遠征開始
いよいよ出発です
いよいよ出陣開始だ。
先頭は騎士団騎馬10、その中心にジルベッタ騎乗の白馬
10人乗りの兵士移動用馬車4台が続き第一王子専用の戦闘仕様馬車
その後ろに同じく戦闘仕様の俺の馬車さらに後続に武器、食料、その他を
満載した荷馬車が2台。軍事顧問を乗せた馬車と騎馬が最後に続く
まあ、戦闘仕様馬車といっても濃灰色塗装で余計な装飾をはぶき質実剛健
移動重視の真四角構造で荷物もたくさん搭載出来るってだけだ
どこかのスパイ映画の様に横から千枚通しがでてきたりとか天井から
ミサイル発射とかのギミックはない。(あるわけ無い)
狭い街道を進むので隊列は縦長状態、しかし騎士団が鋭い眼光で周囲を
監視してる。野盗ごときが強襲をかけたところで容易く蹴散らせるだろう
道行く農民、行商人は我々の任務を知ってるのだろう
道を譲り値を開け両脇からかしこまって「へへっー」と傅いて行く。
石畳の街道の先は未舗装の道路となり次第に細い道路となっていく
対向車とのすれ違いがやっとになった。途中休憩を2回おこなったが
休憩所もあらかじめ決まってる集落が利用された。不便は一切なし。
午後4時頃最初の宿泊地に到着した比較的余裕を持った行軍なので
移動距離は70Km程度だろうか。
毎年恒例状態となってる遠征のため宿泊地も例年通りだ
少し大きめの宿場町、町長が手を振って出迎えてくれてる。
「ようこそ、いらっしゃいました。今日はごゆるりとお休み下さい」
手モミ町長は恐れ多い感じで迎えてくれた
やれやれと荷を解き騎士と兵士達はにこやかにわいわい始めてる
戦闘開始前の独特の高揚感で皆興奮気味だ。
夕食時間指揮官達は別のテーブルで地図を広げて作戦会議・・・
というか飲み会だね。俺は幼女なので夕食後は専用室寝所に案内される
4日間の移動3カ所の宿場町で宿泊するが身の回りの世話のために
メイドのリントが同行してる。
ガタゴトと乗り心地がわるい馬車に揺られたせいかとても疲れた
移動中に襲撃されるかもと警戒したが杞憂だったみたいだ。安心が広がり
ベットに潜り込むやいなや心地よく眠りの世界に身を任せたのだった。
チチチチッ
どこからか聞こえる小鳥のさえずりとともに俺は心地よく目覚めた
はぁーと背伸びするも若干筋肉痛気味、ま問題無いな。
ゆっくりめの朝食をとり出発だ午前9時頃に宿を出発。ゴトゴトと移動
予定通りの休憩所にて昼飯をとり、午後3時には次の宿泊地についた。
昨日よりもさらに速度は遅くかなり余裕をみてるのが判る
50Kmも移動していない感じがする。宿場町の間隔の関係だろう。
移動3日目ともなるとだいぶ旅慣れたというか馬車仕様の体になってきた
3泊目の夕食時にはさすがに緊張感が場の雰囲気をピーンとさせてきた
昨日までの宴会感は騎士、兵士達にはもうない。
指揮官達の作戦会議も飲酒目的ではなく本気モードだ。
そして俺も今回は見学扱いだが、作戦会議に加われたのだ
意思疎通をしていかなければ何が起きるか判らない戦場においては
死活問題にもなるからだ。ま当然やね
「さて、」と騎士団長のドルムートが第一声
「昨日までの打ち合わせの通り、まずはここから討伐を開始する」
ドルムートはおもむろに地図上に記されたポイントを指さす
エラール高原の見取り図上には過去に魔獣達が多く出没した場所が
30カ所ほど記されていたのだ。
エラール高原、おおよそ東京23区程度の面積を有する大平原。所々オアシス?的な
沼地や川があちこちに点在するが高原中心部には諏訪湖ほどの広さの
湖が存在する。広大な広さの高原だが魔物がわさわさと出現するので
人々はまず近寄れない。後方支援がなければ立ち往生必至だろう
「今回は少数精鋭、面ではなく点での各個制圧を行います」とドルムート
「はっ、そのためには補給路が遮断されない様に手前からしらみつぶしに
制圧する必要がありますな」とアルバッハ
「確かに、そうであるな」とジルベッタが頷く
兵数に余裕があれば部隊を分けて2カ所を同時に攻めるとか
前衛と後衛に分けて疲労度を調整しながら行軍するとかの手段があるが
今回はいかんせん兵数がたりてない。退路の確保は必然なのである
いかなる場合でも王子の安全が第一なのだ。
しかし、大規模な魔法攻撃を出来るのは今回は王子のみ、どうしても最前面に
たたなければ勝利がおぼつかない。
「側面を襲われるという危険性はぬぐえませんが効率を考え
ジグザグに各個撃破が一番でしょうな」とドルムート
「伏兵の注意と監視はお任せ下さい」と軍事顧問のツワルト
「うむ、たのんだぞ」とジルベッタ
「お姫様達は進軍の真後ろからの追従ではなく制圧面の中心付近で見学ください
ま、それが安全だよね。でもジグザグ作戦は効率はいいけど下手したら側面
前方、後方と包囲される危険もあるなぁ・・・
さらに今回は海戦の用意は無い、中心部の湖は攻めなくていいのだろうか?
定例会でのダクーミの当初案は今思えばギリギリの最低限だと感じる。
これだけの広さだ、確かに準調に行ったとしても1ヶ月程度は最低掛かるだろう
戦後処理を考えたら2ヶ月の行程は妥当だね。
高原に最も近い集落を拠点としその後制圧面が増えるごとに補給ポイントを増やしてく作戦だ
戦線が伸びていくと10人の後方支援部隊ではちょっと心許ない気もする。
「今回想定される魔物達の種類はどのくらいか?」とジルベッタ
「は、」とアルバッハが説明する
「魔ウサギ、スライム、ゴブリン、スケルトン、リザードマン、オーク、オーガ、餓狼
とるになりない魔毒蛇や魔トガゲ、魔毒サソリなどが出現するでしょう
そして中ボスクラスとしてゴーレムが数体程度の出現が考えられます」続ける
「アース・エレメンタルなどの物理攻撃が通りづらい中級魔物もでるやもです
トロルは個体としてさほど強くありませんが再生能力があるので
油断できません」
「ふむ、総勢が不明とはいえ連携すれば問題なかろう」とドルムートが強がる
「例年通りなら戦線を広げすぎなければなんとかなるだろう」と続ける
はて、ダクーミならどうやって第一王子を襲うのか・・・と俺は考えた
楽観ムードに包まれる中一抹の不安を覚えたのだった。
ちょっと兵数すくなすぎないか?




