閑話 ついに揃うかフルメンバー
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今回は勇者視点です。
アイナさんとの修業の区切りとして、Lv70を超える魔獣を討伐したのはつい1週間前のこと。
その時点で船で第1大陸からこの大陸を目指しても、多分大会には間に合わなかったと思う。
でもアイナさんがフィリエ王国行きの転移魔法のスクロールを持っていて、ノータイムでこの都市まで辿り着くことができた。
貴重なスクロールを消費してしまったことをアイナさんは嘆いていたが。あのスクロール一本で200万エンは下らないらしいし、無理もない。
あらかじめ先にこの都市まで来ていれば、ファストトラベルで移動できてたんだけどなぁ。
つまり先にメニューの追加機能を教えてなかったメニューが悪い。
≪いやいや、だから教えちゃダメなんですってば。ワタシにもできることとできないことがあってですね?≫
あーはいはい分かってますよ。神様もケチケチせずに教えてくれればいいのに。
大会直前になってLv70超えの魔獣を辛うじて討伐し、今のオレのステータスはこんな感じ。
ネオライフ
Lv41
年齢:15
種族:人間
職業:勇者
状態:空腹
【能力値】
HP(生命力) :1092/1092
MP(魔力) :539/539
SP(スタミナ):114/418
STR(筋力) :937
ATK(攻撃力):937(+670)(+100)
DEF(防御力):848(+430)(+310)
AGI(素早さ):853(+120)
INT(知能) :823
DEX(器用さ):714
PER(感知) :711
RES(抵抗値):550
LUK(幸運値):165
【スキル】
剣術Lv10 天剣術Lv2 槍術Lv9 斧術Lv7 棍術Lv6 弓術Lv6 盾術Lv8 体術Lv10 極体術Lv3 投擲Lv5 拳法Lv10 格闘術Lv1 隠密Lv4 攻撃魔法Lv10 上級攻撃魔法Lv1 補助魔法Lv3 回復魔法Lv8 他、任意で表示
【マスタースキル】
オーラ・ミティゲイション
マギ・ミティゲイション
カウンター・フィスト
次元刃
装備
光虎の牙剣
ATK+670
光虎革の胸当て
DEF+430
紫電一閃のブーツ
ATK+100 DEF+310 AGI+120
【称号】
勇者 魅惑の美男子 死を乗り越えし者 格上殺し 怖いもの知らず 命知らず 蛮勇者 生き急ぐ者 魔獣キラー 魔獣ジェノサイダー スキルマスター 処刑人 千の壁突破 二千を超えて
修業前と比べてレベルが倍近く上がって、能力値もそれに見合った高さになってきたな。
スキルレベルもアホみたいに上がって、マスタースキルを4つも獲得できた。
特に【次元刃】は響きがカッコいいからお気に入りだ。性能もかなりヤバい。
攻撃魔法がカンストして、中級すっとばして上級へ派生してるけどMPの燃費が悪いから基本使わない。
そもそもオリヴィエがいるなら攻撃魔法は上げる必要はなかったかもなぁ。まあ上がって困るもんでもないけど。
光虎の牙剣と光虎革の胸当ては修業の終わりに仕留めたLv70超えの魔獣『サンシャイン・タイガー』の素材から作られている。
何回も食い殺された相手だけあって、倒した時はもう嬉しすぎて泣き笑いしながら叫びまくった。
Sランク下位の魔獣だけあって、採れる素材も超一級品。固有魔獣の装備と違って進化はしないが、それでも相当なスペックを秘めている。
レヴィアはLv39まで達して、職業を豪槍戦士へとジョブチェンジして槍術と体術がカンストし穿槍術Lv3、極体術Lv2まで上がっている。
だがレベルやスキルよりも、戦闘中の視野が広がって連携が非常にスムーズになったことや、元々高かった戦闘センスがさらに磨かれたことのほうが大きな収穫といえる。
多分、実際のレベルより一回りくらい上の相手とも充分やりあえると思う。能力値はオレのほうが上のはずなのに、立ち回りはレヴィアが圧倒的に巧い。
職業自体は普通の戦闘職だが、その実力はレア職業に引けを取らない。
オリヴィエもLv39まで上がって、職業は賢者から大賢者へジョブチェンジ。攻撃魔法、補助魔法、回復魔法をバランスよくカンストさせてそれぞれ中級の魔法を使えるようになった。
元々身体が弱くすぐ息切れしていたが、地獄のような走り込みと回復魔法による超回復を繰り返した結果、凄まじい持久力を手に入れることができた。指示を出したアイナさんが舌を巻くほどに。
そのおかげで魔法中心の職とは思えないほど戦闘中に動く。そりゃもうとにかく動く。たゆんたゆん。
基本は後衛だけど、状況に合わせて最適なポジションを維持し、ここぞという時にオレ以上に強力な魔法を叩きこむウチのメイン火力だ。
……アイナさんもオレのパーティに入ってほしかったが、そうするとどうも不都合なことがいくつかあって無理だった。
オレがメニューにパーティ登録させられるのは自分よりレベルの低い相手だけらしいから、Lv73もの基礎レベルを誇るアイナさんはパーティに加入させられなかった。
だから、死に戻りの恩恵を受けられないから同行させて万が一の時にアイナさんだけ本当に死なせてしまう可能性がある。
冒険者ならある程度のリスクは承知のうえとはいえ、一人だけ死のリスクを背負わせるのはあまりにも不公平だ。
もう一つは、アイナさんの種族『エルフ』の特性。
エルフは寿命が長い分、レベルやスキルの成長が遅い。
今でこそアイナさんは俺たちより圧倒的に強いが、パーティのレベルが上がっていくうちに一人だけ取り残されてしまうかもしれない。
先ほど言った死のリスクのこともあって、長い目で見ると加入させないほうが無難という結論に至った。
……大会が終わるまで一緒にいてくれるらしいが、これまで世話になった師匠とこんな理由で別れたくはなかったなぁ。
アイナさんから言い出した話で、一応納得できる理由ではあるが割り切れないものを感じる。
別に今生の別れってわけでもないし、アイナさんにはアイナさんの仕事があるらしいから、変に引きずったりはしないほうがいいのは分かってるんだけどね。
で、修業が終わって魔獣の装備が出来上がったら、すぐに第5大陸へ転移した。
修業終わりの打ち上げも兼ねて、ちょっと贅沢して外食でもしようと席に着いたら、近くのテーブル席に座っていた男がウェイトレスの足を引っかけたのが見えた。
そのせいでウェイトレスがコケて向かいのオレンジ髪の男に料理をガシャーンしてしまって、オレンジブチ切れ。
安物の服を超高級な服だと言い張ってウェイトレスに絡んでいたが、一部始終を見ていればどう考えても自作自演です。本当にありがとうございました。
男として恥ずかしくないのか、恥を知れ恥を。
で、その結果お嬢ちゃん代わりに相手しろだの女として二度と表に出られないようにしてやるとか言われて、オレ氏、半泣き半ギレ。
つい感情のままに青髪を裏拳で、オレンジ髪を正拳で殴り飛ばしてしまった。
……あのね? オレも初めて自分の姿を見た時は男か女か分からなかったよ?
むしろ性転換してないかって疑うレベルで女性寄りの容姿だった。
成長していけば、そのうち男らしくなっていって女と間違われることも無くなっていくって信じてた。
だが、違った。最近はもう初見で男として見られることがほぼ無くなってきてる。なんでやねん。
多分、散髪してないせいでどんどん髪が伸びてるのが原因だと思う。
そのせいで、成長して男らしさが出てくる前に女っぽさの方が前面に出て(ry
もういいや。クソが。
「あ、あの、ありがとうございました……!」
「おじょ、ゲホンッ ニイちゃんやるじゃねぇか! スカッとしたぜ!」
「あ、あはは、どうも」
ああもう、らしくないことしたせいで無駄に注目集めてしまった。あと今お嬢ちゃんって言いかけただろオッサン。
席で待ってる3人も微笑まし気なものでも見るかのようにこちらを眺めるのはやめてくれ。恥ずか死しそうだから。
……ん? 3人とも目を見開いてどうしたの?
「ネオラ、後ろっ!」
「え?」
「このクソガキがぁっ!」
……っ!
まずい、裏拳で殴った青髪が立ち上がって、背後から棍棒を振りかぶってる。
また盾で防ぐか、いや、間に合わないか!?
「死ねやああああ!! ゲベァッ!!?」
とか思いながら脳天に棍棒が触れる寸前で、変な声を上げながら青髪の身体が、くの字に曲がって横に吹っ飛んだ。
な、なにが起きた? まるで横から誰かに蹴りでも入れられたみたいに吹っ飛んでったんだけど。
≪……攻撃魔法スキルの、無属性の弾を飛ばす技能【マギ・バレット】ですね。あそこにいるお客さんが放ったみたいです…が……!?≫
お客? 他の客がオレを助けてくれたのか?
てかどうしたメニュー。そのお客さんがどうかしたのか?
「しつこい。潔く自分たちの非を認めて、早く失せて」
「て、てめぇかぁ! 横から不意打ちとはやってくれるじゃねぇかぁ!! てめぇもぶっ殺してや―――」
「うるさい」
「ぎっ!?」
魔法を放ったらしい黒髪の少女に、青髪男が怒りの矛先を変えて再び棍棒を構えようとしたが、瞬きほどの間に距離を詰めて首元に剣身を突きつけられていた。
う、動きがほとんど見えなかった。縮地か? いや、スキルを使ったような素振りは見えなかったはずだが……。
「もう一度だけ言う。……早く、失せて」
「ひ、ひいいいぃっっ!!」
情けない悲鳴を上げながら、店の外へ逃げていく青髪。無銭飲食じゃねぇかアレ?
……すごいなこの子。今のオレと同い年かちょっと上くらいか? なのに身のこなしがまるでベテランのそれだ。
≪ね、ネオラさん! この子のステータス見てください! とんでもない逸材ですよ!?≫
お、おう。お前が他人のステータスを見てそこまで狼狽えるのは珍しいな。
だが、この子の外見年齢を考えると、修業後のオレたちほどのレベルじゃないはず……。
……え、Lv42? オレより上? え、えええ!?
てか職業がハイ・パラディン? 見たことないけどなんだこれ。
≪ち、超レア職業です。剣士と魔法使いのハイブリッドで、ほんの数か月前までパラディン系列の職業は『見習いパラディン』しか確認されていなかったのですが、まさか、この子が第一人者……!?≫
お、おい、スキル欄に『魔法剣』とかいう見慣れないスキルもあるんだが。
≪攻撃魔法の効果を剣に宿らせるスキルで、近接戦闘において無類の強さを誇る強力なスキルです! 勇者が習得できないレアスキルの一つですよ!≫
聞けば聞くほどチートな職業だなおい。
歳は、16か。……1年ちょっとで、あの地獄の特訓相当の修業をしてきたってのか? この子も相当生き急いでんな。
てか、そんなことが、どうでもよく思えるくらい、この子、めっちゃ可愛いんですけど。
……これはアレか、『今すぐ加入させろ』と神様が言っているのか。って思うくらいパーティに欲しい逸材だな。
「え、ええと、助けてくれてありがとう」
「ん、気にしないでいい。ご飯の邪魔されたくなかっただけだから」
とりあえず礼を言っておく。
それに対し、無表情のまま返す黒髪美少女。クールな子だなぁ。
「あ、あの、よかったら、オレたちと一緒に食べないか? お礼に奢らせてほしいんだが」
「いいの?」
「ああ、本当に助かったし、好きなだけ食べてくれてかまわないよ」
「……後ろの子たちの分も、頼める?」
「もちろんだ! それじゃあこっちにきなよ」
よし、とりあえず同じテーブルに座らせることはできそうだ。
後ろの子たちというと、金髪の女の子と、……銀色のヒヨコ? 随分変わった連れですね。
……なんか、席で待ってるウチの子たちの視線がトゲトゲしてるけど、これから勧誘するんだからもっと穏やかな雰囲気で迎えてくれませんかね。
「アルマさん、いいんすかー?」
「……なにが?」
「いえ、別にー?」
金髪の子がニヤつきながら、茶化すように黒髪の子になにか言ってる。
てか、この金髪の子も相当強いな。そして可愛い。ちょっと見た目がロリロリしすぎてる気もするけど、年齢を確認したら同い年だった。マジか。
……仲間の空き枠は、残り2つだったっけ。
となると、この子も一緒に入ってくれれば一気にフルメンバーが揃うことになる。
やはりきてる、流れがきてるぞこれは!
神様ありがとう。もうレヴィアとオリヴィエだけで充分じゃないかなとか考えてたけど、この上なく理想的なハーレムパーティが組めそうです。
さーて、食事が済んだら勧誘してみますかね。
「ごめん、無理」
「ダメっす」
『ピッ』
「……えっ」
そう思っていた時期が、オレにもありました。
お読みいただきありがとうございます。
>獣車の中で魔力飛行すれば酔わないのでは?――
ご意見ありがとうございます。
その結果どうなるのか、次に獣車に乗る時に書いてみようと思います。
……きっと車酔いのほうがマシな状態になるでしょう。
>あれ?勇者ちゃんじゃん、ここにいたのね――
でぇじょうぶだ、死に戻りがあれば復活できる! (悟並感)
>再びどうでしょうネタ!と、なると次は勇者と「腹を割って話そう!」かな?――
ハーレム勧誘はやっぱ予想されますよね(;´Д`)
勇者君が強引に誘おうものなら「こら拉致だよ!」になるところですが、さて。
>ちょっとした確認なのですが、現在主人公自信でできる魔物の探知方法って―――
大体合ってます。カジカワは生命探知も可能ですが、アルマとレイナは気力と魔力しか分かりません。




