第7話「約束の街案内-ラミアの服屋」
時間は、9時前俺はリアとの約束のため朝早く街に出ていた。
「もうそろそろか。」
「アクトさ〜ん。」
時計塔の下で待っていると、息を切らしてリアが走ってくるのが見えた。
「すみません。支度をしていたら遅れてしまいました。待ちましたか?」
「いや、俺もさっきついたところだ。」
本当は30分前にはついていたのだが、
「よかった。」
そう言いリアは息を整えた。
「では行きましょうか。」
俺とリアは行き先を決めていないがとりあえず歩き出した。
「どこから行きますか?」
「まずはリアのオススメの店でも教えてもらおうかな。」
「オススメですか?ならあそこですね。」
リアは俺の手を引いてどこかへ走り出した。
「ここが私のオススメの店です。」
「ここは服屋か?」
リアが連れて来たのは大きな建物の服屋だった。
「ここにはいろんな種類の服があるし、自分にあった服をコーディネートしてくれるんですよ。」
確かに今リアが着ている服は、すごくリアに似合っている。俺も最初にリアを見つけた時少し見惚れていた。
「為人さん前もその服を着ていましたよね。旅人だから服が少ないと思うので今から新しい服を買いましょう。ここの店長さんとは、私知り合いなのでいい服を選んでくれますよ。」
そういえば俺は異世界召喚からずっと同じ服を着ていた。ちゃんと川で洗って干したりしていたたが、1週間も同じ服を着ているのは俺も嫌だった。この機会に新しい服を買おうと思った。
「よし、じゃあ買いに行くか。」
ガチャ、
「いらっしゃい。」
中に入るとあまり服屋の店員には見えない体格をした女?がいた。
「リアじゃないの久しぶりね、元気にしてたかい。」
女の店員はリアに話しかけてきた。
「ラミアさん、お久しぶりです。」
どうやら、この人がリアの知り合いと言っていた店長らしい。
「リア、あんたの隣にいる男は彼氏かい。」
ラミアと言う人は、俺を見るなりリアをからかい始めた。
「ちっ違います‼︎。この人は、お店のお客さんで、この前に私を助けてくれたからお礼として街の案内をしてあげてるんですよ。」
「へぇー、見かけない顔だけどあんた旅人かい?」
今度は、俺に興味を持ったのか話しかけてきた。
「ああ、少し前にこの街に来て冒険者登録をしたんだ。」
「冒険者かぁ、懐かしいねぇ、私も昔は冒険者をやっていたわ。」
確かにこの人からは、オーラのようなものがある。昔は、結構な腕の冒険者だったのだろう。
「まあ、とりあえずこの話は置いとくとして改めてよろしく。私の名前は、ラミア・ラーガ。好きに呼んででいいよ。で、あんたの名前は?」
「俺は、星延為人。リアの紹介で服を買いに来たんだ。」
「そうかい、どんな服が欲しいの?」
「全体的には黒をベースにして、あまり飾り気がない冒険者用の服と普通の服を何着か欲しい。」
俺がそう言うと、ラミアさんは、服を探しに行って15分程で戻ってきた。
「これが、冒険者用の服と、生活用の服だよ。」
ラミアさんが持ってきたのは、俺が言った通り黒がベースで所々に装飾がある俺好みな服で、生活用の服もシンプルなデザインに装飾がされていた。
「これ全部買うよ。」
「ありがとう。じゃあサイズを測るからうごかないでじっとしていて。」
ラミアさんは俺のサイズを測り終えると服のサイズの調整しに行った。それから20分程経って服のサイズ調整から戻ってきた。
服は、多めに買ったので箱に入れて置いてある。
「いくらだ?」
「そうだね、本当なら銀貨3枚だけどリアの知り合いだからサービスで銀貨2枚でいいよ。」
こちらの世界での通過は半銅貨、銅貨、銀貨、金貨の4種類のコインが通貨として決まっている。
このコインの価値は日本で言うと、
半銅貨1枚で100円
銅貨1枚で1000円
銀貨1枚で10000円
金貨1枚で100000円
で、今俺は銀貨7枚と銅貨15枚の85000円分の金を持っている。俺は、袋の中から銀貨を2枚取り出してラミアさんに払った。
「確かに銀貨2枚頂いたよ。」
服を貰ってから俺は、ラミアさんに許可を貰って早速服を着ることにした。
「いい服だな。サイズもぴったりだ。」
「感想ありがとう。またサービスするからいつでも服を買いに来てくれていいよ。」
ラミアさんは、そう言って俺たちを見送ってくれた。
「リア、いい服屋を紹介してくれてありがとうな。」
「いえ、そんな褒められるようなことはしてませんよ。けど気に入ってくれたのなら嬉しいです。」
リアは、とても嬉しそうな顔をしていた。
街案内の話は3つに分けることにします。