2.
「瑠利ちゃん、帰ってたの?」
妹の真凛がパジャマのまま、1階の自分の部屋から出てきた。私の部屋は2階だ。
「うん、真凛はどうしたの?」
まさかサボり? ダメだよ、真凛。学校行かないと。私みたいに、どうでもいい高校生になっちゃうよ?
「ちょっと夏風邪ぽいから、今日は休む。」
真凛はそのまま、リビングへ行った。
真凛も私も小柄で、顔も声もよく似ていた。
私もリビングへ行く。
「病院、行ったの?」
「ううん。ママが早退してくるから、そしたら病院行く。」
ママは商社マンのパパと離婚してから、不動産屋で働き始めた。宅建を取るとか、どうのとか言っていたな、たしか。
私も真凛も公立の高1と、中2だ。
真凛はテレビをつけて、スマホを触り始めた。
私もスマホを見ると、奈菜からラインが入ってた。
『今日、学校終わったら、瑠利ちゃんの家に行くから』
私は、
『りょ』
と、スタンプで返信をした。
奈菜は中2の時、同じクラスになったのをきっかけに仲良くなった。奈菜は背も高くスラッとして、すっごく可愛い。ショートヘアのアイドルといった感じだ。
高校も同じ、校区の中堅校に入った。
うちは、パパとママ、高校の入学式直前に離婚をした。
私は、何が起こったのか、よくわかんなかった。
家を出て行ったパパ。数年前に新築で買った、建売住宅のこの家のローンはパパが今も払ってるらしい。
なんで離婚したのかなんて、わかんない。
性格の不一致て言われても、わかんない。
月に1度会えるて言われても、わかんない。
パパもママも、時々はケンカしても、仲良かったじゃん。
なんで家族をバラバラにするの?
私は高校の入学式だけ出て、そのまま学校へ行かなくなった。
もうすぐ夏休みだ。




