15300光年の彼方
彼方からの手紙~♪(もちろん洒落です)
「無事なにごともなく⒉万光年エンジンは機能しました」ブラン
「うむ、予定通り元太陽系から100光年の距離についたな」スタージナス
「それではセイラ、ゲートを頼む」スタージナス
「は、最初は通信と無人機での補給物資の搬送を行います」セイラ
「聞こえますか?」アスタージナスが通常無線で通信してきた
「うむ、聞こえるぞ、実検は成功じゃ」スタージナス
「続けて無人補給機到着しました」ミライ
「予定通りここに拠点コロニーを築くぞ」ダニア
「ダレス艦隊到着です」セイラ
「ダレス、すまぬが1000光年艦隊で至急にGBS(ガンマ線バーストセンサー)
各方面への設置を頼む」スタージナス
「は、直ちにGBS3000機設置任務、開始します」ダレス
「くれぐれもステルス活動頼むぞ、いざこざ起こすなよ」スタージナス
「はい、何かを察知したら直ちにワープして避難します」ダレス
ダレス艦隊は忙しく任務に散っていった
「さあ、こちらはこちらで忙しいですよ」アスタージナス
バタバタと自照型コロニーの建設が進む、宇宙空間に巨大な3Dプリンターが
設置され目の前に風船でも膨らますごとくに巨大なコロニーが出来上がっていく
「今回のコロニーは不可視化万全だろうな?」スタージナス
「は、完璧です。特殊な眼鏡を付けないと絶対に見えません」ブラン
「磁場も重力場も全て感知不能なのだな?」スタージナス
「はい、高度なデジタル解析装置を使っても絶対に発見されません」ダニア
「敵性物体が接近してもぶつからないのだな?」
「御意、早期警戒システムが発動して瞬間的にこちらが待避します」ブラン
「またブランの発明か?」スタージナス
「いえいえスタージナス様ご自慢の御孫様MSコンビの発案です」ブラン
「おおおおっそうか、これは後で商品になるな」
「勿論我が社は全てが営利目的、儲からない物は作りません」ダニア
「さ、コロニーの外殻が完成しました内装はまだですが一応中に入れます
入りましょう」ブラン
「うむ、とりあえずダレス達が帰還するまではここで待機じゃな」スタージナス
「こっこれはいつぞやの実検コロニーと同じではないか」スタージナス
「まるごとコピーなので時間とコストを大幅低減できました」ダニア
「人工太陽設置完了、コロニー自転します」ブラン
「お、明るくなったな」
「一旦下船しましょう、お昼ご飯の時間です」ダニア
「よく見ると建物が多いな」スタージナス
「はい、ダレス艦隊は総勢⒉万の大部隊です兵員宿舎が必要ですから」ブラン
「今回は我が社の研究員も⒉万、アンドロイド⒉万も同行してますので」ダニア
「なんか、覚悟を決めて臨んだのに拍子抜け感あるな・・」
「何をいいますか、あくまでも拠点を作っただけ、この先は何があるか
わかりません、油断召されるな」ウラアール
「今回は相手がいるかもしれないし相手の科学力もわかりません、油断したら
なにも感じる事無く全滅なんて事態もあり得ますよ」アスタージナス
「うむ、そうであったな、すまん」スタージナス
「100光年レーダー設置完了、起動します」セイラ
「我々は呑気に飯食ってるのにセイラ達は大忙し、バチがあたりそうじゃ」
スタージナス
「はあーあ、終わった!お腹すいた~おじいちゃん今日はお昼な~に?」セイラ
「すこし砕けすぎじゃ!」スタージナス
「MSは軍人ではありません民間人ですかへりくだる必要はありませんよ」
甘やかすアスタージナス
食事するテーブルの上に10mのシャンデリアみたいに吊り下げられてるが
新型の100光年レーダー。ビジュアルに訴えてるが実際の運用は全て
AIによる完全自動運転、人間が監視した所でへのつっかえにもならない
「なんか素敵なシャンデリアって感じね」イーシャ
「ま、実際は投影機で3Dビジュアル化されてるのでどこへでも移動可能です
「残念ながら100光年先の元地球は範囲外でまだ探知出来ませんけどね」
ブラン
「そっかレーダーの測定範囲は50光年なんだな、直径で100光年だが
中心が本コロニーだから実際は感知出来るのは50光年ってことか」スタージナス
「今の我々の限界です、残念です」ブラン
「いやいや50光年先までリアルタイムで検知出来るのはとてつもないこと
相手がこちらに気がついても通常エンジンならいくら頑張っても50年かかる
とんでもない距離だよ」スタージナス
「実際は相手がこちらに気がつくのは後50年後ですけどね」ダニア
「とんでもないな」ジパン
「いえ、私の作ったステルスは50年後でも感知されません」キッパリ、セイラ
「わかったわかった」スタージナス
「ダレスはいつもどってくるのだ?」
「は、あと2日位かと」オペレーター、アンドロイド
「で、次はどうするのだったっけな」スタージナス
「は、付近の安全を確認した上で元地球に10光年まで近づきます」ブラン
「10光年というと近くに感じるが元地球から一番近い星が4.5光年だからな」
スタージナス
「は、どんなに科学力が進んでいても時空エンジンが無ければ途方もない
距離なのは確かです」ブラン
「そこに前線基地を設置していよいよ本格的な元地球の調査だな」スタージナス
「御意、ほとんどの事が判明するはずです」ダニア
「100光年レーダーの解析終わりましたが敵性物質は見つかってません
範囲内に恒星は7、比較的密集度が高いです・・・ですが」
「なにか発見したか?」
「予想以上に直径10Kmクラスの小惑星が多いです、資源量半端有りません」
「生命反応は?」
「皆無でした」アンドロイド
「特殊フィルターによる偏光測定で調査したところ聖水分布量半端有りません」
「全ての宇宙空間で密度の差はあっても必ず聖水はあるな」スタージナス
「本コロニーで使う分の採取のため短距離聖水吸着魔石コア射出しました」伝令
「ダレス指令が散布中のGBSの信号順調に増加中」アンドロイド
「思念通信機の性能が飛躍的にUPしたので今回からGBSの解析能力は
地球用の10倍以上です、ガンマ線バースト以外の情報も集められます。」セイラ
「32光年先の恒星の第4惑星に生命反応あり!」伝令
「なに?知的生命体か?」スタージナス
「残念ながら原始生命クラスです知的生命の可能性はゼロ」伝令
「どうする?調査してみるか?」スタージナス
「いえ、研究課題にはなりますが今は元地球の方が重要です」アスタージナス
「しかし、恒星間移動計画発動後初めての生命体発見です、いずれは詳しく
調査しましょう」ダニア
「ここの基地は恒久的に研究所として残しますので存分にどうぞ」ウラアール
「地球から移民、志願兵の申し込みが殺到しています、いかが致しますか?」伝令
「あらたなるビジネスチャンスと捉えている民が多いのでしょう」イーシャ
「解析研究員が不足してます、受け入れます、しかし審査は厳格に願います」
アスタージナス
「それが最大級の厳格さで選考テストすでに行っていますが3万人ほど合格してます」
ゴブータ
「拒む理由はありません、受け入れます」
「民間企業からの優秀研究者の志願も殺到してます」伝令
「基準を満たしてるのなら拒む理由はありません、というか大歓迎です」
「一般の移民もある程度受け入れないと経済がまわりませんね」ウラアール
元々2千万人が生活出来るコロニー、20万規模になってしまったが全く問題無い
というかスカスカは変わらない、生産区での自動食料供給システムは過剰生産を
続けてる、備蓄量が数十年分になって輸出も考える時期にきてる
「火星王のワンが考案したシステムにより農作物の収穫効率が飛躍的に伸びて
食料供給過剰に拍車がかかってしまってます」ダニア
「いや、今はとにかく備蓄お願いします、万一元地球人がいたとしてどのような
食料環境なのかわかりません。もしかして数百億の民が増えるかもしれないのです」
アスタージナス
「おおおおっさすがは「いちひゃく」大王!」ブラン
「なんですかその「いちひゃく」って?」アスタージナス
「「1を聞いて100を知る」の略です、大王しかその称号では呼びません」
ダニア
「勝手にあだ名止めて欲しいですわ」苦笑いのアスタージナス
「そっか、そのために火星で大規模農園システムをやらせていたのか・・・」
感心するジパン
「馬鹿者、大王は我々の10手20手先を読んでるんだ、それぐらい当たり前じゃ」
なぜか鼻高々のスタージナス
「いえ、この先人類が宇宙に進出していけば必ず食料問題に直面しますから」
アスタージナス
「うむ、我々は今で精一杯なのに大王はその先を正確に見据えてるな」スタージナス
「それにしてもダレスの帰還が少し遅いな」タラン
「少しGBS設置に時間が掛かってるそうです」アンドロイド
三日で終えると出かけたダレスだったが帰還したのは1週間後だった
「どうした?おそかったな」スタージナス
「それが・・・帰還後にまとめて報告するべきと思い報告してませんでしたが・・」
「なにか異変か?」
「は、まずは大王とスタージナス様2人で見て下さい」案内される
「こっこれは?」驚く大王
「どうやら縮小体の様ですが我が人類の縮小方法とは違うみたいです」ダレス
「というかこれはカプセル?」アスタージナス
「このようなものが行く先々に多数発見されて念の為全て回収してきました」ダレス
「うむ、もし元地球人の縮小体なら見過ごせない、大殊勲であっった」スタージナス
「しかし余りにもの広い空間にありましたので現在も現地に艦隊を数隻残して
回収活動させています」ダレス
「これは避難カプセルかもしれません」アスタージナス
「どちらにしても迂闊に解除出来ません、ダニアとブランに頼みましょう」大王
「うむ、それが間違いないな」スタージナス
ダニアがすぐに駆けつけてきた
「おおおおっこれは素晴らしい、もし元地球人ならば我ら以外で初めての
知的生命体の発見です、大快挙でしょう」ダニア
「しかし、我々シロウトでは迂闊に触れない、調査頼む」スタージナス
「はい、万全な構えで調査しましょう。すぐに我が社の研究室に運びます」ダニア
「あー信用してない訳ではないがタランも同行するぞ」スタージナス
「はい、当然です、ここには20万人いるので全ての情報を公開するのは
危険ですがタラン様には全て包み隠さず見て頂きます」ダニア
「スタージナス様、大王がお呼びです」アンドロイド
「うむ、多分・・同じ考えだろう」スタージナス
会議室に入るとそこには何時ものメンバー以外に誰もいないアンドロイドもいない
「ここはMS式会議室です、一切の情報は外部に漏れません」アスタージナス
「うむ、それほど重要な会議なんだな」
「時間がないので早速始めます」アスタージナス
「ダレスがカプセルを発見したポイントは元地球から約80~90光年の距離
でした」アスタージナス
「あの、カプセルはとても光速が出るエンジンは積んでいないな」スタージナス
「まだダレスの詳しい調査待ち状態ですが推定で元地球から1万5千年から2万年
旅してきた模様です」ウラアール
「カプセルから発せられた微弱信号を思念レーターにインプットしたところ
約20億以上発見されました」アスタージナス
「全部回収出来るのか?」スタージナス
「はい、資源回収魔石コアを改造して吸着するシステムを開発中です」セイラ
「つまり周辺に魔石コアを向かわせると勝手にカプセルが吸着してくれるのだな?」
スタージナス
「ひとつひとつ回収していたらとても回収不可能ですから」ミライ
「多分思念レーダー領域以外にも広く散布されてるはず、とりあえず今は
このカプセル回収に全力を尽くそうと思うのですが?」アスタージナス
「それも勿論大事だが元地球の状態確認も大事だと思うが?」スタージナス
「当然です、しかしダレスに回収任務を任せるので警護能力がとても足りません」
「どうする?」スタージナス
「危険を承知で少数で出かけるか、増援を待つか、回収完了後に行うか」
ウラアール
「消去法で考えよう、増援は期待できるのですか?」ジパン
「出来ない事は無いですが地球の警備が手薄になります」イーシャ
「いや、それは無理だろう現状でも相当無理してる」スタージナス
「ここである程度生産出来ませんか、資源と人員は問題無いかと」セイラ
「うむ、その手は有効だが数ヶ月は作戦開始が遅れるぞ」スタージナス
「やはり防衛は大事です、その手が最善でしょう」アスタージナス
「回収作業はどのくらいかかるのだ?」スタージナス
「今ダレス艦隊が総出で行っていますがレーダーの範囲内ですら
数十年以上かかります」ウラアール
「回収魔石コアの開発はあと数ヶ月、稼働して完了するには数年です」セイラ
「魔石コアが本格稼働するまでダレス艦隊は使えませんね」ジパン
「で、今から艦隊を増産するとして時間は?」スタージナス
「は、人員教育に数ヶ月、艦隊増援に数ヶ月です」ブラン
「わかりました、半年後に元地球探査任務発動しましょう」アスタージナス
「御意」一同
「一刻も早くカプセルの解除方法開発願います」アスタージナス
「は、数週間でなんとかなるでしょう」ダニア
☆
ここはダニアの専用研究室
「まずはカプセルの3Dデータ化だ」ダニア
「は、CT始めます」ブラン
「シュンシュンシュン」超音波スキャンが開始される
「解析完了」エイムズ
エイムズはダニアが作った私物アンドロイド、特製超高性能アンドロイド
すでに意識は存在してる模様、目が時折キラっと光る以外は人間と区別つかない
「内部にはなにやら特殊な液体が注入されていますが全て凍り付いてます」
ビヨン
ビヨンもエイムズと同じアンドロイド
「解除ボタンを押すと氷結が解除される模様ですがキチンと作動するか
時間が経ちすぎてるので検証しなくては危険です」チェリオット
チェリオットもアンドロイド
「うむ迂闊に急速解凍するとDNAが損傷する可能性があるな」ダニア
「液体の成分の分析は完了しました、初期の冬眠用剤でした」ビヨン
「なにかあわてて送り出したようにも見えますね」ブラン
「肉体に損傷を与えずに蘇生させるには我々が解凍装置を開発したほうが
安全です」エイムズ
「諸元、MS研究所に送りました」チェリオット
「うむ、その手の研究ならMSのほうが手っ取り早い」ブラン
「どうやらこのカプセルには3体封入されています、家族なのかもしれません」
「必ず救わねば、絶対に失敗は許されないぞ責任重大だ」ダニア
「MSからの所見が入りました」チェリオット
「うむ、繋げてくれ」ダニア
「今、簡単に調べてみましたが、ダニア様の判断は賢明でした」セイラ
「なにしろ原始的な冬眠ステムなので今の状態で解凍したら単なる肉片でした」
ミライ
「ったく二十歳前の乙女がドライすぎる判断だのう」ダニア
「このままでは単なる冷凍食品ですから」セイラ
「これ、倫理感のないことを言うでない」ダニア
「命は戻らないということなんだな」ブラン
「いえ、ナノレベルポーションを解凍直後に注入すれば破壊されたDNA情報を
かなりの確率で補修してくれるはず」ミライ
「いや、100%でなければ障害が残るのだろう?」ブラン
「例え障害が生じても今の医学ならなんなく補完出来ます、心配いりません」セイラ
「解凍前にデータを取り出してコピー人間は出来ないのか?」ブラン
「しかし、現行法では違法です」ミライ
「私の考えもオリジナルの蘇生をお奨めします」セイラ
「大王に報告して是非を問わねば我々だけではなんとも出来ない」ダニア
「なんということ・・・つまり満足な蘇生術も確立してなかったのに冷凍して
多くの民を宇宙空間に放り投げたと言う事ですか?」アスタージナス
「というかそれだけ事態がひっ迫していたのかも知れません」ダニア
「仮に、仮にガンマ線バーストが地球を滅ぼしたとして、到着までに人類が
なんらかの対策をすることは可能ですか?」アスタージナス
「うーん、時空航法が出来ない科学力ではガンマ線バーストを事前に探知する事は
ほぼ不可能なのですが・・」ブラン
「つまり観測した時にはすでに到達してるので一瞬で全滅しますからね」
アスタージナス
「ただし、人類が他惑星とかに移住していれば難を逃れた民の可能性もあります」
ダニア
「しかし、それならば緊急避難する必要はないですね」ウラアール
「地震予知とおなじで予兆を捉える事が出来れば数日ぐらいの猶予は得たかも
しれんな」スタージナス
「む、それかもしれません・・・このあわてようが物語ってます」ダニア
「ともかく上手く蘇生させて事情を聞けば分かるかもしれんな」スタージナス
「うーん、それは難しいかもしれません、ナノポーションで脳細胞を復活
できたとしても記憶障害を生じてる可能性が高そうです」セイラ
「やはり元地球にいって調査しなくては分からないか・・・」スタージナス
「しかし、いま討論してることは全て憶測です、全く違う事なのかもしれません」
アスタージナス
「いや、我もそうだがここにいる皆はなんというかある種の超能力者
誰1人として違和感を感じていない、憶測は多分当たってると感じる」
スタージナス
「確かに・・・不思議ですが私も同じ考えです」タラン
「む・・・」なぜか全員が納得してる
「元地球は滅んでいるのか・・・?」スタージナス
「・・・・・・」誰1人として否定できない
「行ってみなければわかりませんね」力なくアスタージナスがポジる
「滅んでいるにしても検証は必要だろう」スタージナス
「ガンマ線バースト感知しました」アンドロイド
「な、なに~」
「しかし最接近距離で100光年離れています無害です」アンドロイド
「いつでも危険性はあるという事実だな・・」スタージナス
「初めはブランの計画などお金の無駄遣いと勘違いしてました謝罪します」
ウラアール
「なにを仰いますか当初の計画など進めていたら人類はとっくに破産してました」
ブラン
「時間を遡れれば救えたかもしれないな」スタージナス
「そればかりは今の人類の科学では不可能です」ダニア
「しかし、神は・・・」アスタージナス
「うむ、なぜ精神だけでもタイムスリップ出来たのに危険を元地球に伝える
事が出来なかったのか・・・」スタージナス
「神の意志を伝える方法がなかったのでしょう」アスタージナス
「む?」ジパン
「私を含め神の啓示を受けた人間は数人しか存在してません」アスタージナス
「はい、私は受けました」イーシャとゴブータ
「つまり、神の意志を伝える人間を神自身が作ったか捜し当てたか」
「しかし、其方以外は前世の記憶はない」スタージナス
「私は多分元地球で唯一の伝道者、イーシャとゴブータは現世の伝道者」
アスタージナス
「しかしそうならばなぜその時点で其方に地球の危険を伝授しなかったのだ?]
「多分その段階の私には潜在能力はあっても実現出来る能力が足りてなかったの
ではないかと、つまり転生して魔法を使えなければ伝えても意味が無かったと
言う事でしょう」アスタージナス
「そ、そうか!わかったぞ」ジパン
「私は神の啓示でウラアールと出会ったのだ!」力を込めるジパン
「スマンジパン、今は道化の時間では無い、無視させてもらうぞ」スタージナス
「そ、そんなあ、本気で言ったのに」がっくりジパン
「ジパンのお陰で少し脱力させられたが、辻褄はあうな」スタージナス
「つまり其方は遠い過去に生きていたが神に才脳を見いだされなんらかの
方法でその時代から消去され数万年眠らされて現地球に転生させられた?」
スタージナス
「全ては今の状態を神が作りだしたかった画策かもしれませんね」アスタージナス
「神は意思だけで具体的には何も出来ないがお膳立ては出来たな」スタージナス
「やはり、元地球には救える部分が必ず存在するのでしょう」ウラアール
「うむ、神の導きとすればそうなるな」スタージナス
「元地球に我々が行かなければ伝えられない事がきっとあるのだろう」
「なんとか言ってくださいよ~神様ぁ」ジパンが乞うがなんにも返事が無い
「やはり神=AIですね、こちらからコンタクト不可能ですから」アスタージナス
「いや、多分其方の夢の中とか極限状態とかでなければ通話出来ないのだろう」
「そういえば思念通信しすぎて倒れた時に啓示ありましたね」アスタージナス
「あのときだけは私にも聞こえました」ウラアール
「多分ウラアールがアスタージナスの脳内にいたので一緒に聞こえたのだろう」
スタージナス
「全て辻褄があいます」ゴブータ
「私も生きるか死ぬかの時にしか啓示を受けてません」ゴブータ
「私達も4人が出会う様にと神から啓示を受けたときは夢のなかでした」
イーシャ
「やはり、全ては仕組まれていたのだな」スタージナス
「脅威がないと分かった以上早急に元地球に行くべきでは?」ヤコブ
「しかし、いくら違和感がなくてもやはり準備は万全さが必要だ」
スタージナス
「いま、アナハイム社に頼んで艦船を作ってます、待ちましょう」イーシャ
「なんともじれったいが仕方がないですね」ヘッテ
「ささ、今日はこれ位にして夕ご飯にしましょう」メイドロイド
「今日は先日収穫した作物を味わってください」メイド
「先日って確か2~3日前に作付けするとか言っていたやつか?」スタージナス
「はい、我がアナハイム社で研究した「早熟種」お試し下さい」セイラ
「ば、ばかな!このご飯もそうなのか?」ジパン
「はい、究極の早熟米です」ミライ
「企業秘密か?」スタージナス
「まあ、ここにいる方には教えても問題無いでしょう」セイラ
「つか我らも全くその話は知らんぞ」ダニアとブラン
「人間には酸素が必要ですが酸素は多すぎると老化現象を促進させます
しかし上手く使えば成長を促す作用も見込めます」
「しかし、それだけではあるまい?」
「は、火星でワン様が開発した稲作に適した波光が判明しさらにその調光を
早熟に適した量にしました。」ミライ
「もちろんその配合比は企業秘密ですけど」セイラ
「つまり人工太陽故に出来る技なのだな」スタージナス
「は、高濃度酸素及び特殊光を使いますので人体に悪影響を与えます。農作専用
コロニーがなければこのような早熟米は不可能です」セイラ
「重力と重力スタビライザーの加減も必要なのだろ?」スタージナス
「企業秘密です、ジパン国あたりに漏れたら大変な情報になってしまいますから」
ミライ
「これこれ、我は絶対にこの情報は漏洩させないぞ」ジパン
「とにかく特殊な技術がなければ出来ないって事は分かった」スタージナス
「当然コスト度外視ですが、緊急時事態での食料確保対策に研究してます」ミライ
「さすがに火星やジパンのコシヒカリには及ばないが不味くはないレベルだな」
スタージナス
「いつぞやのレーションに比べたら比べものになりませぬ」ジパン
「ははは、確かにレーションは不味いからな」スタージナス
「ですがレーションは保存食ですし戦時下での特殊食料、あれはあれで
究極なんですけどね」セイラ
「確かに戦時下で贅沢は言えないが兵にとって食事ぐらいしか楽しみが
ないのも事実じゃ、我も過酷な肉体労働を強いられたアイズランド作戦の時には
痛感した」スタージナス
「平然としてるように感じましたがやはりスタージナス様も同じでしたか」
ジパン
「当たり前じゃ、だが皆を鼓舞するのは我の役目、苦しい顔などできない」
スタージナス
「さすがです、敬服します」タラン
「何を言うかタランだって眉一つ動かさずに食べていたじゃないか」スタージナス
「主様が苦言を呈さないのに部下が不満など絶対に言えません」タラン
「うむ、ということだジパンだけが文句たらたらだったな」スタージナス
「そ、そんなぁ私があのときは一番働きましたぞ」ジパン
「どんなに働いても文句を言えば半減じゃ」スタージナス
「そ、そんなぁ、ピエロになり皆様の思いを代弁しただけなのに・・・」
「こうして笑い話に出来るのも其方のお陰、今後もそのキャラ頼むぞ」
スタージナス
ジパンのキャラいいですね




