1.
今日も玄関で寝ていた。
最近はママも呆れて、私をそのままにしてる。
愛してる、て何?
ママとパパ、離婚したじゃん。
私は制服のスカートをさっと触って、シワを伸ばした。
体、痛い。当たり前だ。
私は毎日、午前様。高校なんか行ったふりして、制服のまま渋谷によく行く。
なんで制服かっていうと、同世代の友達がすぐできるから。
私は少し大人びて見られるようで、私服だと、大学生や、たまにOLに間違われる。
そんな年じゃありませんから。
黒いストレートのロングヘアを手でかきあげた。
ああー、シャワー浴びたい。
真夏の玄関で寝て、よく、熱中症にならなかったもんだ。
リビングのドア開けたまま、エアコンきかせてくれていれば、玄関も涼しいけど。
さすがにママも、熱中症対策はしてくれていたのね。
学校も行かないバカ娘の、熱中症での看病なんて、イヤだからかな。
ほんと、私、拗ねてる性格してる。
いいけどね。
昼間から渋谷の街を歩いて、補導されたことなんてない。
109で、年配のオバチャンに、万引きと間違われたことはある。
そんなもん。
大人なんて、バカにして、全然、大丈夫。
だって、あいつら、自分の目の前のことしか見えてないもん。
その裏にあるものを、自分達の都合で見たり見なかったりするもん。
あ、そうだ。ラブホ入るときに、さすがに制服はまずいらしく、止められたことあったな。
あの時は道玄坂の格安ビジネスホテル行ったんだ。
風俗で働いてるお姉さんも、クルクル出入りしてるとこ。
どうでもいい。どうでもいいなんて言葉じたい、私にはどうでもいいの。




