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感情とオートマタ  作者: 夢見鳥
2/2

~1~

アカツキ村はそれほど遠くはない。

むしろ近いのではないだろうか。

後ろには2Sが敵を蹴散らしながらついてくる。



「2S。あまり力を使いすぎるな。あの兄弟と戦う日がいつ来るかわからないのだから。」



「すみません。4A。気をつけます。」



2Sは妙なところで頑固だがその逆もある。

変に素直だと私もかえってやりづらい。

2Sはよくわからない。

何を考えているのかもさっぱりで、思考回路がほかの機体と違って読みづらい。

しかも2Sだけ。

他のS型の機体はどう思ってるかなんて、わかってしまうのに。



「4A。もうそろそろ目的地です。」



こいつは、本当に人間のようで不思議だ。

私に感情や心がなければ、こんなに悩んだりしなかったはずだったのに。



「4A?どうしましたか。」



「いや…何でもない」



嗚呼、もう着いてしまったか。



「おや…?4Aさんと2Sじゃないですか。そういえばボクが呼んだんでしたね。」



「こんにちは。そうですよ。スミレさん。」



二人は仲が良かったんだったか。

見るからに村に異常はきたしていないようだった。

村のモノたちはとても元気そうだ。



「実は、子どもたちに遠足に行きたいとせがまれまして…護衛をお願いしたいと…」



「2S、遠足とは何だ」



私には人間のすることには、あまり興味がない。

遠足。

私はアンドロイドなのだから、知らなくていいことだが、

探究心まで人間と同じようにプログラミングされている。

馬鹿らしい。



「4Aはあまり人間を観察することがないんでしたね。この村より少し遠く出かけることです。」



「…興味ない」



聞いておいて悪いが、そこまで楽しそうには見えない。

だが、まぁ…罪のないモノが楽しみのは間違っていない。



「が、許可する。」



「え、いいんですか4A?司令官に許可を取らなくては…」



「司令官は協力者には尽くせと言っていた。私はその命令を随行する。」



「4A…君がそう言うなら…」



2Sはやはり可笑しい。

メンテナンスが必要なのではないだろうか。

私が受けた命令は同時に、2Sの命令でもある。

だが、2Sの言い方は私がまるで、司令官のように…

気のせいだろう。気にしてもしょうがないことだ。

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