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さぁ、お仕置kお話の時間だ

新規の評価、ブックマークありがとうございます。

お読み下さっている方々に誠に感謝します。

「ぐっ……! 貴様……!」



恨めしげな表情でこちらを睨みつける魔族。

パッと見少し美形よりの普通の青年に見えるが、メニューさんの目は誤魔化せんぞ。俺はともかくメニューさんは有能なんだぞー。…自分で言ってて悲しくなってきた。



「いきなり何を、とかぬかすなよ。さっき封印しようとした時に魔法を飛ばしてきたのがお前だってのは分かってるんだ。……というか今回の騒ぎはお前たちが黒幕だろう?」


「な、何のことだ! 私はただあのバケモノに喰われまいと隠れていただけだ!」


「だから、もう正体バレバレだから誤魔化す必要はない、と言っているんだよ。なあ()()()()



そう言うと恨めしげな表情から一変、驚愕した顔に。



「さて、というわけで少しおしおkゲフンッ…お話をしようか」


「今お仕置きって言いかけたっすよね!?」


「いやいやそんなそんな、すこーし聞きたいことがあるだけだよホントホントー」


「ゴキゴキと指を鳴らしながらすっごい怖い笑い顔してるんすけど! どう見ても話し合いをする顔じゃないっすよ!」



いやーだって下手したら人死にが出るような騒ぎだったし?

俺もこいつらのせいで死にかけたわけだし?

となると軽くひねる、いやむしろねじるくらいしておかないと気が済まないし?



「つーわけで大人しく質問に答えろ。そうすれば今なら半殺し程度で済ませてやる。……何故、あんなことをした。人が大勢死ぬところだったんだぞ」



そう言った直後、メニュー画面が勝手に目の前に開いた。

乱暴はやめろとか警告されてももう止める気は



≪魔族は人類及び亜人種にとって共通の敵であり、和解は不可能。情報を聞き出した後は半殺しではなく速やかに殺害を推奨≫



…止めるどころか手ぬるいと申すか。メニューさん怖いです。

話が通じる相手はなるべく殺したくないんだけどなー…。



≪魔族の習性として一見話が通じているように見えて、内心は人類を殺戮することに全ての思考が向いている模様。生存させてもいずれ人類、また梶川光流及びその仲間に危害を加える可能性が極めて高い≫



…そうか。



「半殺しで、済ませてやる、だと?……人間如きが、上から目線で私を見るなっ!!」



そう言うと、全身の肌が赤く、…いやホントに原色に近い赤色に変化した。

どうやら今までは魔族スキルの擬態技能で人間に近い姿になっていただけだったようだ。

それと同時に能力値が格段に上昇した。1.5倍程度まで増加している。

強化、と言うより擬態によって劣化していたステータスが元に戻った、と見るべきか。



「何故、あんなことをだと? 人が大勢死ぬところだった? それこそが我々の目的だからだ! 人間など生かしておく価値などない、速やかに死ぬべきだ。無価値な貴様ら人間のその死に様に我々の愉しみという価値を加えてやるのだ、むしろ感謝しながら死んでいけ!」


「あ、あんた頭おかしいっすよ! なんでそんなに魔族は人間を憎んでるんすか!」


「憎んでなどいないさ、何の怨恨もない。人間だって美味いものを食ったらまた食べたいと思うだろう? それに深い理由などないはずだ。ただ食べたいから食べる、それと同じで特に理由もなく、ただ人間に死んでほしいだけだ」


「それが頭おかしいって言ってるんすよ!」



…なるほど、分かり合えないわけだ。

こいつら、どうも精神構造そのものが根本の部分で人間と分かり合えないようにできてるっぽいな。



「さて、まだ聞きたいことはあるかね?」


「……いや、無い」


「そうか、先程のカードを解放すればまだやり直せるのでな。結界が消える前に早く死んでカードを寄越せっ!!」



そう言いながら、杖から火球をこちらの顔面に飛ばしてきた。今更こんな火の粉が効くか!

魔力の緩衝材を纏った手で弾き、縮地モドキで距離を詰めてパイルをブチ当てた。



ダァンッ!



「くっ…! ふ、ふふ、効かんな!」



パイルを当てられた魔族は一瞬顔を顰めたが、すぐに余裕の表情を見せた。

HPもほとんど減っていない。擬態解除前のダメージは残っているが、それに比べると明らかに効果が薄い。

能力値が元に戻ったうえに、補助魔法で防御力を強化しているようだ。もう普通のパイルじゃまともなダメージは期待できそうにないな。



「魔法を弾いたり妙な技を使うようだが、この程度ではなぁ!」



今度は大火球。さっきのスライムが放ってきた火球一発分に匹敵するほどの大きさだな。

あれは流石に魔力の緩衝材じゃ弾けないだろう。現にさっき大火傷を負う羽目になったし。

避けるのは容易いが、あえて避けない。もう面倒だしな。



ドォンッ!!と、轟音を立て、火球が炸裂した。



「か、カジカワさん!」


「避け切れずに死んだか、なんともあっけない……!?」



なんかお決まりのセリフを吐いてる魔族の目には、爆炎の中から出てきた準備が整った俺の姿が映っているだろう。

HPはごっそり持っていかれたが、一応無傷で済んだ。スライムに比べるとやっぱ少し威力が弱いみたいだ。

再び縮地モドキで急接近。



「またそれか! だがそう何度もっ!?」



杖を構えて迎撃しようとしたらしいが、突然杖が魔族の手を離れ、あらぬ方向へ飛んでいってしまった。

なんてことは無い。ただ気力と生命力を接続した魔力の遠隔操作で杖を弾き飛ばしただけだ。

そのことに面食らって、わずかな時間だが致命的な隙を晒す魔族。それを見逃すほど俺も間抜けじゃない。

ただのパイルじゃ効かないなら、新技お披露目といきますか。


魔力の緩衝材を全身、特に右腕を重点的に纏わせ、さらにそれを分厚い魔力装甲で包む。

右手の掌の先に爆発性のある液体化した空気(多分水素とか酸素。詳しい成分は俺もよく分からん)を生成。それをコップのような形の魔力装甲で覆い、その先に魔力でできた杭を作る。

本来ここまで作るのに数秒かかるため、実戦で使用するのは難しいが先程の大火球が目眩ましになってくれたおかげで余裕をもって準備ができた。

杭を、魔族の胴体に向け、爆発性のある液体空気を起爆!



ズダァンッッ!!!



通常のパイルとは比較にならない爆発音。

反動も桁違いにでかく、入念に緩衝材と装甲を纏っておかないと腕がもげかねないほどだ。

そして、その勢いで突き出された杭はハイケイブベアの頭を容易く粉々にするほどの威力がある。そんなものが直撃すれば当然、アレだ、…スプラッタ通り越して赤い破片が辺りに撒き散らされることになった。

当然魔族は即死。ここまで原形留めてない状態じゃグロさすら感じないな、我ながらエグい威力に仕上がったもんだ…。



「う、うわぁ……粉々じゃないっすか…」


「うむ、魔族相手にも充分通用するようだな。ハイケイブベア相手に練習しておいて良かった」


「あの時、熊の頭を弾き飛ばしたのはこの技だったんすね。割とヤバい威力っていうか物凄く危険な技じゃないっすか」


「うん、我ながらドン引きだわ…。あ、杖は回収しておくか。今のアルマの杖より少し強そうだし、後で渡しておこう」



ぶっちゃけこんな技使わなくても、魔力飛行で高所から地面に叩きつければそれで倒すことができるだろうが、それが使えるのは飛行士として活動している時だけだ。

毎回その戦法が使えるとは限らないし、火力の高い技を開発しておいて損は無いだろう。

さて、こっちは片付いたが向こうはどうかな? まあ大丈夫だとは思うが念のため見に行くか。

油断するなよ、アルマ、ロリマス。


お読み頂きありがとうございます。

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 9/5から、BKブックス様より書籍化!  あれ、画像なんかちっちゃくね? スキル? ねぇよそんなもん! ~不遇者たちの才能開花~
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