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それって異世界転生とちゃうちゃう!  作者: kou2199
ロジアン編
105/179

クララ

今回は挿話に近いお話です

私はクララ20才。スフィルニア様の遠縁にあたりますが特段の才もなく

一応家筋の力と財力でお情けで王立魔法院Aクラス卒業という肩書きは得ました

滑り込みセーフで政府の御用を務められそうです。

しかし華やかなS級卒業生とは格が違います。お役所務めといっても事務職

秘書や、案内係がせいぜいでしょう。勿論職業に貴賎はありません。どんな仕事でも

誇りを持って行うべきでしょう・・しかし華やかな家柄にしては最低限の学歴

自分自身の情けなさにモチベーションはダダ下がりです。


「あーあ私ってなにやっても中途半端・・地味だし引っ込み思案だし容姿もダメ・・」

スフィルニア様の七光りで一応「観光庁総合企画室」の職員としてマハッタンの

超一流ビジネスビルの35階に専用のオフィス務めはしている。

多分はたから見たら誰もが羨む「親方日の丸」なのだろう・・・しかし閑職

昔風に言うなら「旗本退屈男」女ですけど(笑)つまりやることがほとんどない


9時5時残業なしの仕事が終わりとっとと家に帰ります・・

なんども言いますが良家なのでお屋敷デカイ!でもそれすら私にはコンプレックス

「私には分不相応・・・早く自分の稼ぎで独立したい、狭くてもいいから自立したい」

あの路地を曲がったらあとは一直線で実家だわ・・・「ガツン」

出会い頭で人にぶつかってしまった


「ご、ごめんなさい、考え事をしてました」あやまるクララ

「いえ、お嬢様おけがはありませんか。本当に申し訳ありません」


「うわーーー」なにこのイケメン!

まるでなにかのインチキドラマみたい・・・・


「あ、お召し物が汚れてしまってますね。弁償させてください」男

「いえ、ウチは目の前ですので大丈夫です・・・」うつむいてクララは逃げる


「では、せめてこれを・・」名刺を渡す男

生まれてからこのかたカレシいない歴堂々の20年、殿方との会話など親以外にない

執事もメイドもすべて女ばかりのクララにこれは刺激が強すぎる


「ダダダダ・・・」実家に逃げ帰ってしまった

「はあ、はあ・・なにこの場面、信じられない、いや絶対にこれは罠だわ」

世間を全くしらないクララだが耳年増ではある。情報だけは知っている

「いつしか王子様が現れる・・・なんてあるわけねーよ」リアリストでもある


顔色を心配する両親、執事、メイドをよそにとっとと部屋に戻りベットにボーン

「わたしだって分かってる。これは絶対になにかの罠・・・あの男私になにする?」


「怪しい秘密結社の売人、だまされてどこかに売り飛ばされてしまう・・」

いやいや

「薬漬けにされてマグロにされて、ああ、あれされてこれされて・・・」

いやいや

「お嬢様を助けたいのなら金10万枚用意しろ・・・御父様助けて~」


夢の中で妄想が際限なく膨らみもう気分は悲劇のヒロイン・・・

「って私そんな価値あるの?確かに家柄だけは無駄に良いけど・・・」クララ


「次つきまとわれたらこのスタンガンで退治してやる・・・もしくは王立魔法院直伝の

護身術を披露してやる」妄想膨らむクララ


しかしそれっきりこれっきり何もない、見事になにもないピクリとも動かない

「私ひとりで舞い上がって・・・結局いつもの通り私は空気・・・」

職場でも実家でも空気そのもの、誰も話しかけてこないし仕事で叱咤される事も無い

実は両親心配してるのだが年頃の娘ゆえ腫れ物を触る感じで遠慮してるのだが

両親の愛情は今のクララには届かない。


イケメン事件から一ヶ月なにも変わらない日常

「クララさん電話です」「はーい」

私宛に電話?なんでしょうねぇ


「あ、クララさん?私の事覚えてますか?」

げっ覚えてない・・・って誰だろう


「街角でぶつかった時に名刺を渡した者です」

やっぱりあのときのイケメン


「な、何用でしょう、ここは職場です私用電話は困ります」クララ

「いえいえ、私実は民間旅行斡旋業、つまりツアーガイドです今日は商談です」


あら、仕事・・・すこしガッカリ。ま仕事なら話だけなら問題なしだろう

「それで国営の企画室に民間企業が何用でしょう?」


「はい、実は我が国もいよいよ富裕層が増えてレジャーに関心が高まりつつある

昨今、国営唯一のリゾート地テイロン観光について官民で共同事業を行えないかと

相談です」


「しかし、私は一介の営業員で・・・」

「はあ?営業の方にご相談するのが第一歩ではないのですか?」

となりで課長が「仕事なんだからもう少し愛想よくしなさい」とゼスチャーしてる

危なっかしくていられないのだろう。しかし私だってこの仕事は好きでしてる

なんとか上手く商談をまとめたい気持ちはあるんですよ。


「それでは一度オフィスに来て頂けますか?電話だけでは意思が伝わりませんので」

「はい、それでは明後日午前中に参りますよろしくお願いします」

「あの、失礼ですがお名前は?」クララ

「はい、私ジパン・トラベル・オフィスJTOのロベルトと申します」

ふーん、あのイケメン、ロベルトと言うんだ・・・


オフィスにロベルトがやってきた、歳は20前後?私と同じ位かな


「初めまして、いや、初めてではありませんね失礼しました。ロベルトともうします」

キラキラした歯がこぼれそうに輝いている、絵に描いたような好青年だ

「ま、まぶしい~・・・す、スイマセンすこし眩しすごるのでオーラー控えて

ください」クララ


「え?オーラ?なんですかそれ」ロベルトには全く自覚がないようだ

「私の容姿などどうでもいいのです、さ、ビジネスを進めましょう」ロベルト


お、普通この手のイケメンは自意識が過剰でナルシストのはずなのに

この方は一切自分の容姿に関心がないみたいだ・・・ふーん


「当社では国営リゾート地について独自のリサーチを行ってきましたが

やはり、お国のやることは民間とは少しズレてますね」ザックリいいきるロベルト

「テイロンは自然に恵まれた巨大リゾートになり得るというのに全く開発が

進んでません」ロベルト


「しかし、テイロンは少し遠すぎるし田舎感がいいというお客様も多く・・・」クララ

「少し遠い方が逆にお客様には「旅行に来た」実感がわくのです」ロベルト

「それに今のテイロンはUSAソックリの建物ばかり・・・異国感ゼロですね」

「そりゃ、建物は大王様が建ててるのですから同じになりますわ」クララ


「はるばるテイロンに行って似たり寄ったりの建物でなにが面白いのでしょう」

「たしかに言われてみれば・・・我が国は実利優先ですからね」

「実利優先は聞こえがいいですが逆に言えば「ケチ臭い」ですよ」

「んまあ、そこまでお国に言いたい放題の方は初めてですわ」クララ

「おかしいですか?USAは自由を尊ぶ民主主義国家。言論の自由が理念のはず」

「し、しかしお国のやることに異論などいままで1人も居ませんでした」クララ

「だから野暮ったい国のままなんですよ、これからは民間の時代自由ですよ自由」

いつのまにかクララはこの男の言うことに心酔しはじめてる・・


「まずは低予算で出来る事から始めましょう」ロベルト

液晶黒板にプレゼン資料の画像を映し出す


「ご覧ください、ホテル街の一階部分をすべて統一した色調の庇にするだけで

清潔感と異国情緒が強調されます。たったこれだけでも垢抜けるのです」


「つづいてこの海水浴場・・・なんですかこの田舎くささ・・売店でイカなんて

売らないでください」手厳しいロベルト


「しかし、イカ焼きはテイロン町長直々のアイデアで・・・」

「お役人のやることなんて民間無視なんですよ。この臭い・・・これだけで

お客様は逃げ出しますし、お土産売り場や露店などは時代遅れの遺物です

つまり「ダサイ」「田舎くさい」「ボッタクリ」いいことは何ひとつありません」


「なぜ風光明媚なところに無粋なお土産売り場なんですか?答えてください」ロベルト

「そ、それは風景に満足したお客様がなにか思い出を得る為?」クララ


「チッチッチ」右手の人差し指を左右に振るいかにもキザな仕草


「風光明媚なところにそんな物ば無粋以外なにものでもありません」キッパリ

「テイロンはなにが売りなんですか?お土産ですか?イカ焼きですか?」ロベルト


「さっきから聞いていれば随分民間人のくせに生意気だな!」課長が不快感

「その我々はお上だ下々は従え、という態度がすでに時代遅れなんですよ」ロベルト

「む、無礼な・・・」

「それでは、現在の収益の10倍増が可能だとしたらどうします?」


「わ、我々はあくまでも国から依頼を受けてリゾート開発してるだけ収益などは

あとから付いてくるものだ」親方日の丸そのもののお役所発言の課長


「弱肉強食の民間企業ならあっという間に他社に乗っ取られるか破産ですね」

「な、なにお~君は私に喧嘩を売ってるのか?」普段温厚な課長が激高する


「失礼は平にご容赦を、でも分かってください折角の巨大なビジネスチャンスを

目の前にして逃す手はありません」


「う、うむその点においては同じ意見だ、では君の意見とやらを聞こう」

「急いては事をし損じます、今日はこれ位にしておきましょう。お近づきの印に

私の贔屓のレストランで昼食はいかがですか?」


「こらこら、民間人からの接待は贈賄と同じ、遠慮させてもらう」課長

「昼食程度のことで大げさな・・・それでは割り勘なら大丈夫ですよね?

是非テイロンの再開発の参考になる素敵なレストランなのですお願いします」


「しかたない自腹なら接待にはならんな、クララも一緒に行こう」課長

「は、はい是非」


案内されたレストラン、確かに垢抜けた上品なお店、なのに庶民感覚溢れている

「こんなにオシャレなお店は初めてです」クララ


「本当はクララさんと2人で来たかったのですが今日は仕事ですからね」

ウインクして微笑むロベルト


「なんだデートだったのならお邪魔するべきだったな」課長

「いえいえ、とんでもありません、それで課長どうですかこの店」

「うむ、今までのUSAでは考えられないほどのオシャレさだな

しかも料金はリーズナブル、お客の満足度は高いだろうな」課長


「実は私の店です」ロベルト

「ま、まさか・・・君は一介の営業マンではないのか?」課長

「名刺みていただいてませんね、私はJTOのオーナです」


おおおっびっくりした~、マジですか!。驚嘆のクララ


「自慢ではありませんがこのお店は私の心意気そのものです」

「うーん、確かにこれほど隅々まで行き届いた店はめったにない」課長

「し、しかしJTOと言えば今をときめく成長企業・・まさか君の様なわか・・

失礼、若い人が経営者だなんて想像も出来なかった」課長


「ビジネスに年齢は関係ありません、要は誠心誠意とお客様のニーズを如何に

掴むか、それが全てです」ロベルト


「分かった、上司にも相談してみよう、是非一緒にテイロンを開発しよう」課長

「もちろん、官民の癒着は汚職になります、全ては公開入札で願います」ロベルト

「しかし、弊社以上のプレゼンがあるとは思いませんが」ロベルト


解き放たれたオーラが揺るぎない自信を表してる・・・周囲が余りにものオーラに

びっくらこいてる。


「すごい、すごいわこの方・・・」惚れてしまった・・容姿では無く仕事ぶりに


ダクーミ、いやそれを遙かに凌駕する見かけだけの誠意・・人垂らしの極地

他人には分からないロベルトの奥に潜んだ憎悪と怨念・・


溢れる妖気に引き込まれるがごとくに世間知らずのクララは吸引されてしまった

「君は美しい、その眼鏡は似合わない、私が服をえらんであげよう」

「ロベルト様にすべてお任せします・・・」

いつしかクララは全身研ぎ澄まされたお嬢様、お姫様に変身していた

眩しいばかりの妖気を漂わせ性格も180度変わっていく・・・


「ああ、わたしはロベルト様がすべて、命も差し出せる・・・」


「私の事業の為に君には危ない橋を随分渡らせてしまって本当にすまない」

「いえ、すべてはロベルト様のお客様本位のための情報、喜んで提供します」

クララ自身はまったく気がつかなかったがいつのまにか国防に関する機密まで

「全ては事業のため」と漏らしてしまうクララ


「ふふ、やはり我がにらんだとおり身内には即死魔法を掛けていない。これほどの

機密情報は完全に国家反逆罪相当なのに・・・」ほくそえむロベルト

「バカ姫さま、我は其方のお家柄だけが欲しいんだよ」悪魔笑いのロベルト

もはや脳内全てを洗脳されてるクララには本音を言っても「嬉しいです」

「お前は最後に自爆するのだよ」「嬉しいです」


ある日


「クララ、急でスマンが大王がわがテイロンに静養に行く事になった

君には最後の仕事をして欲しいのだ」ロベルト


「はい、分かってますなんとしても添乗員になり大王一行の動向を

報告するのですね」クララ



恐るべし洗脳魔法

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