4.
真凛は初潮が遅かった。真凛が初潮を迎えた頃、私も大人の女になった、と思う。
ナンパしてきた男の子だった。今は連絡も取ってない。
真凛は1口2口、メロンを食べると、片付けて、そのまま自分の部屋へ行った。
最初は私達、隣同士の部屋だったけど、私がこんなになってから、ママが真凛の部屋を1階のママの部屋の隣に移したのだ。
私は真凛にとって、悪影響なんだろうな。
2階は私の部屋と空いてしまった真凛の部屋、パパがいたときは書斎だった部屋の3部屋だ。
今は2階葉私だけの空間だ。2階建てだから、3階は無い。
私は1階の洗面所で化粧を落とすと、そのままシャワーを浴びて、自分の部屋へ戻って寝た。
夕方、目が覚めると奈菜がいた。
「奈菜ちゃーん!」
私は奈菜に抱きついた。
「瑠利! 今日は伝えることあって来たんだ。」
「何々?」
「同じクラスの早坂、アイツが瑠利のこと好きなんだって。瑠利が渋谷で遊んでるの、よく見かけるみたい。入学式で一目惚れしたから、覚えてたんだって。」
「えー、無い無い。同い年の男子なんか。大体、なんで渋谷で遊んでるの知ってるの?」
「センター街の食べ物屋さんでバイトしてるから。」
げっ、まずい。
そんな気がした。
「色んな男と遊んでるて、瑠利、有名になっちゃうよ? て、もうそんな感じだけどね。」
奈菜は全部、知ってる。
目の前にいる奈菜の眼差しが、悲しげだった。
その真っ直ぐな瞳で悲しげに見られると、さすがに、胸痛い……。
「早坂に1回、会ってみなよ? てか、私もうセッティングしちゃったし。」
「ええ、早いよ。私の気持ちも聞いて?」
「今回は聞かない。」
「ええー、奈菜ちゃーん。」
「いいじゃん、1回会うくらい。瑠利は同世代の男子、バカにし過ぎだって。早坂、いい子だよ? サッカー部入ってて、もしかしたらキャプテンになるかも、て子。爽やか系だし、まあまあ顔もいいし、会うだけ会ってみな、って? あ、家も近いよ?」
「うーん。奈菜ちゃんが言うなら……。」
私達は早坂の話で盛り上がった。
帰り際、奈菜は、
「早坂と付き合ってさー、毎日、迎えに来てもらいなよ?」
と、少し悲しげに言った。
奈菜は入学した頃、毎日、迎えに来てくれていた。
でもママが、こんな私を見て、凄く怒って、奈菜にも迎えを断った。
ママは私の気持ちなんか、何も聞いてくれない。勝手に話だけ進める。勝手に結論を出す。私の気持ちなんか、どうでもいいんだ。
私は翌日、学校へ行った。担任はそれはもう、驚いていた。でも嬉しそうにされて、気恥ずかしくて、無視した。
期末テストの最終日だった。
中3の時に塾でやった問題と似たような内容だった。適当に答えを書いて提出した。
その日は2科目だけのテストで、2科目受けたくらいで、どうにかなるわけじゃないけど、テストを提出したことに満足した。
私と奈菜、早坂の3人で、学校帰りに、駅前のファストフード店へ行った。
早坂は本当に爽やかな、なんていうか、好青年というか、高校生らしいというか、そんな感じだった。
私達3人は、話しが弾んだ。
夏休み中には、早坂と付き合うことになった。
早坂を尊君と呼ぶようになった。
男の下の名前を呼ぶことなんて、慣れていた。
尊は最初、私の下の名前を呼ぶことを、呼びたいけど、照れるといった感じだった。
でもすぐに慣れて、今は普通に「瑠利」と呼んでいる。




