表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
それって異世界転生とちゃうちゃう!  作者: kou2199
第二章 ときをかける幼女
162/179

女神ウラアール

一体どんな奇跡が?

「こ、これは・・」

「おおおおっ」

「神の使いに相違ありません」


人々は目の前に起きた「奇跡」に驚愕する


実は事件は数日前に遡る


「明後日4の鐘(午後2時頃)天はにわかに光を失い漆黒に閉ざされます」

突然3歳児ウラアールが流暢に側近に語り出した


「姫様今なんと?」

「神からの預言です。このことを民に伝えてください」

「しかし突然天が暗くなると言われましても・・」側近


話を聞いた16代アスタージナス王が狼狽する

「そのような事件は過去にもあった、天を揺るがす大惨事、凶作の前触れじゃ」

「な、なんと!」


「しかしウラアール様は神通力にて元の世界へと導いて頂ける術をご存じとか」


「おおっまさに女神じゃ」アスタージナス(神からの啓示の通り演技してる)


「ふん、ばかな、そんなことが起きるわけがない」

「またぞろペテン師の詐欺商法ではないのか?今度はなにを売りつけるのじゃ」

大衆は王様の告知による知らせにも一向に信じる気配をみあせない


そして当日


「カラーン、カラーン、カラーン、カラーン」四の鐘が鳴り響く


にわかに


「う、うわー!た、大変だぁ」群衆が驚き逃げ惑う

「天がぁ・・天のお怒りじゃあ」

「ウラアール様の預言通り・・・」


王都中央広場は王都城郭都市のど真ん中にある、円形上の噴水公園となってるが

中心には高さ2メートルほどの人1人が立てる塔が立ってる


その塔にウラアールが立ち群衆に叫ぶ!


「安心なさい、今から天の怒りを静め闇から解放します」

ウラアールはみたこともない魔法の杖を天高く差し上げ「○×▲□」

なにやら詠唱をはじめる・・・巨大な魔方陣が杖の先から飛び出て高速回転


「グルルルルル・・・・」


「シャアア」ウラアールが叫ぶと巨大な火の玉が天めがけて放出された

「ガク」ひざまづくウラアール、大量に魔力を消費したようだ


「ドゴーン」

火の玉は一直線に光を失ったお天道様に向かう


「おおおおおおおおおお」群衆はただただ驚くしかない


刹那


「ぱあーーーん」漆黒の闇は突如終わりをつげ強烈な光とともに

元の世界へ戻ったのだ


「おおおおお」群衆今度は感嘆の嗚咽、人々は跪き指を重ねお祈りする

「め、女神様じゃあああ・・」


本当の奇跡を目の前にして人々はさっきまでの懐疑心はかき消え只ひたすら

ウラアールを崇める・・・


「こんな古典的なまやかし奇跡を人々は信じるんですか?」ゴブヨ

「当たり前じゃ、科学のなんたるかなんてこの時代の人間にわかるものか」神

「確かに皆既日食なんて天文学が発達しなければ奇跡そのものですからね」ゴブヨ

「バカモン、皆既日食ではないぞ。色つきミノフ粒を大気中に発生させて太陽

付近を覆い隠しミニ波動砲(タキオン粒子)で吹っ飛ばしたんじゃ」神


「あらあら・・・現代科学総動員だったんですね」ゴブヨ


「人ごとみたいに言ってるが其方がウラアールの脳内研究室で調合したんだぞ」

「ああ、あれだったんですか、神様のレシピ通り作っただけで私にはなにがなんだか

教えてくれませんでしたよね」ゴブヨ


※夫であるシンジの発明で物質1/兆縮小化が可能になりウラアールの

脳内に研究開発のための専用ラボが完成してる、物理体であるゴブヨなので

研究室で様々なアイテム作成が可能。神様はゴブヨなしでは何も出来ない


「だから、極秘事項だと言ったろうが。精神体の我では作れないからな」


「とにかく、これでウラアール様は女神になれましたね」

「うむ、つまりウラアールの言うお告げに信憑性が加わったわけだ」

「なるほど、やっとで分かってきました!」ゴブヨ


「わかるのが遅すぎじゃ!」神

「で、ウラアール様が次の預言でクリスティーナ様が危ないと言えば

大義名分が立ちなんの疑問ももたれずに護衛任務にあたれると!」


「そういうことじゃ」神

「しかし敵陣営にばれませんか?」


「ふふ、ウラアールを無能だと侮っていたダクーミは有用性に気がつき

ダクーミを裏から擁立したい敵はダクーミの接近を喜ぶ」神


「なるほど、我々の存在さえばれなければ都合の良い様にしか見ませんね」

「おそれいったか!神ってるじゃろ?」ドヤ顔神

「神様が行ってるので確かにその通りですけど・・」ゴブヨ

「なにがいいたい?」

「ドヤってしまったら威厳もへちまも・・」ゴブヨ

「其方と我しかいないのにそんな顔だれもみてないわ!」怒る神




「一体どういう事じゃ?」ダクーミ

「なんとも信じがたいことですが本当に予言通り奇跡が起きた様です」ツワルト

「ふーむ、やはり双子だけに潜在能力は同程度あったと言う事か」

「御意、いままで隠していたのでしょうか・・」


「ならば利用価値はあるな・・」

「クリスティーナ様の護衛とウラアール様は仰ってますが?」ツワルト

「つまりもっとも信頼されて一緒にいる時間も多い訳だ」ダクーミ


「ですが、預言者を自称し女神と崇められてしまったウラアール様に

どうやって接近するのですか?」


「ばか、多分こたびの事件はウラアール自身の自作自演じゃ」ダクーミ

「な、なんと!」


「愚民はしるよしもないが天が陰る現象は凶事でもなんでもない」ダクーミ

さすが文武両道のダクーミ科学者としても一流


「つまり天が陰る日時は預言できる。余でもじゃ」

「はあ」ツワルト


「だが此度の事は予想できる天の陰りとは別のものだった」

「つまり?」


「さしずめ現王と計っての魔法発動だろう」

「な、なるほど不自然な程に王様は今回の預言を煽ってましたな」ツワルト

「余と違って兄上は腹芸が出来ぬ男、演じてるのが見え見えじゃったわい」

「言われてみれば・・」


「ですが・・」ツワルト

「うむ、我がクリスティーナの命を狙ってるということがどこからか漏洩した」

「ば、ばかな・・・」


「かりに漏洩してなくてもクリスティーナの能力に気がついたのだろう」

「なるほど・・」


「兄上は多分どこからか外部から煽動されてるのだろうが余への信頼は

まだ失ってないはず・・表だっての行動はますます出来なくなった」ダクーミ


「つまり王様もご主人様の出方を見てると?」ツワルト

「だろうな・・まさにこれからは知恵比べじゃ」ダクーミ




「神様!」ゴブヨ

「ん?何事」

「つ、ついに完成しました!」ゴブヨ

「ん、?我の知らないところでなにか研究していたのか?」

「てへ、」

「で、なんじゃ?くだらない物なら報告など必要ないぞ」

「驚き桃の木山椒の木ですよ」


「ほう、じらしプレー返しって寸法か」

「ふふふ」


「いや、別に教えてくれる必要は無い。勝手にせい」神、意外と短気

「2人しかいないのに秘密なんでいやです」

「じゃ、とっとと報告せんか!」


「ふふふついにマテリアルボデーからスピリチュアルボデー分離が成功しました」

「な、なに?つまり幽体離脱ってやつか?オカルトじゃな」

「神様がオカルトなんて言葉おかしいですわ」


「し、しかし普通人間は死なないと幽体離脱は出来ない」神


「あら、神様だって粒子とはいえ物理体だったスパコンを圧縮させて精神体

へと進化したのですよね」ゴブヨ


「あれはな、うおほん、秘密なんじゃが特殊なケースなんじゃよ」

「はい、分かってます、シンジ様の研究で特殊な条件下でしか出来なかった事」

「うむ、わかっていればそれでよい」神

「で、実は廃コロニーの状態をウラアール様の脳内研究室でシュミレート

したんです」


「また余計な事を・・・」神

「実はシンジ様からの課題でしたから」ゴブヨ


「で?幽体離脱が出来たからなんだというのだ?」

「私は滋賀内人様を宿す生命体・・」ゴブヨ

「ば、ばかな・・・つ、つまり?」神


「神様以外にタイムトラベルが可能な人類唯一の存在ですね」

「・・・それだけではあるまい」神

「はい、夢まくら限定ですけど意思を伝える事が可能になりました」

「神を冒涜する気か?」


「とんでもありません、私は神様の忠実なげぼくです」ゴブヨ

「なにが言いたい?」


「逐一現世へ報告が可能になったと言う訳です」

「うーん、夢まくらでか・・」

「はい、ですが研究だと相手が夢を覚えられる確率は極めて低いとか」

「うーん・・・我の場合は夢まくらを語る本当の啓示だからなぁ」

「はい、神様の啓示なら絶対に忘れませんからね」


「しかしなぁ・・現実的には報告と言うにはほど遠そうじゃなぁ」

「まだ出来たばかりの技術ですから信頼性が低いのは仕方有りません」

「うむ、あまり期待しないで吉報を待つことにしよう」神


「神様みたいに無尽蔵にダークエネルギーを管理出来れば途方もない魔力量

コントロール出来るので夢まくらを啓示クラスに出来るのでしょうけど」


「ぐ、誰の入知恵じゃ!そんな理論誰にも教えてないぞ!」

「あら、やっぱりシンジ様の仮説当たってたんだ!」

「う、くだらん誘導尋問しかけおって、天罰下そうか?」神


その夜現世で睡眠をとっていたシンジに夢まくらが立つ(^^)こわっ

「シンジ様、シンジ様」


「む、誰ですか私を呼ぶのは・・・」

「おむかえに参りました」ゴブヨ


「おお、その声はゴブヨ?お迎えってついに私は天に召されたのか

やはり徹夜続きで過労死なのか?」


「あれほどご自愛くださいと申してるのに相変わらずなんですね」ゴブヨ


「ゴブヨ・・其方あの世からのお迎えか?頼む我にはまだやり残した事がある

お迎えなんてまだはやい、頼むから成仏してくれぇ」


「な、なんと薄情な!それ本音なんですね百年の恋も冷めましたわ」

「って、君はなにしに化けて出てきたのですか?」シンジ


「あ、これは失礼。実は過去にいって神様とあれこれ工作してる途中なんですが

その報告と新技術完成を知らせに(^^)」


「私達には一切知らされてませんでしたがそうですか神様と過去に行ってるんだ

え?神様?神様って言いましたか?」シンジ


「ごめんなさい敵スパイがシンジ様に憑依してる可能性もあるので詳しくは

申し上げられませんが詳細は「セキュリティルーム」の金庫内に置きました」


「精神体の筈なのに報告書?」シンジ

「はい、神様から教わった呪文で現世に生体アンドロイドを作りそのアンドロイド

に報告書を書かせました。といっても1/兆粒子アンドロイドで敵にバレません」


「以前にその課題ゴブヨ君に課したけど成功したのですね」

「ですがシンジ様の研究通りシンジ様がこの事を忘却する可能性は99%以上」

「うん、神様の啓示とちがいあくまでも夢まくらですからね」シンジ


「ですから何時の日か報告書の存在に気がついてくれることを祈るばかりです」

「早く事件が解決して元の生活に戻りたい」シンジ

「はい、私も強く願ってます・・・お体お大事にご自愛ください」


「ふああああ」心地よく目覚めたシンジ


「一体どれくらいぶりだろうこんなに爽快に目覚めたのは・・」シンジ

やはり研究通りゴブヨとのやりとりはすべて忘却してる

精神体にてコンタクトを取ってきたゴブヨに物理体のシンジは夢の世界で

融合を果たしたがあまりにもその繋がりは細すぎる・・・

平たく言えばパワーが足りなすぎるのだ


「む、なにかとても大事な夢を見た気分なんだが・・・」

「いくらなんでも3日も寝ないのは身体に悪すぎる妻が言っていた通り身体を

大事にしなければ、我には人類の未来がかかってるのだ・・」

健康第一を強く認識したシンジだった。



「報告は出来たのか?」神

「はい」涙目で一杯のゴブヨ


「あんまりです、こんなつらい報告は・・」

「自分でやったことだろうが」神


「むなしすぎです。はやくシンジ様に会いたい」ゴブヨ

「其方は全て承知で志願したはずじゃ」神


「私は幼女、かなしい時だってあります!」

「うむ、悲しいときは泣くが良い」神

なんとも悲しい報告でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ