お姫様お手を拝借
さて転生?してしまったしがない滋賀内人どうする?
「あれ、ここどこ」
急に視界がひらけた、どうやら俺は生き返ったらしい
まずは消滅してしまった手足の確認・・・・・あった!アタタタタっあった
ん?こんなに手足細かったっけ?
どうみても細い手足が視界に入る「視界に入る歯科医」ってオヤジギャグは
とりあえず後回しにしておこう。
頬に手を当ててみるあれなんか違和感
とてもいい「いいわ~感」(だから後回しだって)ほっぺが柔らかすぎる
まふまふ、誰?、俺?
どうやら生き返ったと同時に体格までも変わって
しまったみたいだ・・
「ま、それはとにかく状況確認」もそっと立ち上がってみると
あれれ妙に視点が低い、たしか俺って175だった筈なんだが・・
まあ、体格が変わった位だから背丈も変わったのだろう
状況確認状況確認、えっといまどこにいるんだ?
見回すとどうやらここはどこかのアトラクション?
そうだ昔ググった事がある俗に言う「ハウス○ンボス系」だな
風車こそ見かけないが中性ヨーロッパ調の建物がずらーっと並ぶ街並み
通行人もそれらしい衣装だ
「金かけてるなぁ」ここは入場者も同じ衣装着させるのかもしれない
みながみな同じ様な中世風の格好だったのだ。
歴史にそれほど詳しい訳でも無い俺、あくまでもネットとかで
見た情報だけが頼りの偏見的所見ではある。にしてもリアルすぎる
石畳の上をカッポカッポと闊歩してる馬車が往来してるのだったオーライオーライ
駄目だ泉の様に沸き上がるオヤジギャグやめられないカッパえ・・
は、おいといて先に進む
ボケーッと周囲をのんきに観察してるとなにやら周辺が急に慌ただしい
振り返ると誰かがこちらに向かって突進してくる!
「あぶなーいぶつかる!」異常事態に俺は戦慄しつつも
咄嗟に防衛体制、足を開きこぶしを構え気分は世紀末拳士なのだ。
が、突然不審者は俺の前で立ち止まる「なにごと?」といぶしがる俺の前で
わめき出す
「お姫様、突然どうなされました」?誰?お姫様って誰のこと?
無難な人生を歩んできた俺だが空気を読むのだけは長けてる(と思う)
KYは社会人として失格なのだ。
状況も背景も判らないのに迂闊な行動は公道なので止めておくべきと感じた
とりあえず無言状態で相手に言わせるだけ言わせてみよう情報収集は営業の基本
周囲の中で一番身なりが良くて年もとっている、まるでメイドカフェならぬ
執事カフェから出張派遣された然のオヤジがなにやら続ける。黙って聞こう。
「お城に戻る途中突然夢遊病者の様にお姫様は馬車から飛び降り
走り出しバタッと倒れたのですお怪我ありませんか?」
俺は無言で頷く、実際どこもいたくもかゆくも無い・・え?なに
俺ってお姫様?思わず助走しながら女装してる自撮りユツベを想像する
むさい、キモイ、つかやばすぎる・・・
ここで迂闊にオリビア発声してしまったら全力全員ドン引きされるだろうし
下手したら通報されてなにもしてないのに臭い飯食わされそうだ
ここは無言坂しかありえない、だまてんに徹するのが得策だろう。
とかなんとか「考え中考え中」してたら執事もどきが続ける
「無事で何よりでした、さあ帰城しましょう」と気丈に言う・・
あれ~なにするんですか、ご無体な・・・
突然お姫様だっこされて俺は抱えられてしまったのだ
いや~気恥ずかしいというか気持ち悪い、35男抱えてなにするんじゃ!
が、不思議なことにフワッと抱えられてしまった・・重くないの?
「お姫様はまだ成長が足りてませんな」ほざく執事オヤジ
「俺65kgだから普通なんだが・・・」怪力なのか執事君?
まるで異世界転生物の常連みたい然セバスチャンだなと勝手に命名する俺
なにしろどこのドイツだか全く判らないのだ、とりあえずセバスチャン脳内設定。
抱えられて馬車にバシャっと、もとい労るように乗せられて馬車は闊歩
カッポカッポ・・・カッポカッポ
10分(脳内時計だが)位で城門みたいな所に到着
「開門~」ギギギギギっ大仰しく高さ5メートル幅4メートルぐらい有ろうかと
思える門が開いていく・・・これ本当にアトラクション????大げさすぎね?
門兵らしきがスチャっと槍を掲げ服従を示す・・すげっこれってマジ欧州の
お城での風景だよ。馬車は動くよカッポカッポ・・
うわーーなにこの敷地内・・・広すぎる左右は色鮮やかながらも手入れが
行き届いてるどこかの紅茶CMとかで見た事あるお花畑?菜園?垣根?
マジなのマジなの?マジ卍、真ん中は石畳の通路がドーンと続く
遙か彼方にジ○リ映画で見たようなお城がそびえてるぅ・・・こっこれはカリ・・
ようやくエントランスにたどり着く、カパと馬車の扉が観音開きに開き
「お姫様お手を」・・・え?どうしたらいいの?間が凍る
まさに「執事たちの沈黙」とかギャグ考えてる脳をクルっと回し思案する
「こんな時はどうするべきか?」あ、映画とかで見た事あるかも
そっと右手を差し出してお手を拝借しつつ優雅に下りてみる
ぐわっ!なに!今頃気がついたがたいそうなスカート履いてる俺・・
今は考えては駄目(空気を読め!)何事もないようにソソと歩いてみる
「お姫様このままお部屋にてお召し替え下さいませ」なにそれ???
今は発声するのはヤバイ気がするのでなにはともあれ従うことにする
玄関で待ち構えていたメイド達がそっと近づき俺の手をとりせかすのだ
ってみんな俺よりも背が高い・・愕然だ、つまり俺はきっと子供で
背が低くて体重も軽いのだろう幼女に違いない、これは困った
迂闊に返事も出来ない変事なのだ
訳も分からず部屋に連れられて入ると「どひゃー」
広い、広すぎる40畳以上はあろうかというほどの広大なお部屋
格調高い調度品や家具絨毯にカーテン天蓋付きのベットまで別途に有る
「ささお召し替えしましょう」と言われてもどこで着替えるのだろう
しかも女装なんてしたことが無いのでどこから脱いで行くのかも判らない
ときどきドキドキためらっていたらなんたることか突然メイド達により
手際よく脱がされていく「あ~れ~」気分は時代劇の悪代官「帯グルグル」だ
一度はしてみたかったがまさかされる立場になるとは・・・
「お姫様すぐにお夕食で御座います、それまでご休憩ください」
テーブルに案内され執事にサッと椅子を引かれ座らせられた
続いてメイドの1人が高貴そうなお茶(紅茶だろうね)を優雅に注いでくれた
俺は考える限りに脳内検索を掛けて作法について考える
粗相があってはならないのだ。
幸いにして不作法には見えなかったのだろう周囲は沈黙して俺の所作を見てる
「お姫様大変結構でございますね、ご成長あそばれて安堵しました」
おっ俺も意外にイケてるんか?フッと安心
安心したものの未だに状況は全く判らないし把握出来てない
つまりなにがなんだか判ってないのだ
状況に流されるままなのだからしょうがない
現状を何一つ打破、ダハハハハしてない俺
いい加減なにか言わないと一歩も進まないのだ
ともかくなにか話しかけてみようと決意するも
一体何を話せばいいのだろうか?
「ここはどこ、私はだあれ?」うーん質問するのも難しそうな気がする
何を言っても怪しまれるのは確実だし信じてもらえそうも無い
なんたって俺自身が訳がわからん状態なのだ・・・
そもそも自分の名前すらまだ判らないし執事&メイド達はおろか
このアトラクションぽい企画すら把握してないのだ。
とにもかくにも今は当たり障りの無い会話を交わし状況を把握するしかないだろう
思ったよりもおいしい、つかこんな高貴なの飲んだことねーよ然のお茶を
飲みながら思考する・・・まさに思考錯誤だ
1,ここはどこ?
2,どこのアトラクション?
3、俺は誰でいくつ?
4、あなたたちは誰
5、今後の予定と目的
脳内Wordで質問状を作成してみるお金絡みは今の所なさそうなのでExcelは
立ち上げる必要ななさそうだ、プレゼン予定も無いのでパワポの出番もない
まあ、手っ取り早く聞き出せそうな情報は(5)だろうな・・・
怪しまれないだろうかとハラハラ原監督しながら初発声だ・・・
「おやすみ頂いた後は何すればいいのかしら」お姫様を十二分に意識しつつ
絞るように発してみる。
あれ、おかしい脳内は日本語な筈なのに口から出てくる言葉は聞いた事も無い
言葉なのだ・・・だが意味は伝わったみたいだ、同時に自分の脳内でも
言語修正が自動時に行われた。日本語思考なのに自動翻訳さていく感覚?
ファンタジーの世界!
「はっお姫様すぐに夕食のお時間ですのでお食事頂きその後は湯浴み
されてはいかがでしょう」とセバスチャン(仮)
「申し訳ないのですがいま何時頃なのでしょう?」
「はい、先ほど5の鐘が鳴りました」5の鐘と言われても何時なのかわからん
きっと午後5時頃感覚かな?
「明日は何時頃起きればいいのかしら」
「は、お姫様明日はご予定忙しく2の鐘にはお目覚め頂きたく存じます」
あ、これどこかの転生物アニメで聞いたことがあるかも
多分2の鐘って午前6時頃なんだろうね。つう事は4の鐘はお昼か・・
って???????
あれ??????????
やっぱりというか薄々感じてたけど、もしかして、もしかしなくても
転生しちゃったんだ・・・つまりここは本当のお城で中世時代?
「くくく、九九81」ふふ
やはりここってファンタジー世界できっと俺TUEEEE、チート、
なんでも魔法でかなう超ご都合世界、+俺は勝ち組、無双でお姫様!
きっと、きっとイケメン王子に囲まれつつ掟破りの逆サソリいえ逆ハーレム
やったね、これはいままで彼女いない歴35年の俺にたいする
神からのご褒美なのだろうナンタルチア、カンタルチア
「クリスティーナお姫様どうなされました?」
え、俺クリステーナなんだ・・いくら何でも安直過ぎないか?
「ゆっくりステーナ」ププププと脳内で腹抱える俺、勿論表情は変えない
「で予定とやらを詳しく教えて下さい」しゃちほこばって訪ねる
廻りがぎょっとざわめく
あれ、おれやらかしたかな?
「お姫様がさようなご質問されるのは初めてで御座います」とメイド達
え?なんで?勿論眉一つ動かさない
「わたしセバスチャンも嬉しゅうございます」げっやぱりセバスチャンだったん?
あれか、セバスチャンってのは相撲の行司みたいな称号かなにかか?
よくわからないけどともかく初発言に否定的感情ではないらしい
どうやらようやく要約すると
わがままで、おちつかなくて、幼児言葉でなにいってるか判明せず
7歳の今まで満足に会話がなりたたなず言葉のキャッチボールさえ出来ない
「ばか姫然」だったらしい、いたなぁTVコントの世界では「バカ殿が」(^^)
もちろん執事とメイドだから失礼無く遠慮がちかつ遠回しの発言ではあるが
そうだこうしよう。
「先ほど走り回って倒れて頭打ったら突然賢くなったの」風に説明してみる
「おおおっ左様でしたか、突然豹変されたのも納得です」え?本当に?
それで納得?納豆食う?
こちらの世界ではそんな事で人間が変わるのだろうか??ま、いいや先、先
時間が無い夕食までになんとしてもコチラの世界観を得なければ
「あの、わたくし急に目覚めたものですからおしえてほしい事が
いっぱいあります聞いてもよろしいかしら」
「はいはい、それはもう、どのような事でもお承ります」あれセバス(略)
目頭熱くしてない?あれメイド達も嗚咽してるし・・・
つかお姫様~いままでなにしてたん?もしかして
呪縛とか憑依されてたとか?それはそれで今後面倒かも
でつづけましょう
大雑把に把握した点
1、アシタージナス王国という国のお城に住み俺は第三王女らしい
他に王子3人いるので王位継承は無理ポらしい
とはいえ正室系なので由緒正しい王道なのだ
俺の営業力とオヤジギャグ次第でのし上がるのものし下がるのも自在かも
2、というわけでアトラクションではない
3、クリスティーナで7歳、満なのかかぞえなのかは判らない
4,専属の召し使え執事はセバスチャン。メイドは三人でベム、ベラ、ベロ
妖怪人間か!いやリント(15)、レジーナ(12)、サラ(10)
レジーナとサラはメイド見習いらしいい。よく見るとみんな美少女だ
5、とりあえず夕食だが多分王族一同での食事だろうこれはヤバそうだ
で明日は早起き(?)つか本来通りに起きて午前中はお習いオナラいーい
いやいやお下劣はイカン、お習いらしい。多分アニメとかで見たとおり
お局女史による国語とか歴史、算術、作法、音楽のたぐいだろう
もしかして魔法とかも有るかもねアルカポネ。
つづける
午後はゴゴゴって実習らしい、おおもしかしてこっちが魔法タイムかな?
今日も馬車でカッポしたように5時頃まではどこかに出かけて何かを
するようだヨーダはお師匠・・・
「午後からなにするのか今ひとつわかりませんわ」
「いけばわかります」王権に関わることなので迂闊に口外出来ません
まき神事みたいな事かな?・・・
ちょっと状況がわかってきました
確認作業はつづきます。