表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怪盗な季節☆   作者: 大野田レルバル
最終兵器姉妹な季節☆
6/210

ダンボールに入った少女

「ふぅ…」


俺は今、村川家の門の前にいる。

なぜなら、ひょんなことから兵器(しかも最終兵器なんたらら)を

ひろってきてしまったからだ。


「にゃ~」


ん?

こいつは、あのときの猫か?

どうやら、綾に拾われたらしい。

純金の首輪までついている。

よかったな、え~と、首輪に書いてある文字…

パトラセッ?

パト○ッシュから取ったのが見え見えだな、おい。



さて、最終兵器の話に戻る。

家においておくにも、食事などはすべて昔からの幼馴染である

詩乃や綾に頼りっぱなしだった。

だが、一人居候が増えた。

詩乃達に食事をもらうときもう一人分追加しなければならない。

それを頼みに綾の家…

大豪邸……通称「村川屋敷」にきたのだった。

塀がはるかむこうまで伸びていて、先が見えない。

この門にたどり着くまで一苦労だった。

ふぅ。

ため息がでるぜ。


俺はインターホンを押すために指をのばした。

だが、さすがに図々しいお願いだとおもい、一度帰ろうかとおもった。

しかし、一人ではとてもではないが無理だ。

俺と居候を養うというのは。

まぁ、あいつがアルバイトでもしてくれるというのなら別だが。

いくら、女と言っても最終兵器だ。

しかも、超古代文明の。

なにか仕事ぐらいはできるだろう。

ったく、なにが最終兵器だ。

そうおもって、俺はインターホンのボタンを押した。


ピンポーン……


「どちらさまですか?」


インターホンのスピーカーから老人の声が聞こえる。

綾の執事である、いかにもセバスチャンな人だが。

たしかあぁ、行彦さん(ゆきひこ)だったとおもう。


「お、俺だよ。波音だ。」


「おぉ、これはこれは…わざわざ……」


スピーカーがそう鳴った後

ぎぃぃと音が鳴り門が開いた。


なんでも、この門はチタニウムと鉄の合金で

一㎡あたり百二十kgはあるとか…

ちなみに、門全部で約二tは軽く超えるらしい。

まぁ、それだけすごいのだろう。

詳しくはよくわからないが。


「波音っ!!」


呼ばれたほうをみると

綾が和服で出てきた。

和服がぴったりと合うな、綾は。

頬が、紅潮している。

かなり、走ったらしい。

どんだけ、ひろいんだこの屋敷は。


「おう、今日は…

 その…なんだ…」


「ぱっと見、頼みがあるんでしょ?」


顎に指をあて、綾がいう。

あいからわずの勘のよさに俺は思いっきり脱帽した。


「へへぇー、お代官様のいうとおりで…」


「まま、立ち話もなんだから入ってはいって。」


「おじゃましま~す。」


そういうと、綾はくすくすと毎回笑う。

昔一度、なぜわらうのか? と聞いたが

「だって、もうここ波音の家同然じゃん」といわれ

とてもおどろいたものだ。

俺のことをそれだけ親身に思ってくれていると知りありがたい気持ちにもなる。

目の前を和服姿の綾が歩く。

その後ろを俺が歩く。

庭は、苔が生えた岩がおいてあったり池があったりと

かなり和風のつくりになっている。

ちなみに、池の中にはかなり大きな鯉が入っていた記憶がある。

昔、えさなどをあげたと思う。

五分ぐらい歩き続けただろうか。

そろそろ、俺が歩くのにうんざりし始めたときに

綾が障子を開け、部屋にはいっていった。

俺も、それに続こうとして部屋に入った。

が…



ド~ン!!



大きな音がして、俺の体が宙にういた。

次の瞬間、お尻に鈍い痛みがつたわり

俺はこけたのだと気がつく。

と、同時に響くきき飽きた笑い声。


「へっへっへ!!!」


遼だ。

なぜ、いるんだ?

俺はそうおもわずにはいられなかった。

なぜなら、今は午後8時。

普通はお出かけ禁止時間である。


「ひっかかったな、波音!!

 俺の超高性能ブービー音トラップ!!」


「おい、コラ、遼!!

 なんで、お前はいっつもそうやって波音に嫌がらせをするかなぁ…」


その言葉の後に「は~」というため息が聞こえる。

声の調子から詩乃だ。

どうやら、俺は歓迎されまくる客らしい。


「ててて……」


お尻をなでながら部屋に入る。

案の定、鬼灯詩乃と流木遼がいた。

その二人の間に綾も入りながら俺のほうに向かって

ちょいちょいと、手招きした。


「なんで、お前らがいるんだよ」


いらいらしながら俺は言った。

二人っきりで話がしたかったのに。

そういいかけて、怪しく思われるのは嫌なので黙っておく。


「なんでって、遊びに」


それは見りゃわかる。

詩乃はチョコレート棒を食べながらそういった。

極細しか食べない主義らしい。

さっきから、極細だけをお菓子の山から

きれいに抜き取り食べている。

器用なヤツだ。


「じゃなくて、なんで遼がいるんだよ!!」


俺は、痛むお尻に謝られたいなら遼に言えと思いながら

怒りを思いっきり言葉に乗せて遼に刺した。


「いちゃ駄目かい?」


遼がむっとした顔で俺をにらむ。

そしてから、しばらく遠くをみる目をする。

あぁ、こりゃ考えている顔だな。

考えがまとまったのか、にやりと笑った。


「まさか、綾と二人きりになりたかったとか?」


「なんでやねんっ!!」


すかさず突っ込んでいた。

ちなみに腕は、遼の胸にあたりいい音をたてた。

ボケと突込みが何往復もした後で

俺は本題を思い出し綾と詩乃の方に体をむけ話し始めた。


「あのさ…

 綾、詩乃…

 頼みがあるんですけれども」


「ん」


これは、続けろという合図なのだろうか。

五秒ぐらいまってもなんにもいわないということは肯定だろうと

勝手に解釈して再び俺は話し始めた。


「あのですね。

 昨日、俺が街を歩いていたらですね。

 ずぶぬれのダンボールの中にですね。

 美少女が入っていてですね。

 それで、あの、その…」


肝心なところでいつもしどろもどろになる。

これは俺の悪い癖だと、俺は頭の隅でおもった。


「つまり、食料の量を増やしてほしいと?」


「はい」


「OK」


「はい?」


「OKだってば」


予想以上に早いOKに俺は正直言って戸惑った。

が、何もこれ以上話さなくていいとおもって安堵した。

正直、ぶっつけ本番で来たのでなにも考えてなかったのである。

こう見えてもこの三人は頭がよく、矛盾を突くなどわけもない。

昔、嘘をついたがすぐにこの三人にはばれた記憶がある。

単純とかいったが、なんか気休めになってきたな。


「なにしたか知らないけどなんか拾ったんでしょ?

 あんたも物好きだねぇ」


「まぁ、そこが波音のいいところなんだけどね」


詩乃はそうつけたして手に取ったお茶を一気に飲みほした。

使わなかった左手は再びチョコレート棒を探し求めてわさわさうごいた。

まだ食う気かこいつは。


「ははは…まぁそういうことにしておいてくださるとうれしいです」


俺も詩乃に負けじとチョコレート棒を探して口に入れる。

とにかくOKしてくれて本当によかった…

ありがとうな、詩乃。





               This story continues.

読んでくださっている方本当にありがとうございます。

テスト週間などもあり少し遅れ気味ですが

こつこつがんばっているので

どうかこれからもあきれずによろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ