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最深部到達 かーらーのー

新規の評価、ブックマークありがとうございます。

お読みくださっている方々に感謝します。

はい、こんにちは。ダンジョン最深部の攻略報酬目当てにズンズン進んで現在12階層を攻略中。

マッピングにこだわらず、とにかく次の階層へ進むことを優先しているので、前回の倍近いペースで先に進めている。


出現する魔獣もLv30後半からLv40台がデフォになってきて、俺とアルマはともかくレイナとヒヨ子にはちとキツい環境だ。

まあその分仕留めた後に入ってくる経験値もデカいから、モリモリとレベルは上がっていってるんだがな。



「お、またレベルが上がったっすー!」


『コケェッ!』



このレベルアップでレイナはLv20、ヒヨ子はLv16に達した。

……俺たちと一緒に戦って高レベルの魔獣を仕留めて経験値を取得してるんだけど、これってパワーレベリングにならないかな?

スキルレベルもほどよく上昇していってるから大丈夫だとは思うけど。


≪死にかけの魔獣にトドメを刺してレベルを上げるのではなく、実戦形式でレベリングしているため問題なくスキルの熟練度も上昇している。よって問題は無いと推測≫


ならいいや。それより体力と気力の残量に気を配らないとな。

魔力と生命力はレベルアップすれば回復するが、腹は減ったままだし。


ちなみに手足が欠損した状態でレベルアップしても、ニョキニョキ生えてきたりはしないらしい。

身体が欠損した時点で最大HPそのものが減少して、減少した値までしか回復しないからだとか。

だが生命力操作なら、減少した最大HPすら回復可能らしい。さすがに普通に回復させるより消費量は激しいけど。



「カジカワさん! 今、自分のレベルっていくつなんすか?」


「Lv20だ。結構上がってきたじゃないか」


「おおお、確実に強くなってるっす!」


「スキルも順調に育っているな。称号の方もいくつか増えてる。なになに、『格上殺し』『怖い物知らず』『命知らず』『生き急ぐ者』……ちょっと待てなんだこのラインナップは」


「なんすか、そのまるで自分が自殺志願者みたいに言いたげな称号は!?」


「えーと、前三つはそれぞれ基礎レベルが10、20、30ほど離れた対象を討伐した際に獲得できる称号で、オーガを討伐した時に獲得したっぽいな。効果は格上相手に戦う際にレベル差分だけ能力値に補正がかかるらしい」


「レベル差分だけって。…まあ無いよりマシっすかね」


「いや、この3つの称号は効果が重複するらしいから、案外バカにならないぞ。今度またオーガと戦ってみたら実感できるんじゃないか?」


「ま、またあの怪物と戦うんすか……怖いっす……」



ちなみに、『格上殺し』と『怖い物知らず』は俺とアルマも取得している。

『命知らず』は獲得しようと思ってできるもんじゃない。それ目的でそんな強敵相手に戦おうとする奴は文字通り命知らずだけだろう。

あるいは、称号目当てに寄生するように参加してる奴とかな。


≪戦闘における貢献度が一定以上必要のため、戦闘に参加するだけで称号を獲得することは不可能。レイナミウレは投擲によりオーガを怯ませて、アルマティナの援護をしていたため獲得できた模様≫


ちゃんと役に立たないと称号は手に入らないってことね。

実際、アレはナイスアシストだった。……俺の指示なんかいらなかったんじゃないかなってくらいに。


ちなみに『生き急ぐ者』は17歳以下の年齢で基礎レベルを一定以上まで上げた者に贈られる称号で、レベルアップした際の能力値の上昇にほんの少しボーナスが加わるようになるらしい。

…早めに獲得しておくべき称号なのに、その名前が『生き急ぐ者』とか。イヤミか。




さらに階層を進んでいき、ようやく15階層まで到達した。

ここまでかかった時間は6時間半程度。前回が本当にスローペースだったことがよく分かる。反省。


ここまでくると出現する魔獣もLv40以上の魔獣しかいない。

数は少ないが、Lv50以上の魔獣もいるようだ。…なるべく避けて行くとしよう。倒せなくはないが、相手をして消耗しすぎて動けなくなってしまったら最悪だし。



「ヒカル、こっちになにか近付いて――」


「邪魔!」


『ビャガバ!?』



こちらに向かっていきなり突っ込んできたゴブリンの上位種みたいなの(ゴブリンキングというらしい)の頭を掴み、壁に叩きつけてめり込ませた。

Lv40程度の魔獣ならもう気力パンチや普通の魔力パイルでワンパン余裕だし、大して消耗することはない。



「……今の魔獣、結構強そうだったのにあっさり倒したね」


「奇襲特化の魔獣みたいで、素早さと腕力は高いけど防御力はそれほど高くないからな。ダイジェルのスタンピードの時に、ルナティアラさんも杖で殴り飛ばしてたって言ってたっけ」


「じゃあ、今のヒカルはお母さんと同じくらいの腕力がある?」


「分からない。というかルナティアラさんって、魔法使い系の職業なのに腕力も強いとかどうなってんだろね…」


「それだけレベルが高くて、努力してきたんだと思う」



だな。ちょっとは強くなれた気になってたけど、あのお二人と比べるとやっぱまだまだだ。

……ギルマスいわく今じゃLv70超えてるって話だったが、今思うとLv70どころじゃきかないくらい強かったように思える。

多分もう一回り、いや下手したら二回りくらい強かったのかもしれない。見るのが怖くてステータス確認してなかったけど。



『『『ガヴァアァアアアア!!』』』


「ひいぃっ!? 今度はこっちの方からオオカミ人間みたいなのがいっぱい突っ込んできたっすー!! 逃げた方がいいっすよ!」


「あー、大丈夫だろ。むしろ下手に動かない方がいいぞ」


「え?」


『『『グゥアアアアアア!!   アア?』』』



こっちに向かって爆走するオオカミ男たち(グレートウェアウルフ)の姿が、急に消えた。



『『『ギャアアアアアアッ!!!』』』



違う、消えたわけじゃない。単にダンジョントラップの落とし穴に引っかかっただけだ。

落とし穴の底には鋭いトゲがビッシリと敷き詰められていて、落ちたオオカミ男たちは……うん、合掌。


さすがに最深部近くになると、仕掛けられているトラップも殺傷力が高いものが多い。

注意深く観察していれば見つけられなくはないが、ここまで辿り着くまでの疲労が罠を見抜く観察力すら鈍らせる。

メニューがなければ攻略は困難だろうな。メニューさんマジありがとう。



『ギッ…! ギグァッ……!!』



お、一匹だけエアステップを使って辛うじて即死を免れた奴がいるようだ。

落とし穴の淵に手をかけて、なんとか這い上がろうとしている。もうちょっとだぞーがんばれー。



『コケッ!』


『ガァッ!? グギャアアアアッ!!』



…もうちょっとで上がれそうだったのに、掴んでる手をヒヨ子が蹴って落としおった。無慈悲。



『ココッ! コケェッ!!』


「な、なんすか? ヒヨコちゃんの身体がちょっとずつ大きくなっていってるっす!」



おおお? 罠を利用して倒した判定だったのか、ヒヨ子に大量の経験値が入りレベルが一気に20を超えた。

それに伴い、進化を開始したようだ。


羽の色は赤銅色から徐々に光沢のある灰色、というかよく磨かれた鉄のような色に。

蹴爪は鋭さを増して、脚は一回り太く。身体もハクチョウくらいまで大きくなった。

ブロンズコッコからアイアンコッコへ進化したようだ。



「ヒヨ子が進化するところを見たのはこれが初めてだな。カッコいいぞ」


『ココッ』


「ふわぁ、毎日ちゃんと洗ってるからか、野生のニワトリに比べて艶やかな羽っすね。キラキラしてるっす」


「うん、綺麗」


「ところで、今のでヒヨ子のレベルは21にまで上がったんだが、早くも追い抜かれちまったなレイナ」


「い、今自分が一番下なんすか!? ガーン!」


『コケッ、ココッ』


「……いや、マスコットの座は譲ってやるよじゃねーよ。煽ってるようにしか聞こえないぞ」


「そんなこと言ってるんすかこの子!? むがー! すぐに追い抜いてやるっすー!!」



一気に強くなったヒヨ子にショックを受けつつも、対抗心を燃やしているようだ。

これがいい刺激になって、レベリングに精を出してくれるのはいいが、無茶しすぎないでほしいな。



お、そろそろ最深部かな。

さーて、初のダンジョン攻略のドロップ報酬はなにかなー?





とか暢気なこと考えながら奥の部屋に入った直後、背後の通路へ続く道が塞がれた。

そして、部屋中央の地面からナニカが湧き出てきた。


ヘビ? いや、芋虫? モンゴリなんとかワームみたいな、巨大で長い胴体の蟲だ。

凄まじい生命力と魔力、そしてプレッシャー。

……メニューさん、アレなに? どう見てもLv50どころじゃない気配なんですが。


≪最深部でサプライズモンスターが出現した結果、このダンジョンのレベル上限よりワンランク上の魔獣が召喚された模様≫


……

ヤバくね? Lv60以上の魔獣ってことでしょ? 極端な話ヴィンフィートで再封印したスライムと同格ってことでしょ? 死ねと?

…………どーすっかなー。


お読みいただきありがとうございます。

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 9/5から、BKブックス様より書籍化!  あれ、画像なんかちっちゃくね? スキル? ねぇよそんなもん! ~不遇者たちの才能開花~
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[一言] 何でカッパーじゃなくてブロンズなの?
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