テイロンで準備
会議が進みます
思いのほかダニアの体調がすぐれないのと設計が遅れた関係で
2人が大王に拝謁したのは一週間後だった
「ダニア体調はもどりましたか?」アスタージナス
「は、もう大丈夫ですご心配をおかけしました」ダニア
「加速Gに長時間晒されると場合によっては脳細胞を痛めてしまう
たかがGとバカにしてはならん」スタージナス
「は、まさか自分で開発したポーションのお世話になるとは思ってもませんでした」
頭カキカキダニア
「とにかく今ダニアを失うわけにはまいりません、どうか人類のために
ご自愛ください」アスタージナス
「ありがたきおことば」平伏するダニア
「さて、ブラン設計図出来たのですね?」アスタージナス
「は、⒉万光年エンジン出来ました」ブラン
「で、見積書出来ましたか?」ウラアール
「は、ここに、・・・しかし今回は急なことですからとんでもない金額ですが」
ブラン
「とにかく見せて下さい」ウラアール
恐る恐る渡すブラン
「ん、まあ・・・・」驚きのウラアール
「も、もうしわけありません~」平伏すブラン
「こんなに安いなんてしんじられません!」ウラアール
「どれどれ」アスタージナスとスタージナスが覗き込む
「馬鹿者こんな安い値段で出来る筈がない、ちゃんと見積もれ!」スタージナス
「しかしイリウスの魔石コアがありますので一番高額な魔石コア代がほぼタダです」
「こんな数人しか乗れない船ではダメです、せめて1000人規模の船を
作りなさい」ウラアール
「到着後にゲート設置は可能なのですか?」アスタージナス
「は、理論的には可能ですが一回当たりの費用が・・・・」ブラン
「この際費用は度外視である、増援部隊を送れるのかどうかが大問題なのだ」
スタージナス
「大型の宇宙船建造にはどの位上乗せすればいいのですか?」ウラアール
「は、当初見積もりの3倍増し位かと」ブラン
「全て認可します、明日から取りかかって下さい。余裕をもってその2倍増し
まで予算出します。早期に完成すれば追加のお手当も弾みます」ウラアール
「おおおお、ケ・・・・いやなんだ、珍しい大盤振る舞いじゃのう」スタージナス
「USAで見積もった金額の1/10以下ですものOKだすしかありません」
ウラアール
「それから何度も言います、私はケチではありません!」怒るウラアール
「期間はどれくらいで出来ますか?」アスタージナス
「は、イリウスを起つ時にMSにゲート設計製作を命じてきましたので
一月も頂ければ宇宙船も完成するかと」ブラン
「うむ、ダニアはここに留まり作戦参謀として協力してくれ、ブランはすぐに
イリウスに戻り総指揮を頼む」スタージナス
「はは、」
「さて、この一月であらゆる事態を想定したシュミレーションが必要ですね」
イーシャ
「うむ、場合によっては宇宙防衛軍全軍出動もありえる」スタージナス
「相手がイリウスを作ったのならとても太刀打ち出来ませんけどね」イーシャ
「我々は侵略が目的では無いあくまでも平和が目的」スタージナス
「とにかく準備だけは必要ですね」イーシャ
「頼む」
「さて、皆特別会議室に集合してくれ」スタージナス
「特別会議室ですか?」ウラアール
「うむ、MSの研究室を参考にした完全気密型会議室じゃ」
「つまり外との繋がりがない完全密室ですね」アスタージナス
「悪いが大王、ウラアール、イーシャ、ゴブータは召喚人間かコピー
アンドロイドに仕事を委任してくれ、しばらく、そう最低2週間は籠もる」
スタージナス
「はい、多分そうなると覚悟してました、準備万端です」アスタージナス
スタージナスが私費を投じて作り上げた特別会議室・・・
「うわあ、初めて拝見しますがとても広いですね」ウラアール
「うむ、一月や二月余裕で籠城できる作りじゃ」
「おおっちゃんと個室も20ありますね」ジパン
「あらゆるストレス対策を講じて設計した」スタージナス
「それほどの重要会議なのですね」イーシャ
「うむ、人類の明日がかかる重大な会議じゃ」
12人と補佐のアンドロイド2体は覚悟を決めて入室した
☆
「さて、会議にあたって我の考えをまずみんなに聞いてもらいたい」
全員着席したのを見届けてスタージナスが開口一番
「うかがいましょう、どちらにしても長期戦覚悟してますから」アスタージナス
「うむ、さて、皆に問いたい」
「はい」
「なぜ、EUの前身大アスタージナス国の歴史は300年しかないのだ?」
「なぜと言われましても・・・」
「更に問う、なぜ他の国、シン国やジパン、レンガポール、南アタリカ
全ての国の歴史は測った様に300年なのじゃ?」
「わかりませぬ」ジパン、皆も考える
「地球の歴史が300年だからではないのか?」スタージナス
「ば、ばかな、そんなはずはありません」ウラアール
「いや、いいかたがまずかったな、人類が誕生してから300年ではないのか?」
「そんなことはありえません、生物は数億年を掛けて進化したのです」ウラアール
「ではなぜ300年以上前の記録がないのじゃ?」
「人間が文明を持つ様になって300年?」イーシャ
「そんな筈は無い、石器時代から土器時代になるまで数千年は必要なはず」
「不思議です我々は石器時代とか土器時代を誰かに教わってますね」ウラアール
「おかしいだろ?人類史は300年なのに太古に恐竜がいたことも知ってる」
スタージナス
「うーん」悩む皆
「我々自体が他の星から移住したと考えられないか?」スタージナス
「えええええええええ」みな絶句する
「そう考えると全ての辻褄が合う」スタージナス
「例えば?」ジパン
「言葉じゃ」
「言葉?」イーシャ
「なぜ世界中で共通言語があるのだ?行ったこともない土地に
同じ言葉が通用するのはおかしくないか?」
「た、たしかに、そういうものだと勝手に納得してましたが・・」ウラアール
「ああああああ」アスタージナスが叫ぶ
「思い当たる節があります」
「わたしが目覚めた時本来英語などしゃべれない筈なのに前世で話せた日本語が
勝手に英語に自動翻訳されていきました」アスタージナス ※第4話参照
「大王が経験した異世界転生は特殊なケースと思うが多分全人類が自動翻訳魔法を
得てるのだ生まれながらにして」スタージナス
「後から発見された80億の移民も言葉が通じましたね」ゴブータ
「次に、なぜ人類の数は減りもしなければ増えもしなかったのか」
「分かりました!プログラムされていた!」ウラアール
「プログラムされていたと言う事は?」
「ま、まさか!」
「多分そのまさかじゃ」
「ありえません」
「我々の科学力以上の科学が存在するとしたらどうする?」スタージナス
「我々全人類が生体アンドロイド?」ウラアール
「証拠や科学的根拠は一切ないがな」スタージナス
「そして我々のふるさとは今回発見された類似太陽系、いやそっちが
オリジナルなのかもしれんが」スタージナス
「つまりここまでの筋書きは全て出来上がっていた?」ジパン
「しかし、理由が分かりません、そんな大がかりな事をする理由が」タラン
「とにかく行ってみないと分からん、我の予想では・・・」スタージナス
「多分そこに住めない非常事態が発生した?」アスタージナス
「お、さすが先読み大王」
「まさかガンマ線バースト?」ウラアール
「うーむ我々を送り出せる様な科学力があったらそれぐらいは撥ね除けるだろう」
スタージナス
「それ以上のなにかでしょうか?」アスタージナス
「わからん、とにかく行ってみなければ」スタージナス
「つまり我々が神とあがめる存在自体がAIなのかもしれ」
「ば、馬鹿な私は神からの啓示を何度も受けてます」アスタージナス
「其方自身もAIからの指示を受けていた存在かもしれん」スタージナス
「つまり、私は異世界転生者ではない?」愕然のアスタージナス
「すべて我の仮説じゃ、何一つ根拠も証拠もない」スタージナス
「し、しかしことごとく辻褄が合いすぎます、怖いです」ウラアール
「考えて見ると魔法も思念通信も予め設定されていた可能性もある」
「それでは鍛錬を積まないで思念通信を得た者は?」ウラアール
「初めからの設定なのかもしれん」スタージナス
「つまり我々は全てレールの上で踊らされていた?本当の地球に戻る為に?」
ジパン
「わからん」スタージナス
「さあ、今日はもう遅い酒飲んで寝よう」スタージナス
皆で酒盛りをはじめるがいまいち盛り上がらない・・
個室があるのにみなスタージナスにしがみついて寝てる・・・
「なんだか怖くて眠れません・・・」スタージナスに抱きつくアスタージナス
「うむ、我もじゃ・・・」
「そこに行って本当に分かるのでしょうか?」
「わからん、しかし行かないわけにはいかない」スタージナス
「この突き動かされる衝動は本能なのでしょうか?それともプログラム?」
ウラアールも眠れなくてしがみつきながら問いかける
「わからんな」スタージナス
翌朝いつものようにイーシャが朝食を用意してくれた
「いただきま~す」
「さて、気は進まんが続けなくてはならない。」スタージナス
「到着してみなければ判りませんが想定はいくらでも出来ますね」アスタージナス
「うむ、科学力が発達した人類がなぜ15000光年彼方に我々を送る必要が
あったのかだが」スタージナス
「一つ消去法で考えると太陽系型の星系が15000光年彼方にしかなかった?」
ジパン
「その仮定は正しいと思います。100光年1000光年の調査で生命体ひとつ
発見できてませんから」ダニア
「そんな彼方まで探してでも移住?する必然が有ったと言う事か」
「なんらかの危機があったのでしょうね」ブラン
「つまりなんらかの危険に直面した我らの祖先が300年前に我々を
送り込んだ?」タラン
「しかし送るのなら堂々と送ればいいものを?なぜ我々の進化を待ったのだ?」
スタージナス
「可能性としてですが・・・たとえば意思しか移動出来なかった?」イーシャ
「つまり「神」ありきか?」スタージナス
「過去?・・・そう過去かもしれませんね」ゴブータ
「意味が分からん」スタージナス
「高度に発達した科学力は時間を遡る技術を得たということでは?」ダニア
「ば、ばかなそんな事が可能なのか?」スタージナス
「我々の科学力では分かりませんが諺で「高度に発達した科学は魔法と
見分けがつかない」と諺もありますね」アスタージナス
「多分遡れるのは実体の無いもののみ、つまり意思だけなのでは?」ブラン
「うむ、そうだと仮定するとしてなぜ過去に遡る必要があるのだ?」スタージナス
「迫り来る危機を察知したが当時の科学力では対処出来なくて過去にすがった?」
ダニア
「つまり、ガンマ線バーストなどの危険を数百年前に探知したがどうすることも
出来なくて我々に助けを求めた?」スタージナス
「わかりました!」アスタージナス
「お、なにが分かったのだ?」スタージナス
「魔法です、多分魔法は我々特有の技術!」アスタージナス
「つまり魔石と魔法はここの地球だけの物?」スタージナス
「はい、太陽系と同じ惑星配列で魔法も有するのはここだけだったのかもしれません」
「おかしいではないか?時空を越える技術は魔石と魔法が基軸、魔法が無い
元の地球でここにこれるわけが無い」スタージナス
「過去に遡れる技術を有するのならば15000年過去に戻れば光速移動でも
ここにたどり着けます」アスタージナス
「光速移動が可能な宇宙船の内部で時間はほとんど経過しません」ダニア
「多分意思だけならば宇宙船は必要無いはず」スタージナス
「たしか私が目覚めたときにアスタージナスでは6人目の目覚めで過去の
方は神の望み通りには成長しなかったと嘆いておられてた・・・」アスタージナス
「つまり其方はこの地球を爆発的に発展させるために使わされた使者?」
スタージナス
「話がうますぎます」アスタージナス
「問題は全てがいま検討した通りだとして元の地球を救えるのかどうかだ」
スタージナス
「はい、過去に失敗し続けたのならもう残された時間はあまりないはず」
アスタージナス
「私の仮説ですが元の地球になんらかの方法で過去に遡れる技術を作った人物が
いたが誰にも相手にされなかった、しかし偶然3~400光年宇宙を旅してたら
ガンマ線バースト?が地球に向かうのを見つけ、なんとか方策を練った?」
ダニア
「ということは元の地球は我々よりも科学力が到達していない?」ウラアール
「いや、ダイソン球を設置してるところを見ても魔法以外の科学力はあるのだろう」
「つまり、光速移動の技術はあっても時空移動は出来ないのでガンマ線バーストを
発見することは不可能?」スタージナス
「例えば数百光年の先で危険なガンマ線バーストが地球に直撃すると検知しても
光速で追いかけたのでは追いつけないな」スタージナス
「しかし、時間を遡れるのなら滅んだあとの地球に戻ってからでも過去に戻り
危険を伝える位はできたのでは?」ウラアール
「その事を伝える相手がいなかったのだろう」スタージナス
「すべての符号は合いますね」ウラアール
「時空移動技術を「神」は望んでいた?」ダニア
「つまりブランも神の設計図・・・」アスタージナス
「多分偶然と計画、両方でしょう」アスタージナス
「ということは我々の仕事は元の地球人に事情を説明しなんとしても危険を
除去する?」スタージナス
「間に合うかどうか分かりませんが多分そうなのでしょう」アスタージナス
「後から来た80億人はどういう意味でしょう?」イーシャ
「多分元の地球が滅亡するのを予想しての「保険」なのかもしれん」
スタージナス
「おかしいです、縮小魔法が使えなければ出来ないことです」
「いや、「神」が時間を自由に行き来出来るのなら我々の縮小魔法を得て
元の地球に戻り多くの人間を縮小させたという理屈も通ると思う」スタージナス
「時系列が合いません、我々の技術を使ったとしても時空を越えられなければ
80億の民の移動には最低1万5千年かかるはず」ウラアール
「いや、意思だけならばタイムスリップ出来る理論で行けば80億民のデータを
メモリ化して太陽系付近に1万5千年掛けて送付し、到着後データを1万5千年前の
世界にタイムスリップさせて時間を合わせ、その後で生体アンドロイドにコピーして
実体化すれば時間の壁を越えられるはずです」ダニア
「80億民は全て聖水隕石に保存されていましたね」アスタージナス
「つまり、人間バンクからのデーターを聖水隕石が受けて生体アンドロイドを
生産したのだろう、資源も聖水もそのために太陽系を回りかき集めていた」
「意思のみタイムスリップ出来るとすのなら全て実現可能な理論じゃな」
スタージナス
「神が「神」でない証拠に「神」はいつでも自分の都合の良いときにしか啓示
してくれません、全知全能の神ならば、いまこのときでも耳を傾けてるはず」
アスタージナス
「神なんぞは人間の都合などもともと聞いてくれないものじゃがな」スタージナス
「神なのかAIなのかは分かりませんがとにかく何かの目的があったのは
間違いないと思います」ゴブータ
「80億民に質問してもハッキリしなかった理由にはなりますね」ウラアール
「元の地球に行く前に100光年、10光年手前に観測機を設置して
観測出来れば、地球到達前に対処できないかしら?」イーシャ
「どのくらい元地球に猶予があるのか分からんがそれは必要だろうな」スタージナス
「そして1光年手前で元地球の状態を観測する必要もあります」アスタージナス
「うむ、いきなり元地球に行ってもトラブルが起きるのは間違いないしな」
スタージナス
「私が前世に住んでた時代は21世紀でしたが元地球は一体何世紀の世界なの
でしょうね」アスタージナス
「其方の前世の記憶では現世に転生する間に相当の時間経過があったのだろう?」
スタージナス
「それが・・・1000年だったような1時間だったような」アスタージナス
「人間の時間感覚というのは全く当てになりませんからね」ダニア
「そもそも其方は前世からとか異世界転生とか言うが本当なのだろうか?」
スタージナス
「それすらもあやふやですね」アスタージナス
「それって異世界とちゃうちゃう?」アスタージナス
「え?」ウラアール
「いえ、なんでもありません、なぜか心が叫んだだけです」アスタージナス
「なんだかここだと息がつまるな・・・同じ秘密会議ならテイロンに行きたい」
ジパンがむずがる
「そうですね、どうせ同じ会議なのですからテイロンの秘密島でやっても
同じですね」アスタージナス
「ふむ、ひさびさにみんなで繰り出すか」スタージナス
「ここにいたらウジが沸きそうです、やはりぱああっと明るいところで
会議すればポジティブ思考も出来きますね」イーシャ
「実はテイロン市長より便利な秘密島直通ペンダント頂いています」
アスタージナス
「おおっなんじゃそれ?」ジパン
「はい、王族専用の秘密島を頂いてましていつでも利用可能です」
「正に国家権力の横暴というやつじゃな」スタージナス
「とんでもありません私達がどれほどテイロンに投資してると思ってるのですか
いまのテイロンの繁栄は私達の協力なしでは語れません、当然の権利です」
ウラアール
「わかった、わかった」スタージナス
「では、今すぐ移動しよう、みんなで手を繋げばいいのだな?」スタージナス
「ハグでもOKですわ」ニッコリわらうアスタージナス
「どっちでもいいわ、そんなこと!」スタージナス
「では、」わーーーっとみんなでスタージナスに抱きつく
「お、男は無用と申してるぅうう・・・」布団蒸し状態のスタージナス
「これはたまらんはよ移動してくれぇ」
「ぱっ」
「到着しました」アスタージナス
すぐさま備え付けのインターホンで市長に直通電話
「市長すまん、今から2週間程秘密島に籠もる、その間の世話を頼む
人員は12人と生体アンドロイド2体だ」スタージナス
「おおっこれはお久しぶりです、かしこまりました今すぐ準備します」市長
今やテイロンは常時観光客で溢れる世界最大のリゾート地、大王などが空港に
乗り込んで来たらパニックを起こしかねない、と市長配慮の直通ペンダント
「実はウチの馬鹿息子とクララ姫が先日めでたく結婚しました」市長
「そうでしたか、それはおめでとうございます、お祝いします」ウラアール
「これでテイロンも王族つながりじゃな」スタージナス
「滅相もございません、恐れ多いこと」謙虚な市長
「とにかく今日は我がテイロンの自慢料理おとどけさせて頂きます」市長
「うわーー、それだけが楽しみでした」アスタージナス
「もっとも今は宅配化がすすみイリウスでもどこでも新鮮なテイロン産魚貝類
お届けできますけどね」アヤン市長
「いやいや、やはり本場で食べるとなにかがちがうものじゃ」スタージナス
「ありがたきお言葉、がんばります」市長
「今日は会議は中止、これから宴会するぞ」スタージナス
気がつくと皆浅黒い顔になってる、本当にウジが沸いてるようだ
「そういえば風呂にも入ってませんね」ウラアール
「いったい何時間会議してたのかも分かりません」ダニア
「えっとたしか初日だけは夕ご飯食べてみんなで寝ましたが・・」イーシャ
「もしかして全員倒れるところだったのではないのか?」スタージナス
「確かに人間の時間感覚は当てにならない・・・」アスタージナス
「ま、今は倒れる前に警告されますから限界には達してませんね」ダニア
電話がかかってきた
「もしもし?」アスタージナス
「度々すいません、市長です、実は大王到着を知らせたらウチの愚息がどうしても
クララと挨拶に伺いたいとのことですが・・・」市長
「ええ、是非来て下さいいつでも大歓迎ですクララにも会いたいですし」
アスタージナス
「それでは明日夕ご飯配達のときにむかわせます」市長
「楽しみにしてます」アスタージナス
「これは明日も宴会じゃな」スタージナス
「物見遊山も程ほどにしないと」ジパン
「馬鹿もん、どうあがいても船が出来るのは数ヶ月かかる、焦っても仕方が無い」
スタージナス
「人間時には充電も必要ですわ」ウラアール
「大体からして其方ここ20年で休暇は何日とったのだ?」スタージナス
「えっと・・・」指を折るが全く進まない
「まあ、大王もイーシャもゴブータも同じだろうけどな・・」スタージナス
「我ら五人衆も休みなどなく滅私奉公ですぞ」ジパン
「馬鹿者!年中宴会してるし月に必ず数日は旅行とかしてるだろうが!」
「あれ、そうでしたね、我々は幸せ者です」ジパン
「我が意図的に其方たちを管理してるのだ」スタージナス
「というかお父様の気力が続かないからですね」ウラアール
「馬鹿者、本音と建て前も大切な処世術、いい加減大人になりなさい」
スタージナス
「あらあらもうじき50代の娘にそれいいますか・・」ウラアール
「いやいや其方と大王はとても50代に見えん、どうみても20代じゃ」
「そういうお父様も70代には見えませわ」アスタージナス
「うむ、なんだかんだいっても我も体のあちこちに手を入れてるからな」
「実際問題100歳以上生きるのなんて普通になってますしね」ダニア
「そういう其方は40代から全く歳取ってないじゃろ?」スタージナス
「は、曲がりなりにもアナハイム社の総帥です、誰よりも研究成果を実践してます」
「人間バンクが合法化したので事実上人間の寿命はなくなってますね」イーシャ
「それにしても人間ってのは面白い、機械アンドロイドを選択したほうが維持費
圧倒的に安上がりなのにほとんどの民は生体アンドロイドを選択してます」ジパン
「手間が掛かる方が良い場合もあるのだ」スタージナス
翌日クララが来た
「しばらくぶりでした、またお会い出来て嬉しいです」クララ
まばゆいばかりの淑女クララがそこにいた
「うわー綺麗!」驚くゴブータ
「ここで仕事していたら心身共にリフレッシュ出来て、夫に出会いました」
「おおっそれはなにより」スタージナス
「今は夫とともに市長をささえテイロンの発展に生涯尽くす所存です」
「うむ、テイロンは常に世界一のリゾート地でなければならん」スタージナス
「なんといっても他のリゾート地にない上品さが売りですから」クララ
「たしかにあらゆる部分が洗練されてる、デザイン的に我が社も参考になる」ダニア
「すべて我が夫の監修によります」クララ
「すばらしいセンスの持ち主なのだな?」スタージナス
「は、大王とスタージナス様に憧れ長くEUに留学してました」
「王立魔法院でデザイン学科を学び根本を鍛えられました」夫のペーター
「でも一番影響を受けたのはJTO(ロベルトの会社)でした」ペーター
「ほう」ダニア
「あそこの社長はとにかくデザインに敏感で上品さと洗練さにとことん拘ってました
突然行方不明となってしまったのが残念で仕方有りません」ペーター
「彼の意思と情熱はまだここテイロンで受け継がれています」ペーター
「ジギルとハイド・・・」スタージナス
「え?」ペーター
「いや独り言じゃ」
「ロベルトにどこか似てますね」そっと思念通信するジパン
「うむ、我も第一印象で感じた」そっと返すスタージナス
「とにかく、市長をたてていずれは後を継ぐ覚悟があるようだな」スタージナス
「いえいえ、まだオヤジの域には全く及んでません、これだけ利権がらみなのに
一切私利私欲を捨て民一筋の人間なんてそんじょそこらにはいませんから」ペーター
「テイロンが発展してるのも全て市長の人徳でしょうね」アスタージナス
「初めて会ったときの第一印象は「無粋な手モミ町長」だったのだがなぁ
出世したものよ」スタージナス
「それは巨大勢力から島民を守るための必死の処世術だったのです」アスタージナス
「とにかく立派な跡取りを得てテイロンは安泰じゃな」スタージナス
「さあさあ今日はテイロン産の最高級品思う存分味わっていただきますよ」クララ
「お、クララが調理したのか?」スタージナス
「はい、こう見えて夫は料理の腕も超一流、私はその一番弟子です」クララ
「あらあら、おのろけで料理食べる前からお腹一杯ですわ」ウラアール
一同大爆笑
「くうぅ・・・やはり本場の魔グロの活きの良さよ!」つい叫ぶスタージナス
「こ、こんな美味しい魔グロめったに味わえませんな」ダニア
「イリウスでは絶対に太刀打ちできまい?」スタージナス
「いえ、我がアナハイム社一丸となってテイロンを凌駕してみせますから」ダニア
「無理無理、こればかりは理屈ではない、理詰めでは出ない味じゃよ」スタージナス
「これはテイロン以外では絶対に口外無用ですが・・秘伝があるのですよ」ペーター
「ぬぬ、ただの魔グロではないのだな?」ダニア
「は、テイロン300年の秘伝こればかりは大王に頼まれても教えられません」
ペーター
「きっと解明してみせる」諦めないダニア
「皆様は魔が入るとなんでも美味しくなると勘違いされてますが・・・」ペーター
「駄目ペーターそれ以上余計なこと言わないで!」怒るクララ
「よいよい、それ以上話す必要はない秘伝はとても大事な事、我々は美味しい
魔グロを食せればそれで幸せなのだ」スタージナス、一同うなずく
「実はアナハイム社研究室で数千の研究員が研究してるが未だに糸口すら掴めていない
どうやってるのかすら分からないのです」ダニア
「でしょうね」ペーター自信満々
「く、悔しい・・・」負けず嫌いのダニアが地団駄踏む・・・
「テイロン産紅茶にも秘伝があるのか?」スタージナス
「世界一、宇宙一の紅茶ですから当然です、勿論秘密です」ペーター
「観光に魚貝類に、紅茶・・・テイロンは素晴らしい、人類に大貢献してます」
感動のアスタージナス
「ありががたきお言葉、しかしこれにおごること無く日々精進致します」
あくまでも謙虚なペーター
「今日は素晴らしい1日でしたあしたからの糧になりました」ウラアール
おしどり夫婦はにこやかに帰っていった
「クララ眩しすぎました」ゴブータ
「其方もはやく相手みつけなさい」アスタージナス
ヤコブとヘッテがうつむいている・・・未練たらたらなのだろう
やはり、クララの伴侶はペーターしか・・・




