クリスティーナの真実
さあ、反撃?
翌日目が覚めると3人は別の場所にいた
「王様、いつのまに我らはどこにいるのですか?」ウラアール
「すまぬ、緊急を要したので其方達には氷結縮小魔法をかけひっそりと
安全な場所へと移動したのだ」
王様得意の代理召喚人間を王宮に残し2人を移動させたのだ
「で?ここはどこですか?」
「見覚えないのか?そなたの魔法練習所じゃよ」
「なるほど、ここなら一蓮托生、味方は全て立ち入り自由かつ絶対安全ですね」
「うむ、我の魔法であやしいやつは絶対に立ち入れない仕組みじゃ、逆に言えば
立ち入れた者は絶対に信頼出来ると言う訳じゃ」
「なるほど、気づくべきだったな、こちらに入れたクリスティーナはその時点で
すでに味方だったのじゃよ」脳内でゴブヨに話す神
「あ、そっか警戒する必要など無かったのですね」ゴブヨ
「仕方が無い、その地点では仕組みなど判るはずも無いのだからな」神
「さて、実は代理召喚人間を宮に置いてきたのでしばらくは時間稼ぎできる
これまでのいきさつとなぜダクーミが敵なのか説明してもらうぞ」王
「は、」ウラアール
「話すと長くなりかついりくんでいて難解なのですがお覚悟よろしいですか?」
「お覚悟もなにも聞かなければなんにもわからん、頼む時間かかってもよい」
「それではお話します、クリスティーナ様もそのまま聞いていてください」
「かくかくしかじか、かくかくしかじか・・・・・」話すこと3時間
途中
「ま、まて・・・そこのところ全く意味がわからん」
「ですから、こうでこうなのです」
「はあ??聞いても分からん」王
「其方達・・というか神様とゴブヨとか申す者が遠い未来から来てダクーミの
陰謀を阻止することで其方達の未来が救われる???」
狐につままれたような表情のアスタージナス王、理解を超えすぎている
一方クリスティーナは顔色一つ変えずにじっと聞き入ってる、恐るべき三歳
「どういう事じゃ?」脳内で神がゴブヨに問いかける
「私もクリスティーナ様の顔色をうかがってましたが全く読めません」ゴブヨ
「本当に味方なんだろうな・・」神様が不安がる
「神様は全知全能なのですよね。顔色一つ読めないでどうしますか」ゴブヨ
「ばか、今はそんな戯れ言いってる暇があるか人類の存亡が掛かってるのだ」
「いえ、人類だけではなく全宇宙ですわ」ゴブヨ
「うむ、そうじゃ分かってるのならばまじめにせい」神
「よく分からないのだが、ダクーミは悪だとして、なぜ未来から来た悪党は
ダクーミを操作しないのだ?そこがわからん」
「選ばれた人間にしか憑依出来なかったからです」ウラアール
「つまり????げげげげ・・・クリスティーナは敵????」王
「味方しかここに立ち入れないのですよね?」ウラアール
「し、しかし科学万能の未来人だとしたらそんな魔法は破られるかもしれんぞ」
「し、しまった敵の罠か?懐深く呼び込んでしまったのか?」慌てる神様
「フフフフフ・・」ついに沈黙を破りクリスティーナが不気味に笑う
「そこまでバレてしまったのなら仕方がない」
「あああ、やっぱりその声はカイト・・・」臨戦態勢をとるウラアール
「そうです私カイトがクリスティーナの精神を支配しここまでたどり着きました
この瞬間が来るのをじっとまっていたのですお覚悟!」立ち上がるクリスティーナ
「争えばまた二人とも無限牢獄行きですよ」ウラアール
「ふふふ、今回の其方達の救出劇はすべて研究済、更にこの必殺剣は
反逆防止魔法を突破する能力を得ている」カイト
「そんなものが有るのならなぜ船上で使わなかったのだ」王
「無限牢獄自体の法則が不明だったからだ、一応クリスティーナ所持の
宝刀には処置を施していたのだが間一髪、つまりタイムラグが発生し
対消滅を防げなかったのだ、だがその対策はすでにした、つまり無敵」
「姉妹でやめんか!」叫ぶ王様
「バカ王め、ここにいる二人はすでにお前の愛する娘などではない
お互いに自分達の利のために利用するだけの俗物、傀儡にすぎん」カイト
「神様!いますぐカイトをこちら側の人間だと洗脳浄化してください
このままではこちらだけが一方的に葬られてしまいます」ゴブヨ
「し、しかしカイトはこれだけ敵に信頼されている、いま解除したら
いままでの苦労が水の泡じゃ」神
「そんな呑気な事言ってる場合ですか!こちら側が討たれてしまったら
なんの意味も無くなります。早く!」ゴブヨ
「し、しかし」躊躇する神様
負けん魔剣を手に握り勢いよくウラアールに突進するクリスティーナことカイト
刹那
「プシュウウウ・・・」
へなへなとへたり込むクリスティーナ頭から蒸気が吹き出てる?
「ん、我はなにもしてないぞ」神
「私もです」ゴブヨ
意識を取り戻したクリスティーナがスクっと立ち上がる
「この瞬間を待っていたのは私です」クリスティーナの声がもどった
「いったい?なにごと?」アスタージナス
「はい、お父様、クリスティーナは全人類の味方です」
「つまり我らを泳がしていたカイトを泳がしていた?」ウラアール
「とても難儀でしたがこの瞬間でしか敵を葬れませんでした」
「カイトを敵だと認識していたのか?」
「はい、実はウラアール様が女神として降臨する前の日から私はなぞの
精神支配を受けていたのは分かってました」
「操られていると自覚していたのだな」
「はい、シンジ様に三角移動法を伝授されたので自我の完全支配だけは免れて
時が来るのをじっとまっていたのです」クリスティーナ
「ぎょ、なんでシンジの存在をしってるのじゃ」脳内で叫ぶ神様
ウラアールが神様の心境を説明する
「その話は後ほど、とにかく強力に支配された我が身をいかにして取り戻すか
それだけに集中してたのでウラアール様とは疎遠になってしまいました」
「うむ、カイトとやら自身もぼろを出さぬように寡黙につとめたのだろう」王
「で、ついにカイトは隙を見せたのです」クリスティーナ
「なるほど、我らを葬る為自我を放出させた瞬間クリスティーナの束縛が
ゆるんだのだな」王
「御察しの通りでございます、私はこの瞬間を逃しませんでした」
「とっくに乗っ取ったと思っていたクリスティーナの自我がら反撃食らうとは
想定外だったにちがいない」神
「だが、ここだけの話だがカイトは我々が作り出した召喚人間だったのだよ」
神
※実際は神様が言う事は全てウラアールが代弁してますが王もクリスティーナも
すでに納得してますので
「はあ?ややこしい話じゃな」アスタージナス
「敵側に送り込んだスパイです。最優秀につき過去へ派遣されたのです」
「し、しかしそれならばカイトは最後は味方になるべきでは?」
「それが、作戦が失敗したと敵にさとられた段階で現世の宇宙は破滅される
かもしれないのです」
「話が全然わからん、どうして過去とお主達の未来が同時進行してるのだ!」
「とても不思議なのですが、過去の歴史をいじるとその段階で未来がどんどん
塗り替えられてしまう事が判明してます。我々はそれをパラレルワールドと」
「頭が破裂しそうじゃ」アスタージナス王
「我々も完全には理解できてません」ウラアール
「だ、だがこうしてカイトを葬ってしまった以上時の歯車は動きだすぞ」王
「いかにも」ウラアール
「お待ちください、まだカイトは葬ってませぬ」クリスティーナ
「な、なんと」
「シンジ様からもらい受けた特殊容器に閉じ込めました」
「特殊容器?」
「は、カイトの生体反応は失われずかつカイトは動けない仕組みです」
「ま、まさか無限牢獄の仕組みを研究した?」王
「あ、そうそう、そういえばシンジ様は無限牢獄も研究してると言ってました」
「つまり生殺与奪の権利はクリスティーナが永遠に保持してる?」王
「よかった、事件解決後には解放出来るのですね」クリスティーナ
「シンジ様は我らを必ず救って見せると言ってましたが正に・・」ゴブヨ
「しかし、方法がわからん、どうやってこちらにこれたのじゃ?」神
「私はシンジ様からの啓示を受けたのです」クリスティーナ
「な、なんと夢まくらを開発したのか!」神
「おかしいですわ、夢まくらは一方通行のはずクリスティーナ様が記憶できるはず
ありません」ゴブヨ
「しかも私というものがあるのになぜクリスティーナ様?」嫉妬するゴブヨ
「ばか、何度も言わせるな、我らは常に三角移動してる、捕捉できる訳ない」
「あ、そうか・・・てへ」笑顔がもどるゴブヨ
「とにかく私はシンジ様という方を存じませんが意思だけは伝わってきて
いろいろとアドバイスを受けたのです」クリスティーナ
「いや、多分其方の潜在能力が飛び抜けていたお陰じゃ」神
「ともかくカイトが無事とわかれば悪もまだ行動はおこすまい」神
「しかし、このままダクーミの企みが失敗ならその地点で人類滅亡発動しますね」
「だが、多少時間が稼げる、ゴブータの洗脳作戦が成功すればこちらの
勝利じゃ、ともかくコッチで出来る事を全力で行うのみ」
「そっか、そうでしたね、我々が8才になれば歴史は動かずあとは史実の
通りとなり現世はなんら変化しない、でしたね」ゴブヨ
「はじめからその作戦で我々はここ(過去)に来てるのだ。しっかりせい」神
「実はな、悲しいことじゃがワルダーニが昨日暗殺されてしまった」王
「間に合わなかった!」ウラアール
「ん?暗殺されると知っていたのか?」王
「はい、実はそれを恐れて今回の作戦を早めたのです、痛恨の極みです」
「いかん、それでは他の王族達も危うい」王
「御意、ほかのご兄弟はどうされてるのですか?」
「うむ、迂闊にもダクーミの口車に乗ってしまい昨日ワルダーニが暗殺された
事をうれいたとかなんとか言われてフィフリンティーノとスフィルニアを別々の
別荘に匿ってしまった」王
「ジルベッタ王子は?」
「うむ、ダクーミが東方の魔物成敗へと遠征するとかで同行させた」
「史実どおりなら3人のお命があぶないです」ウラアール
「そうか一家抹殺のためワルダーニは真っ先に利用されたのか・・」神
「ワルダーニ兄様の素行の悪さをダクーミに利用されたのでしょう」ウラアール
「ぐ、10にも満たないガキがすでに素行不良?」脳内で神がぼやく
「多分兄様はダクーミにいいように堕落させられていたのかと」クリスティーナ
「うむ、年は上なのに王位継承順位がクリスティーナより下で腐っていたのだろう
そこを巧みにダクーミにつかれたか・・・考えて見れば哀れよのう」神
「人間には分相応というのがありますそれを理解できず他人につけ込まれた
言うなれば自業自得にて」ウラアール
「ともかく過ぎた事をどうこうするよりも3人の命を救うことが大事です」
「うむ、これは一蓮托生軍の結成じゃ」王
「実はこれから起こる事は解決可能です」ウラアール
「は?いまなんと?」
「私の脳内にいる神様とゴブヨ様から解決方法を伝授されました」
「な、なんと!」王
「詳しくは話せませんが指示書を頂いたのでその通りに進めめれば万事解決
との話でございます」ウラアール
事の顛末は本編にすでに記してるので省略させていただきます
数日後無事に王家一族すべてが救出され、今ウラアールの魔法練習場に集結
「神様、今後はどうされるのですか?」
「うむ、あと5年間はここから出ずに力を蓄えるのじゃ」神
「なるほど、ここならダクーミには絶対にバレないし暗殺の危険もありません
しかも王家の力を蓄える絶好の訓練所」ゴブヨ
「一蓮托生軍の創設じゃ、アスタージナス王に詳細を話し協力させるのだ」神
「ははっ」ゴブヨ
「うむ、話は全て理解した、今後は対ダクーミ勢力として全面協力惜しまぬ、
まずはここでは狭すぎるアスタージナス練習所を合併する」
「ごごごごご」練習所の広さは倍増したがまだ手狭に感じる
「ごごごごご」更に4倍広がった、予算大丈夫なのか?
「王様無理をされてはなりませぬ、これ以上は国民への負担が大きすぎます」
「いや、実は無料じゃ、」
「へ?」
「ばか、察せよ、一蓮托生軍が創立されたと言う事は王家の練習所も一括
出来ると言うことじゃ。それぐらい我でも分かったわ」ドヤ顔神様
「ふーんだ、それぐらい私でも分かります」悔しがるゴブヨ
「こんな広大な場所、ダクーミにばれないのでしょうか?」ウラアール
「そもそも王家の魔法練習所とは異空間に設置されてる練習所、物理的な
広さなどは意味が無い、この広さは王である我の魔力量に準ずるのじゃ」
「つまりダクーミには探知不可能なのですね」
「我がダクーミに与さない限り絶対に安全じゃ」王
「しかし、それならば最大6倍の広さが可能なはずなのになぜ5倍?」
「ばか、察せよ、一蓮托生軍が設立されたと言う事は統括練習所じゃ
訓練所たる施設が膨大に必要、王も申しておったろう?魔力は有限だと」神
「ふーんだ、それぐらい私でも分かりますって」地団駄踏むゴブヨ
この2人は脳内で漫才してるのか?そんな暇あるのか?
「なるほど、全て納得しました」分かった顔のウラアール、脳内葛藤は秘密
「申し訳ないがウラアール、しばらくは2人同居させてもらうぞ」神
「はい、全て承知してます、神様とゴブヨ様のお陰で我も大成長しました
感謝しかありませぬ」ウラアールが脳内で返答
「ですが、このまま果たして8歳時にクリスティーナ様へ滋賀内人様が憑依
出来るのでしょうか、それが心配です」ウラアール
「大丈夫じゃ、すでにすべてクリスティーナに説明済み、快く受け入れてくれる
そうじゃ」神
「しかし、クリスティーナ様自身の自我はどうなるのですか?」ウラアール
「うむ、落とし所を今クリスティーナとシンジで協議してるそうじゃ」
「あれ?夢まくらは相互通信不可能なはず」ゴブヨ
「ばか、大天才シンジの事じゃどうせタイムパラドックスを絶対回避出来る
方式を見つけ出して相互通信を可能にしてるとかじゃろう」神
「なぜ、私には出来ないのですか?」ゴブヨ
「皆まで言わせるでない、魔力量には個人差があると何度も言っておる」神
「ぐすん、それだけクリスティーナ様自身の潜在能力が凄いと・・」ゴブヨ
「残念ながら我の知る史実ではクリスティーナは3歳時にその能力をダクーミに
封印され8才時に滋賀に憑依されてしまったので実力未知数だったからな」
「今でも不思議だったのですが滋賀様はクリスティーナ様に憑依したあと
ほんの数年で男としての意識を無くしてしまいました・・・なるほど」
「うむ、つまり憑依はされたもののクリスティーナ自身が逆転したのだろう
後は都合の良い、つまり現世の科学知識とかだけを利用されたのだ」
「全て初代神様の思惑通りだったんですね」ゴブヨ
「うむ、きっとそうであろう」神
「滋賀内人様の知識とクリスティーナ様の能力、いいどこどりの一石二鳥
初代神様、まるで神降臨です」ゴブヨ
「ま、実際神だからな」神
「なにはともあれこれでダクーミは手が出せなくなったし史実は動かない
過去物語はこちら側の大勝利間違いなしじゃ」神
「油断出来ません、あと5年間ダクーミが手をこまねいている訳ないです」
「うむ、こちらの手は打ったあとはダクーミがどう動くか次第じゃ」
「来るなら来い、うけてたってやる」鼻息荒い王様
「残念ながら王様には今まで通り昼行灯を務めて頂きます」ウラアール
「親に向かって昼行灯とは失礼な」怒るアスタージナス
「何を仰いますか、昼行灯とは最高の褒め言葉ですぞ」クリスティーナ
「う、うむ、確かにダクーミの企みに気がついてるのに知らぬふりは能力が
なければ出来ぬことじゃな、・・・うーむ」王
「ハッキリ言ってこれからダクーミが行う数々の黒発明、実は人類にとって
かけがえのない財産となります。希代の大天才なのは間違いありません」
「おかしいではないか、其方達の科学知識を伝授すればダクーミなど必要
ないはずじゃ」王
「それこそ本末転倒でタイムパラドックスです、それは絶対に出来ません」
「うーん、おかしいなぁ其方達は魔力発電機とかで魔力を作ったのでは?
それはパラドックスとやらにならんのか?」
「多少は大目に見ろ」「と神様が仰ってます」ウラアール
「都合良すぎじゃなぁ・・」王
果たしてこのまま大勝利となるのだろうか




