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それって異世界転生とちゃうちゃう!  作者: kou2199
第一章 一生のお願い!
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激震

無事逃げおおせたはずのクリスティーナ?

王宮に激震が走った

「一体どういうことなのだ」とアスタージナスは怒りを込めて側近に怒鳴りちらす

その表情には焦りと怒りともとれた。

「すでに討伐予定時間の2ヵ月はとうに過ぎてる、探査隊も派遣したがなにも情報を得られない

それどころか、ジルベッタ共々クリスティーナも消息を絶ってしまった。どうなってるのだ?

あれほど危険が迫ったら戻ってくるように念押ししたのに」


「もしかして強大な魔獣たちにより絶命されたのかもしれません」とダクーミが言う

「これ、めったな事は言うでない」王は叱るが内心では絶望的とすら感じてる

「このまま、お二人がお戻りになら無い場合ご覚悟は必要かと」とダクーミ、黒い腹で一杯だ


「くくくくくっこのまま直系をたまかり後に王を廃したあとは我が意のままだ」ダクーミは思う

虐げられてきたダクーミには兄であるアスタージナスが心から憎い、憎くて憎くて

だが、その憎しみはひとかけらも表すことはない。陰謀に陰謀を重ね全て秘密裏に

外堀を埋めてきたのだ大願成就の為にはこのまま信厚き側近を演じ続けなくてはならない。


エラール高原に入った討伐部隊は誰ひとりも戻ってこなかったのだ


まさか全滅してしまうとは・・・アスタージナス国王は深く後悔した。立ち直れないほどにだ

「ダクーミの要請どおりに部隊編成しておけばこのような惨事は無かったに違いない」

「今更それを仰ってもどうにもなりません、とにかくこの痛手を乗り越えて国家を安定

させなければなりません」とダクーミ

「うむ、判っておる」とアスタージナスは応える


これはしばらく執政出来ないだろうなとダクーミはほくそえむ

「王様はしばらくご休息されるのがよろしいかと、後の事はすべてこのダクーミにお任せ下さい」


「よきにはからえ」


身も心も傷心の国王にはダクーミの言に従うしか他はないのだ

実際天才的実務能力を有するダクーミ、アスタージナス国の実権は握ってるも同然だったのだ

アスタージナス国王はダクーミに全幅の信頼を寄せていて疑う心は一切無かった

なによりも実弟。血のつながりは深く尊いと信じて疑わない。


「なにもかもが思い通りだ。あのこざかしいクリスティーナだけが脅威だったが

我が策略で風前の灯火となった。もう怖い物はない、後は・・・神輿を担ぐだけ

継承させてしまえば後はこちらの意のまま、権力も利権も全てだ・・ふふふ笑いが止まらん


「第一王子がみまかった・・・」

噂は王国全土に広まり公然の事実化した

それを知った第二王子ワルダーニはほくそ笑む


「ふふふ、いままで第一王子の優秀さに隠れていた我もついに春が訪れたか・・・」


今まで横柄極まり無かった態度がさらに高まり鼻持ちならない高慢さに拍車が掛かった瞬間だ

王立院でも腰巾着に囲まれてやりたい放題、欲しいものは他人の者でも王威を振りかざし

有無を言わせず取り上げる。女性問題はさらに深刻で15にして浮き名を流していた

およそ努力というものを知らない彼は心も顔も醜態をさらしブクブクと太った体は

まるで悪代官然、15でよくそこまでになれたものだある種の天才かもしれない。


それでも優秀な執事と家庭教師に囲まれてなんとか王立院卒業までの目処は立っている

合格点に達してるのだから国王も「若気の至りだろう」と容認してるのだった


「清々しましたわ」と同室で夕食を取っていたウラアールもうなずく

ようやく補修が済み入学式を終え子供院に通うウラアールが続ける

「あの高慢ちきなクリスティーナと一緒に勉強するなんて耐えられませんもの」

自分の所業は置いてほえるウラアール


「このままでは栄光ある子供院がひっちゃかめっちゃかでしたもの」

どこかの遠い高みに昇ったであろうクリスティーナに心から安堵のため息をついたのだ

「さて、お兄様これからは王位継承権第一位としてご精進されなくてはなりません」

「うむ、わかっておる。お前母上そっくりであるな」

「女遊びはいけませんよ。王様になるのでしたら大事な事ですから」

意外とウラアール兄には厳しい


「うるさいことを言うな。今後は程ほどにする」

「どうかしら・・・」とウラアールはワルダーニを見上げるきっと駄目に違いないと感じる目だ


「この兄上では国家は立ちゆかない」と内心ウラアールは確信してもいた


だが国王は飾りでも良い場合がある。優れた側近が実務を担当すれば問題が無い

ダクーミ様のそばには優秀な人材が多くいると聞いた。きっとダクーミ様に任せれば

全ては上手く行くに違いない。今でもそうですもの・・・


クリスティーナの異次元過ぎる才能に隠れてはいるがウラアールも実際は

物事を考える力はもっていたのである。兄以上に・・・


だが激震はそれだけは済まなかったのだ


「ワルダーニ王子がみまかわれた!」


ばっばかな・・・つい一昨日夕食を一緒にした兄上がまさか

ウラアールは身震いした


これほどの短期間に3人も王子王女がみまかうのは前代未聞すぎる

「もしかして暗殺?」ウラアールは我が身にも起きえると震撼せざるを得なかった


即座に国王に呼ばれた


「其方達残った3人は今後表に出さぬ、一気に襲われる事態もあるので別々にかくまう」


側にいるダクーミも深く頷く

「ダクーミ様どうかお助け下さい」とウラアールは心から思った

いま頼れるのは国王では無い、ダクーミしかいないのだ

すがるような思いでウラアールは懇願する


「万事お任せ下さい」とダクーミ


子供院どころではなくなってしまった今後どうなるのか8歳のお姫様は小さい体を震わせたのだ

その日から3人はいずこへと「かくまう」という大義名分で事実上の幽閉状態となったのだ


王子王女すべてが城内にいなくなるという前代未聞な事態へと事は発展してしまった


「ふふふふふ、これで王を完全に孤立出来た、後はいかに不幸な事件が起きるかどうかだけだ」

ダクーミの野望は静かに深く進む。


第一章 完

第一章 完 です


続編はどうするか・・・反応もあまりよくないみたいなので

草案はありますがこれでおわりかもしれません。


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