れた
「今から大事な話がある王族は全員集まるようにあとセバスもだ」
なにごと?と全員で王の間に出向くと
契約書を出すアスタージナス
「これから言うことは王命である何人も異議は申し立てられない
覚悟して聞くように」
「はっ」と全員
「ひとつ、たった今限りでクリスティーナ領領主の任を解く」
ま、当然だよね9歳幼女が領主なんて前代未聞だもん
「没収した領地はすべて王国直轄地に戻すこととする」
「次にダクーミが支配していた領地だが、ジルベッタ!お前が今日から
領主じゃ。成人してる第一王子なのだから領主になるのは当然だ」
「ははっ謹んでお受けします」とジルベッタ
「残りの者は成人までは領地は与えられぬ。しきたりだからな」
「はっ」
これで肩の荷を下ろせたし学園生活エンジョイできそうだよ
「次にウラアール」
「はっ」
「お前は本当にクリスティーナの配下でいいのか?」
「はっ私はクリスティーナ様に命を助けられた段階でそう決めました」
ふうっとアスタージナスは息をはいた
「それでは全然罪滅ぼしになってなおらん」
「はっ?」
「なんで罪人が大出世しなければならないのだ?」
「はっ?」
「これは王命である、たった今からクリスティーナは第17代アスタージナス
王として任に就くように」
ええええええ????聞いてないよそんなの
「なに目を丸くしてる主よ。余の主なのだから王になるのは
当然だろう」
「わたくしも新アスタージナス王の配下になります」とスフィルニア
「当然わたくしもですわ」とフィフリンテーノ
「それでは我も」とジルベッタ
「いかん、其方はジルベッタ領、領主として大臣となり王を支えるのじゃ」
「ははっ万事おまかせあれ」とジルベッタが傅く
「おうさまぁ、9歳の王なんて前代未聞です」
「前例は今作ったのだ。王命である」
「では王様はどうなるのですか?」
「余は隠居してダクーミの菩提を弔うつもりじゃ」
「余は太陽、ダクーミは月だったのだ。切っても切り離せない関係
全てが終わったいま余の役目はおわった。もう疲れた少し休ませてくれ」
「そしてセバス。本当に長い間大義であった其方の事は一生わすれない」
「ははっ」とセバスが傅く
「セバスは其方が王になるまでの契約、召喚人間なのだ」
えっそんな
クリステーナはばっとセバスに抱きつく
「あのクリスティーナ様がこんなに成長されてセバスは思い残すことが
ありません」
「今から契約延長です。新王の命令です」
「残念ながら今の王との契約ですので不可能です」
「駄目、駄目、駄目・・・セバスがいないと私駄目なの」
セバスの目から涙が溢れてる・・・召喚人間にも心があるのだ
「本当に本当に楽しかったです・・・初めは2人だけでしたな・・」
「駄目、駄目、駄目・・・・」ドンドン背中をたたっくクリスティーナ
「今のクリスティーナ様には大勢の心の配下がいますもう大丈夫です」
「それでもセバスがいないと駄目なの・・・」なきじゃくるクリスティーナ
「新しい門出です王となる人間が情に流されてはなりません。
しっかりしてさい。これからは万民の為、泣いてる暇はありませんぞ」
「うん、分かったセバス・・・・私がんばる」
「それでこそ私が見込んだクリスティーナ様です」
次第に薄くなっていくセバスチャン・・・
「それではさようなら・・・いつでもセバスは側にいますぞ」
長く苦楽をともにしたセバスは旅だっていった
「わたし今日限り泣きません」とクリスティーナは立ち上がる
ちなみにいままでの借金は新王の命で「チャラ」ですの
あらたなるアスタージナス王国のまくあけだった
ーーーーーーー完ーーーーーーーーーー
ごめんなさい。防具、武器の大活躍は書き切れませんでした
おつきあいありがとうございました




