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64 トレントトレイン

何故か三分の一近く文章が飛んだため、前話との整合性がとれていません。しかも飛んだ部分はバックアップもない状況です。

今週中にどうにか割り込み投稿(か、この話を改稿)しますので、63話はとりあえず見ないことをお勧めします。ご迷惑をおかけしています。


2018/4/12追記

63話投稿しました。これでたぶん整合性もろもろ大丈夫のハズ。お騒がせしました。



 皆さん、絶叫マシンは好きですか?私は物による。浮遊感が無ければ大好き。


「ヒャッホー!!」


 つまりパッセルに乗って飛ぶのは最高。

 桃色の空をぱたぱた飛んでおります。

 しばらくトトロごっこをした後、パッセルの背中によじ登ったら飛んでしまったのだ。


 眼下の黄金の森は揺らめいて、覗く銀の枝は波しぶきのよう。非常に幻想的だ。

 カメラがわりにスクショしまくる。


 ところでいつ降りられるんでしょうねー?




 小さい体には時間が早く感じる気がする。つまり何が言いたいかというと、すっげー長く感じる。

 例えて言うなら、人間の一日は猫の四日みたいな感じである。


 延々と続くような金の波は美しいが、いい加減飽きた。

 と思ったら存外近い!


「パッセルストッ、ぎゃぁぁぁぁぁ」


 木々に突入。

 ガサガサとかきわける音が豪快だ。

 ペシペシと枝が顔面を強打するので痛い。


 やっと出た。


「八咫雀?里に居るとは珍しい……、なんだこの珍妙なのは?」


 上から降ってきた大音量に、思わず耳を塞ぐ。

 両手を耳に当てたなんとも締まらない感じで見上げると、巨大な美形がいた。


 とんがった耳からしてエルフだ。色素薄いなー。

 ギーメルのエルフさんたちより後光が増量している気がするぞ?


「子らと妖精の間の子かの?む?人か?」


「……ジャンという。名前を伺っても?」


「これは驚いた。ふむ、ジャンとやら、私に供物を捧げよ」


 はあ?

 と頭は冷静にナンダコイツと考えているのだが、体が勝手にストレージからミツミツの実を出してしまう。

 むん、この体からするとデカイな。


「これは僥倖、我らの好物よな。おっと忘れていた、よくぞギーメルの里に辿りついたの。ほっほっほ、そなたの旅路に愉快あれ。……気をつけよ、ここでは名に縛られる。」


 名もなきハイエルフっぽい人は、ご尊顔を緩ませ、ミツミツの実を掲げてスキップして去っていった。

 まあ、アレだ、名前教えちゃダメなパターンらしい。


 まあいいや、とりあえず着替えよう。

 ここは里、つまりは安全地帯だろうが、ギーメル同様森に消えそうな集落である。いつまでも初期装備は心許ない。


 ……出せぬ。

 逆にミツミツの実どうやって出たし?


 あ、ハニトレ系は出る。酒も出る。ギーメル周辺の素材は大体出る。


「アレー?」


「じゃんじゃんじゃん?」


「ホントだー。お菓子くれ」


 聞き慣れた声が。私には区別出来ないが、ギーメルで会ったことがあるのだろう。


「どしたのー」


「今日は大きくないねー?」


 同じサイズでフレンドリーなの、微妙な気分だ。だれかこのもやっと感を共有しようぜ。


「よう、久しぶり。菓子は……出たな」


 ストレージから先日仕入れたスライムゼリーを選択。

 ぷるるんとオドルブドウ味やらベリーベリー味。

 私がログアウトしている間にヴァウウォーの街が発見されたとかで、そっちの名産物だそうだ。モンスター食材は相変わらず豊富である。


 しかし。デカイ。

 これ、今の状態だと顔くらいあるという。


「お前ら今までどうやって食ってたんだ?噛んだ瞬間弾けるだろ?」


「妖精ぱうわー」


 見る間に消えた新味。もう何も考えまい。

 私用にカステラを出す。ポッケから飛び出る巨大菓子はファンタジーだ。

 カステラのザラメ。希少価値を誇る最強部位、底。マグロでいうなら頬とかトロとかだと思うのだ。

 メーカーによってザラメのバラツキが酷いのだが、全面ドバーッとザラメで良いと思う。じゃりじゃりとした歯ごたえがしっとりふわふわな本体とのギャップを生み出し、上品な甘さを暴力的な甘さで混ぜっかえす感じが大好きだ。

 ザラメの無いカステラはもう食べられない。


 カステラは好きなんだけど、この量は多いな。腰の高さまである。

 フェアリーズが瞬く間に消費に参戦したので問題はないが。

 同じサイズで頰を膨らませて食べられるとね、落ち着けよって言いたくなる。スライム同様、小さいとそれだけで可愛い補正が働くのだなと再認識した。


 とりあえず装備を買わねば。

 通貨は同じなのだろうか。


 結論、精霊界は物々交換だった。

 ミツミツの実と鍋さん印のお菓子が大活躍。

 ミツミツの実、ちょっと仕入れた方がいいかもしれん。


 フェアリーズのお下がりに身を包み、いざ森へ突撃!

 ダンジョンと反対方向の森には見たことのない木が盛りだくさんなのだよ。

 蜜柑色の木もあるし、水玉模様の木もあるし、マシュマロみたいな弾力のある木もあるし、ファンシー詰めました!感ある。




「ぎゃーーーー!!!」


 【妖樹の友】、精霊界では絶好調なのか、思念が届くんですよ。ちょっと枝切ってーとか水くれーとか聞こえるんですよ。

 聞こえたら切るじゃん?

 聞こえるだけ水あげるじゃん?

 ちっさい体で頑張ってお願い聞いちゃうじゃん?


 人生初のモテ期到来!!


 ファンタジー色のトレントたちに追いかけられています。

 嬉しくねぇー!!!


 なんか口コミで私の存在が広まったくさい。

 どうしろと!?

 森のネットワークを破壊とか無理ゲーでは。しかし、出てきた里とは逆方向に突き進んでいるんだが。

 里にトレインしないだけマシなのだろうか?


 【逃げ足】の熟練度が上がるアナウンス。

 迫り来る葉の騒めき。

 上がる呼吸。

 根が地を蹴る響き。

 狭窄する視野。

 逃げるのを責める木々の声。


「は?」


 気づくと、私は空にいた。

 つまり、綺麗な放物線を描き、絶賛落下中。


「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 どうにか後ろを見れば、崖。

 あー、追いかけられて落ちたんだなー。

 追いかけてきたトレントたちも距離的には早々と落ちている。


 【空駆け】や魔力操作を連発。

 勢いを殺す必死の努力も虚しく。

 迫りくる硬い地面にぺしゃり。


 まあ死にますよね!




名前(ネーム):ジャン・スミス Lv.40

(※傍から見ると外見はフェアリー状態)

種族:人間 性別:男性 職業:【気分屋】

HP:171

MP:369

STR:32

VIT:29

INT:51

MID:75

AGI:125

DEX:138

LUC:90


称号

【混沌神の玩具】【運命神の憐憫】【怠惰神の親愛】【無謀】【マゾ】【命を弄ぶ者】【妖精郷の歓迎】【黄泉の道化師】【探検家】【妖樹の友】【界渡り(魔)1/1】【悪戯小僧】【変異種】【補佐官】【越境者】


スキル

戦闘

【盾】【刀】【奇襲】【会心の一撃】【空駆け】【バランス感覚】【毒耐性】【夜目】【逃げ足(一)】【肉体言語(初)】


魔法

【魔法陣(玄)】【生活魔法】【詠唱】


生産

【細工(一)】【採取】【料理】【木工(一)】【解体】【伐採】【書画(初)】【調合】


その他

【運】【薄影】【痛覚耐性】【読書】【識別】【木登り】【地図】【効果】【魔道具】【妖精化(玄)】【指導】【分解】


特殊

【混沌】【手抜き】【六文銭】


備考

主人公はあんまり気にしていませんが、精霊界では魔力がステータス値の比を反映した状態です。つまりHP,MPは双方369でそろえる感じ。そして各ステータス(STR~LUK)に369/540を掛けます。(伝わりますかね?)


舞踏葡萄(オドルブドウ)

種なし巨峰みたいな生物。オドルブドウはとても素早い。早生、春に出現する。


武闘葡萄(バトルブドウ)

オドルブドウとよく似ている。旬が一番強くて一番美味しい。敵を締め殺す。


真正液果(ベリーベリー)

突くと弾けるため、採取が困難。しかも本体から採取されないままだと、果汁が空気に触れた瞬間、猛毒になる。

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