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それって異世界転生とちゃうちゃう!  作者: kou2199
第二章 継承の行方
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フロレッツェアの視点

挿話に近い内容です

わたしはフロレッツェア、アスタージナス王国の正室です

王に嫁いで早20年山有り谷有りでした

アスタージナス王の寵愛を受け子にも恵まれました


今はとても悲しい現実で一杯です

第一王子と第三王女、わたしがお腹を痛めて人生の全てを掛けて大事に

大事に育てた我が子の行方がわからなくなってしまいました。

第一王子は「太陽王」の正当な跡継ぎの誉れ高く何事にも真っ直ぐで人を疑う事を

知らず誠心誠意で正に王道をいく性格が全ての民に愛され次期王は確実でした

わたくしも我が子が子供から大人へと逞しく成長するジルベッタが誇りでもあり自慢

でもありました。未来は明るく開けていたのです


一方のクリスティーナ。8歳直前までハラハラでしたが天の声が届いたのでしょう

突然「目覚め」いたしました。過去のアスタージナス王国の歴史を振り返ると

「お目覚め」叶った君は例に漏れず神のご加護を得て王国に大いなる貢献をされた

という文献が数多く残されています。


廃嫡寸前の娘が「目覚め」たことに王様と一緒にそれはそれは歓喜しました

このまま第一王子を立てて王国を支えてくれたら王国は盤石です

「太陽王」が果たせなかった人民の平和と安息を今度こそかなえてくれると

わたくしは神に感謝してました。


「2人とももう駄目かも知れぬ」


かって「太陽王」と民に崇められた王様が今は見る影もございません。

ここ4~5年国を襲う厄災が王から「太陽」を奪ってしまったのです

あいつぐ国難につぐ国難、王様は全身全霊を掛け対峙されました

それが今回実子2人の行方不明さらに第二王子までもがみまかり

ついに最後の防波堤が崩れたのごとく王様は全ての執政を放棄し王の間に

引きこもってしまったのです。わたくしがどんなにお慰めしても王の気持ちは

ここにありません。民の為、国の為全てをなげうっていた王が壊れてしまったのです


いちるの希望はダクーミ様です。王が失意の底にあるにも関わらず

王国の危機をダクーミ様が一身に背負って支えてくれてるのです

いまは王国はダクーミ様がいなければ全てが立ちゆきません。

全ての民はダクーミ様を信仰、崇拝してます。


あれは私がまだ王様に嫁ぐ前王立院に通っていた時のことです

わたくしはシグナス領の領主第一女として生まれいずれは領主として婿をとるか

他領、もしかしたら王家に嫁ぐ運命でした

高貴な身分として生まれた以上「政略結婚」はあたりまえなんの不満もございません

せめて学生時代だけでも「青春」を謳歌しようと毎日楽しく王立院で学んでました


同学年にアスタージナス様は在籍されてました。当時から「太陽王」として

光り輝くオーラを身にまとい男女を問わすつねに取り巻きの中心でした

初印象は「手が届かない」あまりにも眩しさにわたしは目を合わすこともできず

ただもじもじとうつむくだけの暗い子だったのです


一つ年下のダクーミ様・・「太陽王」の正反対、早くから天才、神童と騒がれては

しましたが他を近づけない寄せ付けないなにかを発していたのです

「太陽王」は誰でも分け隔て無くみなが慕っていたのですが

ダクーミ様に従う者達はお友達ではございません。空気が違うのです

そう、表現できるとしたら「ダークエネルギー」


それでもダクーミ様はわたしには優しく接してくれましたひとつ年下なのに

とても気が利きます。わたくしが何を望んでいるのか全て判ってらっしゃいました

恥ずかしいお話ですがやや勉強が遅れがちのわたくしに「家庭教師」まで

第二王子なのに本当に恐れ多い事です。


年下の家庭教師が付いたなんてきっとわたしくししか前例がない事でしょう。

ですが・・・わたくしはそんなダクーミ様になにか不安を覚えたのです

なにか暗い物に吸い込まれいく感じともうしましょうか

いつしかダクーミ様の瞳の奥に更になにかを感じ始めました

「もしかして私に好意を抱いている?」第二王子に嫁ぐなんてなんて名誉な事でしょう

周囲に知れたら誰もが応援してくれるにちがいありません。


政略結婚が常の中、愛されて輿入りなんて女として最高の幸せでしょう

「このまま求婚されたらお受けする」と決心していましたそれは運命なのですから

何時しかわたしは王家の夕食会へと頻繁に招待されるようになりました

「お顔を覚えてもらう」社交界では当然の事でしょう。そうして私は学生の身分ながら

王族入りはほぼ間違いなしと周囲からも公認されていったのです。


ある日の夕食の後・・・わたくしは少しばかり席を離れ窓に立ち

夕涼みをしていました。きっとなれないお酒に少し酔ってしまったのかも知れません

今年から飲酒も社交のひとつと父上に指導され苦手なお酒なのに飲まなくては

ならなくなりました。思ってた通りにほんの少し頂いただけなのに

顔が赤面し体中かーっと熱くなり気分が悪くなってしまったのです


「はやく帰りたい・・・」そんな事を思っていました所

気がつくと後ろにアスタージナス様が心配そうに話しかけて来たのです


「どうかされましたか?」


王立院で5年以上学んでるのに第一王子とお話したのはこれが初めてです


「いえ、ただ涼しい風に当たっていただけです」わたくしはお酒で染められた以上に

赤色を増した頬を隠すように俯きかげんで申し上げました。


「涼むのもいいが風邪を引かぬようにな」と優しいそしてキラキラしてる瞳で

わたくしを心配してくれたのです。


その一言を切っ掛けになにかに引かれ合うように自分でも不思議なほど

ごく自然に第一王子様との会話が弾んだのでした。


それは、ダクーミ様に接していた時とはあきらかに異質の感覚でした・・・

「この方しかいない」わたくしは生まれて初めて恋に恋してしまったのかもしれません

とはいえ婚約こそしていないもののダクーミさまとの将来は公然の事実

いまさら心変わりなど周囲もわたくしにも出来ない事

「叶うことがない夢」とこころの奥に封印しました。


「ああ」その日以来封印したはずの心の底がどうにも抑えられません・・・

「どうしましたか?」今日も家庭教師していだいてるダクーミ様が心配そうに

わたくしの顔をのぞき込みますが・・・その目はわたくしの心の奥まで見られてる様で

ほんとうに申してはならない事だと思うのですが「ゾっ」という感情を抑えられません

「わたくしはこの方を愛してない」・・・・


唐突にその日はおとずれました


先代アスタージナス王が突然の病に伏せられ余命いくばくもない事が判明しました。

本来ならば遺言の場は王家のみの事ですがダクーミ様に嫁ぐことが公然の事実化してる

関係でしょうか、なぜかその場にわたくしも呼ばれたのです。察しました・・

ダクーミ様が王様からの許可を得るためだと・・・


それなのに・・・


王様の遺言で第一王子が次代アスタージナス王に指名された後

間を置くことも無く「かねてから心に決めていたフロレッツェアを嫁にもらうことを

お許し下さい」「うむ、許す」


なんて言うことでしょうダクーミ様に求婚されると覚悟していたのに

アスタージナス様に求婚されてしまったのです


王様の遺言で「許す」となった以上誰も否定することは出来ません

周囲はきっと動揺していたのでしょうがおくびにもださず

「おめでとうございますフロレッツェア様」と祝福一色に包まれたのです

あのダクーミ様までもが満面の笑顔で祝福されています。

「なんて心の広い方でしょう」私はそれまで思っていた不信感を払拭し

自分自身の愚かさを心より恥じたのでした。


なにかいままでの心にうずまく不安感がぱあっと晴れ

わたくしは幸せ一杯なこころもちになりました。自分だけがこんなに幸せで

ほんとうにいいのでしょうか・・・


「なのに・・・・」


20年という時は人の心を変えてしまうのかも知れません 


もしも、もしもですが「太陽王」に万が一が起きた場合

20年という長き時を経てしまいましたが国の為民の為

いまだに正室を持たないダクーミ様の婿入りという可能性も有りうると

私は感じ始めています。


日に日に弱って輝きを失っていく王様には生きようという

気持ちが感じられなくなってます。その日は近いのかも知れません

多分現状を考えるとアスタージナス国王もダクーミ様に継承するのが

最善と考えてる事でしょう。


第三王子第二王女は第三側室の子、万が一継承との事になれば

正室として国を支えてきたわたくしの立場は無くなってしまいます

そもそも2人の子達はだれがどうみても王にふさわしい技量を

満たしていないのです。


今の王国の現状ではダクーミ様の継承しかありえません


ダクーミ様を婿として受け入れさらに優秀な子を養子と迎え入れれば

私も国家も安泰でしょう。ダクーミ様の側近ヴァィスはダクーミ様の

再来と言われるほど秀才との事。将来の養子候補かもしれません

はて?たしかヴァイス以前にもダクーミ様の側近に優秀な者がいたはずですが

どうにも思い出せません・・廻りに尋ねても知らないとの事。きっと勘違いでしょう


今まで幸せ一杯だったわたくしには自分自身でもとても信じられない


「不謹慎」な思考が脳裏を渦巻く・・・


自分であって自分でないもう1人の自分を見つめてるのであった。 


恐るべきダクーミの妖術

ダクーミ恐るべし

洗脳魔法は記憶の一部まで改竄させるようです

クリスティーナもジルベッタももしかしたら

都合の良い記憶を植え付けられてるかも知れません

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