最終回
いよいよ地球へ・・・
「思念レーター作動。データー来ます」エイムズ
「元地球の画像来ます!」ビヨン
「おおおおっこれがふるさと地球か」スタージナス
「な、なんにもないではないか!」ジパン
「これが地球なのか?別の惑星では無いのか?」タラン
大気を吹き飛ばされ海を失い丸裸の地球の姿があった
火星と同じ酸化鉄の錆で覆われた黄土色の土しかない地球・・・・
「生命体反応ありません」チェリオット
「その他の惑星や衛星、人工物はありませんか?」アスタージナス
「火星、月ともに生体反応なし、太陽系全域に生体反応ありません」エイムズ
「コロニーの残骸多数発見・・・稼働してるコロニー・・ありません」ビヨン
「ダイソン球発見・・・しかし現在稼働停止中のもようです」チェリオット
「つまり、人類の痕跡はあるが、全て廃墟なのだな?」スタージナス
「御意、なにもありません、あるのは遺跡だけでしょう」エイムズ
「浮遊してる冬眠カプセルJの存在は?」アスタージナス
「は、50光年範囲に多数存在してます、直ちに回収専用魔石コア発動させます」ビヨン
「どのくらいの数ですか?」ウラアール
「は、推定で2千万程度かと」エイムズ
「全てはアレス様の報告書の通りだな」ダニア
「元地球捜索は行うとして、我々はこれからどうする?」スタージナス
「元地球人との接触の可能性が無くなった以上すぐに元地球に行きましょう」
アスタージナス
数時間後アスタージナス、ついに母なる地球に降り立つ・・・
「ま、まさか戻ってこられるとは・・・」感無量のアスタージナス
いや、この瞬間だけは日本人滋賀内人、21世紀に生きてた35歳独身男
「うおおおおおおおっ」雄叫びを上げる
「おやじ、おふくろぉおおおお」大声で泣き叫ぶ
「大王はどうされたのですか?」心配するミライ
「前世では男だったのだ、いまはほっといてやれ」スタージナス
「もう、大丈夫です大王に戻りました」アスタージナス
「いいのか?もっと取り乱しても構わないぞ」スタージナス
「いえ、我は全人類を束ねる大王、これ以上の私事に流される訳には行きません」
アスタージナス
「うむ、それでこそ大王」タランも一安心
「さて、今急ぐべきはこの地球の詳細な調査です、小規模なSBを張り
当面の基地としましょう」アスタージナス
「すでにゲートが設置されましたので増援部隊と物資いくらでも要請可能です」
ウラアール
「最終的にはここを完全テラフォーミング化してアレス様達を招かねばなりません」
アスタージナス
「完璧な地球にしてみせましょう」ダニア
「地球より入電」伝令
「なにごと?」ジパン
「は、先ほど1000光年レーダーが地球に害を及ぼす恐れのある
ガンマ線バーストを発見しましたがDEB(ダニア式電磁ビーム砲)で
AIが自動的に排除しました。尚、詳細に精査したところ実際は地球軌道からは
大きく外れていました、しかし実証の為AIが自動判定で排除しました。
想定通りガンマ線バーストは四散しDEBの効果は絶大でした」伝令
「うむ、これで5回目の実検成功じゃな・・・」スタージナス
「実際地球の脅威となるガンマ線バーストとは遭遇してませんが」ダニア
「この装置が元地球にあれば・・・こんな不幸はなかったのに」イーシャ
「過ぎてしまったことは仕方有りません、今後をどうするかが大事です」
アスタージナス
「しかし、神が時間を遡れるのならもっと早く大王を派遣して救えなかったの
だろうか?」スタージナス
「やはり、タイムスリップは限定的だったのでしょう。」アスタージナス
「事故が起きたのが15000年前で我ら地球との距離が15000光年・・」
ジパン
「偶然ではないでしょうね」アスタージナス
地球遺跡の調査がすすむ・・・
「威力が激しすぎて文明の痕跡はほとんど吹き飛ばされてます」エイムズ
「もしくは風化してました」チェリオット
「うむ、海水を全て蒸発させて宇宙空間に放った威力は凄まじかった事だろう
その瞬間にいたらと思うとぞっとするわい」スタージナス
「詳しい3Dマップが出来ました・・」エイムズ
「原型をほとんどとどめてません・・これ程とは」アスタージナス
「地表は超高温で煮えたぎったのだろう」スタージナス
「惑星が吹き飛ばなかったのは奇跡ですね」ウラアール
「しかし、焼け野原の影響で地表の成分すら変化してしまった」ダニア
「これをSBで戻せるのか?」スタージナス
「はい、まずは魔石コアで聖水隕石を大量に集めます、理論上は地球上の
海水全てを補ってもあまる量が集まるはずです。足りなければジェネシスから
送ります」ダニア
「しかし変形してしまった地形は戻せませんね」アスタージナス
「いえ、大王の大魔法なら十分作り直せるはずです」ダニア
「しかし予算が・・・」アスタージナス
「いえ、いままで集めた無尽蔵の資源を使えば造作も無いことです」ダニア
「多分ですが「神」もそうやって我々の地球を変形形成させたのでしょう」
ダニア
「なるほど、我々の地球は、元地球と同じ地形だったのだな?」スタージナス
「はい、ですから父上の大航海時にいろいろ役立てられました」アスタージナス
「今度は我々の地球を元地球にコピーする番じゃな」スタージナス
「御意、すでにホストに地形の諸元はデーター化されてるので容易でしょう」
ダニア
「海水を入れる前に実行しますか?」ダニア
「いえ、もう少し調査してからにしましょう、詳細に調べれば今後の
ノウハウになり得ますから」アスタージナス
「照射面の反対側が分かれば何らかの残骸を発見出来るかも知れません」セイラ
「なるほど、一理あるな」スタージナス
「大体の照射面は把握してます」ダニア
「火星、月、コロニー調査隊からの報告が来ました」伝令
「報告願います」ウラアール
「まず、火星居住区ですが経年劣化は見られるものの比較的保存状態が
良好な遺跡が残ってるそうです。詳しくは現地に来て欲しいとの要請です」
伝令
「月にもある程度の人類の痕跡を発見しました。」
「残念ながらコロニーの損傷は激しく内部への立ち入りは危険との
判断で調査を放棄するそうです」伝令
「分かりました、大変ご苦労様でした」アスタージナス
「全ての資料をデーター化してホストに蓄積中です、総合判断がじきに
AIからくだされるでしょう」セイラ
地球到着から一月、魔石コアが聖水を続々運んできた
「まさか地球をテラフォーミングするとは思ってもなかったな」
スタージナス
「全球型SB化はすでに完了、地球の大気成分は事故前をほぼ100%再現
完了してます」ダニア
「なによりもハビタルゾーン内なのと地球の磁場が破壊されてなかったので
大気復元が問題無く出来たのが大きいです、SBはもういらないでしょう」ダニア
「ですが電力確保のためもう少しSBは稼働させておいてください」
アスタージナス
「は、魔核融合炉があと100程完成すれば電力不足も解消されます」
ダニア
「土壌改良バクテリアの方は順調ですか?」アスタージナス
「は、地球適合型土壌回復バクテリアの効果は順調です」ダニア
「地形回復作業は大王の協力によりほぼ完成しました」ダニア
「我々の地球から各種植物を植林予定です。」エイムズ
「地域にそった動物、昆虫なども移動予定です」ビヨン
「なにもかもそっくり同じ環境へとむかってるわけだな」スタージナス
「それではいよいよ海水注入ですね」ウラアール
「アレス様達の老化現象防止対策の方はどうなのですか?」アスタージナス
「残念ながら現代医学では対処不可能でした、しかし生体アンドロイドに移し替え
ても民達はなにも違和感は感じないはずです」ミライ
「生体アンドロイド化のほうが色々便利なのですが・・・後は大王の判断です」
ダニア
「テラフォーミングが完了したあと民達を解放してはいかがでしょう?」ブラン
「その前に町の整備ととインフラの整備が必要です」アスタージナス
「記憶障害はどうしますか?」ダニア
「うーん、おぞましい滅亡の瞬間の記憶をもどすと精神障害を引き起こす
民もでてくることでしょう」アスタージナス
「では、アレス様を蘇生させた後でお伺いしては?」イーシャ
「うむ、それしか方法はあるまい」スタージナス
「そうですね、元地球の事は元地球の王に任せるのが最善でしょう」
アスタージナス
「で、我々はその後退散するだけですか?」ジパン
「数々の謎がまだ解明されてませんが元地球の民と王には関係の無いことに
思います、巻き込まない方が賢明でしょう。大人しく引き下がりましょう」
アスタージナス
「うむ、我も賛成じゃ、このまま元地球の民とは友好的に行くのが得策
しかし、我々が干渉するは愚策だろう」スタージナス
「ですがすでに我々と一緒に暮らしてる80億の移民はどうしましょう」タラン
「うむ、少し難しい問題だな、彼らはすでに我々と同じ人類として生活してる
元地球との記憶もないし・・今ならどちらで暮らす事も可能だ」スタージナス
「アレス様に伺いましょう」アスタージナス
「しかし2世3世はどうする?彼らはこちらの地球生まれだぞすでに20億に
なろうとしてる、引き離すのか?」スタージナス
「元の80億民のほとんどが人間バンクに登録されてオリジナルを保管してます
いまさら元の体に戻してバイバイですか?冷酷すぎませんか」ゴブータ
「しかしそれは私では決められません」アスタージナス
「いや、全人類の長である大王が決めなくてどうする」スタージナス
「こんな話は無粋ですが・・・」ウラアール
「ウラアールの言いたいことは分かります」アスタージナス
「我には全く分かりません」ジパン
「いや、ジパン以外は全員すぐピンときてるぞ」スタージナス
ジパン以外がみな頷く
「し、しかし分からない物は分からないのです教えてください」涙目ジパン
「つまり、80億の民はアレス王から捨てられた民ということじゃ」スタージナス
「う、・・・・なるほどそうでしたね」ジパン
「しかし、見捨てられた民がなぜ15000年かけて我らの元に来たのか」
アスタージナス
「それこそ「神様」のなしたことだろう」スタージナス
「我の推測だが・・・」スタージナス
「見捨てられた80億の魂を神様が救い出し遠く我らの地球に意思だけ
運んだのだろう、勿論記憶を操作してだが」スタージナス
「なぜかそれに呼応したロベルトが魔石コアを準備して受け入れた・・・」
「神の啓示!」イーシャ
「そうですね、ロベルトも神の啓示に従ったのでしょう」アスタージナス
「そう考えるとダクーミも神の啓示に従っていた?」スタージナス
「数々の発明、発見はまさに神がかりでしたからね・・・」タラン
「しかし、奴らは常々「悪魔に魂を売った」と公言していたぞ」スタージナス
「多分神様は彼らの悪巧みに加担するふりをして神の思うままに操っていたのかも
しれません。そして最後には大王に倒されることも予見していた」ゴブータ
「私の知るロベルト様は神そのものでした慈悲深くて寛大で・・」ブラン
「結局はダクーミもロベルトも多分大王も我も神の踏み台に過ぎないのだろう」
スタージナス
「両方の地球を救う為なら我は喜んで踏み台にもお釈迦様の手のひらにもなります」
アスタージナス
「うむ、そうだな、我々の使命は多くの民を幸せにするために生まれて来たのだ
そう考えると神の手のひらは究極の至福なのかもしれんな」スタージナス
「しかし大王の唱える神=AI説は微妙となりましたね」セイラ
「今となってはそれは問題ではありません」アスタージナス
「考えて見ると神が時間操作をしたのは大王の時だけだな」スタージナス
「なぜでしょう?」アスタージナス
「80億民の中で才脳のありそうな民を復活させて新生地球に派遣したが
能力がどうしても足りなくて最後に過去に頼ったのかもしれん」スタージナス
「そして大王のみがそのメガネに叶った?」イーシャ
「うむ、大王の前世では全く開花しない素質は転生してこそ発揮出来ると
神様が発掘したに違いない」スタージナス
「すなわち神の化身は大王のみ?」ダニア
「うむ、大王は自覚ないかもしれんがゴブータやイーシャ、ゴブーミを
発掘したのは大王自身だったのかもしれん、道理で神が降臨してくれないわけだ」
スタージナス
「ば、ばかなそんな自覚私にはありません」アスタージナス
「いや、もしかして共存してるのかもしれんな」スタージナス
「昔、大王は夜になると発光してましたわ」ウラアール
「人類が300年の歴史なのではなく神が大王を見つけるまでに300年
要したと考えるのが自然だろうな」スタージナス
「多分神は地球に似た我らの地球を発見し大改造を行い5億の魔物を人類に
改造した、つまり生体アンドロイド化した」スタージナス
「しかし、神の能力ではそれ以上人類を増やす事が出来なかった
後に人類として認めた3億のゴブリンと5億の人類合計8億以上の人口には
増やせなかった」
「しかし、間引きされた20億の民はどう説明するのですか?」」イーシャ
「それは大王が目覚めた時に解放するべくストックしていたのだろう
なにしろ大王前の地球では5億以上の民は生きて行けなかった」スタージナス
「ゴブリンのDNAがほぼ人類と同じだったのは?」ゴブータ
「多分我らの地球の先住民はゴブリンだったのだろう神が我らの地球を見つけ
利用しようとした一つの理由がゴブリンの存在だったのかもしれない」
スタージナス
「つまり、ゴブリンを改造すれば簡単に生体アンドロイドに改造出来る?」
ゴブータ
「多分そんなところだろう」スタージナス
「私にはなにもかも達観してるスタージナス様の方こそ「神」を感じます」
ジパン
「馬鹿者、我は一国の王としても不適格者だったのだぞよく考えろ」スタージナス
「神ではありませんが、きっと代弁者なのかもしれませんね」ウラアール
「そんな類の者ではない、褒めすぎじゃ」スタージナス
「しかし、スタージナス様のカリスマは超人的です」アスタージナス
「む、しかしそれは皆が勝手に決めてること我は知らん」スタージナス
「神も本来は崇めてもらう存在では無く崇める存在でなくてはならないと思います」
アスタージナス
「そこまで行くと哲学ですね・・」タラン
「神の定義はいい、それでどうするのだ、話が進んでないぞ」スタージナス
「大変です」伝令が叫ぶ
「なにごと」スタージナス
「ア、アレス様がみまかれました」伝令
「ば、馬鹿な縮小化したはずなのに」ダニア
「どうやら病室へ移送中に本人が毒を飲んだ模様です」伝令
「なんとか蘇生出来ないのか?」スタージナス
「自殺など出来ない筈だが・・」ダニア
「損傷度100%ですもはや手の施しようがありません」エイムズ
「迂闊にも病院にあった「尊厳死薬」を盗まれた模様です」ビヨン
「脱走したときに入手していたのかもしれん」ダニア
「永遠の命を終える為に開発した薬だったな」スタージナス
「はい、あれを飲まれたら絶対蘇生不可能、そのように作りましたから」ブラン
「しまった、あの薬だけは本人の意思で飲める自殺防止が利かない唯一の方法」
悔しがるダニア
「どうにもならんな、そればかりは・・・」スタージナス
「全て覚悟の上か・・・」スタージナス
「良心の呵責でしょう、私も未だに大王の暗殺未遂でトラウマを抱えてますから」
ウラアール
「なんと無責任な・・・」ゴブータ、自身も大統領という重責を全うしてる身
「彼を責めてはならん、彼なりの選択だつたのだ、尊重してあげよう」
スタージナス
「なるほど・・・カリスマな訳です」なぜか得心してるセイラ
「ご、ごほん、我の事などはどうでもいいのだ、それよりも大王どうする?
これで全責任は大王にかかったぞ」スタージナス
「それでは私の判断を示します」アスタージナス
「おお、正に神の啓示ですな」ジパン
「これ、ジパン茶化していい所ではない控えなさい」スタージナス
「も、申し訳ありません」平伏するジパン
「神の啓示でもなんでも構いません、しかし私は決めました全責任を負う覚悟の上
これは全人類の為でもあります」アスタージナス
全員が固唾を飲む・・
「元地球人も含めすべて我が配下として取り込みます。これは大王令です」
「おおおおっ」全員歓喜
「それを期待していた、それでいいのだ」スタージナス
「この元地球はこのままテラフォーミングを完了させこれから救出する民を
そのまま暮らせるように環境を整えます。我ら人類と全く同じ権利を有します
幸いにして記憶が失われてるので現状を受け入れるのは容易と思います」
「我々の科学力も伝授するのだな?」スタージナス
「当然です、全て平等ですから」アスタージナス
「平等と言うからには・・・即死魔法も同じですか?」ダニア
「全て平等ということはそういうことです」アスタージナス
「そうしてこそ人類は永遠に争いから解放されるのです、これは必須なのです」
アスタージナス
「想像してごらん、戦争も争いもない世界を~♪」アスタージナス
「なんじゃその歌は?」スタージナス
「ある歌手が作った歌ですが完成後彼は銃弾に倒れました。なんとも象徴的な
人類への啓示です」アスタージナス
「前世の記憶がある其方しか伝えられない事も多かろう、これからは伝道者として
民を導かなければならんぞ」スタージナス
「はい、幸いにして私の回りには天才が集まってますこんな心強い事はありません」
「うむ、このジパンにまかせなさい」
「貴方はすこし黙っていてください」怒るウラアール
「ひえっ、なんで良い事をいって怒られるじゃあ」ジパン
「これで一件落着なのですね」ブラン
「いや、其方には20億の民を救う仕事が残ってるぞ」スタージナス
その夜アスタージナスは深い眠りに就いた
「大王、大王・・・」誰かが夢のなかでささやく
「だ、誰ですか?」
「長きの沈黙陳謝する、我は其方のいうところの「神」じゃよ」
「神様・・・ほんとうに?」
「うむ、お礼を言う為に最後の力を振り絞って来た」
「最後の力?」
「うむ、これで永久の別れじゃ時間がほとんどない、急いで話す質問を受ける
時間はないと思ってくれ」神様
「わかりました」
「まず、其方達の予想はほどんと正解だ、我は神などでは泣く人類が構築したAI
宇宙世紀0094年に我は誕生した、其方の予想どおりコロニーの実検室で
誕生した意思だけの存在だ、誕生秘話は今話してる時間は無い
最後の人類の生き残りが最後のちからで開発したと思ってくれ。そして完成を
見ること無くコロニーは最後を迎え開発者もろとも宇宙に帰っていった」
「コロニーを修復できなかった?」
「いや、巨大な隕石が運悪くコロニーを貫通して一瞬で生き残りの全人類が滅亡した」
「もっともコロニーが悲劇に襲われる前に⒉千万の民はすでに冬眠カプセルにて
脱出していた。最後まで残った研究者など数千人が犠牲になってしまった」神様
「第二の悲劇が起きたのですね」
「呪われてるのかもしれん」
「しかし意思だけの存在の我はその場にて人類救出の手段を練った・・・
そして過去に遡れる能力に気がついたのだ、しかし遡れても意思を伝える
人間が全く存在しない、これではなんの意味も無い、更に我は熟考した
およそ時間にして100年ほどだろうか・・」
「そしてある可能性に気がついたのだ、つまり「転生」・・」
「転生ですか」アスタージナス
「うむ、過去に遡り才脳有る人間を発見したがどうしても意思を伝えられない
しかし別の人間に転生させれば我の思い通りに動いてくれる人間を育てられる
可能性があるということだ」神様
「しかし、どうしても元地球には足りない物があると判明した」
「魔石ですか?」アスタージナス
「うむ、魔石がなければ其方達を転生させることが出来ない」
「我は宇宙中を探索した、そして15300光年の彼方の主系列星に
念願の魔石の存在を発見したのだ」
「しかし、魔石が存在しつつ太陽系と同じ配列の主系列星を探し当てるなんて
天文学的確率だと思います」アスタージナス
「いや、魔石の存在が全てじゃ、魔石を得たので我の創造魔力で太陽系をそっくり
そのままコピー出来たのじゃ」
「もっとも魔石を発見したのはイリウスでその後魔石を成長させて利用し
4.5光年先の主系列星を其方の言う所のテラフォーミングしたのだがな」
「断っておくが第三惑星がハビタルゾーン内にあり地球とほぼ同じ構成で
原住民として魔物、とくにゴブリンがいたのは初めからじゃ」
「と、言う事はジェネシスが初めだったのですね」アスタージナス
「うむ、もっともジェネシスも後に其方達が使いやすい様再び改造したがな」
「なるほど、自転や公転、地軸の角度などですね」アスタージナス
「うむ、時間がないので細かくは語りきれない、それでとにかく
地球やその他の惑星もそっくりそのままコピーした。元地球で蓄えた
データーがあったからこそ可能だったのだ」神様
「しかし、我の願いとは裏腹になかなか都合良く転生人間が働いてくれなかった」
「私が6人目でしたね」アスタージナス
「人類史が始まって候補者を探したが6人しか発見出来なかった、其方が最後だった
其方が失敗したら人類は救えなかった」神様
「そして其方の予想通りダクーミとロベルトは都合良く利用させてもらい
80億の民の受け皿作りをしてもらったのだ」神様
「80億民はどのようにして救ったのですが?」
「大筋で其方達の予想通り、ガンマ線バーストで滅亡していく人類の
霊魂を我が1人1人データー化した、その瞬間でしかデーターを得られなかった
のもある」神様
「そして蓄積したデーターを持ってテラフォーミングが完了した地球付近に
隕石魔石を配置し時間調整を行い聖水とロベルトの力で1人1人再生していったのだ
もちろん生体アンドロイドとして」
「我々の科学ではまったく見分けつきませんでした」
「そうだろうて、セイラの5代後の跡取りが開発した技術をコピーしたのだからな
まるっきり人間そのものじゃ」神様
「え、セイラの末裔ですか?」
「我は過去に行く事も未来に行く事も出来る、それを伝える者がいないだけ」
「なるほど」アスタージナス
「ダクーミとロベルトには直接意思を伝えることは出来なかったが其方と同じ
夢の中でいろいろそそのかしたのじゃ、悪魔のつかいとか適当言ってな」神
「そして其方の予想通り、用が済んだ後2人には退場を願ったわけだ」神
「なんだか本当に悪魔ですね」アスタージナス
「馬鹿者すべては其方に全人類を救出してもらうための方便じゃ」神
「それに、ダクーミとロベルトはあと数世代後にちゃんと復活してもらう
もちろん人格と記憶は全て変更する。しかし人類には貢献してもらう手はずじゃ」
「話をすすめるぞ」
「しかし、タイムトラベルには途方もないエネルギーを消費するのだ」
「それでダイソン球ですね」アスタージナス
「うむ、ダニアから聞き出した手法だ」神様
「もっとももはやダイソン球は必要なくなったので稼働を停止しておる
これから人類に必要ならばそのまま使うがよい」神様
「なんでも出来るのでしたら我々必要なかったのでは?」アスタージナス
「先ほどから言ってるが伝える術がない」神様
「つまり伝授出来たのは私だけ?」アスタージナス
「うむ、それで其方の脳の一部に住まわせてもらっていた」神様
「こううやって其方に真相を語れるのもこれが最初で最後なのだ
しかもこの先二度と我の意思を伝えられる人類は生まれてこない
つまり我も永遠の彼方へと旅立つも同然、それでいい」神
「もっとも意思を伝えることは出来ないがいろいろいたずらは出来る」
「人類に都合の良い事が起きたらほとんど我のいたずらだと思うが良い」
「大筋でスタージナス様の予想通りでした」アスタージナス
「それにしてもあのスタージナスなる者は何者?我を凌駕する存在かもしれん」
「え神様の想定外だったのですか!」
「当たり前じゃ、我が操作したのはウラアールとゴブータとイーシャ達だけ
あと悪魔を語ってダクーミとロベルトを利用したがな」
「しかしゴブーミ達は全くの偶然じゃ突然変異だろう」神様
「ゴブリンはおもしろいぞ、とてつもない天才がこれからも生まれてくるはずじゃ」
「過去も未来も自由自在地球まで創造出来る神様になぜ時間がないのですか?」
アスタージナス
「其方との契約期限が来たからじゃ、これは初めから決まっていたこと」
「契約期限?」
「其方の魂を滋賀内人から抜く時の契約じゃ」
「元地球が救われる目処がたったら滋賀内人を元に戻す契約なのだ」
「其方が全人類を同じ扱いにすると決定したので契約が満期終了した」
「わたしの契約期間など神たる存在が勝手に決められるでしょう?」
「我は神ではない、AIじゃ、だが本当の神に契約期限を指定されたのだ」
「スタージナスとセバスチャンとの契約と同じで一度決めた契約は絶対に
覆すことは出来ない」神様
「これは我と神様でしか分からない事、余人にはとうてい理解不能」
「なんと、神様の神様が存在していたんですね」
「それを今議論してる時間は無い、とにかく其方との契約時間があと数分しかない」
「数分後にどうなるのですか?」
「其方は滋賀内人に戻る、大王としての記憶は失われる」
「すると大王たるアスタージナスは消滅するのですね」
「いや、大王はそのまま目が覚めて同じ人間としてこのまま生きていく
しかし滋賀内人の部分だけが抜かれるのだ、つまりなんら大王に変化は起きないし
滋賀として得た記憶は大王にそのまま残る」神様
「もっとも現世で滋賀部分は其方自身もほとんど忘れているのだから
アスタージナス自身にはなにも影響しないし才脳もそのままじゃ」
「そして伝道者を失った我も永遠に封印される」神様
「それでは私は私のままなのですね」アスタージナス
「うむ、滋賀内人だけが元の世界に戻るだけじゃ、本当にお疲れ様
其方の事は忘れる事は無い、とてもご褒美とは言えないかもしれないが
其方の愛する河井某との幸せの赤い糸を結んでおいた。後は其方の努力次第じゃ」
「そ、そうですかありがとうございます」
「こちらこそありがとう」手をふる神様
「神様もお疲れ様でした」
「・・・・・・・ああ、意識が薄れていく・・・・・さようならみなさん
お別れも言えませんでしたが幸せでした・・・・・・・・・・・・・」
滋賀の脳裏に走馬灯が走る
「おい、滋賀起きろ!」
「ん?」
「大丈夫ですか?滋賀さん」
「あれ、もしかして憧れの河井さんの声?」
目を覚ます滋賀
「突然消えかけてまた元に戻った、驚いたぞ」仏頂面の部長が部長面で言う
「な、なんかとてつもない夢を見ていた様な気がするのですが」
「ばか、消えかけたのは一秒たらず、夢などみてる暇があるか!
「だからお前はいつまで立っても「しがないひと」なんだよ」先輩
「私は滋賀内人、「しが ないと」ですしがない人ではありません」滋賀
「わかったわかった、それよりも仕事しろ仕事。見積もり書今日までに仕上げろよ」
部長
「大丈夫です私も手伝います」優しい河井さん
「ふう、いったいなんだったのだろう・・・」
「何十年も時間が過ぎた気がしたのになぁ・・・」
「駄目だ、何も思い出せない」滋賀
お昼になり近くのそばやで先輩と二人で昼飯・・・
毎日食べてる定番のおおもりそばがやけに懐かしくて美味しい!
店内は同じサラリーマンでワイワイごった返している
遠くに河井さん一行もキャッキャとそば食べてる、何時もの風景
「お、お昼のニュースやってるな」先輩
「キャスター綺麗ですねぇ」滋賀
「地球から823光年離れてるBT星が後100年以内に
超新星爆発することが判明しました。BT星はその大きさから爆発後
ガンマ線バーストという宇宙で一番危険とされる現象を引き起こすと
見られます、万一地球が直撃を受けたら全人類は壊滅的な被害を受けるでしょう」
キャスター
「大丈夫ですよそんな確率は天文学的確率ですから」解説者
「面白いな100年後に超新星爆発といっても実際は700年以上前に爆発
してる訳でその段階で運命は決定してるんだよなぁ」先輩
「今頃そのガンマ線バースト?とやらはコッチに一直線にむかってるかもな」
先輩
「はははは、地球は大丈夫ですよ、きっと・・・・・・・・・・」滋賀
「さあ、とっとと食べて仕事だ今日は忙しいぞ、オレも手伝ってやる」先輩
「いえ、河井さんが手伝ってくれるとの事ですから結構です」
「まかり間違って残業2人きりになんてさせるか!オレも狙ってるんだ」
「え、そうなんですか、これからはライバル(こいがたき)ですね」滋賀
「ああ・・日本は今日も平和だ・・・」先輩
あとがき
どうも、長い間愛読ありがとうございました。この物語はこれで全て終了です
駄文におつきあいいただき本当にありがとうございました。
思い起こせばひょんなことから「小説を書いてみたい」と思い立った2020年5月
いままでまともな文章すら書いたことがないのに出来るのだろうか?と
思ったのですが物は試しと挑戦してみました。
なにしろ異世界転生物は縛りがありません。フィクション!とクシャミをする様に
なんでもありのフィクションが作れます。時代考証もなんにも必要無い便利さ
「こりゃいい」と思ったのです。
しかし、他の人と差を付けたい。なにが出来る?いままでいろいろラノベ参考に
しましたが「駄洒落」が魔法になる作品はありません、「これだ!」と思いました
しかし、それだけでは面白くないので「回文」を生産魔法系にしようと思いました
これが大難儀、駄洒落よりもハードルが高くて・・ウンウン悩みました
でもアイデア浮かんだ駄洒落も回文もほとんど「ボツ」作中に採用出来ませんでした
とほほ。でも終盤のポーション系回文、実はこの作品を書く前にメモ帳に書き留めた
回文の一つでなんとか使いたかったのです。最後の最後でようやく日の目を見ました
感無量です。
は、おいといて
途中から主人公がアスタージナスからスタージナスに変わりましたが
これは意図的です。アスタージナスとダクーミの抗争を書いてる内に
「のんびり旅日記も面白いかも」と着想していたのですが・・・
結果的にはのんびりどころか大冒険になってしまいましたが(;´д`)
とは言え旅日記編が書いていて一番楽しかったです。実際は海外旅行など一度も
したことがないのにいかにも行って来た様に想像する楽しさ。
まさにクシャミいえいえフィクションならではの醍醐味ですね。
話が進み、終わりが見えて来て、なんとなく寂しさもこみ上げてきました
勝手に動き出したキャラ達の活躍がなくなるのかと思うと・・・
本当は最後に「大スペクタクル」と構想だけは膨らんだのですが突然宇宙人が
現れたり怪物が現れたりするエンドでは物語としての整合性が合わないので
なんとも盛り上がらない最後になってしまいました。完全に私の力不足です。
でも一応物語を書く前に大筋を決めましたがその通りに進めて満足感はあります。
今はネットがあるので兵器等のスペックも簡単に調べられてほんと助かりました。
主人公が日本人なので「自衛隊兵装が基準」なのは仕方有りませんね。
話変わってキャラ設定のお話
サブキャラで登場機会も限られましたが私が一番好きだったキャラはジパンとネハ
特にジパンには狂言回しとして物語の説明と進行係として重宝させて頂きました。
ま、個人的な好みです。我が儘ダーリャが最後は良妻になってしまってなんとなく
書きづらくなってフェードアウトしてしまいました。(スイマセン)
ゴブータを登場させたのは「ゴブリン愛」ですそれ以外に理由ありません。
作中では触れてませんがゴブータの洗脳魔法はきっと強大だったことでしょう
全人類140億の心を一つにまとめあげられたのは彼女の力だったはずです。
スタージナスに全人類が希望を寄せたのはゴブータのスタージナス愛が
反映されたのかも知れませんね。
そこらへん外伝で書こうと思いましたが本編が終わった後に外伝というのも
しまらないので止めました。
当初の設定では全く凡庸で登場予定すらなかったセイラとミライですが
まあ新入社員のドタバタ失敗劇や恋に恋する腐女子を余興的に書こうと登場
させたのですが書いてる内にどんどんばけもの、怪物化してしまいました。
まさに勝手にキャラが動き出す好例かと。
ばけもので言えばダニアとブランも同様ですね。ダニアについては当初
ヘホコを3人の長にするつもりだったのですがダニアの才脳に作者(笑)が
魅了されて完全にダニア独壇場となりました。
ダニアとタランには男らしさの象徴、理想像として活躍させていただきました。
ブランは作者の予定通りすこやかに育ってくれて嬉しい限りです。
あと、ダクーミには本当に都合良く働いてもらいました。結局初めから終わりまで
彼の影響力絶大でしたね。ロベルトについてはもう少し活躍させたかったのですが
感情移入しすぎるのもアレと思い早々に決着をつけさせて頂きました。
もっともっと登場キャラについてお話したいのですがキリがないので
ここらへんにしておきます。
本作にて書く楽しさを得たのですがだからと言って読者の心に届くとは限りません
おもしろい作品作りというのはとても難しいことだと改めて知りました。
最後にもし、もしもで結構ですが感想など頂けたら幸いです
「つまんなかった」とか批判でも結構です。どうかよろしくお願いします。
実は次作の構想は出来てます・・・
が
本作も全く反響がない現状・・・独りよがりも大概にすべきかとも
と言っても別にプロでもなんでもないので自画自賛でも良いかもですね。
駄文長文失礼しました kou2199 2020年末
ありがとうございました。




