お茶目な神様
難事件解決でほっと一息した神様とゴブヨの新生活がはじまります。
「神様」ゴブヨ
「ん、なんじゃ」
「いくらなんでも、下界暮らしの神様を神様とお呼びするのは怪しすぎます」
「呼び名なんてどうでもいい」
「では、これからはなんか人間らしい名前で呼ばさせて下さい」ゴブヨ
難事件を無事解決した神様だったが大王とウラアールとの約束を果たす為
人間の姿で再会を果たした、約束は果たしたので元の精神体
つまり神様に戻ろうとも思ったが晩餐会で食べた人間の食事というのが
余りにも美味しかったのがショックで人間の生活というのに興味が出た。
つかの間ではあるが休暇も兼ねてしばらくゴブヨの厄介になることに決めた
「世話になるゴブヨがそう言うのならば好きにするが良い」神様
「うーんなんて呼びましょうかね」
「なんだ、聡明なゴブヨの事だからすでに候補なりあるのかと思った
が思いつきなのだな?」
「だって人間に「神様」なんて呼んだら他の人には説明つきませんし」
「だってもヘチマもない早く決めろ」
「神様、せっかち・・」苦笑いのゴブヨ
「うーーん、うーん」
「んなの悩むことか?」
「決めました!」
「ほう、して?」
「ゴトウさんで行きましょう」
「なんだ?ゴトウ?日本人の名前か?」
「いえ、ゴット(神)ですからゴトウさんで」
「悩んだ割には安直じゃなぁ、まあ好きにしろ」
「しかし、シンジとやらのずぼらさはたいがいじゃな」ゴトウ
「はい、地球王なのにいまだに粗末な廃コロニーで政務してますね」
「あれが人間の生活する空間と言えるのか?ゴミ溜めじゃぞ」
「いくら片付けてもすぐあの様なんですよ」ゴブヨ
「旦那があれでは先がおもいやれるわい」
「夫婦間の事は他人には分からないのです、ご心配無用です」
「ともかく、我はあんな汚い部屋はいやじゃ、なんとかしろ」ゴトウ
「勝手に押しかけてきて文句ばかり・・・」
「我には人間界に介入するわけにはいかん、いくら休暇とはいえなるべく
他人には接触したくないのじゃ、と言う訳でゴブヨしか頼れん」
「私は幼女なんですよ。そこにころがり込むなんて非常識です」
「傍から見たら孫の手を引くおじいちゃんじゃ、気にするな」
「我が儘おじいちゃん・・」
「でな、さっきシンジの開発した思念通信機とやらで大王に屋敷を所望した
安心せい豪華な屋敷をあつらえてくれるそうじゃ」
「大王は忙しいのです、そんな下らないことで思念通信など使わないで下さい」
「ばかもん、我にとっては一大事なのじゃ」
「はいはい」
「今までの功績を訴えたら二つ返事だったわい、どうじゃこれが神様の威光
というものじゃ、恐れいったか」
「別に私にはそんな贅沢必要ありません。ほとんど毎日カップ麺でしたし」
「ばかもん、いくらなんでもそこまで旦那に忠実な必要など無い!其方は
成長期の幼女なのじゃ、断じてカップ麺など食べるでない、これは命令じゃ」
「居候のゴトウさんが命令ですか」
「カップ麺はとにかくいかん」
「実はあのカップ麺ですが王立魔法院で研究開発した特製なんですよ」
「ばかもん、国家予算でくだらないもの開発するな!」
「それはそうですが・・・とにかくシンジ様がアレなもんですから」
「とにかくシンジの政務と研究に其方が付き合う必要などない、せめて
我が休暇中でも人間らしい生活をするのじゃ、これは神様としての命令じゃ」
「もう・・・私はこれで幸せなんです、でも世話になった神様無碍に
出来ませんね・・わかりましたゴトウさんの休暇中だけですからね」
「ふふふふ実はな、我は休暇期間なんて決めないのだ」脳内神様
「こまるなぁ・・それじゃまるっきり神様にゴブヨ君が人身御供」シンジ
「これこれ人聞き悪いな、我はゴブヨを救ってやるのじゃ」
「余計なお世話です」ゴブヨ
「とにかくおじいちゃんの我が儘と言う事で少しだけつきあえ」ゴトウ
「わかりました。それではゴブヨ君をよろしくお願いします」シンジ
こうして神様とゴブヨの新生活が半ば強引に決まってしまった
☆
「これじゃまるで今までと同じですわ」ゴブヨ
「全然違うじゃろ、2人とも今回は実体化してる。ウラアールの脳内でやりとり
したあの頃とはちがうのじゃ」ゴトウ
「それにしてもあまりにも分不相応なお屋敷です」ゴブヨ
部屋の数・・・数え切れない
執事⒉人使用人10人、メイド10人専任コック5人
「一体どれだけお金かかることやら」貧乏性なゴブヨ、もともとが平民出
「ばかもん、人類いや地球いや宇宙を救った我らにこれぐらいは当然じゃ」
一応世間体があるので周囲には「公爵家」貴族扱い、実際ゴブヨは王の妃
本人の自覚がないだけ
作品中では呼ぶことはないが本名「ジエラルド・フォン・ゴブーヨジナス」
ゴブヨ部分以外は後からとってつけてもっとらしい名前にはなってる
「神様実体化したらとたんに俗物になっちゃって」
「人間と言うのはそもそも俗物じゃ、だから我もそれに習っただけじゃ」
「はいはい、それで?このネオ東京で一体なにするんですか?」
「宇宙征服の悪巧みでもしようかと思ってな」ゴトウ
「あら、そんなことしたら即大王とシンジ様からご成敗確定です」
「あはは、神である我がそんな事するか、冗談じゃ」
「わかってます、で?」
「でってなんじゃ?」
「本当に目的も無く人間になったんですか?」
「だから、休暇と最初に言ったぞ」
「休んでなにするんですか?」
「目的はないが少し下界というのを知りたくてな」
「全知全能の神様が下界を知ってどうするやら」
「わからん奴だな、知識は万能でも実感というのは別なのじゃ」
「そっかゴトウさんは手にする物全てが初めてなのですね」
「例えばここにあるパン、食べ物である事は知ってる、味も知識としては
知ってるが本当の味というのは舌でしか感じることが出来ないのじゃ」
「つまり神様には五感というのが無かったのですね」
「うむ、全てが新鮮なのじゃ、少しは我の気持ち分かってくれたか?」
「言ってみれば100歳の赤ちゃん」
「変な例えだが言わんとしてる事はそんな感じだ」
「なぜネオ東京なんですか?」
「大王地球は初代神が作り上げたのだ、やっぱり遠慮せねばな」
「なんだ、それだけの理由でしたか」
「こっちの方が魔法とかも効かなくてピュアだしな」
「あ、それ分かる気がします。大王地球は変な加工品って感じですからね」
「うむ、なんか空気も違う気がする」
「あれーそれってスタージナス様も同じ事言ってた」
「それにな、ネオ東京は広々として気持ちがいいのじゃ、自然が美しい」
「はい、一から環境もすべて計算された人類理想都市ですからね」
「作られた自然というのが最も自然とは皮肉じゃな」ゴトウ
「神様のお言葉を借りれば本当の意味の自然なんて俗物ですからね」
「うむ、淘汰と進化を繰り返し勝者のみが生き残れる、正に俗物の権化」
「意思のない俗物の方が意思のある俗物よりもハッキリ形に残るのじゃ」
「神様が言うと全て哲学じみますね」ゴブヨ
「いかん、いかん、我は休暇中、そんな哲学考えたくもない!」
「別に無理して否定する事もありません、自然体で行きましょう」
「ばか、いま自然こそ俗物の権化と話したばかり、究極の俗物は神様か?」
「考えても仕方ないので、そろそろ昼食にしましょう」
「おっ昨日晩餐やって・・あれいま何時じゃ?」
「わけの分からない話で時間潰しましたが丁度12時です私お腹ペコペコ」
「そーいえば、話戻すようでスマンが我は不思議な体験をした」
「へー、一体どんな?」
「睡眠という体験じゃ、本当の意味の睡眠って気持ちいいものじゃな」
「うーん酷い夢みるときもありますけどね」
「うむ、悪夢というやつも一度みてみたい」
「不思議ですね、ゴトウさんのお体は疑似人間なのになぜ味覚があったり
夢をみたりするのか・・」
「ふふ、だからシンジの元を離れたのじゃ、あのバカすぐに研究研究と
いいだすからたまったものではないからな」
「あ、それでネオ地球なんですね」
「それもある、大王地球やジェネシスではなにされるか分からんからな」
「はい、ゲートくぐるだけでなにかしら抜き取られますから」
「ふふふ、我だけはどこでもゲートなど不必要、瞬間移動は神様の特権じゃ」
「確かにゲートって危険です、私も注意してます」
「我の休暇中は心配いらないわれにつかまればどこでも自由自在だからな」
「ゴトウさん便利、素敵!」抱きつくゴブヨ、ここら辺は幼女
「お待たせしました」ゴトゴト、昼食が運ばれて来た
「おじいちゃん(皆の前ではそう呼ぶことにした)今日は特別な
カレーライスです。この世で一番美味しいカレーライスですからね」
「ほう、それは楽しみじゃ」
「ガブ」どっひゃービックリ仰天神様
「うううう、美味すぎじゃー脳が溶ける~」
「どうですか?王立魔法院特製の・・・」
「お前の所の大王とやらはそんな下らない研究に国家予算かけてるのか?」
「なにが下らないですか、神様の話をお借りすれば俗物の人間が食に求めるのは
美味しさ以外にありません、つまり人類にとって食こそ究極なんですから」
「むう、これは失礼した。奥が深い話なんじゃな、軽率であった」ゴトウ
「美味しさは正義なんですよ。人類が幸せになれるのですから」
「いや、神様である我も幸せじゃ」大喜びの神様
「パクパクパク」
「あきれました、おかわり二回もする神様なんて前代未聞です」ゴブヨ
「なるほど、これが満腹というやつか!さすがにこれ以上は無理なんだな」
「ご自分のお体ですから自分で調整してくださいね」
「うむ、しかしこればっかりは実践あるのみじゃな」
後にこの日に出したカレーライスは伝説になり「神カレー」として
神格化wされた。正に神ってる
つづく
カレーライス一つで大喜びの神様・・果たしてこの先どうなる?




