表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
それって異世界転生とちゃうちゃう!  作者: kou2199
第二章 継承の行方
20/179

ダクーミの悪巧み

胸騒ぎのクリスティーナ

ある日ダクーミは例の子供院での建物半壊事件の調書に目を通していた

詳細を知ると彼のずる賢い脳は高速回転を始めたのだ。


「たしかその日は子供院の入学テストだった」実は敵対勢力の領主達の子供を3人

陥れて流刑を企てた張本人のダクーミだけにその日に起きた事件に興味をもったのだ


余の入学試験の時はたしか地下の王族専門の試験場にて魔法試験を受けたはず・・・

当然、当日ウラアール姫もクリスティーナもテストを受けたはずだ。

2人の魔法がどの程度なのか判らぬが、両名とも試験に合格したと報告をうけている。

子供院半壊と魔法試験にはなにか関係があるのではないのか?

たしか・・・遙か先の城壁も原因不明の攻撃を受けて一部が崩れたと聞いてる。


さっとダクーミは城内配置図を広げて因果関係を探った

「なるほど子供院の中庭下からなにやらモグラのボコボコみたいのが城壁まで進んで

城壁が破壊されたのだな。地図でみると一直線上に被害が起きてる・・・

「もしかすると攻撃魔法系を発動して建物を地下から崩壊させたのではないか?」

彼は確信を得た、状況証拠が全てを物語ってる!

「と、いうことは・・・・」彼はピンときた

「これはクリスティーナの仕業に違いない」たぶん間違いないだろう


状況から考えると多分試験官はジルベッタ第一王子だったはずだ。

彼ならそれぐらいの魔法は発動できるだろうが王宮を破壊するような馬鹿な事は

絶対にしない。これは確実だ。


消去法で考えてもクリステーナが犯人に違いない。ウラアールがそれほどの

能力を有してるはずがない。


彼女はたしかにある一面では優秀かもしれないがあくまでも常識の範囲でだ

あのなんともいえない眼光鋭いクリスティーナは物が違う。これは余の本能なのだ


国王が事件の真相をのらりくらりとかわしたのも身内が犯人だと知られたくなかった

に違いない。「ふふふふ、ならば手はある」クリスティーナを大義名分の上屠ることが

可能となったのだ。


クリスティーナから物理攻撃を受けた建物内の被害者は反撃が可能なはず

大義名分は得たが強力な魔法を有するクリスティーナを如何にして処刑するか・・・

「魔法が効かない地下牢内で処刑すれば良いのだ」ダクーミに黒い黒い笑みがこぼれ落ちた


そのためには・・・


まず子供院倒壊で被害を受けたものを探し「洗脳魔法」で意のままに操れば良いのだ

しかし、誰にやらせればいい・・「ウラアールしかいまいて」ニヤッとダクーミは

さらに悪巧みを思考する。上手く行けばクリスティーナを処刑できるし駄目でも

ウラアールは討たれるだろう同士討ちでもかまわぬな。王族が減るだけだ。

いかに洗脳しつつ余の関与を疑われずに計画を実行出来るか・・・


だが彼は勘違いをしていた。ウラアールはクリスティーナが繰り出した魔法に

びっくり仰天、尻餅、おもら・・・はしたが物理攻撃は受けていない

彼女には大義名分がない。このままクリスティーナ王女に刃を向けたら彼女が

反逆罪になってしまう。ダクーミの勘違いであってもダクーミにとってそれは

大して差異ない。だれが犠牲になってもダクーミの利にしか働かないからだ。

ダクーミにしてみればウラアールも手駒の一つ、利用するだけ利用して

価値が無くなったら切り捨てれば良いだけだ。


兄を謀殺され今度は反逆罪の罪に問われる・・・ウラアール大ピンチ

一方のウラアールは「ダクーミ様」と一方的に狂信的に彼を慕っていたのであった。

すでに半分洗脳されてる。


2日後


ダクーミはウラアールがかくまわれてる(幽閉されてる)王国直轄地の某所に足を運んだ


「ダクーミ様ぁ」

「お久しゅうございますウラアール姫、ご不便はありませんか?」

「ダクーミ様に会えて嬉しゅうございます。ですが・・・」

「なにかありましたか?」とダクーミ

「はい、兄上が亡くなれて私は不安で不安で、ダクーミ様におすがるほか有りません」


「犯人捜しはほぼ目処が立ちました」

「え、いまなんとおっしゃいました?」

「はい、ある確かな消息筋によりますと影で暗躍があった模様です」

「それではダクーミ様、一刻も早く犯人を捕まえて下さい」

「ですが、事は簡単ではありません」

「と、いいますと?」


「はい、実は犯人は王族なのです」

「そっそんなばかな・・・王族同士ではそのような事は出来ないはずです」

「確かに名目上はその通りです、が・・・・」

「某所で殺害に及べば可能なのです」

「まあ、なんということでしょう。」ウラアールは目を丸くする、信じられないとう口調だ

「いいですか、お気を確かに聞いて下さい」

「はい、」

「とても良いづらいのですがワルダーニ王子は女性関係が・・・なんというか」


「はい、兄上の女性問題は存じてました」

「実はあまりにも不名誉なため公には発表されませんでしたが・・・」

「やはりそうなのですね・・・その、平民どもの街にはその・・女性を・・」

「お姫様がそれ以上言ってはなりません」とダクーミ


つまり、娼館にてワルダーニは暗殺されたのだ・・


娼館ではあらゆる攻撃が禁止されてる、刃傷沙汰があってはならないからだ

特殊な結界が張られて武器持ち込みや魔法詠唱が不可能なのだ

持ち込む事は出来ないが娼婦が身につけてる装備品で相手を害する事は可能なのだ


無論ワルダーニ暗殺に関与したのはダクーミだ世間の機微に精通してるダクーミ

娼館の仕組みなどは全て熟知してる。だから今回も便利に利用した

ワルダーニがお忍びで娼館びたりだった情報などとっくに掴んでいたのだ

召喚人間を娼館人間として忍ばせて暗殺に及んだのだ勿論召喚人間は処分済み

王族は全てにおいて油断してはならない。油断するからつけ込まれる。

ワルダーニ自身の慢心と油断と欲望が自らの命を縮めたに過ぎない。


話を戻す


「全てを企てたのはクリスティーナ第三王女と判明したのです」

「ば、ばかな、相手は私とおないどしの小娘ですよ」自分も小娘だろうに

「もちろん裏で手を引いてクリスティーナ様を洗脳したのは全て執事のセバスチャンです」

「ま、まさか執事ごときにそのような力があるとは信じられません」

「はい、私も同じ考えでしたが、何かがおかしいのです」

「説明して下さい」

「はっ、実は私セバスチャンの過去について調査しました」これは事実

「すると、実に興味深い事が判明しました」


「教えて下さい・・・」


「なにも判らないのです」

「えっそんな馬鹿な」とウラアールは驚嘆する

「生い立ちや経歴全てが判りませんでした」

「そんなあやしい人物がなぜ王位継承2位のお姫様の執事なのですか?・・・」

「これは大いなる陰謀に違いありません」

「こっ怖いです」

「はっ、私も驚嘆せざるを得ません」


「つまり、セバスチャンはクリスティーナ王女を自分の都合のよいように洗脳してる

に違いないとダクーミは確信に到りました」ダクーミは続ける

「申し上げづらいのですがクリスティーナ様は先日まで廃嫡寸前でした」

「そうですわね」それは間違いない

「なのになぜ子供院入学直前に目覚めて突然優秀になられたのか」

「わたしも信じられない思いです普通はありえませんわ」

「誰かが操った・・と考えるのが普通でしょう」

「たしかに」


ふふふふ、でっち上げにウラアールは騙されてきてる・・これが余の魔法とも知らずに


合点が行く説明になんの疑いもなく盲目的に信じるウラアールだつた


「わたしはセバスチャンが国家転覆を企てクリスティーナ様を操ってると確信しました」

「でも、おかしいですわ」

「クリスティーナ様は先日の魔物討伐に加わり第一王子と共に行方が判らないはずです」

「その通りです、がそれこそが企てなのです」

「私は魔物討伐に際してクリスティーナ様のご参加を要請しました」

「それは伺ってます」

「陰謀の疑いがあったからです」

「なんですって?」ウラアールが姿勢を正したすでに憎悪に満ちた顔になってきてる

「多分一番ご存じなのはウラアール様です」

「わかりませんわ」

「これは王家だけの秘密ですが、私も王様と実弟の関係。無縁ではございません」

「ですわね、お国の為に大活躍されてますもの」

「いえいえ、大したことはしてません」

「で、どうしてクリスティーナが陰謀を企てたのでしょう」


「はい、試験の時故意に大魔法を展開させて王城を破壊しました」


大きく目を開いてウラアールは頷く

「確かに、とんでもない魔法で子供院を破壊したわ」

「王宮破壊とはとんでもない反逆者で大罪人です」とダクーミ

ウラアールは確信じみた目をしてる

「なるほど、兄上の謀殺も王宮破壊も全てクリスティーナの、いえセバスチャンの企て

だったのですね」冷静さを失ったウラアールは時系列を理解出来てない。

失踪後にワルダーニは謀殺されてるのだからクリスティーナが実行犯と確定出来ない筈だ

だが丸め込まれてるウラアールは冷静さをすでに失ってる


「はい、ですから私めは執事のツワルトを軍事顧問にしたて密かにクリスティーナ様の

動向を探らせたのです。」


「そうでしたか・・」

「そ、そして事もあろうか第一王子や私の一番の部下であるツワルトもろとも

強大な魔物に対峙させ全滅をけしかけたのです」

目頭を押さえるダクーミこの場合はあえて過剰演出が効果的なのだ。


「でも、味方が全滅したら自分の身も危なくないかしら」

「そっそれです。狡猾なクリスティーナ一味は王より転送魔法の魔石を

ねだっていたのです」

「ん、まあー信じられません、自分だけ助かる方法があったなんて、許せません」

「お姫様ご安心ください」

「なんででしょう?」

わが側近のツワルトは命がけでその秘密を知り、同行したメイドのリントに事情を話し

移動魔法のペンダントを我が領内の地下牢に転送するペンダントとすり替える事に

成功したのです。


「さすがダクーミ様敵の2手3手先を読むのですね」

「はっ、そのお陰でツワルトとリントを失ってしまいました」ハンカチを押さえるダクーミ

「で、捕らえたのになんで処刑しないのでしょう?」

「はっ、実は大義名分がありません」

「なるほど・・・王家に対しては攻撃できない決まりすものね」

「そこでウラアール様にご協力頂きたく・・」

「な、なんですって?」

「ウラアール様は子供院での試験の時にクリスティーナ様から間接的とは言え

物理攻撃を受けてます、それで大義名分は立ちました。反撃しても反逆の罪に問われません」


「でも、クリスティーナ様は強力な魔法使いです私ごときがどうこうできません」

「大丈夫です、転送させた場所は絶対に魔法が使えない結界があります」

「そうですが以前、試験場の部屋も結界があったはずなのに易々と突き抜けました」

「は、試験場は発動が出来ないと試験になりませんが地下牢は詠唱自体が不可能です

それが証拠に幽閉して3ヶ月経過しましたがいまだに結界は破られてません」

「でも、私、剣など振るったことがございません」


「大丈夫です相手は鎖に繋がれてますウラアール様は槍で遠くからひと突きするだけです

お兄様の仇を、王国の民を守る為、そして私ダクーミの無念をはらして下さい」

「判りました、及ばずながら力の限り尽力致しましょう」


ふふふふ、思い通りになった。


「でも、尻餅付いたぐらいで大義名分ってたつのかしら」とウラアールは

内心で思ったが何事にも間違いの無いダクーミ様のことですから大丈夫なのでしょう


洗脳されていくウラアール

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ