第8話「約束の街案内-武具店」
俺とリアは、ラミアさんの服屋を出た後に昼食をとることにした。
「これ全部リアが作ったのか。」
昼食を食べるために静かな場所に着くと、リアが荷物の中から大きな弁当箱を取り出した。その中には、色とりどりの料理が作られていてどれも美味しそうだった。
「アクトさんの街案内だったから、アクトさんの分も一緒に作って持ってきました。・・・ダメでしたか?」
「いや、ダメじゃない。嬉しいよ。」
そう言うとリアは、いつものように明るくなった。
「それならよかったです。是非食べてください。」
「ああ」
ムシャムシャ‼︎
うまい、食材はいたって普通なのに味がすごく出ている。店をしているとこんなにも美味しい料理を作れるものなのか。と思ってしまった。
「美味しいよ。」
「本当ですか、ありがとうございます。」
料理の感想を言うとリアは、すごく嬉しそうだった。こうして俺たちは、昼食を終えて街を回り始めた。
「次は、どこにしますか。」
「そうだなぁ、武器屋に行ってみたいかな。」
「武器屋ですか?」
「うん。俺、冒険者にはなったけど武器とか防具を揃えてないから」
「なるほど、でも私あんまり武器屋とかでいいお店は知らなくて」
そうだよな、冒険者でもない女の子が武器や防具なんかには興味がないよな。
「じゃあ、とりあえず街を回ってみて、良いところがあったらそこで買うよ。」
「そうですね、武器屋は、この街の中央部分にたくさんあるので探してみましょう。」
俺たちは、武器屋を探しに街を歩いて探したり、聞いたりしていると良さそうな武具店を見つけた。
「ここなんか良さそうだな。」
俺たちが見つけたのは、武器と防具、鍛冶の3つを取り扱っている大きい店が並んでいるところだった。
「とりあえず中にはいるか。」
扉を開けるとたくさんの武器と防具が置いてあり、店の奥側には、鍛治スペースみたいな場所があった。
俺たちが店内を見渡していると1人の亜人が訪ねてきた。
「いらっしゃいませ。何かお買い上げですか?それとも鍛治の以来ですか?」
どうやら店員らしい。
「剣と防具を売って欲しい。できれば予算は、銀貨5枚分ほどで選んでくれるか。」
「少々お待ちください。」
そう言うと、店員は店内にある剣と防具で良さそうなのを探しに行った。10分程経って3本の剣を持ってきた。
「こちらの3本の剣は、全て同じモンスターの素材から作っていますが右から順番に切れ味が最高なのと、耐久値が高いのと、重さが軽いなど3本とも異なります。」
なるほど、つまり切れ味が最高なのと、耐久値が高いのと、重さが軽いので、3本ともが発揮している武器の性能が違うと言うことか。なら俺は、耐久値が高い武器にすることにした。武器も良い素材が入るまでの代用として買うから、それまでに折れないよう耐久値が必要だった。
「耐久値が高い方にしてくれ。」
「ありがとうございます。それと防具ですが、こちらなんかどうですか。」
店員は、俺に服型の漆黒の鎧を進めてきた。
「こちらの鎧は、魔力を流すと耐久値が上がる品物です。なので魔力値に自信があればおすすめですよ。」
「それを買おう。」
俺は、即答した。何故ならその防具は、俺に使ってくださいと言ってるような性能だからだ。俺の魔力量は、この世界の宮廷魔術師よりも遥かに多い。そのため、この防具に俺の魔力を流せば相当な防御力になるはずだ。
「そうですか。なら剣と防具の2つで銀貨4枚です。」
俺は、代金を支払うと店員に服の試着をしていいか聞いてみた。
「それでしたら、こちらでどうぞ」
俺達は、それについて行き店の右端にある広い空きスペースで俺は、防具を試着してみた。重さは、思っていたのより随分軽くて動きにくくなかった。そして俺は、魔力を鎧に流すイメージをした。
魔力を流しても鎧本体に大きな変わりようはなかった。
「リア、そこにある木刀で俺を思いっきり叩いてくれ、この鎧の防御力がどれくらいか知りたい。」
「大丈夫なんですか?」
リアが不安そうな顔をしていたので大丈夫と言い聞かせると俺の腕の方に木刀を打ってきた。
バン‼︎
「・・・何も感じない⁉︎」
いくら女の子の力とはいえあれほどの音を出る程の力で叩いたら服の上でもかなり痛いはずだ。けど何も感じなかった。
「やっぱり、この防具は、相当使えるな。」
防具に俺の魔力を流した時の防御力に驚きと嬉しさを覚えていた俺は漆黒の鎧を荷物の中に入れ、剣は腰に下げたまま店を出た。
「いい武具店を見つけれて良かったですね。」
リアが微笑みながら喋りかけてきた。
「そうだな、冒険者の活動で良い素材が手に入ったら、鍛治もここで頼もうかな。」
俺たちは、そんな話をしながら街案内を続けた。
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