MSの恐怖
セイラとミライがなにやら
城に戻りダニアとスタージナスが個別に談笑する・・
というか人払いして今後について2人きりの打ち合わせ。
イーシャ達は引き続きMSと商談を続けてる
「勘違いされてるようですので説明しますが」ダニア
「なにが勘違いなのじゃ?」スタージナス
「現在本コロニーは光速の40%位の速度に到達してますが最高速の90%に
達すると時空が歪みコロニーにいる我々の時間経過が遅くなります。全ての工程で
約15日、往復で30日の行程ですが実際地球に帰還すると2ヶ月経過してます」
「なるほど、我々は1ヶ月ほどタイムスリップするという訳だな」スタージナス
「御意」ダニア
「実際は現地で一月ほど実検を視察していだだくので3ヶ月ですけど」ダニア
「そういえばブランの姿がみえないが?」スタージナス
「は、実は先に実検場に向かって準備する為小型船で先行してます」
「同じコイル推進ですが加速力が違います。代わりに加速Gが半端ありません」
「そっちも乗ってみたかった」スタージナス
「訓練受けてないと大変ですよ」ダニア
「隠し事してないだろうな?」スタージナス
「なにをいいますか、すでにタラン様とヘッテ様もご一緒ですよ」ダニア
「あはは、ばれていたか」ここにいるタランとヘッテはすでに召喚人間
二人にはブランを尾行する任務を言い渡している
「さすがダニア」スタージナス
「スタージナス様はいつも我らを応援して頂いています、その恩義は忘れません」
「いや、我は大王側じゃ、あくまでも国のための行為」スタージナス
「はい、建前は理解してます、ウチのブランがあまりにもアレですからね
大王が苦心されてるのはよく分かります」ダニア
「なんか全人類がブランにひっかき回されてるな」スタージナス
「いかにも」苦笑いのダニア
「ですが最近では新たなる火種、MSコンビもです」ダニア
「あと、火星にも・・・」ごにょるダニア
「え、ミライとセイラがそんなに凄いのか?」スタージナス
「今日の思念レーター、概念は私のアイデアですがこんなに早く試作機を
作れたのは驚異的です」ダニア
「そうなのか?シロウトの我にはさっぱりわからんが」スタージナス
「思念を機械で行う行為自体がとんでもない事なのです」ダニア
「しかし、其方達の会話では大したことない風だったが?」スタージナス
「現在全人類で思念通信が可能な魔力レベル100以上の人間は10人いません
イーシャ様達ゴブータ様ゴブーミ様達は突然変異で生まれついての思念通信
能力を有してましたが鍛錬にてその能力を得た訳ではありません。」
「それがどうした?意味が分からん」
「専用AIに魔力レベル100以上を仕込む技術が半端ないと言うことです」
ダニア
「な、なに~、つまりAIも魔法が詠唱出来るのか?」スタージナス
「すごさを理解して頂けましたか?」ダニア
「どうやったのだ?」スタージナス
「さて?私も今日の今日知ったので仕組みは分かりません」ダニア
「ま、まさかあのおもちゃのシュミレーターの応用か?」スタージナス
「わかりませぬ」ダニア
「確かに末恐ろしいレベルじゃ・・・じわっと来た」時間差で震撼するスタージナス
「血か?やはり血筋なのか?」スタージナス
「わかりませぬ、しかし希代の大天才なのは確か、ブランに匹敵するやも」ダニア
「し、しかしあの2人はサラッとしててシレっとしてるぞ」スタージナス
「自分の才脳に全く気がついてないのです」ダニア
「社の成果としてますが実はこのコロニーも魔改造したのは2人です」ダニア
「な、なに~・・・」スタージナス
「確かにお城一つとってもダニアやブランではとても出来ない代物じゃな」
「御意、あれほど気の利いた城など、城で暮らした者でなければとてもとても」
「ふーむ、お城での暮らしをあれほど嫌がっていた2人だがちゃんと
見るところは見ていたのだな」スタージナス
「それはそうと、これほどの巨大なコロニーにお城と社員寮、工場だけでは
施設が少なすぎると思いませんか?」ダニア
「確かに、他になにかあるのか?」スタージナス
「勿論今回は膨大な資材も運びますが・・」ダニア
「じれったいな」
「スイマセン、実はこのコロニーは全自動農業、畜産、養殖プラントです」
「それは従来のコロニーでも同じだろ?」
「今回は全自動なのです、人の力を一切介しません」ダニア
「しかし、いくら生産出来ても誰もいなくては消費出来ないが?」
「もちろん1万人程度ではとても消費仕切れませんが縮小化して備蓄可能です」
「将来的にはこのコロニーで2千万人程度が自給自足で生活可能です」ダニア
「恒星間移動計画よりも人類にとってはこちらの方が有益かもしれんな」
スタージナス
「並行することが肝心かと思います、多様性も大事ですから」ダニア
「人工太陽型コロニーの可能性は無限すぎるな」スタージナス
「しかし、ただ食べて寝るだけでは人間とはいえないぞ」
スタージナス
「勿論です、衣食住は保全されても当然仕事はしてもらいます、経済活動が
なければ生きがいも生活向上もありませんから」ダニア
「生産は全自動でできてもクリエイティブな分野では人間しか出来ません」
ダニア
「うーむ、それもいつまでの事か・・・AIに創造力が誕生するのも
時間の問題だろう」スタージナス
「まさにMSコンビがその領域に入り込んでいます」ダニア
「ブランはいまのところ恒星間移動計画一筋ですがセイラとミライは
あらゆる分野ですから」ダニア
「セイラの首もげ事件聞いたぞ(笑)現場でみたら我もきっと腰抜かしただろう」
「あはは、実は私もほとんど腰ぬけてました」ダニア
「恐ろしい事よ」スタージナス
「今は倫理と法整備が全く整ってませんから研究にストップを掛けていますが
あの調子だとほとんど実用化は出来てると思います」ダニア
「人間バンクか・・・」
「人類の究極型です」ダニア
☆
「実は・・・」
「ん?何か言いたいことが有るのか」スタージナス
「は、余りにもMSコンビが独創的すぎるのでアナハイム社が独禁法に抵触
しかけています」ダニア
「つまり巨大化しすぎた?」スタージナス
「は、このままでは民事で訴訟されたら確実に負けます」ダニア
「たしか電力会社は別会社を立ち上げて分散してるのだろ?」スタージナス
「ですが、MSは観光、資源、住宅、遊具、エンターテインメント、全ての
分野を圧倒的に占有しすぎています」ダニア
「独立・・・か?」スタージナス
「御意、この旅を終えたら準備させますがまだ2人には告げてません」ダニア
「わかった含み置いておく」スタージナス
「しかしアナハイム愛が強い2人を説得するのは大変そうだな」スタージナス
「それもそうですが仮に独立すると彼女達の究極の研究にだれも歯止めを
かけられなくなる恐れの方が多いです」ダニア
「うむ、人間バンク構想だな」
「御意、すでに2人はブランを真似してかどうか暴走しはじめてます」ダニア
「うむ、この旅で思ったのだが果たして目の前にいるMSは当人なのか?」
「わかりません」ダニア
「我が諜報部員のタランの調査だとついに生体アンドロイドに着手してるとか」
「げ、それは知りませんでした」驚愕のダニア
「生体アンドロイドなど開発されたらいよいよ人間とアンドロイドと召喚人間と
クローン人間の区別など不可能になるぞ」スタージナス
「昨日一緒に寝たがどうみても人間だった・・・だが・・・」スタージナス
「私がキツく禁じてるのが逆効果だったかもしれません」ダニア
「うむ、2人もすでに巨額の資金を保有してる・・・」スタージナス
「そちらの法整備も吃緊の課題ですね」ダニア
「大王とウラアールはロビー活動に忙しいとのこと、技術に法律が全く
ついていけない現状だからな」スタージナス
「さきほどもチラッといいましたが実は火星にも化け物がいます・・」ダニア
「其方も大変よな」スタージナス
「ま、火星の化け物は火星にしか興味がないのでまだマシですけどね」ダニア
「うむ、いつか紹介してくれ」スタージナス
「若い力が育つのは素晴らしい事です」ダニア
「うむ、異存は無い、暴走するのは若さの特権じゃ」スタージナス
「ということはスタージナス様もまだまだお若いという事ですね」ダニア
「ま、気持ちだけは10代だがな・・・体がついてこない」スタージナス
「言っておくが我は暴走はしないぞ!」スタージナス
「うーん、さんざん振り回された身分としては肯定しづらいです」ダニア
「こ、こやつめ・・・布団蒸しにしてやろうか!」
「そ、それだけはご勘弁ください、ダニアあのときは若造でした」ダニア
「なんか遠い昔になってしまったな・・・」懐かしむスタージナス
「話を戻すが今回の実検が成功した後はどうするつもりなのだ?」スタージナス
「は、まずは法整備を行っていただき、冥王星とその軌道上にいくつかの
宇宙港を整備します」ダニア
「うむ、それは了解した」
「まずは大王、ウラアールさまご所望の地球防衛システムの構築です」ダニア
「具体策は?」
「は、まず早期警戒システム専用の無人通報システム衛星を地球から1光年の範囲に
2000程セットします1光年の範囲を網羅するには余りにも少ないですが
予算の都合上仕方がありません。」ダニア
「うむ、最低限の警戒システムは実現しそうだな、でその次は?」
「は、かねてからブランの夢でした隣の恒星へと有人探査を行い資源回収の
可能性を調査します」ダニア
「たしか一番近い星は4.5光年先だったな」
「はい、恒星間移動計画の第一歩です、ここで黒字を出さなければ
計画の意味がありません、必ず成功させて次のステップへ進みます」
「ほう、次のステップ?」
「はい、とりあえす100光年の範囲で知的生命体の探査および地球型惑星の
探査です」ダニア
「100光年の範囲にあるのか?」
「いえ、多分存在しないと考えています」ダニア
「だろうなそんな近くに知的生命体が存在していたらこちらが発見
出来なくても向こうが地球を発見してるはず」スタージナス
「御意」
「今の技術ではまだまだハードル高いですがやはり1万光年クラスを
探査しないと知的生命体の発見は無理でしょう」ダニア
「しかし、1000光年の範囲ぐらいでしたら地球型惑星は発見できるやも
しれません」ダニア
「ほう」
「宇宙望遠鏡での観測でハビタルゾーンに有ると思われる地球型岩石惑星が
1000光年圏内に100以上発見されています。」ダニア
「そんなにか!」
「実際人類が生活できるような惑星は多分一つあれば奇跡でしょうけど」ダニア
「現実はきびしいな」
「ですが、例えば月とか火星のように人類が改造を施せば生活可能になる
惑星も有るかも知れません」ダニア
「しかし聖水がなければテラフォーミングは不可能だろう?」
「どうも聖水は宇宙全体に大量に存在してるみたいです」ダニア
「何度も議論されてるが現状で人類が他の恒星へ移住する根拠はないぞ」
「ですが可能性だけは探っておかなければいつ何時必要となるか
分かりません転ばぬ先の杖、備えあれば憂いなしといいますから」ダニア
「いまの人類の資金力ではまず夢物語だと思うな」ダニア
「ま、我々が生きてるうちには実現しないかと、次世代の話ですね」ダニア
「いや、そうとも言えないぞ」スタージナス
「MSの人間バンク論ですね」ダニア
「多分MSの話だとすでに全人類のデーターは勝手に蓄積されてると思う」
「それはキツく禁じています」ダニア
「無理だよ」スタージナス
「なぜでしょう?」ダニア
「すでに我々は各種のハイテク機器を自然に使っている、その際認証を
必ずしている、しないと利用出来ない」スタージナス
「う、・・・・すでにデーターは自然に蓄積されてるのですね」ダニア
「MSがしなくても必ず誰かがする、これは人類の望み不老不死は人類の
究極の本能なのだよ」スタージナス
「多分いま我が死んでも必ず生き返されるに違いない」スタージナス
「確かに我々はすでに歳を取らない体に自然になっていますね」ダニア
「気がついたら脳以外は永遠の体をごく自然にみな受け入れてる」スタージナス
「人類はどこにいくのでしょう?」ダニア
「わからん、神のみぞ知るだ」スタージナス
「コンコン」誰かがノックする
「なんじゃ?」
「もう深夜になりますそろそろお休み下さい、皆ベットでお待ちしてます」
「おお、気がついたらこんな時間、夕飯たべそこねたわ」スタージナス
「私はもう酒飲みすぎでふらふらです」ダニア
「うあ、気がついたら2人でボトル2本もあけてしまった」スタージナス
「今日の事はご内密に」ダニア
「当然じゃ、わかっておる」スタージナス
「セイラ、其方は人間なのか?」寝床で右側にいるセイラに語りかけるスタージナス
「唐突になにをいわれるのですか?」セイラ
突然スタージナスはセイラの首を引っ張る
「ご無体な・・・」
「ブシュ・・・」セイラの首が取れてしまった血しぶきが飛ぶ
「すまんやはり人間だったのか」焦るスタージナス
「ふふふよくも我をたまかってくれましたね、恨みますよ~」
ヒューーードロドロドロ
「うらみま~す」ミライまで化けてきた
「う、わああああああああ」
ガバッと飛び起きるスタージナス
「なにごとですか」いぶしがるイーシャ
「ゆ、夢か・・・」大汗かいてるスタージナス
「夢ではありません、突然私の首抜かないで下さい」セイラ
「うわあああああああ」みな腰抜かす
「もう、おちおち寝てられませんわ」平然と首を付け直すセイラ
「其方やっぱり生体アンドロイドか?」スタージナス
「御免なさい、テストを兼ねてました」悪びれないセイラ
「意識は私でオリジナルの体は別の場所に縮小して保管してあります」セイラ
というか寝所にいる半分以上すでに失神してる・・・ジパンにヤコブにヘッテ
キランにマヤにネハ・・・
「もう、いい詳しくは明日聞くこのまま寝るぞ」肝が据わってるスタージナス
イーシャもタランも平然とそのまま寝静まる
「とんでもないこと」スタージナスはその夜なんども悪夢に目が覚める
翌朝
朝食を食べながらスタージナスはセイラに注意する
「其方が自身でテストするのは構わないがくれぐれも他人に施すでないぞ」
「ですが・・すでにミライと部下数人が研究に参加してます」セイラ
「そこまではしょうがない、そこまでにするように」スタージナス
「ですが、これは社内でのこと、民事の範囲ですわ」セイラ
「いくら今は法整備がされてなくても人道に反する事は許されない
これはモラルの問題じゃ」スタージナス
「わかりました・・・」ふてくされるセイラ
「きっといくら命じても隠れて研究するに違いない、ブランと同じだな」
スタージナスは呆れるが昨日ダニアと話したとおり科学を止めることは
出来ないとも感じている。
しかしよく考えてみるとブランとMSどちらも人類の為の研究で有ることに
間違いは無い・・・
「それで、今日はなにするのだ?視察も接待も飽きあきだ」スタージナス
「我が儘ですねぇ、まだ3日しか経ってませんよ」イーシャ
「大航海の時は次々と難題が降りかかってきて一時も余裕がなかったが
今回の旅はまったくやることがない、つまらん」スタージナス
「それではあと2週間ほど縮小化してお休みになりますか?」イーシャ
「馬鹿者!それこそつまらんじゃないか」だだこねるスタージナス
「あら、視察はまだ終わってませんよ」セイラ
「ん?まだなにか研究してるのか?」
「はい、同時進行で行ってる研究がありますのでご案内します」ミライ
「おおっはよ案内せい」急に元気をとりもどすスタージナス
「まだブラン様にも報告してないのですが・・・」セイラ
「そこまで言っておいて内緒はないだろう、こそっと教えてくれ」
「まあ、どちらにしてもブラン様の恒星間移動計画が完成しないと
どうにもならないコバンザメ研究その2なんですけどね」
「コバンザメ?」スタージナス
「はい、その1は早期警戒システムです」セイラ
「なにがコバンザメじゃとんでもない重要なシステムだぞそれ」
「でもオリジナルに乗っかる製品ですからコバンザメに違いありません」
「いや、其方達の早期警戒システムが提案されなければ恒星間移動計画の
コンセンサスは得られず計画はかなり遅れたはず、原動力はMSだぞ」
「そうなんですか?」まったく人類を動かした事に気がついていない
「まあ、それはいい、はよ新しい研究を教えなさい」スタージナス
「はい、それでは実検棟に行きましょう」ミライ
「じれったいのう・・・」せっかちなスタージナス
「これが新しい研究です・・・といってもまだ実体は出来てません」セイラ
「実体が無いものの為にわざわざ研究棟までこさせたのか!」
「スイマセン、しかしここのセキュリティがないと話せない事なんです」
「自社のコロニー内でも話せないのか?」スタージナス
「城内の食堂ではどこで盗聴されてるか分かりません、メイドロボットも
聞いていました。メイドロボットはホストに繋がってつねに通信していて
会話全てが録音されてます。とても重要な話など出来ませんわ」セイラ
「うむ、確かにそれは不味いな、わかった」スタージナス
「ここの研究棟はダニア様が専用で使っていた南極基地での特別研究室を
参考に作りました、外部とは何も繋がっていません。電気も自家発電です」
「ダニアが後で調べたら確かに一度も情報が漏洩しなかったそうだな」
「御意、この研究棟は更に改善してます」セイラ
「5mのコンクリート、2mの鉛、結界魔法+布団魔法、外部には電線
一本繋がってません」セイラ
「それでは教えてもらおう」スタージナス
「恒星間移動が完成したあと、同じ場所にいくのにまた膨大な予算を掛けて
行くのですか?」セイラ
「ん、つまり移動魔法と同じで魔方陣を向こうに置けば行き来出来る?」
「さすがスタージナス様話が早いですね、似た様な研究をしてます」ミライ
「つまり、なんらかのゲートを設置する?」スタージナス
「はい、ゲートが完成すれば時空エンジンを積まない通常船で行き来出来ます」
「な、なんと・・それが出来たら資源調達において無限大の可能製を得る」
スタージナス
「許可を得た船のみが通行出来なくては悪用されます」セイラ
「なるほど、セキュリティも大事だな」
「で、実現の可能性はあるのか?」スタージナス
「はい、マイクロブラックホールの安定化がカギですがダニア様の
電磁パルス技術が飛躍的に向上し理論上は実用可能レベルまで来ました」
「しかしマイクロブラックホールの利用となると現行法では1/10光年以内に
設置できないな」スタージナス
「はい、ですから今回の実検は人類の明日を占う大切な実検なのです」ミライ
「今の話を聞いたらその通りだな」スタージナス
「なのにおじい様はつまらないなどと大人げないダダこねて、困ったもんです」
「これはしたり、孫にまで叱られるとは、とほほじゃわい」とほほスタージナス
「とにかく実検場にいかなければMSゲートを組み上げる事も出来ないのだな」
スタージナス
「御意、部品は組立てますが肝心のコア部分が手つかず、絵に描いた餅です」
セイラ
「MS?、勝手に名前付けないでください、とにかくゲートが完成したら
太陽系での資源回収システムと同じに魔石コアを放出して自動的になんでも
好きな鉱物を地球まで運んで来てくれます」セイラ
「MSゲート、カッコ良いでは無いか、とにかくそれは凄いな・・・・
しかし勝手に他所の恒星系の資源を吸い取るのはなんか気が引けないか?」
「ですが知的生命体がいない恒星系では宝の持ち腐れです。勝手かも知れませんが
資源が必要な人類が有効利用してあげるのは合理的だと思います」ミライ
「しかし太陽系内の資源でも持て余してるのに・・資源そんなに必要か?」
「勿論です、ダイソン球は太陽系の全資源を利用しても5%も太陽エネギーを
活用出来ませんが他恒星から資源を導入すれば利用率をUP出来ます」
「だがあまりにも太陽からエネルギーを抜いたら地球やその他の惑星に
悪影響与えないか?」スタージナス
「よくお考えください地球や多の惑星は全て太陽の赤道上を回っています
それ以外のエネルギーは全て無駄に宇宙空間に放出してるのです」ミライ
「なるほど、惑星系に悪影響を与えない方向から取り出すのだな」
「御意、太陽エネルギーを効率良く取り出せればますます深宇宙へと人類は
進出可能になります」セイラ
「人類の欲望は果てしないな・・・」
「多分本能なのでしょう」セイラ
「しかし、実検場に到着前にブランとダニアには報告すべきだな」スタージナス
「はい、わかりました、とにかく部品の完成を急ぎます」セイラ
「あと、申し訳無いがこの実検室と同じ物をお城内に作ってはくれぬか?」
「は、何かと打ち合わせ今後増えますからね」ミライ
「うむ、やはりこのような所は必要だろう」スタージナス
「実は商売になるかもとすでにモジュールが完成してます」セイラ
「其方らは商売も上手そうだな」あきんどスタージナスが褒める
「しかし電気はどうやって発生させてるのだ?」
「はい、ここのコロニーと同じでミニミニ太陽を作り核融合させてます」
「あの天井に下がってる直径5mの球体がそうです」セイラ
「一体なんのミラーボールかと思ったら発電機だったのか」
「ははは、ミラーボールですか?あれは全て重力スタビライザーです」
「なるほど、重力スタビライザーでミニ太陽を安定させてるのだな」
「はい、あのサイズなら電磁パルスビームは必要ありませんし安上がりです」
「ほう、」
「残念ですが超ミニサイズなので寿命は1万年位ですが」セイラ
「それだけあれば十分だろうが」スタージナス
「超ミニ太陽発電機、売り物にならないのか?」スタージナス
「実際の販売となると安全性をもっと高めないと大事故起きたときに
数万単位で犠牲者でますから、まず市販は無理ですね」セイラ
「しかし、ここは安全なんだろ?」スタージナス
「その分コストがかかってます、とても民間人が購入出来る金額ではありません」
セイラ
「儲かると思ったのだがなシロウト考えでスマン」
「いえいえ、今後コスト低減化は研究する価値あります、永久発電は
とても魅力的ですから」セイラ
「ダニアの南極研究室は魔石発電だったので電力不足だとぼやいていたな」
「はい、今回の改善点はまさにそこです、ここの研究室なら電力を
気にする必要はありません」ミライ
「しかし逆にありあまる電力はどうしてるのだ?」スタージナス
「はい、電力→魔力コンバーターを使い魔力に変換して研究に利用します」
セイラ
「おお、つまり機械式思念通信への供給じゃな」
「素晴らしいですわ、説明いりませんね」ミライ
「ですがここの研究室で作れるのは試験機までで大量生産するには本格的な
プラントを作る必要があります」セイラ
「で、昨日はイーシャといろいろ商談していたのだな」
「はい、国の予算稟議次第ですが裁量権のあるイーシャ様なら容易かと」
ミライ
「なるほど、つまりイーシャはすでに情報を得ていてここに乗り込んで来た」
スタージナス
「だと思います、つい先日ダニア様から概念をお聞きして着手したばかりなのに
一体どこから情報を仕入れてくるのか、恐ろしい程です」セイラ
「国家権力を侮るでない、本気だせばそういう事だ」スタージナス
「ですから重要な会議や打ち合わせはこのような場所が必要とのダニア様の意見
です」ミライ
「全てが因果で繋がってるのだな・・」スタージナス
「唯一困ることはここに閉じこもると外界と一切連絡つかないので
緊急事態への対応が出来ないのと研究に没頭しすぎて倒れる心配です」
セイラ
「うーむそれは困ったな思念通信も警報も出来ないのだからな・・」
「仕方が無いので昔ながらの目覚まし時計つかってます」ミライ
「まあ、仮眠室もミニキッチンも食料の備蓄もあるのでその気なら
一月ぐらいは籠もれますけどね」セイラ
「しかし連絡つかないのは困る、定時連絡だけは怠ってはならん」スタージナス
「そうですね、気を付けます」セイラ
「せっかく隠匿性が高いこの部屋での会議ですからスタージナス様だけに
次の研究の草案を伝えます」ミライ
「む、まだなにかあるのか?」
「はい、AIの究極型の研究です、まだ概念だけですが・・」ミライ
「ごく、申してみよ」
「はい、人類の究極型、人の意識とAIの多数複合です」
「なんだそれ?意味がわからん」
「つまり人類すべての蓄積データーとAIが学習してきた蓄積を全て
融合、結合させる技術です」セイラ
「それはスーパーコンピュターとは違うのか?」
「コンピュータは蓄積されたデーターを引き出すだけで創造は出来ません」
セイラ
「・・・・・神か?」スタージナス
「神というのがどのような者か私は知りません」ミライ
「それは一体なにが出来るのだ?」スタージナス
「未来予想とか新商品の開発、人類への啓示です」ミライ
「・・・・神そのものだ」
「あら、神様が新商品を開発したという話は聞いたことありません」セイラ
「そんなものが出来たら人間はなにも考える必要がなくなるぞ」
「決して人類はとどまりません、今までもそうですし、これからも」セイラ
「きっと人類はそのような装置が出来ればどんどん利用するでしょう」ミライ
「確かにそれは言えてるな、人類は思ってる以上に賢いし順応性が高い」
「きっとその装置があれば退屈なおじいさまへ的確なアドバイスしてくれます」
セイラ
「馬鹿者、いつまでそんな下らない話持ち出すのだ!」怒るスタージナス
「とはいってもこれはまだ概念、実用化への目処など立ってません」ミライ
「其方達が言えばまず遠からず実現するであろう」スタージナス
「かいかぶりです」二人
「いや・・・」それ以上語るのをやめるスタージナス
「しかし、このままAIが進んでいったらどこかで人類と変わらなくなるな」
「いえ、多分人間などはとてもかなわない存在になります」セイラ
「指導者はAIという時代に必ずなります」ミライ
「汚職や不祥事平気で行うAIも面白いかもな」スタージナス
「そんな俗っぽいのが作れたら究極ですけどね」セイラ
「其方らが勝手に研究してる生体アンドロイドにその技術を組み込んだら
どうなる?」
「超人類、エスパーですね」ミライ
「今や魔法も機械が操れる技術を得てるしとんでもないエスパーだろうな」
スタージナス
「例えば・・・・ダクーミ・・・」スタージナス
「え?なにを仰ってるのか分かりません」
「・・・・あくまでも仮定、我の勝手な想像じゃ」スタージナス
「孫に話す話では無いかも知れないが、その・・つまり生体の本能
生殖も可能になるのか?」スタージナス
「それは、製作者次第でしょう、技術的にはなんら問題ないかと」セイラ
「生殖という概念をどのように判断するかですが例えばDNAを遺伝させる
行為自体は機械で言えばメモリーのコピーと同じです、簡単な技術でしょう」
極めて技術者、科学者的な見解をしめすセイラ
「AIに愛は芽生えるのか?」スタージナス
「愛の定義が難しいですが、プログラマー次第でしょう」ミライ
「さて、何時じゃ?お、昼大幅にすぎてるじゃないか、飯じゃめし」
「はいはい、それでは簡単な食事ここで用意しましょう」セイラ
「おおっ孫達の手料理はじめてじゃ」スタージナス
「ごめんなさい料理はとても苦手なので・・・」セイラ
「うむ、これでも十分美味しいぞ、でもおにぎりは料理といえるのか
微妙じゃな、モグモグ」スタージナス
「ですがこの海苔は当研究所で開発した魔海苔なんですよ」セイラ
「おお、確かにこの海苔は今までで食べた中でも最高ランクで美味しいな」
「科学者泣かせなのですがどうして食材に魔が入ると味が格段に良くなるのか
全く判明してません」セイラ
「其方達でも分からない事があるのか」スタージナス
「分からない事のほうが遙かに多いです、だから研究は楽しいので」ミライ
「火星産のコシヒカリも多分№36聖水が入ることで魔米化してるのです」
ミライ
「うむ、ここ数年で火星産コシヒカリの味は飛躍的に高まったな」
「面白いのはお米だけに限らず農作物や畜産物、魚、全てが格段に品質UP
してるようです」セイラ
「うむ、ダニアが言っていたが火星にも其方達に匹敵する化け物がいるとか」
「あの、私達は化け物なんかじゃありませんから」二人
「バカは自分がバカだと認識できないからバカなのじゃ、天才もしかり」
「私達は普通です、ただ研究が大好きな腐女子なだけ」二人
「どこにも普通人間な要素見当たらないけどな」スタージナス
「とかなんとか言っておにぎり3個も食べましたね」セイラ
「うむ、あまりにも美味しすぎた」
「さて、午後の会議ですが」セイラ
「まだなにかあるのか?」スタージナス
「まあ、大した研究内容ではありませんが」ミライ
「大した物かそうでないかは聞いてみないと分からん」スタージナス
「昨日はイーシャ様がいたので軍事関係はおおっぴらに概念すら語れ
ませんでしたので」ミライ
「うむ、新兵器の話か?」
「はい、兵器というか防御システムなのですが・・」セイラ
「ほう」
「いまや多くの機器で利用されてる思念システムですが・・・」
「うむ、思念通信は限られた人間にしか出来ないが思念自体は人間なら
誰ももってるのだったな」スタージナス
「御意、その思念のなかに不穏分子が発する特有の信号が発見されました」
「俗に言う、悪意?という類のものか?」スタージナス
「悪意といってもいろいろ幅があります、意地悪とか嫉妬とか人間はちょっと
した悪意などは誰にでもありますから」ミライ
「確かにそんな事で取り締まられていたら我なんて真っ先だろうな」スタージナス
「だが宇宙の移民達は解放時に即死魔法を施されてて悪事など働けないはず」
スタージナス
「ところが一部の闇組織が即時魔法解除を開発して多額の金銭を要求して
解除する裏ビジネスがはびこっているそうです」ミライ
「な、馬鹿な・・・」
「その証拠に本来犯罪など起きようもない火星でキョウコ様が襲われました」
ミライ
「な、なにそんな事があったのか!」スタージナス
「一味はその場に居合わせた隠密により全員処分されてしまい裏が取れません
でしたが、明らかに即死魔法が不法に解除されたとみるべきでしょう」
「隠密とな?」スタージナス
「はい、後で報告を受けましたがどうやらシン国が影でキョウコ様の身辺警護を
行っていたそうです、尚私達ではそれ以上の詳細は分かりません」セイラ
「うむ、我にも一切その話は回ってこなかったタランも知らないのだろう」
「シン国と火星の因果はまた別に語るとして、問題はセキュリティ対策です」
「いかにもキョウコ姫は直接政治の表舞台とは無縁とは言えウラアールは
国の重鎮、万が一キョウコ姫が拉致されたら影響は計りしれなかったろう」
「逆探知システムの開発により即死魔法解除者を探知出来る様になりました」
「しかし、即死魔法を解除したからといって犯罪に手を染めるとは限らない」
「ですが移民時の条件が即死魔法承認である以上解除した時点で立派な犯罪です」
ミライ
「確かに、解除者が平然と生活出来たら不公平だな」スタージナス
「単なる好奇心とか知らないでとかのケースも想定されますので違反者には
まず事情調査が必要でしょう」ミライ
「政府広報により即死魔法解除は違反だと周知徹底させる必要もあるな」
「御意、しかる後にそれでも違反を隠匿する者には厳罰が必要でしょう」セイラ
「確かに、知っていて違反するということは何らかの犯罪予備軍の可能性が高い」
「なので犯罪実行時に被害が大きい、空港や主要駅などにゲートを設置します」
セイラ
「まさかその場で消滅とか物騒な方法ではないだろうな?」スタージナス
「いくらなんでもそれは・・と言うか背後関係を探る為にもそれは得策では
ありませんわ」セイラ
「引っ捕らえて調書を取るのだな?」スタージナス
「たしか召喚人間は自爆することも有るそうですからそれなりの
処理施設で尋問する必要があるでしょうね」ミライ
「うむ、しかしその装置は今すぐ必要だろうな要人が襲われてからでは遅い」
「はい、その件もイーシャ様と話を進めていきます」ミライ
「つづきまして・・・」セイラ
「な、まだあるのか?」スタージナス
「え、まだまだ一杯有りますおじいさまが退屈だというので後2週間ほど
毎日ここで研究成果を発表するつもりですが?大小200以上は研究してます
から」サラッとシレっとMSが悪魔の微笑み
「うぎゃあ・・我はシロウトぞ、そんな専門の話ばかり2週間も続けられたら
頭がパーンしてしまう、たすけて~」スタージナス
「いえ、退屈だと贅沢をいうおじいさまにはこれぐらいのお仕置き当然です」
セイラの目がこわひ
「わ、わかった二度とそんな我が儘いわんから今日はもう勘弁してくれ
8時間以上小難しい話で我はもう限界じゃ・・」懇願するスタージナス
「ここはさっきも言いましたが宿泊設備もありますあと3日位は缶詰ですね」
脅かすミライ
「ひ、ひぇ~あけろ、ここを開けてくれ~」マジ泣き出すスタージナス
「もう仕方ありませんね」にっこり笑う二人
こわひ




