手紙なんて破り捨てましょうよ
あの後、家に帰ってあったことを親に言ったら、私の両親は何て言ったと思います?
「あのチンパンジー切り捨ててやる!」
「あなた、そんな言葉を使っちゃだめよ。控えめに言って、天に昇らせてやるわ。」
チンパンジーって言いましたよ、お父様。控えめで天って、ヤバいですわねお母様。といった具合に、王家と完全的に敵対したのです。
「ご主人様、奥様、お嬢様、あの阿...ではなくアーリャ様よりお手紙です」
彼女は侍女のヴァリア。いま、阿保って言いかけましたよね。侍女まで...
「ヴァリア、内容を読み上げてくれない?」
「はい、お嬢様。では、ルーエル様へ。婚約破棄直後、お忙しいと思いますが今回はどうしてもお話したいことがありましたのでこの手紙を送らせていただきました。まず、ルーエル様がわたくしに行っていたいじめですが、クラスの方々が見ていたと証言してくださいましたの。パーティの時も言った通り、わたくしは今謝っていただければ許しますわ。王子様は、寛大にもあなたを側室にしてくれるとのことです。どうか、いい返事を期待しておりますわ。」
あらぁ。言葉の分からない猿さんが頑張って書いたようですねぇ。
「花嫁修業めんどくさいから、仕事はしてくださいだと。ルーエル、どうする?爆弾送りつける?」
「あらあなた。怖いわ。せめてお茶会で毒いれるあたりにしましょう?」
「奥様も怖いです。麻痺毒と致死毒、どちらにいたしますか?」
やばいやつしかいないよね、この家。とりあえず、この手紙はビリビリにしてごみ箱いき
「とりあえず、おさるさんからの手紙なんて無視しましょう?」
「いえお嬢様、この手紙の内容、周りのご令嬢にお伝えしましょう?」
あ、それいいわね。頷けば、行動してくれるえらい侍女。煩悩機能が付かなければすごいいい子なのにね。