丁々発止
起死回生の脱出劇でした
表面上はなんにも変わらないダクーミ、今日も王国のため自領のための
執務に慌ただしい毎日、表向きは・・・
ウラアールが王宮刑務所に収監された・・・
この事実を知るのは王族の他ダクーミのみだ
王宮刑務所、特に反逆者が収監される地下牢は何人たりとも近寄れない
例え王様であっても接見は固く禁じられてる。唯一面会出来るのは
被攻撃者のみ、今回はクリスティーナだけなのだ。
罪の有無、量刑を決められるのも彼女だけ・・・
何人たりとも犯すことが出来ないこの国に定められた鉄の掟。
外部との接触を厳しく禁じられたウラアール、刑務所内でも
厳しい措置を受けてる、一切の思考を出来なくする為に植物人間魔法
が掛けられて思考はおろか体を動かすことも出来ない。
魔法詠唱を禁じる結界牢よりもさらに厳しい牢であった。
「クリスティーナを城内にいれてはまずい」ダクーミはうなだれた
まさかあの牢からやすやすと逃げられてしまうとは・・・
ヴァイスは余の右腕、そう簡単に負ける筈がなかったのだ
相手は魔法も使えない幼女・・・いったいなにがどうしたのか
さすがのダクーミもセバスチャンの潜在能力は一切知らい
情報がすべて閉ざされていたので能力が判らなかったのだ
「過ぎたことはやむを得ない、次の策だ・・・」頭を切り換えてダクーミは
次策を練る・・・「次の一手は・・・」
陰謀巡らすダクーミだったがクリスティーナ側も策を練っていた
「このまま、戻れないのでしたら今後はどうしましょう」
「まずは、気配を絶ちましょう民衆に溶け込むのです」とセバス
「潜伏するって事ですね」
「はは、左様にございます」
「一旦野に下り体勢を立て直すのが肝要かと」
「して、具体的にはどうしましょう」
「はっ一旦王都に戻り下町に潜伏します、下町には私と親しい者達が
大勢います快くお姫様をかくまってくれるでしょう」
「お姫様をかくまい私は情報収集を行います。城内にも心を許せる者が
数名います」
「大丈夫かしら?ダクーミの一味も多いのではなくて」
「は、お任せ下さい信用出来る人間のみに探らせますので」
「とにかく相手の情報と弱点を探さなければ現状では太刀打ち出来ません」
「今の我々の立場はアリと象ですダクーミには強大な権限と王様に匹敵する
強大で強力な悪魔的魔法があります」
「今の我らには4人しかいませんからね」と私
「かならずやダクーミの陰謀と罪を暴きアスタージナス王国に
平和と安息を取り返します、正義は我らにあります。正義は勝つのです」
おっセバスチャンて意外と熱血漢なんだ・・・でも先遠そうだよぉ
些細な事だが俺は35歳脳から8歳幼女思考に変化してるのかもしれない
全く興味が無かった異性(対象は男)に不快感がなくなって来てるし
お姫様思考で物事を考え始めてる自分がいる。
「もう~セバスったらぁ」とか平気で考える自分に違和感を感じない。
便利なことに「井戸に移動」は次に近い井戸に移動出来る魔法
杖で範囲指定出来るので後戻りする事も無い。方向方角はカルク君の
カーナビで判る。
つまり集落から集落に瞬間移動出来るし王都付近に着いたら門番に
気づかれる事無く王都内の井戸に移動出来るのだ。
勿論真っ昼間に突然人間が沸いてきたら民は腰抜かしてしまう
移動は皆寝静まった深夜のみだ。だが繰り返して移動すれば一夜で
王都手前まで移動可能だろう。
その前にっ
「皆さんお腹減ったでしょう」?
「不謹慎ですが昨日からなにも食していませぬ」とエメルが罰が悪そうに答える
腹が減っては戦が出来ぬ・・・
今は深夜、移動した集落のあばらや裏門に皆を連れてきた
「裏門でおでんもらう」!とカルク君使って詠唱した
「ボボボボボ」と煙が立ち大鍋一杯の「おでん」が出てきた、熱々だよ!
「さてこれはなんでしょう」とセバスが首をかしげる
「これはおでんといってとても美味しい食料です、みんなで食べましょう」
そこらにあった小枝を切り刻み簡易おはしを作ってみんなで鍋をつつく
どうやら主従契約してる場合人数分生産される魔法もあるようだ
おでん魔法はきっちり4人分出てきた、多分とまともナスもそうだろう
今はいらないけどね。
たまごに大根、はんぺん、しらたき、げそEtc・・・
私以外は驚きつつもあまりにもの美味しさに舌鼓を打ち始める、うんうんよかよか
「お姫様それは私が目を付けていていたのです」とりあいだよ・・・
ここ数ヶ月緊張つづきだったせいか和気藹々なのは実に久しぶり。皆の結束が深まった
おでん・・・いいなぁあ




