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それって異世界転生とちゃうちゃう!  作者: kou2199
最終章 そして
150/179

冷凍解除

回収カプセルの解凍が始まります

朝が来た


いつもの通り「おはようございま~す」イーシャの元気な声

「其方達はブレないし変わらないなぁ」スタージナス


「さって朝食後はなにをするのでしょう?」アスタージナス


「今日一日をつかってダレス艦隊との連携をシュミレートします」チェリオット

「操艦にも大分なれたのでそろそろ実践練習の時期では無いのか?」


「まだ本船が完成してません、あと一月は最低かかります」セイラ

「訓練はつまらんなぁ」スタージナス


「なにをいいますか訓練が一番重要、生死の境は訓練で決まるのです」ビヨン

「ビヨンの言う通りです、つまるつまらないではありませんこれは人類の

明日が掛かってるのです、嫌なら下船して地球に帰っていただいて結構です」

アスタージナス


「スマン、我はどうも飽きっぽい性格、許されよ」スタージナス


「MS研究所から報告が来ました」伝令


「なにごとでしょう?」アスタージナス

「は、せんだっての冬眠解除装置が完成したそうです」伝令


「どうする?立ち会うか?」スタージナス


「そうですね、重要な証言が得られるかも知れません一旦訓練は休止して

そちらに行きましょう」アスタージナス


と言ってもシュミレーターのドアを開けて隣の部屋に行くだけ(^^)

「なんか長く訓練していたから研究所の中にいたという実感が無くなってたな」

タラン


「なんだか大航海の時と同じで部屋が揺れてるような錯覚ですね」イーシャ

「同じじゃ、岡酔いってやつだな、人間の感覚という奴は・・」スタージナス


「駄目です気分が悪くて・・今日は一日休養が必要です」ジパン

「まさかこんな状態になるとは思ってもませんでした」セイラも酔ってる

「これは研究課題になるな」ダニア


「重力スタビライザーが作動していたはずなのになんでだ?」ブランも不思議がる


「だって我々全員こんなに長く宇宙船の中にいた経験がありませんから」

ウラアール


「逆に言えばそれだけシュミレーターが優秀ということか」スタージナス

「これは想定外でした・・・うううう」ついに嘔吐を繰り返すミライ


「宇宙酔いを冷ますための装置製作が急務じゃな」タラン


「これはいけません、全員即入院が必要です」医師


思いのほか全員の症状は重く回復に3日も要してしまった


「我々アンドロイドにも宇宙酔いの感覚が来ました、貴重なデーターです」

エイムズ


「揺れも加速感も感じなかったのになぜ酔ってしまったのか?」ダニア


「とにかく作戦開始前に経験出来たことは貴重な経験です」ブラン


「さすが研究者、なにごとも前向きな発想じゃな」スタージナス


「AI分析で原因をつきとめました」エイムズ


「おおっ早いな」ジパン


「スタビライザーで相殺した重力と目で見えるモニター画面との動きが

脳神経を狂わせたみたいです」ビヨン

「宇宙船を下りた瞬間に一致したので脳神経が「酔い」を起こしたみたいです」

エイムズ


「対策方法はあるのか?」タラン


「支障を来さない程度の揺れと加速感をわざと演出したほうが人間の

脳には優しいと判明しました。」チェリオット


「なるほど、それなら簡単に調整出来る」ブラン


「小窓があったほうがいいという理屈と同じじゃな」スタージナス

「まだ我々の研究所は「人間工学」の研究が足りてない様です」セイラ


「しかし軍人の訓練は優秀という事だな、兵隊が宇宙酔いしたという報告は

一切無いな・・」スタージナス


「はい、専門の訓練を何年も積むのは伊達ではありませんね」イーシャ

「しかし軍の最高司令官たる其方が我々と同じではしめしつかんぞ!」

スタージナス


「申し訳ありません、返す言葉がありません、今後は定期的に訓練します」

イーシャ


「いや、我々も政治の中核として国民の模範たるべき、この体たらくは

慢心と言われても仕方有りません。我々全員の課題です」アスタージナス


「御意、」一同


「うむ、軍艦に乗ってなかったからでは済まない話、我々は常日頃から

あらゆる事態に備えてなければならん、いつ非常事態が起きるか分からないのだ

今回はとてもよい教訓となったな」スタージナス


「はい、月に一度位は軍の訓令を受ける様にしましょう」全員

「それでは気を引き締めて次の課題に取り組みましょう」アスタージナス


遅れてしまったがようやく人工冬眠解除の場に立ち会う全員


「それではボタン押して下さい」タラン


「責任を押しつけるのだな」スタージナス

「滅相もございません、すでにMSシュミレーターで数万回テスト済

万が一の失敗もありません」セイラ


「まあ、いい・・・ポチ」


「シュシュシュシュ」装置が作動し徐々になめらかに解凍を始める


「ナノポーション投与開始!」


「このタイミングの調整が一番大変でした」セイラ


「解凍始まります」研究員

「念の為通常の1/100の速度で解凍します、実検が成功したら

徐々に早めていきます」ミライ


「おおおっだんだん氷が溶けていく・・しかし縮小されてるぞ?」スタージナス


「はい、完全解凍後に縮小を解除したほうが効率がいいのです」セイラ


「あと2分ほど時間かかります」ミライ


「シュシュシュ・・・・」


「どうやら男女と子供のようだな」ジパン

「衣服の用意を、そして蘇生後は念の為集中治療室に隔離しますので

その準備もお願いします」セイラ


勿論大王以下全員無菌室の外で窓越しに見学してる

医療班は全て高性能医療アンドロイド達


「ナノポーションからのデーター来ました」研究員


「検体A(成年男性)DNA損傷度18%・・・このまま蘇生した場合の

生存率は0%」です」研究員


「検体B(成年女性)損傷度25%・・同じく生存率0%

「検体C(未成年女性)損傷度70%蘇生不可能です」


「助からんのか?」スタージナス


「まだです」セイラ


「続けてナノポーション二回目投与」

「非常事態ですまだ開発中ですがハイパーナノポーションに切り替えて下さい」」

ミライ


「リスクが高いのでは無いのか?」スタージナス


「今、このタイミングで投与しなければ可能性は0です、一刻の猶予もありません

責任は私がとります。許可お願いします」ミライ


「お願いします親子3人救って下さい」アスタージナス


「ハイパーナノポーション投与!」


「おおっ損傷箇所が自己修復していきます・・・」研究員

「これは魔法かなにかか?」タラン


「本人のDNAを修復再生してるだけです、魔法でもなんでもありません」セイラ


「しかし失ってしまったDNAを修復再生と言っても無いものをどうやって?」

スタージナス


「全人類140億人分のDNAデーターが全て蓄積されてます。そこから

AIが判断して破損部分を予想して補完補修しているのです」ミライ


「すごいな・・・」ジパン


「検体A修復率98%、B96%、C93%・・・」


「検体Cには障害が残るかもしれませんが、これ以上の修復は今の技術では

不可能です、あとは補正具で障害を補います」ミライ


「おお、助かるのか?」スタージナス


全員溢れる涙を堪えきれない・・


「事情聴取は体力が回復してからにしましょう、今は回復が第一」ブラン

「命とは尊いものだな・・」感極まるスタージナス


「残念ですが多分意識が戻っても記憶障害が生じてると思います」ダニア


「うむ、それはかまわない、あと20億人もいるのだいずれなにかが

わかるだろう。」スタージナス


「申し訳ありません、やはりシュミレートよりも現実は過酷でした反省してます」

セイラ


「なにを言うのですか貴方達は尊い命を救ったのです、もっと胸を張って下さい」

アスタージナス


「今回の件で色々学べました、きっと今後の役に立つと思います」ブラン

「うむ、シロウトの我が言うのもなんだが解凍前にDNA損傷率を検査出来れば

もっと余裕をもっって治療出来ると感じたが、いかがか?」スタージナス


「は、仰る通りです、まさかあそこまで損傷率が高いとは思ってもませんでした」

ミライ


「しかし、損傷率70%を救えるなんて奇跡そのものだな」タラン

「助かりはしましたが別人になってるかもしれません」ミライ


「しかたあるまい、命だけでも救えたのだ」スタージナス

「カプセルに当人のデーターとかなにかが残ってないか調べてみます」ダニア

「うむ、もしかしたらチップとかが保存されてるかもしれんな」スタージナス




      ☆




数日後


「カプセルの詳細が分かりました」エイムズ

「冷凍液を全て取り除いて内部を徹底的に調べました」ビヨン


「で、なにか手がかりあったか?」ダニア

「は、物理データーというかプレートが貼り付けてあって放射線測定法で

今から2万年前前後にカプセルは元地球から放出されたとみられます」ビヨン


「電源関係は全て消失してました。チップデータ-も全て損傷してました」


「つまり、冬眠カプセルというよりも「化石」に近い状態だったと?」ブラン

「化石というか氷塊ですね」チェリオット

「衣服等に付着してた微生物類も全て損傷してました」エイムズ


「それにしてもそんな氷から良く蘇生にまで行き着いた物じゃ」スタージナス

「MSがいなければ絶対不可能だったかと」ダニア


「しかし、これで分かったのは損傷度測定器がなければ蘇生は危険過ぎて

当面中止ということです」ブラン


「損傷度が判明しても損傷度30%以上の検体はリスクが多き過ぎるので

救助は後回し、つまり研究が進んでからにしたほうが安全でしょう」ダニア


「見込みはどうなのですか」アスタージナス


「はい、今回の初実検では見た目程度の良さそうなカプセルを選んだのに

危険な域でしたので多分初期に救助出来る民は10%以下でしょう」ダニア


「あわてる事はない安全に行くべきじゃ」スタージナス


「で、救助出来たとしてその後はどうしますか?」ダニア


「元地球の探査が全く手つかずの状態、民達の処遇はそれからだろう」

スタージナス


「ではとりあえず拠点付近にコロニーを建設してそこに仮住居してもらい

ましょう、リハビリも必要でしょうし」ダニア


「不謹慎であるが政治的見知で言うと元地球に民がいた場合の「人質」だな」

スタージナス


「確かに有効な交渉カードになりますね、無粋ですけど」ウラアール

「あらゆる事態を想定しなくてはなりません、やむを得ないことでしょう」

アスタージナス


「20億の民となると最低でもコロニーが100程必要ですが大丈夫ですか?」

アスタージナス


「勿論「つけ」はコクレンに回しますので大丈夫です」ダニア


「こやつ、さんざん儲けておきながらシャアシャアとぬかしおるわ」

スタージナス


「民救出の前にコロニーを最低10程急造します」ダニア


「何日かかりますか?」ウラアール


「資源も全てそろってるので一月もあれば量産型なら可能です」ダニア

「しかし農業、畜産、養殖コロニーも必要です」アスタージナス

「とりあえず備蓄分がかなりありますので大丈夫でしょう」ブラン


「それとは別に医療専用コロニーも必要ですね」ダニア

「はい、⒉千万ベットぐらは必要でしょう」アスタージナス

「途方もない予算がかかりますね」ウラアール


「ケチケチするでない、投資だと思えばやすいものだ!」スタージナス

「大変ですねと言っただけで駄目とは言ってませんから誤解無く」ウラアール


「救助した親子3人が面会を求めてます」伝令


「よし、全員で見舞いに行こう」スタージナス




「この度は親子3人の命をお救いいただき感謝の念に堪えません」

深々と頭を下げる父親。


「いえ、とにかく助かってくれてホッとしました」アスタージナス


「我々はどのくらい寝ていたのでしょう?」母親


「そうですね大体2万年位です」ダニア

「えええ、そんなに・・・」父親


「よかったら経緯を話して頂けませんか?」スタージナス


「残念ながら我らが親子なのは分かりますがほとんどの記憶がありません」


「仕方がありません、損傷度が皆さん多き過ぎましたので」セイラ

「なにか皆あわてて逃げ回ったのは覚えています」母親

「チーちゃんどうしたの?」娘

「お友達?」イーシャが尋ねる


「ううん、飼っていた猫ちゃん」娘


「残念ながら損傷度100%で救えませんでした」ダニアがイーシャに

思念通信で伝える


「ごめんね、チーちゃんは遠い世界に旅立ってしまったの」イーシャ


「とにかく我々はこれからどうすればいいのでしょうか?」父親


「そうですね当分入院いただき療養していただきます。一ヶ月を目処に・・

その後は失った機能回復のリハビリです、数年かかるかもしれません」ブラン


「特に・・申しにくいのですが娘さんの治療には時間がかかります」セイラ

「しかし、我々には医療費を払えませんが?」父親


「そんな心配は無用です、早く治す事に専念してください。」ミライ

「また、なにか思い出しましたらお伝えください」アスタージナス

「本当にありがとうございました、この恩返しは必ず致します」母親

「お大事にどうぞ」




「予想通り記憶障害でなにも分からなかったな」スタージナス

「逆にその方が新しい環境に適応しやすいかもしれません」アスタージナス

「其方は慈悲深いな・・」タラン


「とにかく分かったのは我々と元地球は全く同じ人類と言う事です」

アスタージナス


「はい、染色体やDNAその他全てが100%一致しました」セイラ


「であれば我々の使命は全人類の救出、そのためにここに来たのでしょう」

アスタージナス


「うむ、我もそう思う」スタージナス

「これは長期戦ですね」タラン


「うむ、元地球をはやく探査したいがその前にやることが山積みじゃな」

スタージナス


「作戦変更しカプセル回収任務が最優先とダレス艦隊に命令します。」

アスタージナス


「はい、カプセル吸着魔石コアを全艦隊で放出する任務ですね」イーシャ

「はい、アナハイム社に開発を急がせてとにかく100光年範囲での

カプセル回収が急務です」アスタージナス


「AIの予測では回収率90%に⒉年95%に10年と判定されました」

エイムズ


「いえ、思念レーダー併用型魔石コアを使えば効率的かつ時間短縮出来ます」

セイラ


「あと1週間ほどで新型船完成しますがどうしますか?」ブラン


「どうする大王?」スタージナス


「これは高度な政治的決断が必要ですね」アスタージナス

「全責任者の其方が決めなければならんのだ」スタージナス


「それでは一月後に元地球から1光年離れた場所に移動し思念レーダで

出来る限りの情報を収集しましょう、その後はデーター次第ということで」

アスタージナス


「はは、」全員が傅く


懸念材料は益々増えたが前進しなければなにも解決出来ない。


「では、その間に船の改良グレードアップと思念レーダーの精度を上げます」

セイラ


「うむ、我々は再びシュミレート訓練を行う、頼んだぞ」スタージナス


「はあ・・・またあのシュミレーターにお籠もりですかぁ」ジパン


「本当に其方は飽きっぽいな」しかるスタージナス


「あれ、先日はスタージナス様が・・・」ウラアール

「ごほん、もう忘れた、記憶障害じゃ」スタージナス


「はいはい、都合の悪い事は忘れる記憶障害ですね」ウラアール

「く、其方は親の我をなんだと思ってるのか!」

「はい、宇宙一ご立派なお父様だと思ってます」ウラアール


「ぐ、」言い返せないスタージナス

一同大爆笑


「ウラアール、その役目は夫である我の仕事じゃ」ジパン

「あら、夫婦ですもの、どっちがやっても同じですわ」ウラアール


「こらこら我を利用しておのろけるのではない!皆の迷惑じゃ」スタージナス

なぞはまだまだ解明されません。

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