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あだ名、久しぶりの会話。
「凜さあ、そろそろ坊主にしたら? 俺もう髪伸ばすし」
「え、なに、世代交代的な?」
「そうそう。もうやらないの?」
目の前にいる凜くんと宙くんが話し出す。
「坊主かー。別に俺はしても良いんだけどさ、みんなから変なあだ名付けられるもん。タピオカって」
「なんで?!」
「知らんけどさ。ショッピングモールとか行ったらさ? みんなから、お、凜じゃん、って指差される」
「それは嫌だねー。俺タピオカジュース飲めないんだよね。喉に詰まりそうで怖い」
「あーね。俺がいっぱい詰まってもんね、ジュースに」
「そうそう。凜が俺の口の中で暴れるからね。俺は坊主にしたら、クロマニョン人て言われる。親から」
「まだ俺よりましじゃない? どっちも人間ではないけど」
「でさ、髪伸びたら、今度はインド人って言われる」
「大変だねー、お互い」
二学期始めの給食での出来事だった。