東の守り
ダクーミ領の事情
ダクーミ領は国境を守る領
長大なまるで万里の長城みたいな城壁を有し国の防御の要として君臨してる
故に最も信を置ける者が領主でなければならない。
アスタージナス国王の実弟で実務優秀なダクーミは全幅の信頼が寄せられている
その領地内に湖が存在してる、近年作られた人工湖
地下水源よりも湖の湖底に濃縮された聖水でなければ魔物を精製出来ない
表だっては領民の水瓶が必要との公共事業目的が大義名分
所が近年領内を貫く街道上で旅商人が魔物に襲われる事件が多発しはじめた
警備目的と称して砦が立てられたがまるで間引きされるかのように旅商人は襲われた
次第に王都への商売を諦め安全な国境付近で交易するしか方法が無くなっていった
利権が王国に届かなくなった
ダクーミ領から報告される貿易実績は全てダクーミの手の内
ウソで固められた収益報告しか王には届かない
更には「魔物討伐」と称して毎年莫大な予算を要求された
国の安定の為にはやむなしとだせない予算を王は工面した
討伐部隊が遠征するも生き帰って来るのは召喚人間だけ
魔物はダクーミ側の者は襲わないのだから当然だろう
「今年も甚大な被害でした」とダクーミが報告すれば一切疑う余地がない
そうして不正蓄財したダクーミだが目的は一つ
領地財政をひっ迫させる程の大金を使いダクーミは貴重な魔石を買い求めた
隣国の更に先・・・遠い国の果てに魔石製作で国の益を上げている国がある
旅商人(に扮した召喚人間)を使い大魔石をようやく手に入れたのだ
ワイバーンを遙かに凌駕する「ドラゴン」を召喚出来るこの世に1か2つの
大魔石だ。今まで蓄えたダクーミの手持ち資金のほとんどを費やした切り札
「やっとで届いたか」ふふふとダクーミ悪魔の微笑
一つの国家を滅ぼせる程の破壊力をもつドラゴン
情報を聞きつけたダクーミが裏の裏の伝を頼ってやっとで手に入れたのだ
今まで入手してきた召喚魔石とは根本が違う
ドラゴンは史上最強、森羅万象の頂点それを越える存在がいたとしたら
それは神しかいない。
しかし、大魔石で召喚出来るドラゴンは機能制限されている
当然だが他国侵略には使えない。国登録をしなければ発動できないし
他国に持ち出しても発動しない。
「これでのこのこやってきたクリスティーナを引っ捕らえてくれるわ」
「今回ばかりは余が作戦が地に向かい直接指揮をとる」
「それは危険です。私をお使い下さい」とヴァイス
「ならん、今度ばかりは他人に任せられない伸るか反るかなのだ」決意は固い
「それにドラゴンは全属性が効かないいくら想定外の大魔力を得ている
クリスティーナとはいえドラゴンを討つ事は出来ぬ
もしかしたら最終決戦?
一方そのころクリスティーナ達は次戦に備えて訓練に励む毎日だ
新たに協力してくれるスフィルニアとフィフリンテーノ兵士達との連携練習だ
一蓮托生軍団、ここに来て隠し事は一切なし
全員が使用可能な魔法を全て公開してより高い運用方法を模索した
魔法の開示といってもその効果と威力を伝えるだけで詠唱は教えない
重要な作戦は兵士館の食堂でブリーフィングを行う事になり
王族4人とヨハンとエメル、セバス、タラン、兵士長、副長による
参謀会議は小会議室を使う事した
軍事演習の小休止中にジルベッタがそっと近づいてきた
「これは多言無用だが・・・」
「隠し事は駄目ですわ」
「いや、これだけは他の者には聞かれては不味い」
「・・・では伺います」
「うむ、其方の使ってる武器、防具は王家専用の物他人に貸与は出来るが
本当の性能は王家の人間にしか発揮できぬ」
「なんとなくすごい物だとは思ってましたがそれ程でしたか・・」
「だが今の状態では全く力を発揮してない」
「属性の色に染める事ですね」
「うむ、色に染めないと意味がないのだ」
「それは分かっていますが・・・どうやれば良いのか分かりません」
「次の作戦までに何としても開発しなさい」
とジルベッタはその場を離れていった
と言われても困る・・思い浮かばないのだ
ぼうぐ・・・ぐうぼ
ぶき・・・きぶ
やり・・・りや
そんな都合のいい回文思いつかない
んん?
ぼうぐのいろ
よろい・・・いろよ
「鎧のいろよ」でっできたぁ!!!
「鎧の色よ」とその場で詠唱してみる。ここは練習場どこでも魔法練習できる
「グワワワーン」と音と共に煙に包まれる・・・「これは間違いなく大魔法の合図」
虹色の魔石が出てきた・・すかさずカルク君にドロップ
「たたたた」と一覧が表示されて属性色を撰べるようになった
赤を撰べば攻撃属性に対応した防具が撰べるらしい。
だがたしか色を染められるのは一度だけ。ここは慎重に・・
魔力が使える王族でも個人の相性があるのでその人に有った属性を撰ぶべき
だが私は王立院どころか子供院にも通っていない落ちこぼれ(とほほ)
自分に合う属性なんて撰べない・・・なにかないか?
つつつと属性一覧を探ると「虹色」
虹色っってなに?もしかして万能?もしかして中途半端の器用貧乏?
うーん悩む所・・多分ジルベッタ様に効いても回答は得られないだろう
自分で決めるしかない。
任意に4つめの「風属性」からはじめて
「か・み・さ・ま・の・い・う・と・お・り」と神頼み
「虹色属性」と出た。これで行こうとタップした
「シュイーーン」と防具が玉虫色(虹色)に染まった
続けて魔剣、魔槍、杖を防具に触れさせると皆玉虫色に変わった
「これでよかったのだろうか・・」
よろいのいろよ




