定例会
10月の定例会が始まりました
やらかしたあとしまつ・・どうなることやら
「さて今回は議事進行の前に王宮の現状について緊急報告をする」
アスタージナス国王は開会宣言とともに緊急事態を告げる
コホン、「あー皆ものも存じてる通り城内の一部が何物かの攻撃を受け
損害を負ってしまった、犯人追求の前に今後の復旧について報告する」
「まず半壊した子供院修復のため子供院入学式は半年ほど延期とする」
領主のひとりが挙手をする「よろしいでしょうか?」
「うむ、」
「今回の被害は魔法攻撃との憶測もありますが事実関係はいかがですか」
「うむ、いま王宮院が全力で真相を調べている詳細はおって報告する」
その後もいろいろな質問があったがアスタージナスはのらりくらりとかわした
「それでは次の議題にはいる」王様がそういえばそれでおわりだ
「次に今年の子供院の入学試験についてだが・・」
3人ほど落第を告げその処置について周知する大体例年通りみたいだ
だが今の段階でクリスティーナが関与できることは全く無いので省略する
一応王族なので会議の席にはいたが発言権などあるはずもない
国王の報告がざっとされ次は担当大臣達による収穫と徴税の報告
各領主への取り分の報告、来年の方針等事務的な作業を粛々と済ます
「さて最後に今年の魔獣討伐についてですが無事ご成人めされた
第一王子にはそれ相当の担当をお願いしたいのですがいかがですか」
と担当大臣が話す、担当大臣といっても領主が選出されて受け持つのだ
領主間の力関係にかなり影響されてる大臣になれば利権も大きいのだ
「うむ、担当地域に関してはよきにはからえ」と王様
「かしこまりましたどうかこのダクーミに万事お任せ下さい」
黒い眼光が光ったのだが誰ひとりとしてその意図に気がつかない
実直と評判高い第一王子のジルベッタは何一つ疑う事無くコクリと頷いた
「それでは第一王子にはアスタージナス直轄地の西側を担当いただきたく
存じます」西側といえば比較的魔物が弱い地域で極めて妥当といえる
「わかりました」と第一王子
「それで討伐隊の人員についてですが、今回は特例として子供院修復で
入学が延期となったクリティーナ様に見学者としてご参加頂くのは
いかでしょうか?」周囲がザワっとざわめく
「それは前例が無い」と一部が騒ぐがダクーミは続ける
「西地区は比較的安全です王家として魔物討伐任務を避けて通れない以上
お早めに体験していただくのはとても有意義だと思いますが」
ダクーミが大領主の主で魔物討伐担当大臣で絶大な発言権なのは
アスタージナス国王の実弟だったからだ。王位継承こそ逃したが豊富な
魔法と魔力量で王国内であなどれない権勢を誇っていたのであった。
だが最終的な魔力量は国王に及ばない、国王は襲名した段階でエキストラ魔力を
得る。なんびとたりとも国王の権力には逆らうことが出来ないのだ
ゆえに次期国王をなんとしてもわが一族にと思うのは当然なのかもしれない。
「第三王女参加はともかく他の人員はどうするのだ?」
「はっ、今回の討伐には王立騎士団20名、一般兵士100名
後方支援の文官20名ほどの構成ではいかがかと」ダクーミが言う
「うむ、そうしたいのは山々だが財政ひっ迫のおりその人数は難しい」
「はっそれでは騎士団10名兵士40名後方10名でいかがでしょうか」
さらにダクーミは続ける
「人員が少ないので今回は我が配下の精鋭もお供頂きたく」
「チッ」国王は内心で嘆いた、わざと人員構成を渋らせおのが部隊を合法的に
参加させる手口だったのだ。迂闊であったと後悔しても公の場である
否定することは出来ない。
「よきにはからえ」
いつものペースでダクーミにその場を支配されてしまったのだった
「こいつ油断できない」と俺は内心で狡猾で策士のダクーミを軽快に警戒した
同時に「王子ひとりでは危ないかもしれない」と本能が叫んだ
「是非わたくしも兄上様のご勇姿拝見存じたいと思います」と俺
周囲がザワザワっと驚く。今までクリスティーナがこのような場で
発言などしたことがないのだ。毎回むずがって早々に退出させらるのが
せきの山だったからだ
こいつ本当に目覚めたのだなとダクーミも確信した瞬間だった
「うむ、其方が言うのであればそれもよかろう」と国王
そうして第一王子と俺が西地区へ魔物討伐の任を命じられたのだ
定例会を終えこの国の主導権はダクーミにあるのだと俺は感じた。脅威も
夕食会をつつがなく済ませ解散となったが深い陰謀渦巻く情勢について
考えざるを得ない。35独身平凡○ンチ男には荷が重いかもしれんね。
だかなんとしても自分の身と第一王子の安全は譲れないと思った
ダクーミが誰を擁立しようとしてるのは不明だがあんな悪党然とした
やつにこの国を乗っ取られてたまるか。背後関係が判らないのが痛い
こっちは圧倒的に情報が少ないのだ。なのに相手は二重、三重県と策を
巡らしてるに違いない。迂闊な対応は返って術中にハマると覚悟した。
「きっとヤバイ事になってるんだろうなぁ」
翌日おそるおそる魔法認定専用室に入って残金を確認してみた
「魔法ポイント1420点、預金残高金貨マイナス785枚・・」
なにそれ。な、7億8千万円の借金!!!!!
大体そんなポイントどこで稼いだのかも判らんし単純に
それならば金貨1400枚位稼いだ筈なのに借金のほうが多い・・・
まあ、ビル倒壊させちゃったからね(;´д`)
こりゃお出かけ(討伐)前に魔物倒してなるべく稼がないと大変だ
とりあえずうやむやになってほっと人息
悪巧みダクーミの策略に王様負けてるし
しっかりして。




