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魔法剣(?)習得修業①

前回のあらすじ

ヒカル「メケーモ!ホムラダーマ!グーレンカイナー!」

アルマ「なにやってんだあいつ」

※前回の内容と差異がある可能性が(ry

 …こんにちは。

 はい、ちょっと修業中にやらかしましてね。


 魔刃再現が上手くいかずイラついてまして、気分転換に魔法剣もどきを振り回して遊んでるところをアルマに見られまして。


 アレについての説明をただ今要求されております。


 違うんやぁ…ただの出来心だったんやぁ…。



「いくつか聞きたいことがあるけど、いい?」


「はい」



 思わず敬語。別に怒られてるわけじゃないけどアルマの真剣な表情の迫力がすごいです。



「スキル、取得できないはずなのに、魔法使ってた?」


「はい。スキルは未だ取得できない状態です。でも魔力を直接操作して使おうとしたらなんか上手くいきました」


「魔力を直接操作!? なんか上手くいった!?」



 アルマが珍しく大きな声を上げて驚いている。

 ちょっとキャラが崩れてないか。大丈夫か。



「で、燃える剣の正体ですが、ぶっちゃけアレはただの生活魔法に毛が生えたようなもんで、剣の周りに可燃性の魔力を纏わせて維持して、着火しただけです」


「違う。私の知ってる生活魔法と大分違う。むしろ全部違う」



 いや、それが同じなんですわ。ホントに。



「まあ、見た目は派手だけどそんなに攻撃力が上がるわけでもないし、実戦向きじゃないと思うよ」


「それでもいい。やり方を、教えてほしい。お願い、ヒカル」



 うっ、そ、そのうるうるした瞳での上目遣いは反則だろ。こんなの断れるわけないじゃん…。


 で、さっきの再現しようとしたところでがMPが切れた。オーノー。

 アルマが泣きそうな顔で残念そうにしてて、かつてないほどの罪悪感。ごめん、マジでごめん!

 …今日の夕食は俺の奢りで少し豪華にしよう。





 で、次の日。

 いつもの修業場にて朝から魔法剣もどきを教えることに。

 うーん…こんなの覚えても仕方がない気がするが、まぁ本人が満足ならそれでいいか。




「そういえば、攻撃魔法使う時に火球の威力や速度、形状を調節したりはできるか?」


「あんまり大きくは変えられないけど、威力を弱くしたり手加減することはできる。ただ、逆に強くしようとしても無理」



 ふむ、スキルも完全にオートってわけじゃないんだな。

 ある程度の威力調整はできるってわけか。




「さて、あの燃える剣…魔法剣の使い方ですが、使う前にちょっと準備が必要です」


「準備? 魔力の、直接操作?」


「正解。アルマにはそれを習得してもらいます。攻撃魔法の形が自由自在ならそれを剣に纏わせれば完成だけど、無理っぽいし」


「うん。できたとしても、思いつかなかったと思う。ヒカルはどうして魔法剣を思いついたの?」


「え、えーと、スキルが使えない分、こんな使い方できたら面白そうだなーって想像する時間が多いからかな」



 嘘です。漫画とかゲームの知識です。

 特に電撃を纏った斬撃とか飛ばしたりする、某大冒険漫画の序盤で使ってた技のイメージが強い。

 やめて、そんな純粋に感心したような目で見ないで。なんか心が痛いから。



「まずは自分の体の中の魔力を感じとることから、始めてみようか」


「う、うん」



 偉そうに指導してるけど、教え方がこれで合ってるかどうかは正直分からん。

 でも、使ってみたいというアルマの気持ちに応えるために、こっちも割と真面目に考えて教えてるつもりだ。



「ちょっと、攻撃魔法を何もないところに撃ってみてくれるか?」


「うん、分かった」



 そう言って、近くの地面に向かって掌から火球発射。

 ドォン! と小さな爆発を起こし、地面を焦がした。

 まぁ、魔法を撃たれた方の結果はどうでもいいんだけどな。問題は撃った方。



「今、アルマは火球を撃つのに自分の魔力を8消費した。体内の魔力が掌の先から体の外に出たのが感じとれたか?」


「え、えっと……ごめん、よく分からなかった」



 まぁ、こちらの世界の人間にとって魔力っていうのはあって当たり前のもんだしな。

 極端に言えば、自分の体の中に流れてる血液の動きが感じとれるかって言われてるようなもんだし。そりゃ分からんわな。



「……あれ? なんで、いくら魔力を使ったか分かるの?」



 …やべっ、ついうっかり。

 まあ、そろそろ話しておいてもいいか。

 アルマなら、メニューのことを他人にばらしたりはしないだろうし。



「説明してなかったな。なぜか分からないけど、森で目覚めてから人や物のステータスや効果が分かる画面みたいなのが見えるんだよ。まるで鑑定スキルみたいにな」


「……それ、あまり人に言いふらさないほうがいい。私はもうヒカルならなんでもありだからって納得できるけど、普通の人から見たら明らかにおかしい」


「ああ。分かってる。だからアルマだけにしか話してないよ。あと俺はなんでもありじゃないよ」


「……それなら、いい」



 思ったよりリアクション薄いな。勝手にステータス見たこととかツッコまれるかと思ったけど、気にしてないのかな?



「じゃあ、今度は手を前に伸ばしてみてくれ」


「えっと、こう?」



 キョンシーみたいなポーズになるアルマ。ちょっとシュール。片手でいいんだが。


 で、今度は俺が自分の魔力を遠隔操作して、アルマの右手に接触させた。



「ひゃぅ!? な、何?」



 いきなり魔力に触れられて、小さく悲鳴を上げて驚いている。

 ……直接触れてないのにセクハラしてる気分。事案じゃないよ。



「ごめん、びっくりさせちまったな、今、何か感じ取れたか?」


「右手に、なんかじわっと、ふわふわしたのが触ってきたような…」


「俺が放った魔力を右手に触れさせたんだ。そのふわふわしたのが魔法やスキルを使うのに必要なもの、つまり魔力だ」


「今のが、魔力…」



 魔力が触れた右手に触れながら不思議そうな表情で呟いている。

 さすがに外部から触れられたのは分かるみたいだな。



「自分の魔力はどうだ? 分かるか?」


「……分からない」



 まあ、魔力で肌を触られただけじゃ分からんわな。

 仕方ない、あまり接触すると脳内のゴーストがまた騒ぎ出すかも知れんが、他に方法が思いつかん。



「アルマ、嫌かもしれんがちょっと手を握ってみていいか?」


「ん、いいけど。あと別に嫌じゃない」



 さて、まずは右手を軽く握手するように握ります。

 ……だからこれレクチャーに必要なことなんだって。事案じゃないっつってんだろ!



「今からアルマの手に俺の魔力を通す。それを自分の魔力で押し返して、手から放出してみるんだ」


「え? え?」



 何が何だか分からない、といった様子だが俺にも上手く説明できん! 実践あるのみ!

 魔力をアルマの手の中にゆっくり流し込んでいく。



「はうぅっ!? な、何かが、手の中に入ってくる…!?」



 困惑しながらも流れてくる魔力を感じとっているようだ。

 …しかし、普段は無表情でおとなしい印象のアルマがオーバー気味なリアクションをするとちょっと新鮮な気分だ。

 はいはい事案事案。もう好きに言ってくれ。



「掌の内側に魔力が入っているのが分かるな? そいつを押し返すイメージだ。できるか?」


「……っ! うぅっ……」


「イメージしろ。指を動かすように、息をするように、目を開けたり閉じたりするように、できて当たり前のことのように体の中の魔力を動かすんだ」


「すうぅぅ…はあぁぁ…」



 そう言うと、実際に指を動かしたり深呼吸したりしている。いや、あくまで例えなんだけどな…。



「魔法を使う時にも体内の魔力をスキル頼りとはいえ操作できているんだ。きっとできるはず……お?」


「ふうぅぅぅ……!」



 深く息を吐き、それと連動するように魔力が押し返されてくるのが分かる。

 なるほど、息を吐く要領のイメージで掌から魔力を放出したのか。

 早くもコツを掴んだみたいだな。この子すごいわ、習得早すぎだろ。



「よし、上出来だ。体の中の魔力が感じられるか?」


「なんとなくだけど、分かる気がする」


「最初は体の中だけでいい。しばらく魔力を自在に動かす練習をしてみようか」


「分かった…………」



 目を閉じて、魔力の操作に集中しているようだ。

 しかし、もっと苦戦するかと思ったのにあっさりできるようになるとはなー。魔力の直接操作は至難って話だったのに、異世界人じゃなくても普通に魔力操作使えるやん。

 スキルなしで魔法が使えた時は、ちょっと自分がすごい奴なんじゃないかって思い始めてたけどそんなことはなかった。うん、まあそうだよな…。俺だし。




 それから3時間くらいずっと直立不動のまま魔力操作を続けている。

 大丈夫? 脚疲れない? すごい集中力だな。

 こんなに夢中になってまで、あの魔法剣もどきを使いたいのか。その情熱はどこからくるんだ。

 …あの三人娘を見返してやりたいから、ちょっとでも強くなれる可能性があったら試してみたい、とか考えてるのかな。

 何度も思うけどあれ実戦向けじゃないんだけどなー。




「アルマ、一旦休憩しよう。そろそろ昼食時だし」


「………分かった」



 そう言ってこちらに2、3歩ほど歩いたところで、膝から崩れ落ちた。



「……大丈夫か?」


「……脚が、痺れた……」



 集中しすぎだ。お疲れ様。




 昼食の間も、俺の作った焼きおにぎりを咀嚼しながら魔力操作をしているのか掌をじっと見つめている。休め。

 昼食の後、食休みを一時間程度とったが、その間もずっと目を閉じて不動。

 一見寝ているように見えるが魔力操作の練習継続中のようだ。もういい…! 休めっ…!


お読み頂きありがとうございます。

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 9/5から、BKブックス様より書籍化!  あれ、画像なんかちっちゃくね? スキル? ねぇよそんなもん! ~不遇者たちの才能開花~
― 新着の感想 ―
[一言] こーゆーの事案だと思うんですよぉ
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