3)gentle voice
瑠亜はシャワーに浴びた後、リビングへ戻った。
すると、2番目の兄の蒼がソファを独占していた。
「おっ、帰ってたのかぁ~ここ座って。」
まだ髪の乾いてもいない彼女を自分のとなりに座らせた。
瑠亜は、ぺらっぺらのキャミにショートパンツを履いていた。
白い美脚と可愛い顔、少し天邪鬼だが優しい瑠亜を妹と以上として可愛がっていた。
「蒼兄ーモデルの仕事面白い?」
「いきなり、どうしたんだ?」
妹の母譲りの金髪に触れ、梳いていく。
すると蒼を見上げて、赤くなる
「あのね、私モデルの仕事してみたいの・・・。」
妹の行き成りの発言に目を見開いてしまう。
「そ・・・そんなのもっと初めに言えばよかったのに!」
実を言うと、蒼も瑠亜に入って貰いたかったのだった。
何回か誘ってみたが、見事にスルーされてきた。
ニッコリ笑い質問に移った。
「いつ、事務所来る?社長に頼んでおくよ。
父さんにも頼む?」
正直なところ、父に頼めば事務所が反対することなどない。
金銭的に援助してくれるからだ。
でもそれは自分の実力のうちに入らない。
彼に勝つためには、自分の力で戦わなくちゃ。
「蒼兄、お父さんに頼まなくていい。もちろん、事務所の社長さんにもね。」
「なんで?確かに、瑠亜の力で行けるだろうけど・・・。
まぁ、瑠亜が言うならなにかあるんだろうし好きにしたらいいよ。」
そういい、瑠亜の肩を押してくれた。
そんな優しい兄が好きだった。
尊敬できる兄が自慢でもあった。
「お父さんとお母さん反対しないかな?」
つい、兄に甘えてしまう。
だが、兄はそれすらも見通している。
「大丈夫・・僕がいるよ?瑠亜。」
輝かしい微笑みに、瑠亜もつられて笑ってしまった。
gentle voice・・・優しい声
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