さ わ や か
新規の評価、ブックマーク、誤字報告、感想をいただきありがとうございます。
お読みくださっている方々に感謝します。
いつの間にやら300話突破しておりまして、コメントを拝見させていただいた際に初めて気付きました。アホス。皆様の応援あっての小説であります。感謝。
物語もそろそろ終盤が見え始めてくるころですが、『まあ、暇潰しに読んでやるよ』という奇特な方がいらっしゃいましたら、今後ともよろしくお願いします。
ミミックを蹴り飛ばして、中から出てきたのはまたしても木の実。……ダンジョンの製作者絶対遊んでやってるやろ。
まあ、今度は生命力の最大値が上がる『命の種』っていうパワーアップアイテムだったから、むしろ当たりのほうだけどさ。
でも、できれば気力の最大値を上げるアイテムのほうが欲しかったなー。
俺の場合はロスはあれど魔力を気力に変換すれば問題ないんだが、アルマたちは気力操作を後先考えずに使うとすぐ気力不足になっちまうからな。
気力操作は能力値そのものを底上げするという、格上の相手に対抗するための重要なファクターだ、ある意味魔力操作よりも重要かもな。
実戦で安定して使えるレベルでの気力強化の倍率上限は、アルマ・レイナ・ヒヨ子は大体2~3倍くらい、俺は5~6倍くらいかな。
つまり、仮にアルマの能力値平均が1000くらいだとすると、およそ3000まで跳ね上がるというわけだ。
魔獣のレベルに例えると、Lv50台だったのが瞬間的にLv80台まで上がる感じかな。怖すぎワロタ。
それ以上無理に上げようとすると、消耗が激しすぎてすぐに気力が枯渇してしまい行動不能に陥ってしまう。
気力の最大値が上がれば持続時間も延びるし、より強く気力強化することも可能になるけどね。
ちなみに、魔王にハツを抜かれた時には気力強化をしていなかった。いや、できなかった。
だってどう見てもヤバそうな相手だし、普通に気力強化しただけじゃ敵いそうになかったんですよ。
攻防する瞬間に気力を10倍くらいまで爆上げして対応しないとまず勝てない。そう判断して相手の出かたを窺っていたら、いつの間にかぶち抜かれてた。本末転倒もいいとこだ。アホス。
ちなみに今の俺が身体全体の能力値を仮に10倍まで上げたら、多分10秒くらいで気力が枯渇すると思う。やったことないけど大体それくらいだとなんとなく分かる。
身体の一部、例えば右腕だけだったらもうちょっと保つと思うけど、その間他の部分の強化が弱まるからいかんともしがたい。うぬぬ。
魔王の能力値は、どれくらいだろうか。
メニューさんが魔王のステータスや前世の情報を取得することに成功したらしいが、プロテクトの解凍処理や解析作業なんかに時間がかかってるとかなんとか言ってまだ見せてもらってない。
あまりに絶望的な強さだから、下手に見せると心が折れるかもしれないとか思って情報を隠してたりしないか?
≪否定。今現在も解析中。処理が完了次第開示する≫
そっすか。……大変かもしれないけれど、魔王の懐に潜り込むのに欠かせない情報だし、なんとか頑張ってくれ。
頼んだぞ、相棒。
≪……了解≫
さて18階層ですが、ホントにここはダンジョンの中なのかと言いたくなるような、広大な草原が広がっていた。
すっごい爽やか。暑くも寒くもない適温で、そよ風が心地よく、上を見上げると少しだけ雲の浮いている青空が広がって―――
いや、待て。なんで空が見えるんだ。工業都市近くのダンジョンでも似たような階層があったけど、さすがに青空が広がっていたりはしなかったぞ?
もしかして、ここって外に繋がってたりするのか? 魔力飛行で飛んでいったら、そのままダンジョンから脱出できたりするんだろうか。
≪非推奨。上方に広がる空は空間の亀裂を通して外の景色が見えているだけである。この階層の上方では空間断裂が絶えず発生しているため、空を目指して飛行すると一定のラインを越えた時点で瞬時に粉々に分解される≫
こわぁ!? なにそれこわい! この階層じゃ絶対空を飛ばないようにしようそうしよう!
一見、のどかな風景が広がっているように見せて、殺意に満ちた仕掛けが隠されていたでござる。ホント、ダンジョンの設計者の意地の悪さが滲み出てるわー。
ていうか空間の亀裂ってなにさ。これまで色んなトラップやら過酷な環境やらを乗り越えてきたけど、また毛色の違ったギミックが出てきたな。
≪21階層から一部、空間の異常がはみ出している模様≫
は? 異常が、はみ出してる?
もしかして、その空間の亀裂ってやつは意図的に作られたものじゃなくて、単なるバグだったりするの?
≪概ねその通りであると推測≫
設計者さん、意地が悪いとか言ってすみません。ただのバグだったんですね、誤解してました。
でも17階層までの地獄っぷりは許されざるよ。やっぱ設計者クソだわ。肋骨折れろ。
『コココッ! コケェ!』
『バルルルルルッ……!!』
『ブギィィイイ!!』
おおう。上空以外はパッと見のどかな草原かと思いきや、魔獣も普通に生息してるんですね。
ほうほう、あの綺麗な紅い羽のニワトリの名前は『ヒヒイロコッコ』というらしい。ニワトリ型の魔獣は久しぶりに見たな。ヒヨ子、元気にしてるかなー。
一緒に牛と豚っぽい魔獣もいるな。……ふむ、大きさは普通の豚や牛と大差ないが、レベルは82とかなり高い。
「いい感じに円熟してそうだな。……主に肉の味が」
『『『!?』』』
「ど・れ・に・し・よ・う・か・な、て・ん・の……オイ待て、なぜ逃げる」
ちょっと待て。俺はただどいつから戦おうかと選ぼうとしてただけだぞ。
待って、待ってください。ちょっと、おい! 逃げるな! 待て! 待たんか!!
「待てっつってんだろぉがゴルァ!!」
『コキャァァァアッ!!』
『ブギャアアアアッ!!』
『バギャァァァァッ!!』
白目を剥き、絶叫しながら散り散りに逃げていく魔獣ども。一匹たりとも逃がさんぞ、覚悟しろ!
その後、しばらく追いかけっこを続けてなんとか3匹とも捕獲。屠殺。保管。
死に物狂いで逃げるもんだから、捕まえるのにちょっと時間がかかってしまった。
……まずいな。もうLv80台の魔獣でもチラッと食欲を見せただけで逃げ出すようになってきやがった。
レベリングする時は無心で進めないと逃走されてしまって、追いかける手間が増えて時間を無駄にしてしまうな。気を付けよう。
草原の中にも、トラップは存在する。
誰がやったのか知らないが、足が引っかかるように草を結んだだけの幼稚なトラップとか。
動くものに反応して、まるで弾丸のような勢いで硬い木の実を射出してくる木とか。
見た目はただの草なのに、触れてみるとトリモチのように粘っこく纏わりついてくる謎の植物とか。その他色々。
「……あら?」
そして、落とし穴。
落ちた直後に冷静に魔力飛行で上がろうとしたけど、身体が急に重くなってそのまま落下してしまった。
な、なにが起きた!? ていうか、なんで罠を見抜けなかったんだ!? メニューさん、どゆこと!?
≪この落とし穴は19階層に繋がっており、ショートカットとして利用可能。命の危険はないので問題はない≫
いやいや、まだ探索し終わってないんですけど! ボスを倒してないからレベリングも中途半端だし!
≪この階層の探索を続けるより、19階層の探索を長く続けることを推奨。魔獣のレベルも高く、また手に入るアイテムもより有用なものが多い≫
推奨っていうか、強制じゃねーか!
せめて落ちる前にひと言くらいあっても、……ていうかなんでこんなに体が重いの!?
≪19階層は重力が強い階層であり、入り口の時点で通常の2倍、この地点では5倍程度の重力負荷がかかっている≫
ご、5倍ですと?
俺の体重が大体60kgくらいだから、その5倍となると300kgにまで体重が増えていることになるわけか。
こ、こんな状態じゃ、まともに飛ぶことも……あ、地面が見えてきた。これ、落下死するんじゃね?
≪落下地点に衝撃吸収の術式が刻まれており、落下ダメージを無効化するので問題なし≫
おっとっと、……ホントだ、なんともない。
ダメージがないのは有難いけど、逆に気持ち悪い。なんかヒュンッてなった……。
とにかく身体が重いが、これに近い状態は既に経験済みだ。
そう、夜に魔力ギプスを纏った状態での筋トレや走り込みをしているのである。
魔力ギプスの応用で、逆に身体の動きを補助するように魔力を纏って動かせば普段と大差ない動きができそうだな。
しっかし、この階層含めてあと2階層か。
残り日数はまだ余裕があるけど、21階層に着いた後のこともそろそろ考えておかないとな。
まさか辿り着いた途端に亜空間にばら撒かれたりしないだろうな。怖ひ。
お読みいただきありがとうございます。
>やべぇ想像よりも酷いマグマの使われ方した。―――
想像のほうも大差ない酷さで草。
勇者君に限らず、主人公の所業を見た人は敬意や羨望よりも『アイツヤベーわ』という感想を抱くという。変態呼ばわりぐうの音も出ませんね。
>メニューさんって青い画面だったんですね。―――
どちらも基本は青で、死亡した対象を見る時や緊急時なんかは赤表示です。
ちなみに魔王のメニューは不具合があって、読み込みに時間がかかったりすることがあったり。
>おいおい、変態のこと梶川って言うなよ!!―――
逆ゥー!
某鬼畜難易度のアクションゲーではミミック怖さに武器を振るって中のアイテムがゴミクズに(ry
マイクラってそんなに殺伐としたゲームだったのか(戦慄
>いつの間にか300話に到達してた、おめでとうございます。――
ありがとうございます。このコメントを見て初めて気付きました(;´Д`)
武器に使うのは確定ですが、なにをどう使うのかはまた後のお話にて。
>300話目、おめでとうございます!―――
ありがとうございます。
こうしてお祝いのコメントをいただきますと、嬉しい気持ちと筆者のくせにすっかり忘れていた申し訳なさが同時に沸き上がってきます(;;´Д`)
>300話突破おめでとうございます! 初期から読んでいた者として―――
ありがとうございます。そろそろ罪悪感で胸がはちきれそう(;;;´Д`)
主人公的には成長しているというよりも、『ただステータスが強くなっているだけで、俺自身はそんなに変わってない』と思っているようです。基本的に自分に自信がないんですね。
幸運値先生は本当に必要な時だけ仕事する御方ですので。最初からそれ頼みにしてもロクな結果にはならないようで。
時間経過の有効活用はやっぱ熟成や発酵の発想が主みたいですねー。パソコンでもあれば自動作業の短縮化とかできそうですが。
>新機能って極端に時間を遅くして温度を上昇させることもできそうだな…―――
(アカン)
メニューさんの新しい機能やアイテム画面に収納したアイテムや主人公の技が増えるたびに斬新かつ物騒なアイディアがコメントに書かれていてその度に大笑いしてます。怖すぎワロタ。
放射能は、まあ抵抗値が高ければある程度は耐えられる、でしょうか。うんそういうことにしようそうしよう(適当




