自動翻訳機能(昨日から)
暴かれるセバスチャンの謎
どうやら夕食は無事乗り切れたようだ・・・味?覚えてねー
食後の団欒はつづいたが後は特に重要な情報は得られなかった
約二時間位の食事は終了、当たり障りの無い挨拶をして退席となった
自室に戻り湯浴み、着替えを済ませ早めの就寝だ
天蓋付きお姫様ベットに入るとカーテンが閉ざされ、やっと一人きりになれたよ
仕事時間以外はほとんどがプライベートだった俺にはやっと気が収まる時間だ
8時か9時ごろだろうか・・・お姫様の夜は早い(;´д`)ベットの外は
交代の見張りがいる気配がする、シーン・・・マジ静か、静御前
ハア、テレビもねぇ電話もねぇ・・
・・・諦めて寝るか、ネルソンピケ
チチチチ・・・どこかで小鳥のさえずりあさだ朝だ~よ・・
「お姫様お目覚めの時間です」レジーナに起こされる。ぐっすり寝れたようだ
スッキリクッキリ!
テキパキと着替えされるが、途中でレジーナがほっとささやく
「本当に本当によかったです」詳しく聞くとどうやら廃嫡となった場合
執事も召使いも教育不行き届きの罪に問われて連座!(怖っ)なのだそうだ
この国は仕えるのにも命がけぽい・・・そりゃ泣くわけだよ
がちゃがちゃ音がし始める
どうやら朝食は自室で取るらしい超ショック!いやなんでもない。
簡単な白パンとスープ、サラダ程度・・・こんなんじゃたりねーと思ったが
体がちいさくなったので胃も小さい、結構満腹になった
食事が終わるとまたがちゃがちゃガッチャマンと片付けられて
すぐにテーブルが整えられる。どうやお勉強タイムの様だ
そそそと清楚なたたずまいながらお局様然とした、ロッテンマイヤーさん(仮)
がささやく「お姫様、お伺いしましたがお勉強出来る様になったとか
大変結構でございます、早速ですが本日は読み書きのお勉強をいたしましょう」
ざっと教科書を開いてみせる・・・なにこれ、バカにしないでよ~♪
まるで小学校1年、いやそれ以下幼稚園児の内容じゃん、内容は無いようだ・・
「先生、これが勉強ですか?」一応曲がりなりにも三流大学卒なんだよ俺
馬鹿にするにも程にしろ!ピカピカの一年生じゃねーよと脳内で叫ぶ
「とにかく勉強しましょう」今までが今までだった
なにひとつ文字を覚えようとせず奇声を上げて逃げ回る毎日だったらしい
当然ロッテンマイヤーさんもまた逃げる口実を算段中なのかと警戒してる。
あー面倒くさいと思いながらもササッと書き取りする
不思議なことに教科書はどう見ても日本語なのだ、日本語なのだからそのまま
記入するが自動翻訳されてアスタージナス国語に書き換えられてるらしい
ファンタジーじみてるがこれも魔法の一種なのだろうかテクマクマヤコン
さすが俺TUEEEEでチート、俺は当然のごとくに納豆を喰らう。
「ん、まあそんな馬鹿な・・・」ロッテンマイヤーさん泡吹いて倒れる・・・
まではいかないがとにかく驚嘆してるのは確か。
そりゃそうだろう昨日までイロハのイも書けなかったのだ
すらすら~と書いてるのだから。女史には別人28号に見えたことだろう
つづいて算術、簡単な足し算、引き算の問題集を解く勉強だ
と言うか板の上になにやらお馬さんやお牛さんを模した駒みたいのを置いて
「さあここにお馬さんが2匹いますお馬さんが2匹増えたら何匹になりますか」
程度の勉強・・・頭カリカリしたい心境で俺は「お馬さん4匹」ですと答える
逆にボケかましてやりたくなるが相手にはボケとは伝わらないだろう素直が一番
「ん、まあ」と驚くロッテンマイヤーさん(仮)そこ驚くところか?
「貸して下さいませ」と問題集をたぐりよせさっさと回答欄に記入していく
ロッテンマイヤーさん目がグルグル・・・信じられない様だUFO~♪
「お、お姫様それは王立院入学までの全ての問題集なんですが」え、そうなの?
ものの10分で全て回答した俺はニコッと返す、ふざけないで欲しいこんな
問題集を10歳まで続けられたらそれこそ頭が溶けてしまう
一応昨日まではWordとExcelでせっせと書類を作成して
パワポでプレゼン資料作ってたんだが、なにか?と脳内
「明日からはもっと高度なのお願いしますわ」俺
「高度といわれましても・・・」ロッテンマイヤーさん
つぎなに?と目でせかすと算術はとりあえず終了して
マナーの勉強だ、といっても昨日の夕食程度のテーブルマナーは覚えてる
お子ちゃまマナー程度なら実に簡単さっと習得出来た
「驚きました今日一日で遅れ分どころか2年先分まで習得されました
もう明日から教える事はありません」えっそうなの?もう終わり?
「じゃ、その先も勉強させてください」と懇願してみる
「判りました、予習は大事ですから特別ながら準備いたしましょう」
出来の良い子には優しいのだろう、ロッテンマイヤーさんへの好感度大UP
お昼までの時間が大幅に余ってしまったのでリントに頼み早めのお茶タイム
おっちゃんでもお茶なのだ!
まったりとロッテンマイヤーさんと一緒にお茶を楽しんでると
あれこれ質問される。
「昨日はなにあったのでしょう?午前中のお勉強はいつも通りでしたのに」
「かくかくしかじか」
「そうでしたか・・」ロッテンマイヤーさんもあっさりとアサリと納豆食った
腑に落ちない俺は逆に質問してみる
「突然に目覚めるということはよくあるんですか?」
「いえ、滅多にありませんが事例がなかったわけではありません」
と、遠い目をしたロッテンマイヤーさんが語り始める
「実は王族とかの高貴な位にある方に過去数例あったことなんです」
「ご存じないと思いますが今の国家となり300余年の歴史上で数度
お姫様の様な事がありました・・・」
俺はぐっと身を乗り出す、つうことは過去にも俺同様異界転生が有ったのか?
興味深い、女史は続ける
「目覚めた方々は例に漏れずとても聡明であられ得意分野は違っても
その後王国に大貢献されました王位に就かれた君もいらっしゃいます」
ほう。
ですが・・・「心半ばにして天に召されてしまった君もいます」
ここでそっと耳打ちするようにささやく「不本意に召された君もです」
ああ、なるほど「暗殺」って事ね。
「残念ながら聡明すぎる君は場合によっては疎まれる事もございます」
なんとなく判る、日本史や世界史みても数えたらきりがない事例だ
「たぶんですがお姫様ほどに突然聡明になられた場合周囲に問題が起きるかも
しれません」え、なんだろそれ
「例えば同じ年でおられますウラアール様です」やっぱそこか。
「ご不快とは存じますが昨日までのお姫様を疎んじられてました」
後一月のちに始まる8歳からの子供院入学も危ぶまれてた姫様ですから
廃嫡まちがいなしと思ってたことでしょう」多分そうだろうね。
つかギリギリすぎだろ自分!命からがらだったんだね。
さりげなく聞くと今はもう秋~♪どうやら月単位でいえば入学式は10月
つうことは今9月かあ、キチンと七日が1週間らしい曜日名は判らないが
日本語で思えば相手にはアスタージナス語で伝わるのでモーマンタイ
今日は水曜日だったようだ。
「と言う事は、ロッテンマイヤーさん・・」しまったついうっかり仮名
言っちゃった・・・
「なんでしょうかお姫様」、あれ?またそれ????
なるほど俺はまた納豆食った!つまり脳内で勝手に決めた仮名は
発声とともにアスタージナス国語となり翻訳されてたのだ
つまりセバスチャンも本当は別の名前なのだが勝手に翻訳されてたのだ
そっか、こっちで思った固有名詞は全て自動翻訳されてしまうが
相手から教わった固有名詞はそのままこっちに伝わるって寸法なのだな
つまり相手が名乗らない限りコッチが勝手にあだ名付けたとしても
相手には普通に伝わる訳だ、これ超便利じゃね?
第一印象で「このボケ、カス」と思ったら次からボケさんて呼ばないと
その人に伝わらない・・・結構不便かも(;´д`)ご利用は計画的に・・
今日も有意義な情報を得られた・・うんうんよしよしヨッシー
そうこうしていたらタイムアップ
明日の講義を楽しみに先生は退出していった
さあお昼、中ショックだぁ(^^)
今度は部屋から連れだされ別室へと案内される
昨日ほどの大広間では無い中広間って感じかな
30人掛けぐらいの長テーブル短辺に席はない向かって右奥の席に着く
向かい側にはウラアール、あと数名の同年代子供達が離れて着席した
つまり同学年の子供達ということみたいだ子供院入学を控え
領主、貴族達が一月前からお城に籠もり食事を共にするのが慣例らしい。
当然ながらヒエラルキー社会、席順は厳しく定められてる様だ。面倒くさい
疎まれるのも迷惑だから今日は極力無言坂で行こう・・・
「クリスティーナ様よろしいでしょうか」とウラアールが尋ねる
「なんでしょう?」
「クリスティーナ様は子供院入学の準備は出来てまして?」上から目線キター
「はい、昨日まで随分遅れをとりましたがなんとか間に合いそうです」
周囲が「ザワ、ザワザワ」とカイジ君はじめる
「あら、そうですかそれはなにより、お手並み拝見させていただきますわ」
高圧な態度で慇懃無礼に語るウラアール、その微笑には悪意がハッキリと滲む
裏じゃねーよ表にダダ書きされてるよ、悪巧みが。
暴かれたロッテンマイヤーの謎