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それって異世界転生とちゃうちゃう!  作者: kou2199
第二章 継承の行方
34/179

決行

作戦開始です

その日が来た・・・

スフィルニアは今日なにがおきるのかを心の中で整理した

多分失敗したら自分の命も今日までだろうこと

母上の仇をとるためにも絶対生きて生きて生きぬかなければならないこと

多分助かったとしても大変な生活が待ってるだろうこと

第一王子も第三王女も未だに潜伏してるのだ自分も覚悟しなくてはならない

自分の運命と人生は今日これから起きることで決まること

すーっと息を吸い込み全てを決心した。鋭い眼光は覚悟を決めた男の目だ


カラーンカラーン5の鐘(午後3時)が鳴った。行動開始だ

「ちょっとお庭を散策いたします。」この時間に散策するは珍しくない

「わかりました。外は随分と寒くなってきましたのでお早くお戻り下さい」

「うむ、分かった」すこし厚着をして外に出る護衛兵士2人が後ろにつきそう

「ふん、護衛ではなく逃亡防止だろうが」とスフィルニアは思った

多分逃げる姿勢を見せたら即討ち取られるはずだ。理由は後でなんとでも

でっち上げるだろう。


お花畑に咲く秋の花を愛でるように臭いを嗅ぐフリをしてかがんでみる


その時


館内の数カ所から爆発音が響いた「ドカン、ドカン」これが合図だ

今しかチャンスはない、ポケットに入れて置いたペンダントを首に掛け

何事と一瞬後ろをみた護衛兵の隙をついてスフィルニアは門に向かい走る距離50M

同時に突然門が何物かの襲撃で「ドカーン」吹き飛んだステルスヒトマル君からの

遠距離砲撃だ。最新鋭の120mm滑腔榴弾砲は狙った標的を絶対に外さない

門番小屋ごと門兵は吹き飛んだ・・・


後ろから護衛兵が追いかけてくる・・・ズキューン、ズキューンと護衛兵2人は

遠方からの狙撃を受けもんどりうって卒倒した即死だ

あと10M、花壇の手入れをしていたはずの庭師が突然魔法詠唱の構えをする

「ズキューン」またしても狙撃されその場に倒れる


ついに外に出られたが遠くから射かけれた矢が数十本降り注ぐ


命中・・・・したはずなのになぜか全ての矢は地面に刺さっただけだった

間一髪スフィルニアは王宮へと転送が成功したのだ。


一方フィフリンテーノ


スフィルニアと全く同時刻に散策を行い時を待つ・・・

南の館は北の館よりも一廻り建物敷地が狭い、門までの距離30M

建物内から爆発音が響き出す、同時に門が爆発し門兵は吹っ飛ぶ

フィフリンテーノはだーっと駆け出すがスカートを両手でつまんで

走るも速度は遅い護衛兵が刃を向けて襲いかかろうとした刹那、バタっ、

更にもう1人もバタっその場に卒倒した。逃げるフィフリンテーノ、だが速度は

遅い・・・


あと5M、駄目だその場に倒れてしまった。絶対絶命?

違う倒れたのではなく打ち合わせ通りその場に伏せたのだ


射手がその隙を逃さない矢を射かけようと弓をしならせる

だが・・・


10人いた射手全てが矢を射る前にバタバタと倒れた。伏せたフィフリンテーノの上を

乾坤一擲の火の玉魔法が「ドゴーン」と通過する・・・後ろから追いかけてきた

衛兵達は魔法攻撃をまともに食らい全て吹き飛んだ

すくっとフィフリンテーノは立ち上がりようやく門の外に出たかと思うと

ふっと消え去った・・・


王が待つ転送部屋にスフィルニアが先に続いてフィフリンテーノが転送されてきた

2人とも土煙を浴びてとても王子王女の風貌ではない。だが今そんな事に構ってられない

再会した3人は抱擁を交わす間もなく次の行動に移る


2人は王立院入学時に渡された「詠唱中」のみ発動する攻撃判定を解除する

王家の紋章入り指輪に触れながら「○X▲□・・・・・」と詠唱する

これで反撃魔法が作動しなくなった。

アスタージナスが氷結と縮小魔法を2人に掛け。用意していた小箱に収める

外に待っていたタランがそれを受け取る。タランは王宮院付属の文官という

肩書きもある(実は諜報員)王宮内の移動は自由自在、衛兵も全く怪しまない

普段から書類を入れてる文箱は日常的に抱えてるからだ。

タランは王宮内の自室に荷を置き何事もなかったように職場に戻り執務を行った


タランの調査ではここの職場内でもダクーミの息が掛かる召喚人間や文官が

かなりいるので隙は見せない。文官でも特務室付属の彼は

王宮内の全てに出入り可能の肩書きを持つも「昼行灯」と同僚からも小馬鹿にされ

成績は中の下、とにかく目立たない風貌でどこでも影が薄い、いてもいなくても

誰も気にしない。能力優先主義のダクーミはタランの存在すら忘れてる。


全てはタランの能力なのだが


次の日グフタスに木箱を渡し営業時間が終了しグフタスとセバスはいつもの通り

帰宅する、門番が通用門で荷を改める・・・


「いつもより荷が多いな・・・?」


「へえ、季節の変わり目ですから棚卸しにて多くの商品を入れ替えました」

「そうか」と門兵は荷物の中から任意に2つ3つ選び中身を改める

荷物には人をかくまえる様な大きさの箱は積まれてない

秋から冬に向かう季節だ、確かに秋物の商品ばかりだった

何時もの様に門兵に「心尽くし」をそっと握らせる・・多からず少なからず

渡さないと荷物改めと称し何時までも足止め(嫌がらせ)される


「うむ、通って良し」


グフタスの部屋で⒉人は元にもどったのだった。念のため夜をまち

迎えにきたステルスワイバーンに乗り込みクリスティーナの練習場に舞い降りた

以前ジルベッタ救出時に練習場の結界を突破出来たのだから今回も出来るはずと

確信していた。理由はまだクリスティーナ自身は分かっていない

「一蓮托生フラグ」はすでにアスタージナスとグフタスにも立っているが

今は必要無い情報だろう


「2人とも無事でよかった」

ジルベッタ、スフィルニア、フィフリンテーノ、クリスティーナ

王子、王女が4人揃った・・・


皆生還を心から喜び目頭を熱くした。ギクシャクしてた時もあったが

皆が一枚岩になった瞬間だ。共通の敵はダクーミ只一人


「まずは一風呂浴びて下さい」二人は交代で風呂につかりひとまず睡眠をとる

スフィルニアとフィフリンテーノは今までの緊張の糸が切れたように

泥のように眠ったのだった。

フィフリンテーノとスフィルニアは普段使っていないタランとグフタスの部屋

をとりあえず使用した


翌朝タラン(王宮でお仕事)を除く7人で食卓を囲んだ


「すまいにいます」で家を建てたときにあった食材はすでに消費しているが

「冷凍庫とコート入れ」魔法で食料品の備蓄と衣類管理所は出来ている

ここの練習所ってもう立派に「一蓮托生軍」のお城やねとクリスティーナは思う

定期的にグフタスに必要物資を手配させステルスワイバーンで運んでいる


スフィルニアとフィフリンテーノは生き返った様な満面の笑顔だ

きっともっと過酷な逃亡生活を想像していたのだろう

想像以上な快適さに安堵したのだろう、部屋は狭いけどね


事の顛末を皆で語り出す


「一番の難所は門破壊だったね」とクリスティーナは語る

「一体どうやって結界が張ってある門を破壊できたのだ?」

とスフィルニアが問う

「お父様が結界魔法を無効化出来る魔石を頂いたのです」

「もっとも半径3M位の半円の範囲しか結界を無効化できなのですけどね」

だが、クリスティーナが王様のお見舞いの時にステルス魔法で透明人間になり

門に仕掛けてくれたから出来たことだ


「結界が無効化出来たのは分かったがどうやって門扉を破壊したのだ?」

「北の館ではステルスヒトマル君の砲撃で南の館はジルベッタ様の攻撃魔法です」

とクリスティーナは続ける


「館内での爆発は?」フィフリンテーノが聞く


「館に侵入したクリスティーナがあちこちに時限爆弾魔石を仕掛けたのだ」

とジルベッタが語る


なにやら「ターン」と音がして追っ手が倒れたが?

「それはヨハンの狙撃です」とクリスティーナ

「狙撃?」

「はい、私の魔法でソゲキジュウというのを使いました」

「その日の為に猛特訓しました」とヨハン

いくら魔弾を使ったとはいえ500Mの距離での狙撃はプロスナイパークラスだ

魔弾は魔法が付与されてて狙撃手の集中力次第で命中精度が向上する


「私を狙った兵士達が次々倒れたのはどうやったのですか?」とフィフリンテーナ

「私の即死魔法を込めた魔石を兵士どもの衣服に仕込んだのだ」とジルベッタ

「勿論仕込んだのはクリスティーナの働きのお陰だ

「あの魔法は王族を裏切った瞬間に発動する」とジルベッタ

恐ろしい魔法もあったもんだとスフィルニアとフィフリンテーノは震えた


「みな大変だったんですね。」とフィフリンテーノ


ちなみにヒトマル君の運転はセバス、砲手はクリスティーナ

決行日の早朝南の館にワイバーンでジルベッタととエメルを降ろし

北の館までワイバーーンで移動した後ヒトマル君と狙撃手のヨハンがそれぞれの

ポジションについて作戦を実行したのだった。


作戦成功を見届けすぐにワイバーンで南の砦に向かい二人を乗せて撤収した

一方王宮でアスタージナス王とタランが待ち構え転送後の措置を行った


戦は準備段階で勝敗は決まると言って過言ではない


「私だって皆様の食事の用意で忙しかったんです」

誰も聞いてないのにエメルはプンプンしてる。補給と後方支援も大切な任務だ


ちなみに北の館は兵士数が多く周辺探索と追っ手掛けたが遠距離攻撃を

受けたとは全く気がつかず。結局成果なしで探索を終えた。その後生き残った

召喚人間、何も知らないで働いていた召使い、メイド全てがどこか

遠いところへと旅だってしまった。


一方の南の館、生存者は数名で追っ手を掛けるどころでは無かった

生き残ったのは普通の平民だったがどこかに消え二度と姿を見た者はいない


なお、何も知らないでわれわれが館に突入したら数数の罠が待ち受け

内部に引き込んで全員同時に爆発する魔石を持たされていた。取り囲んで自爆

する予定だったのだ。攻撃者が館内に一切立ち入らずに人質が自力で脱出するとは

想定外だったのだろう。悪運つよいヴァイスはどちらの館にもいなかった


次の日グフタスの配下2人を前回と同じ手法で主従契約して

⒉人と必要物資を満載したワイバーンで練習場にもどると・・・


あれーー?「家」が大改築されていた????

家の横に連絡通路が出来て母屋より数倍でかい洋風館が出現していたのだ・・

いくら人数ふえたからってこれ大げさじゃね?

実はアスタージナスも一蓮托生軍団に加わったので王にふさわしい館が増えた

だが今のクリスティーナに理由は分かっていない


玄関から入ると広間が広がりその奥の間には10人掛テーブルが左右に5列あった

繋がってキッチンの範疇を超えてる厨房にはレストラン然の最新設備

前回作った冷凍庫もあり勝手口もある

広間の左には3つほどの小部屋?側仕えの使う部屋でワンルームマンション風

広間の右側にも3つ部屋があるが小会議室2と給仕室。会議してお茶飲むのね

玄関脇にある豪華な階段から二階に上がると回廊があり部屋は8つあった

一階と同じ様に真ん中は大部屋、廊下の外側は左3奥に2右に3と

4畳半程度の部屋があったがガランとしてた

大部屋を覗くとあれまぁ・・・まるで王様が使うような天蓋付きのベットや

豪華な調度品家具が揃っていた。一体誰が使うのだろうか


私はこんな部屋いらない移動なんてとんでもない。自室には絶対に他人に

知らせられない、知られたくない秘密(?)があるのだ

ジルベッタに奨めてみたら

「其方が作った館なのに我はそんな豪華には住めぬ。しかも我には

野望があるのだ」と今の部屋を使い続けるとのこと


ということで暫くは空き部屋とすることにした

当然スフィルニアとフィフリンテーノがジルベッタより上質の部屋なんて

使えないとタランとグフタスの勉強部屋ふう離れを正式に譲り受けた

タランとグフタスは滅多に来ない予定なので館の2階にある小部屋を

必要時に使うことにした。


グフタスから譲り受け主従関係を結んだ2人実は料理人だった

エメルだけに食事当番は任せられないとグフタスが気を利かせたのだ

2人には厨房に近い側仕え様の部屋を割り当てた

今までは増員分の増築のみだったのになぜ空き部屋がこんなに増えた?


もう一つの嬉しい増築!

なんと掛け流し温泉大浴場が増設されてたのだ!そりゃ人数増えてきて

交代で狭い風呂に入るにも限界きてたもんね!大朗報だよ

泉質は?よく分からないけど「聖水?」いつの間にか練習場と下界とを

境界してるぐるっと盆地状の丘陵の中腹にズテっとパイプが突き刺さり

そこから温水を取り入れてる様だ、落差を利用した掛け流しシステムね

館内全部の給湯もまかなってる様だ良くみると別の場所にもパイプが

突き刺さってる・・冷水と温水だろう


でもこれだけ施設が増え人数も増えたら衛兵か必要かもしれない

タランに頼んでせめて5~6人位衛兵を頼んでみよう

当然、主従契約問題と城内から出る方法を探さなければならないが


2日後になんと20人もの兵隊がやってきた・・・大杉だよ


タランが絶対に信用出来る者に打診したらわれもわれもと20人も

集まったらしい


移送方法は簡単だった5人単位に分けてステルス化したクリスティーナを

伴って商人に変装した兵士と魔法登録所に入り主従契約を行い

会議室に集合させ人数が揃ったところで王様が何気なくたちより

凍結、縮小魔法をかけ、タランが小箱につめ商用門から運びだし

グフタスの部屋で夜をまち夜陰に紛れて井戸で移動魔法で全員移動し

そこから「飛ばす都バス」に全員乗り込み移動完了した


当分兵士達には野営してもらおうかと思ってたら

なんと翌日に兵士用館が出来ていた!100人は詰められる広さで

兵士専用の食堂、厨房、浴室もあり仕官室まであった平兵士は4人部屋を

使うが今は総勢20人なので暫くは個室みたいなものだろう

今回も人数分以上のキャパ?なんでだろう


さてかなりの大所帯になりワイバーンでの物資運搬は困難になった

なにかダクーミに察知されない様な秘密の流通方法が必要だろう


実はグフタスは王宮デパートの出入りに忙しいが

珍しい商品などを隣国や海上貿易で手に入れる為手広く商売をしてる

配下の人間や荷馬車はかなり保持してる


グフタスは行商目的と称しクリスティーナの秘密の魔法練習場

というか今や拠点なのだが練習場に一番近い集落に問屋を作ったのだ

今で言う所の集配センターみたいなものだが農業以外なんにも収入源がない

村長は大喜びした。相当額の土地使用料が入るからだ

後に商人が頻繁に出入りしはめ当然宿泊、飲食、必需品、娼館などが

ドンドン増え村は大発展していくのだがそれは将来の事

誰が命名したのか「ベンリーダ」村と勝手に名付けられもした


グフタスは夜中にも荷物の出し入れがある旨も説明した

これで深夜ガサゴソ音がしても村民に怪しまれない


昼間に堂々と必要物資を問屋に運び入れ夜中に練習場に運び入れる方法が確立した

実際集配センターは本来の目的でも使われグフタスの収益は上がったのだ


王都への入場許可が下りない行商人が集配センターに荷物をおろせるし

入場税と称し「賄賂」を門兵に支払う義務が無くなったのだ

当然王宮の物価が下がり物流が円滑になり民も商人も大喜び

味を占めたグフタスは西と東にも同様の集配センターを作り大儲けなのだが

それはずっと後の話


当然収入を閉ざされた門兵達は文句を訴えたが、そもそも「賄賂」

さらに「王命」で許可されたのだから逆らうことは出来ない


「商人どもからの陳情があり商取引を活性化するためだ」と側近越しに

王はダクーミに報告した。試験的試みであり成功したら王国も潤うと

力説されればダクーミも断れない。本当は財政ひっ迫に追い込みたいのだが

いまは王の命に表だって反対出来ない。

「目に余ったら邪魔してやろう」位にしか思わなかった


私がおりると消滅してしまう「都バス」では不便なので

「こてっと固定」魔法を「都バス君」に掛けた。

これで完全実体化され誰でも運転出来る様になった

残念ながらステルスは掛けられないし消費Pは戻らないし魔法による

都バスが出せなくなった。使用方法が限定される魔法だろう

大戦車軍団とかのチートは無理


燃料補充が問題だが貴重品ながら海上貿易で「燃える油」が軽油代わりで使えた

一リットルで金貨一枚という超貴重品だが背に腹は替えられない

集落から練習場に移動するのが主目的、毎日走らせる訳でも無い。

海上貿易復活がここでも有利に働いた。


バスの本格運用?

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