動き出す歯車
ちゃくちゃくと神陣営の準備が進みますが・・・
「なに?魔法を訓練したい?」アスタージナス
「はい、3才頃から専用の魔法練習場が与えられると聞きました」
「うーむ、さすがはウラアール神の化身じゃな・・普通は無理矢理訳も分からず
連れて行かれて「はい終わり」程度の行事なんじゃが」王
「クリスティーナ様を守るがお役目、魔法一つ使えなくて任務果たせません」
「確かにその通り、分かった直ちに準備いたす」王
「よろしくお願いします」
「うむ」
即座に準備され翌日クリスティーナとウラアール、アスタージナス王が馬車にて
城郭都市から外に出る。もちろんそれぞれに執事が同行してる
「さすが王様御用達の馬車、5人乗っても大丈夫ですね」ウラアール
「それにしても急な事ゆえ実際はまだ練習場はできておらん。一緒に作りに行くぞ」
「あら、そうなんですね、王様がお作りになるのですね」
「うむ、これは王家以外門外不出だが王のみが与えられる魔法なのじゃ」王
「城郭都市とかも同じなんですね」
「うむ、どのくらい城郭都市を造れるかは王の器量と国家予算による」
「タダではないのですね」
「当然じゃ、其方達も将来行使するときは十分に気を付けるように
ヘタしたら国家予算が無くなってとんでもない事になるからな」王
ウラアールの脳内に潜入中のゴブヨと神が議論する
「うん、将来この2人はとんでもない城郭都市創って破綻させかけたね」ゴブヨ
「これ、今は史実を書き換えてる最中、そんな未来の歴史はどうなるかなんて
まだ未確定なんじゃよ」神
「えーーーそうなんですか?しかしそれがないとスタージナス様のSB
(※スタージナス式ビニールハウス)へと発展しないし宇宙進出も不可能です」
「うむ、全ての因果は繋がってるが・・パラレルワールドの世界では
全てが不確定なのじゃ、神にでも予想は不可能」
カッポカッポ馬車は進む
「到着したぞ、予め候補地は其方が生まれた時に確保してある」
「ですが、王家同士でも秘密練習場の場所は秘匿なのでは?」ウラアール
「本来ならばそうであるが其方はクリスティーナの護衛が目的、特例で2人の
練習場については隣接させるし、双方出入り自由とする」王
「更に特例であるが「一心同体」魔法を付加したので其方達が仲間と認めた人間
ならば出入り自由とする。例えば私兵の育成訓練とかも可能になる」王
「なるほど・・・それでクリスティーナ様達の一心同体軍が可能になったんですね」
ゴブヨ
「うむ、まさか後々実際に役に立つとは当時の王にも想定外だったはず」神
「私17代アスタージナス王の軌跡を研究してるのですが、なぜ一心同体軍が
可能になったのかずっと疑問だったのです」ゴブヨ
「うむ、16代王先見の明だったんだな」神
「王様、ですが魔法訓練は例え王家であっても秘匿せねばならないはず」ウラアール
「いかにも、相互に立ち入ることは可能だが訓練風景は見せてはならん」
「では一緒に並列された練習場には向かいますがとりあえず入場は自分専用ですね」
「うむ、双方で連絡可能にしておくから、時間あわせをして行き帰りは一緒にな」
「はは、ご配慮ありがたく」
「それでは今から作りだすぞ」
「んんんん・・・・」「トリャ!」
16代王が杖を上空にかざし範囲指定をするとまばゆいばかりの閃光がきらめく
「ビカビカビカ!!!!」
「さ、出来たぞ」史実のとおり東京ドーム程度の敷地面積
「おおっ門が二つならんで」
「これからも2人仲良くせいよ」
「ははっ」
「それでは早速中に入り練習してみるがよい、余は帰る」
「忙しい中ありがとうございます、しかし馬車は一つですがどうやってお帰りに?」
「それも門外不出だが王には専用の魔法がある心配無用」
王様には専用の転移魔法があり王宮内の専用移動室にいつでも戻れる
「其方達にはそんなものはないから一緒に来たら一緒に帰るのだぞ」王
「はは、」
「それではクリスティーナ様、練習が終わりましたら連絡ください」
「はい、分かりましたそれでは」セバスが答える
「うーん」神
「なんでしょう?」ゴブヨ
「おかしいと思わんか?」
「は?なにがですか」ゴブヨ
「クリスティーナが一言もしゃべらない・・」神
「た、確かに、全ての応答は執事のセバスが行ってましたね」ゴブヨ
「ゴブヨ!本当にカイトはクリスティーナに憑依してるのか?」
「はい、まず間違いないはずです」
「そしてセバスチャンは絶対に王が作り出した召喚人間なんだろうな?」神
「まず間違いないはずですが?」
「其方はおかしいと思わなかったのか余りにもクリスティーナはモブすぎる」
「普段から無口(3才段階での話)ですからね」ゴブヨ
「うーむ・・・」
「神様の能力で調べられないのですか?」
「不可能じゃ、シンジの編み出した三角移動法を解明する事は神でも不可能」
「逆に言えば向こうもこちらの動きは察知不可能なんですよね」
「何度も言うがカイトには我々が邪魔をするなんて一ミリも気がついていない」
「と言う事はカイト側がどんな仕掛けをしてもこちらは分からないのですね」
「うむ、もしかしたらクリスティーナからセバスに乗り換えたのかもしれん」
「そんな事考えられませんわ」
「たしかに、器量からすればクリスティーナ以上の人材など絶対にいない」
「有り得ない事を論じても仕方有りません」
「だがな・・・・」
「は?」
「クリスティーナの力量がカイトの予想を上回っていたらなんとする?」神
「そ、それは・・・予測不可能ですわ」
「有り得ないし確かめる事も出来ないが・・・」
「なんだか歯切れが悪いですね」
「うむ、神様としては認めたくないからな」
「????」
「滋賀内人の能力の事じゃ」
「あら、滋賀様の能力なんてただの普通の人間では?」
「ばかもん、そんな話をしてるのではい、やつの潜在能力の話じゃ」
「神をも超越してる可能性ですか?」
「うむ、もしかしたら神以上の存在だとしたら」
「したら?」
「カイトの憑依を跳ね返せたかもしれんと言う事だ」
「寡黙の理由になりますか?」
「我々の動きを警戒してるとしたら?寡黙が一番効果的と思っていたら?」
「神様、それはあまりにも矛盾しませんか?」ゴブヨ
「なぜじゃ?」
「神様の干渉を拒めるのでしたらなぜ今まで神様の意のままに滋賀様を操れたの
でしょうか?」
「そうか、ならばクリスティーナ自身の潜在能力か・・」神
「滋賀様以上の能力者は存在しないと神様言ってましたが?」ゴブヨ
「いや、実の所クリスティーナの洗脳前の能力については誰も知らないのだよ」
「あ、そうか!クリスティーナ様は前世では3歳時にダクーミの呪術により
成長阻害魔法を掛けられて8才直前まで覚醒出来なかったんでしたね」
「うむ、だから前世で神一号が滋賀を操り憑依させて覚醒させたのじゃ」
「前世の歴史書によると、成長阻害を受けたクリスティーナ様でしたが
魔法練習所やお部屋の中で飛び回っていたと記述が残ってますね」
「うむ、飛び跳ねるとは走り回って執事達から逃げたと解釈していたが・・・
まさか・・・本当に飛び跳ねてたのではないのか?」神様
「超人ですね」
「うむ、クリスティーナ自身の能力について今まで軽視しすぎてたのやもしれん」
「つまり能力をダクーミに押さえつけられたからこそ滋賀様の憑依が可能だった」
「とすると、やはりカイトは憑依出来なかった可能性が出てきたな」神
「元々が天才科学者であるダクーミが3歳児のクリスティーナ様を恐れたのが
はじまりでしたね・・・」
「うむ、我々も敵も本質を見誤っていたのやもしれん」
「神様、大変です」
「ん?なんじゃ」
「その話が本当なら人類救出の根本が揺らぎます」ゴブヨ
「??」
「だってこのままだと神様一号が7才時点でのクリスティーナ様に憑依出来ません」
「む、確かに・・・だが今回と同じ(あくまでも推定)セバスに憑依すれば」
「お忘れですか?セバスチャン様はクリスティーナ様が王様就任時消滅します」
「ぐ、そうであった・・・」
「だがな?」
「はい?」
「クリスティーナがそれほどの天才であればそのまま王に就任すれば今以上の
パラレルワールドになる可能性もあるぞ」神様
「可能性はありますが・・・なぜ神様一号がクリスティーナ様に憑依する必要が
あるのか本質忘れてませんか?」ゴブヨ
「む、・・・・そうであった、あくまでも滅亡した80億民を救う為の策であった」
「つまり、全ては繋がっていますし必然であり何一つ欠かせない要素なんです」
ゴブヨ
「うううううう・・・これはあまりにも想定外すぎる」
「今からダクーミをそそのかして前世の通り成長阻害魔法に切り替えられませんか」
「ばか、すでにダクーミは王家必殺の剣を我々に渡してしまってる」
「過去にもどれませんか?」
「なんども言うが物理体である其方がいなければ我が如何に時間操作できても無意味」
「更に付け加えれば前世でもそうであったがこの魔法はダクーミとて一生に一度きり」
「ぐ、それって詰んでません?」
「人類滅亡いや宇宙滅亡がかかってるのだ、簡単に諦められるか!」
「はい、なんとしても!」
「ともかくクリスティーナ8才直前までは時間がある、今は目の前の事に集中じゃ」
「は、はい、そうですね、今ある事を対処出来なければその先もありませんね」
「やれやれ今回の事件が解決したところで新たな課題が出来てしまったな」神
「仕事増やして現世に帰るのが遅くなったら皆心配しますね」
「帰る時間は調整出来るから心配無用じゃ」神
「あ、そうかこっちにどれだけいても帰る時間が同じなら関係無いですね」
「何度も言うが一度きりしか出来ない事で今回の事をしれたのは大きいぞ」
「そうですね、安心して帰ったら全然違う世界だったかもしれませんね」
「逆に宇宙滅亡など心配しなくてもすんだやもしれん」
「うーん神頼りかぁ」
「ばか、神である我でも予測出来ない事を神頼りなんて無責任に言うでない」
カイト憑依?のクリスティーナ。神様とゴブヨが憑依するウラアール。そしてダクーミ
三者三様の思惑が入り乱れて舞台は式典旅行へと進む
話がこんがらがって難解かと思いますがおつきあいください。<(_ _)>




